言わずと知れた、北海道の鉄道輸送サービス会社、JR北海道。札幌市中央区に本社を構え、旅客鉄道事業、旅客鉄道事業に附帯する事業、その他関連事業を行なっています。
1987年に国鉄分割民営化された特殊会社で、そのすべての株式は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を介して日本国政府が所有しており、グループ会社として、ジェイ・アール北海道バス、北海道ジェイ・アール商事、北海道ジェイ・アール・サービスネットなどがあります。
会社発足以来、厳しい経営環境が続いており、近年では北海道新幹線開業などのニュースも話題になりましたが、現在も経営状況は決して順調とは言えません。そのため、安全投資費用などとして、2019~2020年における財政支援計画が国土交通省より発表されています。
とはいえ、JR北海道は常に新しい人材の採用を積極的に行っており、中途に関しても定期的に採用活動を行なっています。
このページでは、JR北海道の中途採用求人の傾向、及び、勤務する社員の年収・給与水準、社内の就労環境についてまとめていますので、転職活動の際に参考にしてください。
JR北海道の中途採用求人の傾向
中途に関しては、基本的に4月、10月入社のタイミングで募集がかかっており、その約半年前から採用活動が始まります。募集される職種の区分としては、運転士、総合職、高専卒、鉄道フィールド職、となります。
(運転士については、中途・新卒問わず、新卒採用のタイミングに合わせての採用活動が行なわれています。)
総合職は、鉄道事業、開発関連事業、財務等の分野で本社や現場の計画、管理業務を行ないます。高専卒は、鉄道車両、保線、土木、電気、建築、機械設備等の鉄道技術系分野での業務となります。
また、鉄道フィールド職は、駅業務を含む、鉄道車両、保線、土木、電気、建築、機械設備等の、現場での実務や管理業務を行ないます。
どの職種においても、社会人経験を有するという応募資格のほか、ある一定基準以上の視力、聴力、そして色覚に異常のないこと、という条件が挙げられています。また、運転士については、入社時に20歳以上30歳未満という年齢制限が設けられています。
さらに、それぞれの職種において、必須ではなくても、あると優遇される実務経験や資格、知識が具体的に提示されているので、詳細については、応募要項にて確認するようにしてください。
求人情報の入手方法
求人情報の入手方法ですが、JR北海道の公式サイト内にある採用情報ページにおいて、現在、募集がかかっている求人の一覧について、確認することが出来ます。
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/saiyou/entry/chuto.html
JR北海道の社員の年収・給与制度について
JR北海道に勤務する社員の給与水準ですが、幾つか具体的な年収例を挙げると、以下のようになります。
- 営業 29歳 年収400万円
- 営業 31歳 年収370万円
- 乗務員 23歳 年収300万円
- 乗務員 26歳 年収360万円
- 技術 22歳 年収360万円
- 技術 27歳 年収400万円
- 保線 20代前半 年収300万円
- 保線 30歳 年収400万円
- 運輸 30歳 年収500万円
- 工務 32歳 年収400万円
- 施設管理 32歳 年収550万円
- 物流 26歳 年収400万円
- 物流 29歳 年収430万円
- 物流 44歳 年収600万円
JR北海道の給与制度の給与制度は、基本給に加えて、年2回賞与が支給されるというオーソドックスな給与体系となっており、給与水準は、北海道の他企業と比較すると平均的といえますが、日本全体での一般的な企業と比べると、やや低めです。
JR北海道は、等級制となっており、基本的には年功序列です。一定の役職以上になるためには、昇進試験を受ける必要がありますが、ある程度までは勤続年数に応じてほぼ自動的に給与も上がっていくので、かなり安定しているといえます。
逆に言うと、いくら仕事ができたとからといって、年次を超えて大きく昇給するといったこともないので、バリバリ働いて若いうちからキャリアを積みたいと考える人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
ちなみに、残業代は働いた分だけすべて支払われますし、扶養手当や都市手当、寒冷地手当、技能手当といった手当も充実しているので、基本給がそれほど多くない分、各種手当である程度カバーしている形となります。
さらに、その他の福利厚生として、独身寮・社宅が、北海道各地のJR沿線近くに用意されていますし、賃貸住宅家賃補助、住宅購入した場合の住宅補助などもあります。また、JR普通乗車料金が全額無料、特急券が半額となるメリットなどもあるので、福利厚生は手厚いほうだと言えます。
JR北海道のモチベーション・評価制度について
JR北海道の評価制度は、年功序列となっているため、明確な基準が示されていないと感じている人が多いです。例えば営業であっても、ノルマや明確な評価指標がなく、評価担当者に一任されているケースもあります。
職場にもよりますが、年に一度は管理者と面談があり、希望を言える機会は設けられてはいますが、評価の具体的なフィードバックなどはほとんどありません。そのため、自分がどこでどれだけ期待されているのかといったことが、分かりにくい状況です。
