日本国内最大のシェア、世界においても第2位と、圧倒的な存在感を確立している、日本を代表する建設機械メーカー、小松製作所(コマツ)。
建設機械にとって最も重要なエンジン、トランスミッション、油圧機器、アクスル、コントローラー等の電子制御部品を、全て自社開発・生産するなど、日本のものづくりを代表する企業の一社とも言えるメーカーです。
コマツグループの総売上高は、1兆8029億円(2017年3月期実績)。自動車メーカーに先んじてグローバル化にいち早く手を付けた企業であり、現在は世界180か国以上の国々において、自社商品を販売しています。
堅実な経営により、財務体質の良い会社として広く知られており、投資家やエコノミストからの評価が高い企業ですが、新興国を中心に、建設機械の売り上げが、順調に伸びていることもあり、今後の見通しも良好です。
こういった背景から、小松製作所においては、新卒・中途を問わず、毎年、多数の人材を採用しており、転職を目指すには良いタイミングです。
このページでは、小松製作所の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、転職を検討する際には、ぜひ参考にしてください。
小松製作所の中途採用求人の傾向
小松製作所において、中途採用の対象となっている職種は、多岐に渡りますが、そのなかでも、特に、法務、財務、顧客サポート、海外マーケティング、海外営業、サーバー開発エンジニア、生産管理、ITC施工技術サポートといった職種において、求人が多数発生しています。
募集要件としては、どの職種に関しても、関連業務に関する実務経験が、必須となります。(具体的な経験の内容、年数については、求人ごとに異なるので、個々に確認するようにしてください。)
また、海外関連の業務に従事するようなものだと、ビジネスレベルの英語力についても、要求されることになります。
なお、学歴については、一部の技術職に関しては、専門学校・高専卒以上としているものがありますが、それらの例外を除けば、大卒以上というのが、基本です。
求人情報の入手方法
小松製作所は、公式サイト内に中途採用希望者向けの求人情報を掲載する専用ページを用意しており、こちらのページにおいて、募集内容の詳細について、確認することが出来ます。
https://home.komatsu/jp/recruit/career/
ただし、公式サイトには、実際に募集がかかっている求人の一部しか、掲載されていないこともあります。
その場合、残りの求人については、民間の転職会社経由で、告知されることになります。そのため、小松製作所の求人情報を確実に入手するためには、公式サイト、転職会社の双方をチェックするようにしてください。
小松製作所の中途採用求人を扱っている転職会社については、このページの最後に、代表的な会社をリストアップしてありますので、そちらで確認してください。
小松製作所の社員の年収・給与制度について
小松製作所に勤務する社員の給与水準ですが、職種別に、年収事例を幾つか挙げると、下記の通りとなります。
- 開発 25歳 年収500万円
- 開発 27歳 年収640万円
- 開発 28歳 年収600万円
- 開発 30歳 年収700万円
- 生産技術 24歳 年収450万円
- 生産技術 25歳 年収400万円
- 生産技術 30歳 年収640万円
- 生産技術 30歳 年収750万円
- 生産管理 26歳 年収500万円
- 生産管理 29歳 年収600万円
- 生産管理 30歳 年収550万円
- 生産管理 34歳 年収600万円
- 経理財務 32歳 年収800万円
- 人事 25歳 年収550万円
- 人事 29歳 年収600万円
- 法務 32歳 年収600万円
- SE 28歳 年収500万円
- 営業 27歳 年収600万円
- 営業 30歳 年収550万円
- 営業 34歳 年収800万円
- 営業 35歳 年収750万円
- 設計 27歳 年収500万円
- 設計 30歳 年収600万円
- 設計 32歳 年収720万円
小松製作所の給与水準は、自動車メーカーと比較すると、低くなりますが、製造業のなかでは、十分に高い部類に入ります。
入社後、30歳前後までは、横並びで緩やかに上がっていき、ほぼ全員が年収 600万円に届きますが、その後、役職がつく段階になると、一気に伸びていき、さらに管理職に昇進すれば、年収 1000万円を超えるレベルになります。
非管理職層は、職能資格制度をベースにした、給与体系となっており、能力に応じた処遇が謳われていますが、実際は年功序列の傾向が強いです。管理職になると、グレード制に切り替わり、役職に応じて、給与額が変わっていきます。
