日本を代表する自動車部品メーカー、デンソー。元々は、トヨタの開発部門であり、今でも、トヨタグループに属していますが、電装部品、電機機器、電子機器、エンジン用部品などを中心に、グローバル市場において、トップのシェアを誇るサプライヤーに成長しています。
2009年に、世界1位のサプライヤーになって以来、業績は順調に推移して、増収増益を維持していますが、そういった背景から、常に積極的に人材採用を行っており、中途採用に関しても、様々な求人が出ています。
海外展開に力を入れているため、海外拠点へ赴任することを、前提とした採用となる求人も多く、海外勤務に興味がある人にも、オススメです。
(デンソーは、トヨタに次いで、日本で二番目に海外勤務者が多い企業であり、総合総社よりも上です。)
このページでは、デンソーの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、社内の労働環境についてまとめていますので、参考にしてください。
デンソーの中途採用求人の傾向
デンソーにおいて、中途採用の対象となっている、主な職種は、下記の通りとなります。(このなかでも、特に営業、及び、技術系の職種において、求人の発生頻度が高くなっています。)
- 営業
- 生産技術
- 基礎研究/要素技術開発
- 回路設計
- 抑制ソフト設計
- ソフトウェア開発
- 機械機構設計
- 半導体開発
- センサー開発
- 品質保証
- 商品企画/マーケティング
- 経理財務
- 人事
- 法務
- 経営企画
- 海外事業企画
技術系の職種については、このなかで、『エンジンコントローラー 開発設計』、『EPS用半導体部品開発』など、職務内容が細かく分かれているので、自分の経験やスキルと照らし合わせながら、選択するようにしてください。
なお、いずれの職種(業務)においても、該当業務に関する実務経験が必須となり、技術系の場合、特定の資格や知識が要求されるケースもあります。また、業務ごとに、勤務地が異なるので、そこは注意してください。
求人情報の入手方法
デンソーの求人情報は、下記のページにおいて、確認することが出来ます。(中途採用の求人情報は、このページに記載されることになります。)
https://www.denso.com/jp/ja/careers/your-opportunities/
また、デンソーは、中途採用に関しては、転職エージェント経由でも、募集をかけており、求人によっては、公式サイトでは告知せず、転職エージェントに採用を一任しているものもあります。
そのため、デンソーへの転職を狙っているのであれば、公式サイトと転職エージェント、双方を必ず、チェックするようにしてください。
デンソーの中途採用求人を扱っている転職エージェントについては、このページの最後に、特に取り扱い頻度が高い会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
デンソーの社員の年収・給与制度について
デンソーに勤務する社員の給与水準ですが、職種別に幾つか、年収事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 設計 27歳 年収600万円
- 設計 29歳 年収550万円
- 設計 係長 31歳 年収850万円
- 設計 課長 40歳 年収1200万円
- 事業企画 27歳 年収550万円
- 事業企画 係長補佐 30歳 年収750万円
- 事業企画 課長 40歳 年収1300万円
- 経理 26歳 年収350万円
- 財務 30歳 年収700万円
- 経理財務 係長 38歳 年収950万円
- 営業 28歳 年収600万円
- 営業 30歳 年収600万円
- 海外営業 主任 32歳 年収670万円
- 営業 係長 38歳 年収1000万円
- 営業 課長 40歳 年収1200万円
- 開発 28歳 年収600万円
- 開発 35歳 年収800万円
- 開発 課長 41歳 年収1100万円
- 技術 31歳 年収700万円
- 技術 係長 33歳 年収750万円
- 技術 課長 40歳 年収1100万円
- 物流管理 29歳 年収600万円
- 生産技術 30歳 年収650万円
- 生産技術 35歳 年収750万円
- 生産技術 係長 37歳 年収980万円
- 生産技術 係長 50歳 年収900万円
- 製造 23歳 年収350万円
- 製造 45歳 年収850万円
デンソーの給与体系は、月給にプラスして、各種手当、年2回(7月、12月)の賞与が支給されるオーソドックスなものとなります。昇給は、年1回4月に行われます。
