日本最大手の広告代理店、電通。近年では、海外の広告会社を積極的に傘下に加えることで、広告代理店グループとして、世界5位の規模にまで成長、ロンドンに海外本社『電通イージスネットワーク社』を立ち上げ、140の国や地域において、事業を展開しています。
コミュニケーション領域を中核として、広告主やメディア・コンテンツ企業をはじめとする、顧客の経営課題・事業課題の解決から、マーケティング・コミュニケーションの実施まで、その全てを事業領域としています。
電通の売上は、日本国内で1位というだけでなく、他の広告代理店を大きく引き離しており、日本の広告市場において、圧倒的なシェアを誇ります。
2017年には、社員が過労から自殺するという不幸な問題があり、その企業体質に疑いの目が向けられることもありますが、事業自体は、極めて好調であり、組織の拡大ペースも著しいです。
そういった背景から、電通では人材採用を積極的に行なっています。中途採用に関しても通年で採用活動を行なっており、転職のチャンスは豊富に存在します。
激務の会社ではありますが、転職先として見た場合、他社にはない魅力があるのも事実なので、興味がある人は、このタイミングで、真剣に検討することをオススメします。(後ほど詳しく触れますが、就労環境も、一概に悪いということではありません。)
このページでは、電通の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与体系、社内の就労環境などについてまとめていますので、参考にしてください。
電通の中途採用求人の傾向
中途に関しては、様々な職種において、募集がかかりますが、最近の傾向としては、デジタル事業領域に関連する求人の発生頻度が高くなっています。
具体的には、デジタル分野におけるマーケティング・分析、Eコマースサイト制作・運用、広告関連システム開発、アプリケーション開発、メディアプランニングに関するコンサルティングといった内容です。
いずれの業務についても、該当業務に関する実務経験を3年以上有することが、応募条件となっています。加えて、業務内容によっては、英語力が必要となる場合もあるので、詳細については、個々に確認するようにしてくさい。
なお、電通には、キャリア登録制度が用意されており、職務経歴をあらかじめ登録しておくことで、希望する職種や、自分に適した職種・ポジションの求人が発生した場合、その情報を受け取ることが出来るようになります。
今現在、希望する職種において求人が発生していない場合、もしくは、今すぐに転職することはないけど、将来の選択肢として電通に関心があるので、求人情報をウォッチしておきたいという場合には有効な手段です。
ちなみに、上記のデジタル領域以外では、営業、マーケティング、メディアプランナー、広告作成、広報、経理財務、人事、法務、経営企画、海外事業企画、社内SEなどが、中途採用の対象となる主な職種となります。
求人情報の入手方法
求人情報の入手方法ですが、電通の公式サイト内にある採用情報ページにおいて、現在、募集がかかっている求人の詳細について、確認することが出来ます。
www.dentsu.co.jp/recruit/exprec/
また、中途に関しては、転職会社経由でも募集がかけられているので、そちらに問い合わせることでも、求人情報を入手することが出来ます。
公式サイト、転職会社、どちらでも、入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人案件を扱っているので、電通だけでなく、他社の求人のことについても知りたいという時には、まとめて情報を教えてもらえるので便利です。
このページの最後に、電通の中途採用求人を扱っている代表的な転職会社をリストアップしておきますので、情報源として活用してください。
電通の社員の年収・給与制度について
電通に勤務する社員の給与水準ですが、職種別の年収事例を挙げると、以下のようになります。
- 営業 30歳 年収850万円
- 営業 32歳 年収1100万円
- 営業 35歳 年収1500万円
- 営業 42歳 年収800万円
- 営業事務 30歳 年収550万円
- 営業事務 34歳 年収500万円
- マーケティング 28歳 年収1000万円
- マーケティング 30歳 年収800万円
- 経営企画 29歳 年収600万円
- 経営企画 32歳 年収1100万円
- 財務 27歳 年収900万円
- メディアプランナー 23歳 年収450万円
- メディアプランナー 25歳 年収600万円
- メディアプランナー 28歳 年収650万円
- メディアプランナー 40歳 年収1400万円
- クリエイティブ 32歳 年収1000万円
- クリエイティブ 40歳 年収800万円
電通の給与制度は、基本給に加えて、年2回賞与が支給されるというオーソドックスなものとなっており、給与自体の水準は一般企業と比較しても、標準的、もしくは、やや高めです。他の会社と比較して、賞与と残業代の割合が大きいという特徴があります。
入社10年もすれば、年収1000万円を超えてくる人が多く、管理職ともなれば、年収2000万円を超えるケースもザラなので、そこはさすがに電通といったところです。
ボーナスは個人の実績に対する評価だけでなく、会社の業績にも連動しており、1回につき、およそ給与の4~5ヶ月分が支払われます。管理職になると、さらに、年収に占めるボーナスの割合が高くなり、実績重視の要素が強くなる給与体系となってきます。