また、小松製作所では、就業形態として、全国配属コースと事業所採用コースがありますが、全国配属コースのほうが、条件面で優遇されており、年収換算で、10%ぐらいは、給与が上増しされることになります。
ベースアップ率も高く、年を追うごとに、給与差が大きくなりますが、両者で、業務内容には違いがありません。
福利厚生については、さすがに日本でもトップクラスのメーカーだけあって、かなり手厚くなっており、具体的には、家族手当(配偶者・子供)、住居手当、寮社宅、退職金制度、財形貯蓄制度、住宅融資制度などが、用意されています。
このなかでも、特筆すべきことは、借り上げ社宅制度であり、家賃の7割を会社が負担(家賃の上限10万円)してくれるので、かなり大きいです。
こういった、給与には直接的に換算されない部分の待遇が充実しているため、実質的な収入というのは、見かけの年収よりも、大きくなっており、他社と条件面を比較する時には、この点を加味するようにしてください。
小松製作所よりも、年収が高い会社でも、福利厚生を含めると、実際には待遇で負けているというケースが多いです。(社宅制度は、税金がかからないので、税金、及び、年金・社会保険の負担額といった観点からも大きいです。)
中途採用で入社する時の注意点
一般的に中途採用による入社の場合、過去の経歴や実績などをもとに、給与額が算定されますが、このときに算出される数字というのは、完全に固定したものではなく、交渉次第で変わってきます。
そのため、より良い条件で入社出来るように、面接時には、しっかりと交渉することが、非常に重要になってきます。
もちろん、先方からの提示額に満足出来る場合には、何ら問題はありませんが、もし不満を感じる金額であった場合には、納得がいくまで交渉を行うようにしてください。ここで妥協してしまうと、入社後も、不満を持ち続けることになりかねないので、注意が必要です。
転職時というのは、会社側も交渉に応じてくれるため、最も給与を上げやすいチャンスであり、この貴重な機会を逃す手はありません。
もし、こういった交渉ごとが苦手であれば、前述した転職会社に交渉の代行を依頼してください。彼らは、交渉のプロなので、双方が希望する条件や状況を把握したうえで、適切に交渉を進めてくれます。
交渉ベタな人が、無理に自分で何とかしようとするよりも、良い結果につながる確率が高いので、最初から任せてしまったほうが、確実です。
小松製作所の評価制度について
小松製作所では、MBO評価制度が導入されており、半期に一度行われる、上司との面談において、目標を設定、半年後に、その目標の達成度合いをベースに、査定が下されるという仕組みとなっています。
最終的に、C評価が全社員のうちの45%、B評価が30%、AおよびS評価が25%の割合で、評価付けされるようになっており、役職がない社員の場合、最高評価と最低評価で、年収に100万円程度の差が、つくことになります。(役職者の場合、200万円以上の差になることもあります。)
ただし、注意点としては、相対評価ということもあり、課内での評価付けの後に、さらに部内での調整が入りますが、ここで、直属の上司の発言力によって、評価が変わるという傾向がみられます。(上司の発言力が弱いと、課内全体の評価が低くなってしまうことがあるためです。)
また、上司からの査定が、最終的な人事考課に、正確に反映されるとは限らず、曖昧な状態で、評価が決まっている部署もあります。
こういった状況なので、本人の能力や実績が、そのまま正確に評価に反映されているとは、言えないという部分があるというのが、正直なところです。
小松製作所における成長環境について
小松製作所では、日本の大手企業の体質が強い面が、まだあることから、入社後に行われる一連の研修は、じっくり行われており、特に、最初の5年間は、ゆっくりしたペースで、進みます。
たとえば、入社1年目は、毎日が研修のようなもので、2年目から、ようやく担当部署において、実務に関する内容を学び始める、といった感じです。
こういった状況なので、基礎からしっかり身につけることが出来る反面、業務によっては、学生時代に学ぶようなレベルのところから始めるケースもあるため、他社の社員と比較すると、成長速度が遅くなってしまうというデメリットがあります。
一方、日常業務においては、現場主義を貫いている会社であり、現場からのフィードバックに、耳を傾ける風土があるため、自分が主役となって働いているという実感を持つことが出来ます。(特に、開発、設計といった部署だと、この傾向が強いです。)
また、業務改善に対する意識が強い会社であり、全社で、改善活動に取り組んでおり、そういった活動の内容を発表する場が多いですし、こういった場に積極的に参加することで、人事評価がアップします。
