生活に密着したエアコンから、発電プラントなどの社会インフラ、LNG輸送船、豪華客船、航空機などの輸送機器、大型ロケットなどの宇宙機器に至るまで、産業活動の基盤となる様々な製品を手掛ける総合メーカー、三菱重工。
製品数は700種類以上あり、一応、会社四季報などでは、機械メーカーという位置づけが為されていますが、もはや、こういったくくりでは、表現出来ないぐらい、様々な分野において、事業を展開しているメガ企業です。
火力発電をはじめとする大型案件の受注遅れなどが原因で、2017年には、業績が予想を大幅に下回りましたが、それまでは、ここ数年、増収増益が続くなど、順調に業績を伸ばしてきました。
こういった背景から、人材採用の動きが活発化しており、中途に関しても、様々な職種において、募集がかかっています。三菱重工への転職のチャンスは豊富に存在するので、関心がある人は、このタイミングで真剣に検討することをオススメします。
このページでは、三菱重工の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、社内の労働環境についてまとめていますので、参考にしてください。
三菱重工業の中途採用求人の傾向
三菱重工業において、中途採用の募集対象となる職種は、技術系が中心に、多岐に渡りますが、そのなかでも、特に募集頻度が高いのは、下記のものとなります。
- ソフトウエア
- 開発設計
- 生産技術
- 研究開発
- 建設
- 知的財産
また、上記の職種以外でも、営業、経営企画、海外事業企画、経理財務、人事、広報といったところで、求人が出てくることがあります。
いずれの職種に関しても、該当業務に関する実務経験が必須となりますが、具体的な経験の内容(職歴・経歴)、年数については、同一職種でも、求人ごとに異なるケースが多いので、詳細については、個々に確認するようにしてください。
なお、三菱重工は、キャリア登録制度を設けています。これは、経歴を登録すると、その内容を人事担当者がチェックして、その人に適した職種・ポジションがある場合、連絡するという制度です。
簡単に言えば、三菱重工業のほうで、自分に合った求人を選んでもらうといった制度となりますが、これによって、自分では想定していなかったような、職種への転職のチャンスが、生まれることになります。
どの求人に応募すればいいのか、自分では適性を図りかねるという人にも、オススメの制度です。前職の業種・職種は問われないので、三菱重工業への転職の機会を模索している人は、ぜひ活用してみてください。
求人情報の入手方法
三菱重工業から発生している中途採用者向けの求人情報の入手方法ですが、会社の公式サイト内において、採用情報ページが設けられており、そのなかで、『キャリア採用』として、中途採用求人の一覧が表示されています。
http://www.mhi.co.jp/recruit/career/index.html
また、三菱重工業は、中途採用に関しては、転職会社経由でも、募集をかけており、転職会社に問い合わせる形でも、求人情報を入手することが可能です。
三菱重工業の公式サイト、転職会社、どちらからでも、入手出来る情報に変わりがありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を保有しているので、他社の求人のことについても、知りたいという時には、まとめて教えてもらえるので便利です。
このページの最後に、三菱重工業の中途採用求人を扱う代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
三菱重工業の社員の年収・給与制度について
三菱重工業に勤務する社員の給与水準ですが、職種別に幾つか年収事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 設計 32歳 年収700万円
- 設計 34歳 年収1000万円
- 設計 35歳 年収800万円
- 営業 27歳 年収550万円
- 営業 29歳 年収650万円
- 営業 主任 33歳 年収700万円
- 営業 主任 35歳 年収750万円
- 営業 課長 46歳 年収1200万円
- 経理財務 31歳 年収500万円
- 経理財務 主任 36歳 年収850万円
- 経理財務 係長 38歳 年収900万円
- 経理財務 課長 47歳 年収1200万円
- 技術 28歳 年収550万円
- 技術 32歳 年収660万円
- 技術 36歳 年収800万円
- 技術 係長 40歳 年収850万円
- 人事 30歳 年収600万円
- 人事 42歳 年収700万円
- 経営企画 主任 35歳 年収850万円
- 経営企画 主任 38歳 年収1000万円
- 生産技術 29歳 年収650万円
- 生産技術 グループリーダー 30歳 年収750万円
