国際協力師

先日、ネットサーフィンをしていたら、国際協力師という言葉をみつけました。宇宙船地球号というNPO法人の事務局長をされている山本敏晴さんという方が提唱している概念なのだそうです。

 

国際協力師

 

国際協力という仕事のプロを指す言葉です。山本さんのブログに詳細が書かれていますが、国際協力という仕事に就くためにどんなことをすればいいのかといったこともかなり丁寧にまとめられているので、参考になると思います。
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/52357466.html

 

管理人も学生時代、国際協力という分野で働くことを目指していたので、山本さんのブログを読んでいて、昔のことを思い出しました。

 

それで、私はアメリカの大学院に留学までしたのに、結局は国際協力という仕事は選ばず、現在は全く関係のない仕事をしています。いわば国際協力師になりそこなった人間なのですが、山本さんの記事のなかで、とても共感することがありました。

 

それは『国際関係学や国際開発学を専攻しても意味がない』という部分です。実は私は国際関係学専攻で、そのなかで開発学も勉強していました。

 

これらの学問は山本さんが指摘されているように、色々なことを広く浅く勉強する学問なので、薄っぺらい知識しか身につかず、現場では役立ちません。

 

国際協力という言葉がいけないのかもしれませんが、正確には国際協力という職種はありません。その内情をみれば、医療・農業・工業・教育、何でもいいのですが、結局は日本国内でやっている仕事と一緒です。

 

それを、たまたま途上国の支援という形で行えば、それが国際協力という仕事になるわけです。たとえば、日本のお医者さんが、NGOに参加してアフリカで治療にあたるとなったら、その人は立派な国際協力師です。

 

国際協力師になるための何かがあるというよりは、何かの分野を極めて、そのスキルを途上国のために活かすというほうが実情だと思います。

 

ですから、本気で国際協力という分野で働きたいのであれば、どんな形で貢献したいのかを考えて、そのために必要な知識・スキルを学んで身につけるという発想をしたほうがいいです。

 

仮にインフラ整備に協力したいとなったら、建築学や行政学、都市計画学といったものが学ぶ対象になるかもしれません。

 

もしくは、専門的な学問を勉強せずに、単純に現場の技術者としての腕を磨くという方向性もアリです。

 

一流の社会人になるのが早道

 

要は、一人の社会人として仕事で世の中に貢献出来るだけの能力を身につければいいということです。

 

日本国内で戦力とならないような人が海外にいっても役立たないでしょう。国際協力というのは決して気持ちだけでは出来るような甘い世界ではありません。

 

そもそも本気で貢献したいのであれば、貢献出来る人間になるために自分を磨くという発想が自然に出てくるので、気持ちだけで何とかなるといった考えは持たないと思いますが・・・

 

国際機関で働くには、欧米の大学院で修士号を取得することが絶対条件と言われています。たしかに、これは一つのルートではあるのですが、それ以外の選択肢もあります。

 

そのなかで、実は有力なルートとなるのが、民間企業で働くということです。企業から戦力とみなされるような人間になれば、先は開けます。

 

下手に留学をしたりするよりも、よっぽど効果的です。

 

今は実力さえあれば、転職も容易です。たとえば、最初は海外取引のある小さなメーカーに勤めて、外国人相手のビジネス経験を積む。そこからより大きなメーカーに転職してさらに経験を積んで、そこからODAに関わっている商社に転職する。

 

これは適当な例ですが、こんなことも出来るわけです。こうやって自分の実力を高めていけば、ドンピシャの仕事につくチャンスも出てくるかもしれません。

 

決して大学院にいかなければダメというわけではないので、このあたりは発想を広げて考えてみてください。