道路や鉄道などのインフラ工事を得意とする、総合建設会社、奥村組。日本国内では、中堅メーカーという位置付けをされており、竹中工務店・錢高組・鴻池組・淺沼組と並ぶ、在阪ゼネコンの一社となります。
大阪のシンボルである通天閣の再建や、最低でも2年はかかるといわれていた阪神・淡路大震災で崩落した、JR神戸線六甲道駅一帯の復旧を、わずか2ヶ月で、元の姿に戻したことなどで、地元住民からは高い評価を受けています。
(これらのプロジェクトは、NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられました。)
奥村組のグループは、子会社11社、関連会社3社で構成されており、土木・建築事業のほか、不動産事業も手掛けています。
経営面においては、1907年の創業以来、一貫して堅実経営・誠実施行を信条として、無借金経営を続けています。(2016年における奥村組の自己資本比率は52.8%、有利子負債は142億円となっています。)
2020年の東京オリンピックに向けて、売上が右肩上がりであるため、人事採用を積極的に行っています。様々な職種において、中途採用の求人が発生しているので、転職のチャンスは豊富に存在します。
このページでは、奥村組の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
奥村組の中途採用求人の傾向
奥村組で募集が行われている中途採用の職種には、以下のようなものが挙げられます。
- 土木・建築・電気設備(設計・積算・施工管理)
- 土木・建築・電気設備(CIM/BIM)
- 営業
転勤がある『全国型総合職』と、転勤場所が限定されている『地域総合職』がありますが、両者には給与差があり、その差は、年次を経るごとに広がっていくので、転勤を厭わないということであれば、『全国型』を選択することを、オススメします。
(ちなみに、給与差というのは、新卒採用でも、月給ベースで2~3万円になってくるので、中途採用となると、かなり大きな額になってきます。)
応募条件については、どの職種においても、該当業務に関する実務経験が必須となり、かつ、職種によっては、一級建築士・一級施工管理技士などの資格が、必要となってきます。
基本的に、奥村組は、中途採用に関しては、即戦力となる人材を採用している会社なので、転職のハードルは高めです。
求人情報の入手方法
奥村組の公式サイト内に、中途採用希望者向けの求人情報ページが開設されており、こちらのページにおいて、募集が行われている求人の一覧・詳細について、確認することが出来ます。
http://www.okumuragumi.co.jp/recruit/career/
また、中途に関しては、奥村組は、転職会社経由でも募集をかけており、求人によっては、転職会社に、告知を一任していることもあります。
そういった求人に関しては、公式サイト内では、募集要項が掲載されておらず、見つけられないので、奥村組の求人情報を確認する時には、公式サイト、転職会社、双方をチェックするようにしてください。
なお、転職会社は、奥村組の社内事情に精通しているため、待遇や社内の労働環境などについて、詳しいことを教えてもらえますし、様々な企業の求人案件を扱っているので、他社の求人のことについても、話を聞くことが可能です。
(奥村組の求人を、他社と比較検討してみたいといった時には、まとめて必要な情報を入手出来るので、手間が省けて便利です。)
このページの最後に、奥村組の中途採用求人の取扱実績がある転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
奥村組の社員の年収・給与制度について
奥村組に勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 工事 主任 28歳 年収580万円
- エンジニア 課長 37歳 年収800万円
- 施工管理 29歳 年収650万円
- 施工管理 主任 32歳 年収650万円
- 施工管理 主任 32歳 年収750万円
- 施工管理 主任 34歳 年収900万円
- 施工管理 課長 38歳 年収1000万円
- 施工管理 課長 40歳 年収1050万円
- 意匠設計主任2級 31歳 年収750万円
- 建築設計 29歳 年収550万円
- 建築設計 課長 52歳 年収1000万円
- 土木部 係長 36歳 年収590万円
- 人事 40歳 年収530万円
