化成品、機能性樹脂、発泡樹脂、食品、ライフサイエンス、エレクトロニクス、合成繊維、医療機器など、様々な事業を幅広く展開するメーカー、カネカ。どの事業においても、ライバルが少ない、ニッチな分野に注力していることもあり、売上・利益が安定しているメーカーです。
元々、化成品の製造・販売事業が主軸となっていた会社なので、化学メーカーという位置づけがされていますが、売上比率で見ると、今現在においては、ライフサイエンス事業が主軸となっています。ただし、全売上の20%程度なので、典型的な多角企業と言えるメーカーです。
今後も、既存事業のフィールドを広げつつ、新規事業の立ち上げ、海外展開を進めるといった多角戦略を掲げており、そういった背景から、経歴が様々な人材を幅広く確保することを目指しており、新卒・中途を問わず、人材採用を、積極的に進めています。
このページでは、株式会社カネカの中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
株式会社カネカにおける中途採用の求人傾向
カネカは、事業範囲が広いだけに、募集をかけている職種も多岐に渡りますが、特に、生産管理、品質管理、設備保全、製造技術開発、創薬研究、薬事等、研究開発部門、製造部門関連の求人が多くなっています。
また、情報通信技術を用いた生産技術革新・業務革新に積極的に取り組んでいることもあり、IoT /AI関連技術者に対する募集を強化しています。
いずれの職種に関しても、該当業務に関する実務経験が必須となります。経験年数などは、特に明記されていませんが、中途に関しては、経験豊富な人材を採用するという方針を取っているので、それなりの経歴が求められると考えてください。
なお、上記の職種以外では、営業、マーケティング、経営企画、経理財務、人事、法務といったところで、求人が出てくることがありますが、発生頻度は少ないので、これらの職種での転職のチャンスというのは、カネカでは、限られていると考えてください。
求人情報の入手方法
カネカは、中途採用に関しては、転職会社経由で募集をかけており、転職会社に問い合わせることで、求人情報を入手することが可能です。
また、カネカの公式サイト内において、採用情報ページが開設されているので、そちらからも、求人情報を入手することが出来ますが、実際に掲載されている求人は、全体の一部のみであるケースが多いです。
http://www.kaneka.co.jp/employment-information/
公式サイトを見ても、求人が出ていないけど、転職会社に問い合わせたら、求人を紹介してもらえたということが、たびたび起こっているので、カネカの求人情報をチェックする際には、転職会社に確認することをオススメします。
このページの最後に、カネカの中途採用求人を扱っている転職会社リストアップしておきますので、参考にしてください。
カネカの年収・給与制度について
カネカに勤務する社員の年収ですが、幾つか具体的な事例を挙げると、以下のようになります。(職種別に羅列しておきます。)。
- 営業 30歳 年収500万円
- 営業 30歳 年収530万円
- 営業 30歳 年収570万円
- 営業 38歳 年収516万円
- 営業事務 26歳 年収472万円
- 営業事務 28歳 年収638万円
- 海外営業 50歳 年収1128万円
- 経理財務 28歳 年収450万円
- 経理財務 主任 33歳 年収600万円
- 経営企画 37歳 年収850万円
- 研究開発 30歳 年収450万円
- 研究開発 31歳 年収550万円
- 研究開発 32歳 年収764万円
- 研究開発 42歳 年収760万円
- 一般事務 27歳 年収450万円
- プロジェクトマネージャー 44歳 年収714万円
- プロジェクトマネージャー 45歳 年収760万円
- 人事 32歳 年収644万円
- 人事 35歳 年収696万円
- 経理 27歳 年収470万
給与水準は同業他社並みとなり、額面自体は突出するものではありませんが、こども扶養手当、生命保険の団体割引、住宅手当等、福利厚生が充実しており、待遇面に関する社員の満足度は高いです。
カネカの給与体系は、基本給に年2回の賞与が支給されるというオーソドックスなものとなっており、特徴としては、係長までは、比較的、給与を低めに設定、主任以上になると、大幅に昇給、課長クラスで、年収1000万円前後になるといった、職位に伴う年功序列型を基本としています。
そこに、成果主義的の要素を加えて、本人の実績を加味して、昇給が決まるという制度設計となっていますが、徐々に、成果主義の傾向が強くなっており、評価が特別高い社員に対しては、大幅に給与を加算する制度も、導入されています。
なお、残業代については、カネカでは、職種を問わず、全額が支給されるようになっています。
カネカの人事評価・昇給制度
カネカでは、年初に設定した目標の達成度と、プロセスや行動を評価する二面評価制度が、導入されています。年に1度、上司と面談を行ったうえで、最終査定が行われるという流れとなり、目標達成度がボーナス、プロセス評価が基本給に、それぞれ反映されるようになっています。
ただし、カネカでは、常に一定の範囲内に評価がおさまるように、期末に目標を修正するという行為が定着しており、結果として、社員間の評価差は、僅かなものとなっています。個人の達成した数字が、そのまま評価に直結する部署もありますが、それは例外的と考えてください。
また、その評価そのものが、査定役である上司の一存で変わってくるので、上司との関係が良い人のほうが、仕事で結果を出す人よりも、高い評価になるという傾向もあります。
昇進については、30歳を過ぎると、筆記試験、論文、面接からなる昇格試験が受けられるようになり、その結果をもとに、昇進の有無が決まることになります。仕事自体の評価とはやや異なる評価軸となるので、注意してください。