- 製造 33歳 年収650万円
- 製造課長 40歳 年収1000万円
- 調達 30歳 年収600万円
- 調達 32歳 年収780万円
- 事業企画 29歳 年収600万円
- 事業企画 30歳 年収550万円
三菱重工業の給与体系は、月給にプラスして、各種手当、年2回(6月、12月)の賞与が、支給されるといったものとなります。
月給は本給と能力給から構成されており、本給は定昇で、上げ幅が決まっていますが、能力給は、年2回実施される人事評価を元に、算出されます。
本給については、入社してから基本的に3年おきに等級が上がり、それに伴い、給与もアップするという仕組みです。昇給幅は5%程度、年収に換算すると、5~10万前後の増額ということになります。
院卒の場合、10年前後で主任になり、既定残業時間まで残業した場合、年収は1000万円に到達するというイメージです。
主席になると、年俸制になり、残業代は出なくなりますが、その後も、本給については、年功序列型で、定期的に上がることになります。
言うまでもなく、一般企業と比較すると、三菱重工業の給与水準は高いのですが、特に、30代後半からの伸びが高くなります。
それまでは、三菱重工業の給与水準を上回る企業が、存在しますが、そういった企業でも、30代後半になると、逆転することになります。
なお、福利厚生については、社会保険が完備されているほか、扶養手当、超過勤務手当、財形貯蓄制度、住宅融資制度などが用意されています。
また、社員寮、社宅、総合病院、診療所、保養所、体育館、総合グラウンドなどが、利用可能です。社宅についてはポイント制となり、最長で20年借りられます。(年配者ほど優遇されるようになっています。)
また、三菱重工業は、グローバルな会社なので、海外勤務の機会が多くなりますが、海外赴任者に対する特別手当などは、かなり手厚くなっています。
ちなみに、海外勤務が決まると、昇進も確実であり、二階級特進で昇給して、年収が大幅にアップするといったことも、珍しくありません。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職までの経歴・実績を踏まえて、給与額が設定されますが、交渉次第で数字が変わってくるので、会社側からの提示額に納得がいかない時には、そこで妥協せず、自分の希望額を伝えて、話し合うようにしてください。
三菱重工業の場合、給与水準が高い会社なので、前職を上回る額を提示してもらえるケースが珍しくないのですが、それだけに、不満が残る状態で、決めてしまうのは、モッタイナイです。(せっかくの収入アップのチャンスを逃すことになりかねません。)
こういった条件交渉が苦手ということであれば、前述した転職会社に代行してもらってください。彼らはプロなので、うまく話を進めてくれます。その結果として、条件の上積みに成功したというケースが少なくないので、ぜひ一度相談してみてください。
三菱重工業の評価制度について
三菱重工業では、年2回、人事効果が行われており、業務評価と、個人ごとに設定された目標の達成度合いを加味して、直属の上司が査定する仕組みとなっています。
ただし、先ほども触れたように、本給の昇給については、主任までは横並びとなり、あまり、人事評価の重要性は、それほど高くありませんが、賞与の支給額については、評価の内容が、大きな影響を及ぼすことになります。
なお、三菱重工業では、半期ごとに、自分自身で目標を設定して、評価シートに、書き込むことになりますが、ここで、あまりにも高い目標を設定すると、達成率が悪くなり、評価がマイナスになってしまいます。
かといって、低すぎると、今度は達成したとしても、評価があまり高くならないということになるので、ここで、どんな目標を設定するのかというのが、その後の評価に、大きく影響してきます。
適正な目標を設定するには、会社の方向性や、自分が関わっている事業の将来性など、先を見通す力が必要となってくるので、日頃から、将来を予測するスキルを磨いておくことが、この会社で、高評価を得るためには、重要です。
また、三菱重工では、近年、キャリア採用に力を入れており、『即戦力となりうる経験者』を、どんどん増やしています。それに連れて、社内の評価体制も、実力主義へと変わってきているので、今後は、ベンチャー気質を持つような人のほうが、有利になる可能性があります。
三菱重工業の教育制度・成長環境について
三菱重工業が手掛ける製品は、発電プラント、LNG輸送船、豪華客船、航空機、大型ロケットなど、スケールの大きなものばかりということもあり、三菱では、チームで、一つの仕事を進めるのが、基本です。
製品が大きくなればなるほど、関わる人間の数は増えるため、おのずと個人の裁量は、小さくなります。
