FP&AはCFO(最高財務責任者)、ビジネスマネジャー、ファイナンスコントローラーなどのポジションも狙える職種であり、財務・経理といったジャンルでキャリアアップを目指している人達に人気がありますが、現実的には極めてハードルが高い職種です。
FP&Aを採用する企業は、今現在、グローバル企業でFP&Aとして活躍している人間でなければ、相手にしません。スキル的には、企業の経営目標を理解したうえで、業務管理・財務分析を的確に行い、経営戦略に関する提言を出来る人材であることが求められます。
一般的な管理会計から、もう一歩経営に踏み込んだ仕事をして欲しいというのが、企業側の期待値です。そのため、財務に関する専門知識だけではなく、大局的にビジネスの全容を把握出来る能力、解決策を立案、実行する能力が必須となります。
未経験者がFP&A転職に成功するためのコツ
このように非常に高いスキルが求められため、FP&Aは未経験者にとっては狭き門となっていますが、そのハードルを乗り越えて転職に成功するには、どうすればいいのでしょうか?
現実的に可能性があるやりかたは4つです。
MBAを取得する
MBAで会計、財務、経営、マーケティング、組織論をしっかりと学べば、卒業時にFP&Aポジションで採用される可能性がぐっと上がります。
必ずしも海外のビジネススクールに留学する必要はなく、国内MBAでも大丈夫です。通信講座やインターネットのeラーニングであれば、仕事をしながらMBAを取得することも可能です。
ただし、単純に学位を取ればいいというわけではありません。原価計算、管理会計、財務会計、ファイナンス等を深く理解し、ビジネスの現場で使えるレベルになることが絶対条件です。そうでなければ、即戦力と認められることはありません。
また、冒頭にも触れましたが、財務会計のみならず、ビジネス、経営全般を把握する能力も必須です。その点、ケーススタディーやディスカッションが多く取り入れられたMBAプログラムであれば、学んだスキルを使ってみることができるので、より効果的といえます。
FP&Aの視点を持って、営業の仕事に取り組んでみる
FP&Aというのは、一つ一つの仕事について財務的視点から現状把握と分析を行い、経営的に適切な判断を下すのが役割となる仕事です。
逆に言えば、財務的視点を持ちながら、毎日の業務をこなしていけば、それはFP&Aと同じ経験を積んでいることになります。
たとえば、営業やマーケティングであれば、広告やプロモーションの経費と成果を対比して、コストパフォーマンスを判断するといったことです。こういったことを継続的に実行していけば、貴重な経験となります。
『1円でも多く、収益をあげるにはどうすればいい?』
この視点を持ちながら働くことがFP&Aへのキャリアアップにつながります。
分析、企画、管理が出来る部署への異動を申請する
具体的には、事業企画、経営管理といった部署になりますが、こういった部署に異動出来れば、FP&Aにつながる業務経験を積むことが出来ます。
経理部門で経験を積む
経理部で経理経験を積みながら、独自に簿記や会計、税務を学んだり、CPAの資格を取得したりして、AccountingとFinanceの知識を深めるというのも有効な方法です。
以上となりますが、いずれにしても経営者目線を持つというのがポイントです。これは、どんな仕事であったとしても、今すぐ取り入れられることなので、本気でFP&Aを目指す人は、是非実行してください。
詳細については、転職エージェントに相談してください
ここまで書いてきたことは、管理人が知人の転職エージェントや妻(投資銀行で働いています)から聞いてきたことをもとにまとめていますが、あくまでも人が聞いたことです。おおむね、実情を正確にお伝え出来ていると思いますが、細かい部分については、違っていることもあると思います。
また、こういった転職事情というのは、変化が激しいので、今現在において、ここまでの話が、そのまま通用とするは限らないですし、もっといえば、人によっても違ってくるはずです。(これまでの経歴・職歴次第で、目的を達成するための方法論というのは変わってきます。目指すゴールが一緒だったとしてもです。)
そのため、本気でFP&Aを目指すのであれば、あなた自身に合った最適なキャリアルートを考えなければいけません。これは、一個人が自分一人で実行するのは難しいので、転職エージェントの力を借りるようにしてください。
彼らは転職のプロなので、的確なアドバイスをしてくれます。特に、JACリクルートメント、ビズリーチ、リクルートエージェント、クライス&カンパニー、コトラ、アンテロープといったエージェントであれば、金融業界に精通しているので、相談先としてオススメです。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。
自分一人で考えるよりも、確実に将来の可能性が見えてくるので、是非一度相談してみてください。
FP&Aの求人例
具体的に、どんな求人があるのか、幾つ過去の例をピックアップしてみます。
FP&A Analyst
<ITベンチャー企業での財務分析>
勤務地 | 東京都 |
年収 | 700万円 |
勤務時間 |
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語学力 | TOEIC800~ |
応募条件 | FP&A職経験者 |
その他備考 | 最大700万円の業績給有り |
FP&A Staff Level
<アパレルメーカーの財務評価、財務予測>
勤務地 | 東京 |
年収 | 700~900万円 |
勤務時間 |
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語学力 | ネイティブ並 |
応募条件 | コミュニケーションに長けていること |
その他備考 | 財務分析の業務経験があれば、FP&A未経験者でも応募可能、MBA所有者であれば尚可 |
FP&A Manager
<スポーツブランド企業の財務分析、財務レポート作成、人事評価>
勤務地 | 東京 |
年収 | 700~900万円 |
勤務時間 |
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語学力 | ネイティブレベルの日本語、英語 |
応募条件 | 財務職の実務経験5年以上 |
その他備考 |
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Financial Analyst
<世界的農薬製造メーカーでの財務分析>
勤務地 | 東京 |
年収 | 800~1000万円 |
勤務時間 |
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語学力 | ネイティブレベルの日本語、英語 |
応募条件 | FP&A経験3年以上、財務会計職経験5年以上 |
その他備考 | 様々な文化背景の人間がいるなかで、リーダーシップを取って働ける人材であることが望ましい |
FP&A
<エンターテイメント企業の財務分析、経営予測、経営計画立案サポート>
勤務地 | 東京 |
年収 | 600万円 |
勤務時間 |
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語学力 | ビジネス英語 |
応募条件 | 小売業での職務経験 |
その他備考 |
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