なお、カネカでは、主任・課長あたりまでは、比較的、順当に昇進出来ますが、部長以上になると、昇進出来るのは、一部の人間に限られてきます。
成長環境・キャリア開発環境について
カネカは社内教育体制の整備に意欲的な会社であり、海外駐在トレーニング、社内英会話クラス、業界研究ワーキンググループ、大学留学、博士号取得支援等、様々な研修・プログラムが用意されています。
資格取得に対するサポートも手厚く、合格までの費用を負担してくれる制度や取得後に金一封をもらうことが出来る制度などがあります。
また、カネカは、自ら手を挙げる社員を尊重して、本人の要望に合わせて、仕事の割り振りをする会社なので、積極的に意志を示すことで、自分が望むキャリア開発が可能です。
さらに、カネカは、多角的に事業を展開しているメーカーということもあり、中小企業の集合体のような組織体制となっており、部署ごとの個性が非常に強い会社です。
そのため、複数の部署を渡り歩くことで、幅広く様々な経験を積むことが出来ます。(カネカでは、2年ごとに、自己申告による移動先希望調査を実施しているので、そこで異動の要望を伝えることが出来ます。海外業務を希望することも可能です。)
ただし、社員の自由を尊重する弊害として、カネカは成果に対する追求が緩く、全体として、のんびりとした雰囲気がある会社です。
そのため、恵まれた成長環境を活用して、仕事に、自己研鑽に、精力的に取り組む社員がいる反面、安穏とした雰囲気に堕落して、やる気のない社員も存在するなど、日頃の姿勢には、個人差が生じています。
カネカは、自己成長が図れる会社ですが、その恵まれた環境を活かすには、セルフマネジメントが必須と考えてください。
ワ―クライフバランスについて
カネカの就労環境は部署によって、かなり差があるため、ワークライフバランスを重視するのであれば、カネカという会社がどうという視点ではなく、部署単位でチェックする必要があります。
管理部門だと、残業が少ないうえ、有給も取得しやすいなど、ワークライフバランスが維持出来る状態です。プライベートを大切にする人にとっても、まず満足出来るでしょう。
製造部門においても、同様です。管理部門と比較すると、やや仕事の忙しさが上ですが、それほど問題にはならないレベルです。
一方、顧客と直接的に関わることになる営業部門や開発部門だと、基本的に仕事量が多く、長時間労働になりがちです。
担当する製品、アサインされているプロジェクトの内容によっても、状況が異なるので、これらの部署に勤務する人のなかでも、なかには定時に退社する人がいますが、基本的には忙しいと考えてください。
また、新規事業開発、海外事業管理等、事業運営に関与する部署も、総じて労働時間が長く、かつ、有給の取得についても、かなり難しくなります。(長期休暇は、まず無理です。)
女性の働きやすさについて
カネカは女性の活用に力を入れており、女性を積極的に採用しています。入社後は、男性と同じように、第一線で働くことが出来るので、バリバリ仕事をしたいという人にとっては、望ましい環境にある会社と言えます。
ただし、管理職への昇進に関しては、まだ男性メインという風潮があるため、キャリアアップという観点で見ると、難があるというのが、正直なところです。(カネカの方針を考慮すると、今後は、昇進の機会が女性にも開かれていく可能性は十分にあります。)
一方、育児支援体制については、カネカは産休・育休が取得しやすいうえ、復帰後には、時短勤務、フレックス、在宅勤務などを選択することが出来るので、無理なく、仕事と子育てを両立することが出来ます。結果として、職場に復帰する女性が多いです。
ただし、産休・育休を取得した場合、復帰後は、男性社員のサポート的な役割になることが多く、仕事のやりがいという点では、落ちることになります。(給与が下がることにもなります。)
仕事量は少なく、残業などもまずないので、仕事自体は楽になりますが、そのかわり、キャリアからは遠ざかることになります。
こういった状況なので、カネカが女性にとって働きやすい会社かどうかというのは、仕事に何を求めるかによって、答えが変わってくるでしょう。
具体的には、キャリア志向が強い人、仕事にやり甲斐を求める人にとっては、不満が残る状況下にある反面、仕事はそこそこでいいので、それよりも、自分のプラベートや家族との時間を大切にしたいという人にとっては、まず満足出来る会社でしょう。
カネカの転職先としての価値
カネカは、良くも悪くも、昔ながらの日系メーカーの雰囲気を残している企業です。社員を大切する姿勢が強い反面、評価制度に関しては、年齢・勤続年数や上司との関係性で決まる会社なので、自分の実力で勝負したいという人にとっては、満足出来ない部分も多いでしょう。
ただし、評価制度に関しては、徐々に成果主義を取り入れているので、今後は変わってくる可能性があります。(カネカは、今後の事業戦略として、海外展開を重視していますが、本当のグローバルメーカーを目指すのであれば、このあたりの制度は必ず変わってきます。)
そのため、カネカへの転職を検討する際には、常に、最新の社内事情を押さえたうえで、判断を下すようにしてください。
カネカの中途採用求人を扱っている転職会社
下記に、カネカの中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、最新情報を入手するための情報源としては最適です。色々と話を聞いてみてください。
また、転職会社は、様々な企業の求人案件を扱っているので、興味があるようでしたら、他社の求人についても、話をしてみてください。複数の求人を見比べることで、より冷静な判断が出来ますし、その過程で、カネカ以上に魅力的な会社が出てくるかもしれません。
転職先候補を決める際に、選択肢が多いに越したことはないので、ぜひ、他社の求人も紹介してもらってみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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