ちなみに、電通は元々、年功序列型の会社でしたが、近年では、徐々にその色が薄くなっており、入社10年くらい経つと、同年代の社員間でも、年収ベースで、数百万円の差がつくようになっています。
今後は、ますます、その風土が強まることが確実なので、これまで以上に、実力による年収格差が開いてくると考えておいたほうがいいです。
残業代については、部署によって細かい状況が異なりますが、一般社員であれば、基本的に実働分が全額、支払われることになります。
一方、管理職になると、残業代がつかなくなるため、最近までは、残業代を合わせると、一般社員のほうが、管理職の年収を超えていたといったケースが珍しくありませんでした。
ただし、昨今は残業規制が進んでいて、残業代が少なくなっています。2017年の事件を受けて、その動きが加速しているので、これまでのように、残業することで、収入を増やすというのは、難しくなるでしょう。
福利厚生については、各種社会保険が完備されているほか、企業年金、持株会、社宅、各種契約施設などが、用意されています。
また、社内には、病院機能を持った医務室が設置されており、正社員(無期雇用)であれば、無料で薬をもらえます。インフルエンザの予防接種や歯科検査についても、年1回無料で受けられるなど、社員の健康面に、配慮した福利厚生が整備されています。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職の給与やそれまでの経歴、能力・年齢などをもとに、基本給が決められることになりますが、交渉次第で、数字が変わってくるという要素が強いので、電通からの提示額に納得がいかない時には、そこで妥協せず、しっかりと交渉するようにしてください。
中途半端に妥協してしまうと、後々まで後悔することになりかねないので、要注意です。もし、こういった条件交渉を行うことに、気が引けてしまうということであれば、前述した転職会社に交渉を代行してもらうことをオススメします。
彼らは、転職のプロなので、この手の交渉に慣れており、より良い条件で転職出来るように、うまく話を進めてくれます。結果的に、数字の上積みに成功するケースが少なくないので、一任してしまったほうが賢明です。
電通のモチベーション・評価制度について
電通の評価制度は、年功序列がベースとなっており、同一部署内での相対評価となっています。(ポジションが上がるに連れて、実績重視になってきます。)
各部署の部長が集まって評価していくという形になるため、部長の力関係によって左右されるケースもあるようですが、おおむね適正な評価であると感じている社員が多いです。
ただし、部署が変わると、仕事に対するスタンスや、仕事の内容が全く異なるため、ある部署で評価されていたとしても、他の部署では、あまり良い評価を得られないといったケースもあります。
ちなみに、電通は、成果を出している人、実力があり、周りからも評価されている人のところに、仕事が集まってくるような会社ですが、入社1年目からでも、責任のある仕事を任せてもらえるので、そこで結果を出せば、この『出来る人』の側に入ることになります。
そうなると、自分がやりたいことが何かある時には、それをアイデアとして提出すれば、そのまま実行に移す許可をもらえるので、仕事の自由度が高くなります。
また、その過程で、周りを巻き込み動いていくことが出来れば、リーダーシップもあると評価され、さらに大きな役割を担えることにもなるので、自分一人で動くのではなく、周囲の人間を引っ張っていくような気概も大切です。
(成果を上げるだけでなく、その実績を社内で、アピールすることも、重要です。)
なお、電通は日本を代表する大手広告代理店だけあって、クライアントにも大企業が多く、予算規模が大きい、幅広い仕事が出来るということで、色々な経験を積める会社なので、成長したいと考えている人にとっては、やり甲斐に満ちた環境と言えます。
電通の成長環境・キャリア開発について
電通の研修制度は、かなり充実しています。様々な教育プログラムが用意されており、そのなかから、興味があるものを選んで、受講することが出来ますし、若い人を育てていこうという社風がある会社なので、業務を遂行するなかで、仕事の進め方や課題を解決するための思考方法など、実践的なスキルについても、指導を受けられます。
また、電通には、『仕事は自ら作るもの』という風土があるので、先ほども触れたように、やる気と意志をPRすれば、何でもやらせてくれます。(大手代理店だけあって、高額な予算がつきやすいので、出来ることの幅が広いです。)
加えて、電通には仕事が出来る人材が揃っており、優秀な上司や同僚たちと、一緒に仕事を進めるなかで、常に刺激を受けることになるので、自ら積極的に学ぶ姿勢、スピード感を持って、仕事をこなしていく姿勢が、自然に身に付くことになり、これも結果として、自己成長につながります。
なお、電通では、定期的に部署異動がありますが、ある程度は、希望を聞いてもらえます。専門性を高めていける部署もあるので、今後のキャリアプランを踏まえながら、志望する部署を見極めておくといいでしょう。
ちなみに、電通には、海外研修や留学制度などもあり、社内で公募されているので、興味があれば、手を上げてみてください。
ワークライフバランスについて
