医療現場において外国人患者と適切にコミュニケーションが取れるようにということを念頭においた場合、看護師として学ぶべき英語というのは、二つの要素に分かれます。
一つは一般英会話、もう一つは医療英語の専門知識です。
全ての土台は普通の英語
まずは、医療ということを抜きにして、普通に相手と英語で会話が出来るようになることが必須です。そのためには、文法、発音、リスニング、スピーキングといった要素をまんべんなく鍛える必要があります。
個人的にオススメする勉強法は次の通りです。
1:中学レベルの文法を勉強する
文法なんて必要ないという意見もありますが、英文法の知識抜きに英語が話せるようにはなりません。だたし、大学受験などで出てくるような難解な知識は不要です。基本的に中学卒業レベルの文法知識があれば十分です。
そのため、中学生、高校生向けの入門書で勉強すればOKです。オススメの参考書は総合英語Forestです。この本の内容が理解出来れば、文法は大丈夫かなと思います。カラフルなイラストや図がいっぱいで、とっつきやすいです。
2:発音の知識を勉強する
文法と併せて勉強すべきなのが発音です。英語と日本語の発音方法は全く別物なので、日本語を話すように発音しても、外国人には通用しません。また、英語には日本語にない発音があるため、そこを知識として理解していないと、聴き取ることも出来ません。
当サイトの管理人は、昔、参考書のCDであれば完璧に聴き取れるけど、ネイティブの会話には全くついていけないという典型的な日本人だったのですが、発音の知識を身につけるだけで、ネイティブの英語も普通に聴き取れるようになりました。
また、その後は自分の英語をネイティブに聴き返されるようなことも無くなりました。
リスニング・スピーキングにおいて、発音の知識は非常に役立つので、必ず勉強しておいてください。私が発音を勉強したのは20年近く前で、なかなか良い参考書がなかったのですが、今は親切な本がいっぱい出ています。『英語の発音がよくなる本』、『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』などはいいかなと思います。
また、『ハイディの法則77』は、なぜ発音を勉強する必要があるのかということを痛感させられるので、違った意味でオススメです。
3:語彙を覚えながら、リスニングスキルを鍛える
文法と発音を押さえたら、土台となる基礎知識の習得は完了です。あとは、どれだけ語彙力(知識)を増やせるか、どれだけ耳を英語に慣れさせるかです。
これは同時に実行することが可能です。英語のフレーズ集を利用して、一つずつ会話文を覚えていく。そのなかでボキャブラリーを増やしていきつつ、付属のCDを聴いてリスニングのトレーニングも行う。これがベストです。本屋で色々な本をみて自分に合ったものを購入してみてください。
個人的に、これまで使って良かった本をあげるとすれば、『Duo』、『必ずものになる 話すための英文法』あたりです。医療英語をまとめたフレーズ集を使ってもOKです。
勉強法についてポイントをあげるとすれば、リスニングの時には必ず、聴いたことを紙に書くようにしてください。これはディクテーションと呼ばれる勉強法ですが、学習効果が絶大です。
4:スピーキングについて
ここまでの勉強法を実践すれば、スピーキングについては、けっこう自然に出来るようになります。強いていえば、実際に口にする経験を積むこと=場数を増やすことなので、英会話サークルや格安で受講出来る街中の英会話教室などに参加してみてください。
高いお金を払って、英会話スクールに通う必要はありません。ただし、注意点としては、基礎力がない人がこういった場に参加しても役に立ちません。
思うようにいかずストレスが溜まるだけです。出来ればTOEICで500ぐらいのスコアを取得するまでには、ひたすら勉強、これぐらいの実力がついたら実践の場を持つというふうにするとスムーズでしょう。
医療英語について
こうやって基礎力を身につけたうえで、医療の現場で使う専門用語を覚えることになります。今は医療英語の専門書がたくさん出ていますので、こういった本を利用して語彙力を増やしていきましょう。
ある程度、力がついたら、英字新聞や雑誌の医療関係の記事を読むこともオススメです。
まずは基礎英会話
繰り返しになりますが、医療英語といっても、基本は一般的な英語になります。ここに専門性を上積みしていくだけなので、何よりも基礎を固めることが先決です。
ですから、あまり看護師・医療ということに囚われず、普通に英語を学ぶことを心がけてください。ここが出発点です。