- 人事 40歳 年収640万円
- 経理 24歳 年収340万円
- 総務 26歳 年収360万円
- 総務 28歳 年収460万円
- 営業管理 23歳 年収300万円
奥村組の年収は、同規模の建設会社と比較すると、高いほうとなり、平均年収は850万円程度、ここ最近は、東京オリンピックによる需要増加の後押しもあって、毎年、順調に伸びています。(デフレで、給与が上がらないという話は、奥村組には当てはまりません。)
基本給の昇給は、年1回、4月に行われ、社内職制資格・入社年度をベースに昇給額が決まるようになっています。(おおよそ、4年に一度のスパンで、職制資格が一段階上がることになり、このタイミングで、大幅に給与が上がります。)
賞与は年2回(夏・冬)、基本給の 2~4.5ヶ月分ほどが、支給されていますが、前年の業績によっても変わるため、年によっては、前年比5倍といった数字に、なることもあります。(もちろん、その逆もあり、変動幅は大きなものとなります。)
残業代については、全額支給が基本となりますが、管理職になると、管理職手当が付く代わりに、残業代は出なくなります。
ここでの注意点として、残業が多い部署だと、管理職手当が残業代を下回ることになるため、実質的に、収入が下がることになります。
特に現場勤務だと、長時間労働となるため、管理職に昇格した年の年収が、前年比で100万円以上も下がるといったようなケースも見られます。
福利厚生については、扶養手当、別居手当のほか、独身寮や社宅が用意されているなど、住居関連のものが手厚くなっており、この部分の費用は、大幅に節約することが出来ます。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用で入社する場合、前職までの経歴・実績などをもとに、給与額が決まってきますが、この金額は交渉次第で変わってくるので、会社側から提示された金額に満足出来ない時には、納得がいくまで話し合うようにしてください。
転職時というのは、自分の希望を最も伝えやすいタイミングでもあるため、安易に妥協してしまうのは、もったいないです。(入社後、同年代の同僚との給与差が大きいことに気がついて、後々まで後悔することになったという事例もあります。)
もし、こういった条件交渉を行うのは苦手ということであれば、前述した転職会社に、交渉を代行してもらうことをオススメします。
彼らは転職のプロであり、この手の交渉を得意としているので、双方にシコリを残さない形で、うまく要望を伝えてくれます。
100%希望通りというのは、さすがに難しいのですが、少なくとも何らかの上積みを勝ち取ってもらえる可能性は十分にあるので、交渉ベタな人が、下手に自分でやろうとするよりも、最初から任せてしまったほうが賢明です。
奥村組の評価制度について
奥村組の評価制度としては、期初に目標設定を行った後、半期ごとに、その目標に対する自己評価を提出、その内容をもとに、上司が人事考課を行うという流れとなります。
表向きは絶対評価となっていますが、現実は相対評価の年功序列型となっているため、ここで行われる評価自体が、給与やキャリアに影響を及ぼすことは、それほどありません。
そういった意味では、やり甲斐に欠ける部分がありますが、その分、昇給・昇進に関しては、一定のものは保証されているので、安心して長く務めることが出来る会社とも言えます。
ちなみに、昇進の際には、業務ごとに設定されている、資格を取得することが、絶対条件になっていることもあり、資格を取得することで、評価が大きく上がる傾向があります。
奥村組における成長環境について
奥村組の社内研修制度は非常に充実しており、入社時研修、年次ごとのフォローアップ研修のほか、職種別研修、階層別研修、コンプライアンス研修、安全衛生教育などが用意されており、状況に応じて、本人が必要とする知識を学ぶことが出来るようになっています。
また、資格取得に関しても、強力なバックアップ体制が敷かれており、業務に関わる資格については、受験料等を含む費用の全額助成をはじめ、社内講習会の開催や、専門学校の学費補助制度なども設けられています。
実務においては、現場を重視していることもあり、総合職の場合、入社後の1年は基本的に全員現場勤務を行い、2年目から設計部など、各部署に配属されることになります。職種がら、現場ありきの仕事となるため、この経験は、内勤職に異動した後においても、活きてくるようです。