それでも仕事で評価されれば、昇級試験を1年早く受けられるようになったり、賞与が多少上がったりというメリットはありますが、真面目に仕事をしていれば、基本的には毎年昇給していくので、それほど評価に重要性を感じる必要がない環境ともいえます。
JR北海道の成長・キャリア開発について
JR北海道の教育制度はしっかりとしており、自社研修所において、階層別研修や、職能別研修、キャリアアップ研修など、様々な研修が行なわれています。
また、JR北海道では自己啓発支援に力を入れており、社内通信教教育の他、社外通信教育団体の実施する講座を受講できる制度なども用意されています。社外通信教育については、受講修了者に対して、受講料の一部を会社が支援するものです。
その他、社員が大学入学を希望する場合には、授業料や教材費などを会社が支援するといった制度も設けられており、JR北海道で働きながら、4年生大学通信教育を受けることが可能です。
実務面においては、JR北海道では様々な職種があり、希望すれば必ず通るわけではないですが、人事異動なども定期的に行なわれるため、様々な専門的な知識やスキルを身に付けることが可能です。
とはいえ、身に付く知識やスキルは、鉄道という限られた分野の中での専門性であるため、もし今後さらにキャリアアップを考えた際に、ここで得られた経験が他業種で活かせるかというと、難しいところだといえます。
ワークライフバランスについて
JR北海道の就労環境は、部署や職種によっても異なりますが、おおむね良好といえます。特に現場勤務においては、残業もほとんどなく、休日の調整もしっかりとされているので、プライベートの時間をしっかりと確保することができます。
ただし、当たり前ですが、土日もJRは稼働しているので、土日に休日が取れる確率は低いです。また、シフト制で夜勤などもあるので、どうしても変則的なスケジュールで働くことになるため、そういった勤務形態で働くことが嫌な人には、向きません。
一方で、計画部門では、基本的には日勤で土日休みとなっていますが、部署によっては残業も多く、土日出勤となることもあります。忙しい部署においては、どちらかというと仕事に偏ったワークライフバランスになっていると感じている人が多いです。
とはいえ、いずれの部署においても、有休休暇は非常に取りやすく、希望の日程で取ることができるため、スケジュール調整はしやすい職場といえます。
ただし、年末年始やお盆、G.W.といったいわゆる長期連休の期間は、仕事柄どうしても休みが取りづらい状況ですし、豪雨や災害時には深夜であっても対応が必要となる会社なので、その辺は頭に入れておいたほうがいいです。
女性の働きやすさについて
JR北海道は、近年では女性の採用にも力を入れているものの、まだまだ女性社員の比率は低く、トイレや休憩所などの環境面が整っていないところも少なくないため、女性が配属される部署が必然的に限られてしまうのが現状です。
もちろん、会社としてもそういった現状を解決すべく、女性が働ける環境を増やしているので、今後は今よりもっと女性の活躍の場は増えていくはずです。
女性社員が少ない分、他の女性が多い職場などと比べると、女性は働きにくいのではないかというイメージもあるかもしれませんが、逆に女性特有の人間関係などに気を使う必要がないため、そういったことが苦手な人にとっては働きやすい職場といえます。
また、産休・育休は問題なく取得でき、実際に取得する人も増えてきています。ただし、職種にもよりますが、泊まり勤務がある職種の場合、復帰後、特に子供が小さいうちは、配偶者や両親など、周囲の人の協力が得られる環境でなければ、仕事を続けていくのは難しいかもしれません。
JR北海道の転職先としての価値
ここまで、JR北海道の就労環境について、様々な角度からお伝えしてきましたが、印象としてはいかがだったでしょうか。
JR北海道は、給与水準は高いほうではありませんが、様々な手当も充実しており、完全に年功序列でほぼ自動的に給与も上がっていくため、安定志向の人にオススメの会社です。
また、JRという特殊性から他の企業との競争がないため、社内もガツガツとした雰囲気ではありませんし、実力主義の会社のように、個人の成長を強く求められる環境で働きたくないと考える人に向いている職場といえます。
ただし、仕事がら、一部の職種を除いては土日祝休みの勤務形態ではありませんし、夜勤や泊まり勤務などの変則的なスケジュールでの勤務となるので、そこが大丈夫かどうかといったところになります。
特に女性の場合は、結婚・出産後にこのような変則的な勤務形態で仕事を続けていくのは難しくなる可能性も高いので、ライフプランも視野に入れて考えてみることをオススメします。
最終的には、こういった要素を総合的に考えて、転職の判断を下す必要がありますが、自分一人で判断するのが難しいということであれば、前述した転職エージェントに相談するのがベストです。プロの視点で、客観的にアドバイスしてくれるので、参考になります。
JR北海道の中途採用求人を扱っている転職エージェント
下記に、JR北海道の中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、判断材料となる情報がもっと欲しいということであれば、ぜひ直接コンタクトして、話を聞いてみてください。
自分に合う会社かどうか、判断がつかない時には、相談することも出来ますし、他社の求人を紹介してもらって、比較検討してみるといったことも出来ます。転職先候補を決める際には、転職エージェントは、色々と頼りになるので、うまく活用してください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。