そのため、必然的に、他者と協力して、物事を進めていくスキルが磨かれますし、自分の仕事の出来映えが、プロジェクト全体、及び、多くのメンバーに対して、影響を与えるので、責任感も養われることになります。
こういった環境なので、三菱重工業には、分かりやすい言葉で言えば、大きな視点から、物事を見据えることが出来る『大人』の社員が多く、この会社で働くことで、自分自身も、そういったビジネスマンに成長することが出来ます。
また、三菱重工業では、社員教育が重視されており、階層別研修、専門教育研修、グローバル研修から、e-ラーニング、自己啓発の通信教育まで、様々な教育プログラムが、用意されています。
これらのプログラムを、自分の能力・ポジションに合わせて、自由に受講出来るため、効率良く、スキルアップすることが可能です。
こうやってみると、三菱重工業は、意欲さえあれば、幾らでも自分を高めていける環境なので、成長意欲が高い人にとっては、このうえない会社と言えます。
ワークライフバランスについて
三菱重工の就労環境は、部署によって微妙に異なりますが、全体的にみて、社員が働きやすいように、整備されている会社です。
労働組合が機能していることもあり、残業時間が明確に管理されており、協定で結ばれた上限以上に、残業が発生することはありません。
なお、現時点においては、1ヶ月あたり70時間が上限となりますが、ここまでになるケースは少なく、おおむね、40~50時間前後の残業が発生しているといった状況です。
一方、有休については、取得率が47.7%と、半分ほど、消化出来ている状況です。また、有休とは別に、長期休暇(9~10連休)を、年数回、取得出来るので、休日の多さは、日本トップクラスと言えます。
部署によっては、急な出張、休日出勤が発生することがあり、そこがネックではありますが、常態化しているわけではないので、そう考えると、三菱重工業は、ワークライフバランスを重視する人にとっても、まず満足出来る会社と言えるでしょう。
女性の働きやすさについて
三菱重工は、女性社員の比率が少ない会社ですが、企業を挙げて、女性の登用に力を入れているので、働きづらいということは、ないでしょう。
仕事の割り振り、責任分担において、女性だからといって、不利な立場に置かれることはないですし、昇進の機会についても、男性と同等です。
女性社員の数自体が少ないので、管理職に就いている女性は限られていますが、それでも、少しずつ増えているので、キャリアアップを狙うことも十分に可能です。
また、三菱重工業は、東京労働局から『次世代育成認定マーク』を取得するほど、育児支援に、積極的に取り組んでいます。
出産、育児に関する休暇制度は充実しており、誰でも普通に利用することが出来ますし、同僚の子育てをフォローする風土がある会社なので、安心して、子育てと仕事の両立を目指すことが出来ます。
人事も組合も、女性活用に力を入れることを公言しており、女性のキャリアアップや、ワークライフバランスに関する研修が定期的に開催されているので、今後も、環境が改善されると考えて、間違いなしです。
三菱重工業の転職先としての価値
三菱重工業は、日本を代表する大企業だけあって、待遇面、就労環境、ともに良好なので、転職先候補として、十分にオススメ出来る会社です。
ただし、注意点としては、上記でも述べましたが、三菱重工は、個人よりも、チームワークを重視している企業なので、自分一人で、好き勝手に仕事を進めたいというタイプの人には、向いていません。多くの人と協働で、何かを進めていくことが好きというタイプの人に、合う会社です。
また、待遇が良いとは書きましたが、総合商社や外資金融などと比較すると、見劣りしますし、年功序列の要素もあるので、自分の実力で、どんどん収入を上げていくといったことには、限度があるので、成果主義を好む人には、物足りなさを感じてしまう部分も、あるでしょう。
そういった意味では、その人の考え方次第で、三菱重工業の転職先としての価値は、変わってくると言えるので、自分自身の価値観と照らしあわせながら、三菱重工への転職の判断を下すようにしてください。
三菱重工業の中途採用求人を扱っている転職会社
最後に、三菱重工の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うことがあれば、一度相談してみるのもアリです。プロの視点で、アドバイスしてくれるので、参考になるはずです。
また、転職会社は、様々な企業の求人情報を扱っているので、他社の求人を紹介してもらうのもオススメです。三菱重工以上に、魅力を感じる求人が出てきてもおかしくないので、関心があれば、ぜひ他社のことについても、話をしてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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