キャリアに関しては、建築関係の部署だと、入社する段階で、設計・施工・設備に分かれることになり、ハッキリしていますが、土木関係の部署だと、ここまで明確に分かれていないため、その後のキャリアパスは見えにくい面があります。
ただし、上司に希望するキャリア像を伝えていけば、そのビジョンに合う仕事が出来るように、配慮してくれますし、必要があれば、別部署へ異動させてもらうことも可能です。
自分自身のキャリアについて、明確なビジョンを持っていれば、その方向性に合った仕事に、取り組めるのが、奥村組という会社と考えてください。
(自分から意志を示さなければ、こういったサポートは受けられないので、ビジョンの明確化というのは、本当に重要です。)
ワークライフバランスについて
奥村組は、働き方改革に力を入れており、社内全体的に、年々、就業環境が改善していますが、実情においては、工事現場と内勤において、ワークライフバランスの取りやすさに大きな開きがあります。
設計職や事務職など、内勤部門の場合、繁忙期には2週間毎日終電ということがありますし、土日出勤も発生しますが、それ以外の時期には、休日出勤はほぼなく、プライベートとの時間を確保することが出来ます。
一方、現場では、慢性的に人が少ないこともあり、なかなか休みが取れず、土日の出勤も常態化しています。(10人ぐらいが常駐する大きな現場であれば、回り持ちで休むことが出来ますが、そういった現場はまれです。)
また、施工管理の場合、全国各地へ急な転勤がありますし、山奥のトンネルやダムの工事現場に配属されると、街に出るのも一苦労します。
また、こういった辺鄙な現場の寮に滞在することになった場合には、集団生活となるため、プライベートな時間を持つことも、なかなか難しく、人によっては強いストレスを感じながら、働くことになります。
ただ、現場の工事が終わった後には、現場間休暇が取得可能となっており、まとまった休みを取得して、リラックス出来る時間を持つことが可能です。(海外旅行へいくような人も多いです。)
女性の働きやすさについて
奥村組は、男性主体の土建業ということもあり、現場で活躍する女性社員は、今現在においても、非常に少ないです。ただし、設計職においては、女性社員の割合が25%程度を占めるまでになるなど、技術系の職種においても、少しずつ女性社員が増えてきています。
元々、女性の扱い自体が悪いといったことはなく、未婚の総合職の女性だと、現場に配属されることがありますが、結婚すると、内勤に異動させてもらえますし、残業もなくなります。
加えて、奥村組は、子育て支援に力を入れており、産休・育休制度が確立されているほか、子供が小さな間は、短期時間勤務も可能となっています。
さらに、設計職だと、フレックスタイムが活用出来るなど、育児と仕事を両立させる環境が整っているため、産休後に職場復帰して活躍している女性も多いです。
出産を機に、退職を暗に迫られるようなことも一切なく、子育てをしながら働くには、良い職場と言えます。
奥村組の転職先としての価値
奥村組は、同業他社を上回る給与水準を誇りますし、土建業としては、休みがしっかり取れる職場なので、この業界において、転職するのであれば、十分にオススメ出来る会社です。(教育体制がしっかりしているのも、魅力の一つです。)
敢えて、マイナス点を挙げるとすれば、年功序列が強い会社なので、昇進・昇給は横並びとなり、そこは自分の実力で勝負したいという人にとっては、面白味がないと感じてしまうかもしれません。
ただし、これを裏返して言えば、毎日、真面目に勤務していれば、一定の昇進・昇給が確約されているので、安定性は抜群です。
このあたりは、本人の考え方次第で、捉え方が変わってくると思いますが、いずれにしても、奥村組は転職を考慮するだけの価値が十分にある会社なので、ぜひ、真剣に考えてみてください。
奥村組の中途採用求人を扱っている転職会社
下記に、奥村組の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、もっと、こういったことを知りたいということがあれば、直接、問い合わせてみてください。
また、転職会社は、様々な企業の求人情報を押さえているので、他社のことについて、教えてもらうことも出来ます。奥村組以上に、自分にピッタリ合う会社が見つかるかもしれないので、興味がある人は、ぜひ、ほかの会社のことについても、話をしてみてください。
※JACに関する補足
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