なお、小松製作所は、海外への進出度合いが高い、文字通りのグローバルメーカーですが、海外法人の社員は、現地で採用されるのが基本となっており、日本の社員が、海外において働く機会は殆どありません。
ただし、管理職になると、現場の責任者として、赴任するケースが、少しずつ増えてきます。
また、会社も、そういったことを見越して、若手社員に対して、MBAの取得をサポートするなど、海外留学の制度を設けています。(特に技術職や法務職であれば、留学の機会を積極的に作ってもらえます。)
ワークライフバランスについて
小松製作所は、完全なホワイト企業で、就労環境は、ピカイチです。年間18日の年休取得を義務付けていることもあり、有休消化率100%を達成している部署が、多々見られます。
これは、多忙な部署においても同等であり、有休の消化率が悪いと、半強制的に休みを取らされるため、業務量との関係で、休みを取るための調整に、苦労するぐらいです。
サービス残業に関しても、行き過ぎかと思うほど、徹底的に排除されていますし、一般社員だけでなく、管理職についても、過重労働を抑える取り組みが、進められています。
フレックス勤務が導入されており(コアタイムが11:00~14:45)、勤務スケジュールの自由度は高いですし、毎年、5日間の連続休暇が取得出来るリフレッシュ休暇も用意されており、ワークライフバランスを重視する人にとっても、十分に満足出来る環境です。
女性の働きやすさについて
小松製作所は、製造業ということもあり、男性が主体となっている会社ですが、時代の要請もあって、若手の女性社員が、急速に増えています。
それに伴い、優秀な若手には、性別の差なく、上級職に昇進するチャンスが与えられるように、なってきているので、今現在においては、管理職に就いている女性は、まだ限られていますが、今後は、昇進する人が多くなるでしょう。
一方、育児支援体制については、制度設計がしっかりと為されており、育休については、女性だけではなく、男性社員が取得する姿も、数多く見られます。
長期休暇に入ると、休んだ分だけ、出世のペースは遅くなりますが、そのことで、理不尽な待遇を受けるということはありません。(ペースが遅くなるだけで、昇進のチャンスは、他の社員と同様に与えられています。)
先ほども触れたように、フレックス勤務の会社なので、子供の送り迎えが楽に行えるほか、社内に保育園が設けられている事業所もあるなど、子育てとの両立は、図りやすい環境です。(本人が望めば、時短勤務を選択することも出来ます。)
そのため、産休から復帰して、長く務めている女性社員は多いので、小さな子供がいる人、結婚・出産を予定している人にも、オススメの会社です。
小松製作所の転職先としての価値
小松製作所は、待遇面がかなり良い会社ですし、それでいて、就労環境も良好なので、転職先候補として考えた時の魅力度は、非常に高いです。
敢えて、欠点を挙げるとすれば、年功序列の要素が、いまだに色濃く残っているので、実力勝負の世界を好む人にとっては、やり甲斐に欠ける部分があると思います。
また、若手を育てることに対する意識はあるのですが、じっくり育てるという方針を採っていることもあり、学びのペースは遅く、30歳ぐらいで再転職しようとしたとしても、経験の量・質、スキル・知識が、他社の社員よりも劣り、転職市場における評価が低くなるというリスクもあります。
(当然、この場合、思うように転職出来ないということになります。)
もちろん、これらのマイナス面を打ち消すほどの、長所がある会社でもあり、最終的な判断は、本人の考え方次第=転職先に何を望むのか、ということになってくるので、自分自身の価値観と照らしあわせながら、判断を下すようにしてください。
小松製作所の中途採用求人を扱っている転職会社
下記に、小松製作所の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしてありますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うところがあれば、相談してみてください。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になるはずです。
また、転職会社は、様々な企業の求人案件を保有しているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。もしかしたら、小松製作所以上に、魅力を感じる会社が見つかるかもしれないので、関心がある人は、ぜひ他社のことについても、話を聞いてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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