世界有数もサプライヤーだけあって、デンソーの給与額は、業界トップクラスであり、同業他社と比較しても、圧倒的に高い水準を示しています。
年功序列を基本としつつ、成果報酬の要素も取り込んでおり、たとえば、賞与に関しては、等級よって、支給額の幅が決まっています。(等級ごとの額面は、社内で透明になっており、ボーナス前に等級ごとの額を掲載した一覧表が、配布されます。)
昇給に関しては、ある一定の等級(係長)までは、エスカレート式に上がっていきますが、それ以降は、実績によって昇給が決まります。
手当の内容としては、家族手当、役職手当、資格手当、時間外勤務手当、通勤手当などが、支給されています。
福利厚生については、各種保険が完備されているほか、選択型福利厚生制度(デンソーカフェテリアプラン) 住宅資金貸付制度、財形貯蓄制度、持株制度などが用意されています。
また、独身寮、社宅、保養所、D-スクエア(社員クラブ)、研修センター、各種文化体育施設などが、割安で利用出来るようになっています。
(知っている人が多いかもしれませんが、デンソーは、社会人クラブ活動が盛んに行われている企業であり、文化系、体育系、双方において、様々なクラブが存在します。)
中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職までの経歴を加味して、給与額が算定されることになりますが、交渉次第で変わるという要素もあるので、デンソーからの提示額に納得がいかない時には、そこで諦めず、交渉するようにしてください。
先ほども触れたように、デンソーは給与水準が極めて高い会社なので、前職を上回る額が提示される可能性が高いのですが、それだけに、不満が残る状態で、転職を決めるのはもったいないです。(交渉することで、簡単に上がっても、おかしくありません。)
もし、こういった交渉が苦手ということであれば、前述した転職エージェントに交渉を代行してもらってください。彼らは転職のプロなので、この手の交渉経験を豊富に有しており、状況に合わせて、うまく話を進めてくれます。
交渉ベタな人が、自分で行うよりも、間違いなく良い結果に落ち着くので、苦手な人の場合、無理に自分でどうにかしようとせず、最初から任せてしまったほうが賢明です。
(条件アップの可能性がなければ、ないと言ってくれるので、無駄な交渉をしなくて済むという利点もあります。)
デンソーの評価制度について
繰り返しになりますが、デンソーは、年功序列と成果報酬の、両方の要素を組み合わせている会社であり、それは、人事評価制度にも、反映されています。
この会社で昇進するには、まず所定の勤務年数まで、勤め上げる必要があり、そこまでは、抜擢人事や異例なスピード出世などは、ありません。
職種ごとに、ある程度の違いはありますが、決まった年齢、勤務年数に到達しない限り、役職(係長・課長)には、なれません。逆に言えば、そこまでは、年数を重ねることで、順調に上がっていくということです。
その後は、実績重視となりますが、それまで蓄積された評価での話となるので、決して、実力で差がつかない段階で、サボっていても構わないということではありません。(出世競争で残っているのは、結局は若い時から、高い評価を受けていた人です。)
なお、デンソーでの具体的な評価の仕組みというのは、以前はプレゼンがメインとなっていましたが、今は、普段の仕事ぶりを、他部署の課長格以上の人間が、評価する制度になっています。
同じ部署ではないのが、ポイントです。(部下と上司の馴れ合いを防ぐとともに、より客観的な視点で、評価することを狙ってのことのようです。)
この年に一度の評価で、翌年の昇給額、賞与の支給額が決まりますが、正規分布になるように、評点ごとの人数が決められており、部内の同一等級の社員間で、調整されるようになっています。
要は、絶対評価ではなく、相対評価ということになり、そのため、同僚のパフォーマンスが、自分の評価に影響してくると考えてください。
デンソーの教育制度・成長環境について
デンソーは、『仕事を通じた成長』を、人材育成の基本としており、仕事における挑戦こそが最高の成長機会だと捉えているため、意欲がある社員には、よりレベルの高い業務を任せる社風となっています。
節目で、上司がコーチング・フィードバックを行うなど、長い目で社員の成長を後押しする仕組みとなっており、的確なフォローを受けながら、仕事にチャレンジすることが出来ます。(そのため、社員の安心感は高いです。)
また、デンソーは、法令遵守に対する社員の意識が高いうえ、少しでも良い製品を作ろうという風土が培われているため、社員一人一人が、真摯に仕事に取り組んでいます。
こういった環境のなかに身を置くことで、常に良い刺激を受けながら働けるので、必然的に、自分が成長するペースは高くなります。