電通は一人一人の業務量が非常に多く、総じて残業が多いです。最近では、会社としても労働環境の改革に力を入れ、残業時間の削減、引いては、社員のワークライフバランス改善に取り組んでいますが、それでもまだ、ほかの企業と比較すると、残業は多いほうです。
また、残業時間が減ったとしても、業務量が減るわけではないため、これまで以上に効率よく、生産性を上げて働くことが求められますし、それでも、仕事の質は、担保していかなければならないので、決して仕事が楽になるわけではありません。
(ある意味では、これまで以上にキツくなっているという一面もあります。)
ただし、電通で働いている人のなかには、仕事が面白く、生きがいにすらなっていて、自ら望んで長時間働いているという人もいるので、仕事とプライベートのバランスをどのように取っていくかは、本人次第というところもあります。
なお、仕事の進め方については、基本的に個人の裁量に任されているので、有休についても、自分の意志で調整して、取得することが認められています。
ただし、業務がら、どうしてもクライアントの都合で、緊急の仕事が入ったり、休日対応が必要になったりということが多く、休みを確保しにくいというのが実情です。
業種によっては、人脈が重要となってくるため、毎晩のように、飲み会や会食が続くということにも、なります。特に若手のうちは、この傾向が強く、ワークライフバランスなど、期待するほうが無理という状況に陥るというケースも多いです。
(飲み会の後に、会社に戻って仕事をする人も、少なくありません。)
そんななかで、夏休みや冬休みなどの長期休暇については、取得を推奨されているので、そういった機会を利用して、リフレッシュすることは可能です。
また、ある程度のキャリアになると、仕事自体が安定してくるため、有休などもしっかりと取って、プライベートを充実させているという人も多いので、最初の数年を乗り越えられるかどうかというのが、ポイントです。
女性の働きやすさについて
電通では、管理職を含めて、多数の女性が活躍しています。男女関係なく、責任のある仕事を任されますし、女性ならではの視点や意見が重視される機会、プロジェクトも多いので、やりがいや目標を持って働ける環境です。
ただし、営業などが典型的ですが、残業や出張が多く、体力勝負の世界になってくる仕事も多いので、そういった仕事に就いて、男性と同等に働くには、タフであることが、必須条件になってくると考えてください。
ちなみに、独身女性だと、まだ仕事が忙しいだけで済む話ですが、ワーキングマザーだと、家庭との兼ね合いという問題があり、正直なところ、かなり厳しい環境です。
クライアント都合での急な残業や出張が、頻繁に起こるので、配偶者や家族の協力がなければ、続けていくのは難しいです。
ただし、その一方で、優秀で、高い年収を取っている人のなかには、子供の預け先を見つけるなど、環境を整えて、バリバリ働き続けている人もいるので、当人次第とも言えます。
なお、育児支援体制については、会社として整備しており、産休・育休を取得している人が多いですし、管理部門など、比較的、仕事の量が少ない部署であれば、時短勤務などを利用して、子育てと仕事を両立させていくことも難しくないようです。
電通の転職先としての価値
ここまで、電通の就労環境について、様々な角度からお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。魅力を感じるところもあれば、嫌だなと感じる部分もあったかもしれません。
日本最大手の広告代理店だけあって、元々、この業界で働きたいと考えている人にとっては、仕事の面白さ・やりがいを感じられる、充実した職場となるはずです。(自分のやりたいことをやらせてもらえますし、大きな規模の仕事も経験出来ます。)
もちろん、待遇面についても、不満なく働けるはずですが、その一方で、仕事の量は多いですし、最近では、減少傾向にありますが、まだまだ残業も多く、部署によっては、休日出勤も日常茶飯事となります。(特に若手のうちは、その傾向が強いです。)
そのため、プライベートに重きを置いて、ワークライフバランスを重視して働きたいという人には、向かない職場です。
また、業務中は効率良く働いて、成果を出し続けることが求められるので、のんびり自分のペースで働きたいという人も同様に、電通は向かないでしょう。
このあたりは、個人の価値観次第とも言えるので、自分が求めるものを満たしている職場なのかどうか、冷静に見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
電通の中途採用求人を扱っている転職会社
下記に、電通の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、判断に迷う時には、アドバイスを求めるのもアリです。プロの視点で、客観的に意見してくれるので、参考になるはずです。
また、他社の求人を紹介してもらって、比較してみるのもオススメです。比較することで、電通の価値が、より明確になりますし、もしかしたら、電通以上に、魅力を感じる会社と出会えるかもしれません。
転職先を決める際には、転職会社は何かと頼りになる存在なので、うまく活用してください。プロの視点で、客観的に意見してくれるので、参考になるはずです。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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