医療機器メーカーや製薬会社、CRO会社などを中心に、英語が出来る薬剤師に対する需要というのが年々高くなってきており、福岡県内においても、複数の求人が常時発生しています。(ビジネスレベルの英語力を求められるケースが一般的です。)
海外企業との共同開発が増えてきていること、海外市場への進出を図るため、各国規制当局への対応が必須となってきていることなどが、その背景にあります。また、福岡には外資系メーカーやCRO企業も存在しますが、こういった会社だと、英語が準社内公用語になっているといった事情もあります。
いずれにしても、このように民間企業であれば、転職先が見つかる可能性は、かなり高いです。なお、英語が出来る薬剤師というのは、まだまだ少ないので、人材確保に苦労している企業が多く、応募条件のハードルが低い求人も存在します。
特に、CRAだと、薬剤師の資格を保有している、英語が出来るという二点をクリアすれば、治験モニター経験はゼロでも、採用されることが多く、初任給についても優遇されるケースが少なくありません。(2~3年程度の実務経験を持つ人よりも、高給与が設定されることもあります。)
転職を目指すには、良い環境なので、ぜひチャレンジしてみてください。ただし、求人を探す時には注意が必要です。転職サイトなどを活用して探すことになると思いますが、英語が出来る薬剤師を募集する求人というのは、レア案件なので、転職会社でも扱っていないところが多いです。
そのため、利用する転職会社を間違うと、幾ら問い合わせても、求人が見つからないという結果に陥ってしまうので、要注意です。下記の薬剤師専門転職会社であれば、取り扱い実績があり、紹介してもらえる可能性が高いので、問い合わせ先としてオススメです。
また、下記の転職会社に相談するのもアリです。
この3社は、様々な業種・職種の求人を扱う総合エージェントであり、本来であれば、薬剤師が仕事を探す時に利用する転職会社としては不適切です。
ただし、これらの会社は日系のグローバル企業、外資系企業の求人の取り扱いを得意としており、薬剤師の有資格者を募集する製薬会社や医療機器メーカーからの求人を多数保有しています。そのなかには、福岡勤務の求人も含まれているので、有益な情報源となります。
ただし、CRO企業の求人については、基本的には守備範囲外なので、扱っているかどうかは微妙です。こういった求人を探すのであれば、ファルマスタッフやリクナビ薬剤師、ジョブデポ看護師のほうが確実です。
※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。
そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。
なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。
特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)
調剤薬局、病院勤務の求人を見つけるのは難しい
ここまで読み進めてきて、『企業からの求人があるのは分かったけど、調剤薬局や病院勤務の求人はないの?』と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、福岡の場合、こういった求人が出てくる可能性は、かなり低いです。
東京であれば、調剤薬剤師の求人でも、英語力が応募条件に含まれている求人が増えてきていますが、福岡だと難しいです。過去の実績としてゼロというわけではないのですが、かなり珍しいので、よほどタイミングが合わないと、見つからないと考えてください。
もちろん、転職会社に問い合わせてみるのはアリです。上記でリストアップしたファルマスタッフ、リクナビ薬剤師、ジョブデポ看護師の3社であれば扱っている可能性があるので、ダメ元で相談してみてください。
過去に発生した代表的な求人事例
参考までに、これまでに福岡県内において発生した、英語力が要求される薬剤師の求人例を幾つか、ご紹介します。現在においても、こういった求人が出てくることが多いので、転職活動の参考にしてください。
事例1:医療機器メーカー品質管理担当
- 医薬品GMP、医療機器QMSに関連した品質試験業務、及び、品質管理業務
- 経験者は管理薬剤師として、品質保証体制構築・対外折衝等の業務を担当
- 必要に応じて、海外納入業者への査察、各国規制当局からの査察対応業務を担当
- 年収450~610万円(経験・実績による)
事例2:外資系大手CRO
- CRAとして、臨床試験の実施に関わる施設側との調整・交渉、症例収集等を担当
- ビジネスレベルの英語力が必須
- CRA経験が豊富な場合、英語が出来なくても応募可(入社後、英語を学ぶことが前提)
- 年収450~750万円
事例3:医薬品製造メーカー 薬事担当
- 医薬品製造工程における、薬務課との薬事関係業務全般を担当
- ビジネスレベルの英語力が必須
- 貿易実務経験者歓迎
- 年収400~600万円
事例4:外資系CRO プロジェクトマネージャー
- モニターのマネジメント業務(GCP、SOP内容確認、トラブル解決、臨床試験進捗管理等)
- 関係各位との調整業務、症例報告書・モニタリング報告書のQC業務も担当
- フレックス勤務・自宅勤務併用可
- 年収500~800万円
- CRA未経験者でも、マネジメント経験があれば応募可(マネージャー候補として採用)