改善提案など、有用な意見を出せば、積極的に取り入れてくれますし、内容に関係なく、報奨金が支給されるなど、見返りもあるため、自ら考える意識が、自然に育つことになり、これは、ビジネスマンとして、非常に大きいです。
また、デンソーは社内教育にも、力を入れており、下記のような教育体制を整えています。
- 異なる文化や慣習・価値観を持つ多様な仲間との協業を通じて、多面的な考え方や異文化対応力など、グローバル人材として不可欠な能力を習得するための『出向・海外トレーニー制度』
- 世界トップクラスの講師による、組織革新、事業ミッション、グローバル事業戦略などの講義・ディスカッションを通して、幹部としてのスキルを身につけることを目的とした、『リーダーシップ育成プログラム(GLDP・RLDP)』
- 職位・資格に応じて期待される役割を認識したうえで、その役割遂行に必要な知識・スキルを修得するための『階層別教育』
デンソーの教育体制は、非常に練り込まれており、社員が特に意識しなくても、自然に成長していけるような環境が整備されています。
ビジネスマンとして、自分を高められるような職場を探している人には、デンソーはオススメです。(デンソーなみの環境を持っている会社は、ごく僅かと言えます。)
ワークライフバランスについて
デンソーは、就労環境が良好な会社です。まず、有休の消化率が非常に高く、全員が7割以上の有休を取得しています。お互いに取得出来るように、調整する風土が出来ているので、業務に支障を来すことなく、安心して休むことが出来ます。
残業については、毎月、30時間程度は発生しているので、定時に帰宅するのは難しいのですが、1日1~2時間程度で済んでいるので、それほど悪い状況ではありません。
ちなみに、デンソーでは、20時以降の残業は禁止されていることもあり、仕事に遅れをきたさないように、効率良く業務を遂行する意識が高くなっており、そのこともあって、残業時間は減少傾向にあります。
また、デンソーでは、休日に出勤する機会がありますが、頻度としては、かなり少ないですし、どんなに遅くても、数日前には、本人に知らされるようになっているので、プライベートの用事の調整はしやすいようです。
女性の働きやすさについて
デンソーの基本的な考え方の一つに、『仕事と生活の両立』があります。そのため、家庭を持つ女性でも無理なく働き続けられるように、労働環境を整備しています。
具体的には、法定以上に休暇期間を設定した育休・産休制度、短時間勤務制度、配偶者の転勤に伴う再雇用制度などです。また、トヨタグループ5社と共同して、会社近くに託児所を設置するといったことも行っています。
日々の仕事の進め方についても、本人の意志が尊重されており、出世を目指して、男性社員と同じように、ハードに働くことも出来ますし、家族を第一に考えて、残業をしないで働くという選択も出来ます。
なお、昇給・昇進の機会は男女平等ですし、仕事の割り振りなどにおいても、女性だからといって、不利な立場に置かれることはないので、その点は安心してください。
デンソーの転職先としての価値
待遇面、就労環境、教育体制、あらゆる面において、高いレベルを誇っているので、転職先候補として、デンソーは文句なしにオススメです。
敢えて、マイナス点を挙げるとすれば、基本的に年功序列型の会社なので、外資のように、実力勝負の世界で勝負したいという人にとっては、満足出来ない部分があるかもしれません。
(ただし、30代、40代となれば、実力主義の世界となるので、こういったタイプの人でも、十分にやり甲斐を感じられると思います。)
いずれにしても、最終的には、向き・不向き=自分との相性の問題となりますし、それは、自分自身の価値観と照らしあわせて、どうなのかということなので、そのあたりを考えながら、デンソーへの転職の判断を下すようにしてください。
デンソーの中途採用求人を扱う転職エージェント
最後に、デンソーの中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うことがあれば、一度相談してみてください。プロの視点で、アドバイスしてくれるので、参考になるはずです。
また、転職エージェントは、様々な企業の求人情報を扱っているので、他社の求人を紹介してもらうのもオススメです。
もしかしたら、デンソー以上に、魅力を感じる求人が出てくるかもしれないので、関心があれば、ぜひ他社のことについても、話を聞いてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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