杏林製薬の中途採用事情

杏林製薬の中途採用事情

 

1923年、荻原廣が設立した東洋新薬社を前身とする、約90年にも及ぶ社歴を持つ、歴史ある医薬品メーカー、杏林製薬。呼吸器、消化器、耳鼻科、泌尿器における医薬品開発に強みを持ち、この分野においては、業界内において、確固たる地位を築いています。

 

ここ数年、国内市場、海外市場、双方において、順調に業績を伸ばしてきましたが、2017年3月期には、主力商品の特許切れの影響を受けて、減収となっています。

 

そこから挽回すべく、京都大学大学院医学研究科内に寄付講座を開設、iPS細胞を利用して肺の線維化などの創薬標的を探索する研究を開始するなど、新薬開発への取り組みを拡大させています。

 

人材採用については、新卒採用を基本としており、中途に関しては、募集頻度が少ない会社ですが、求人がゼロというわけではないので、杏林製薬への転職に関心がある人は、地道に求人情報をチェックして、チャンスを模索することをオススメします。

 

このページでは、杏林製薬の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境などについてまとめていますので、転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

 

杏林製薬の中途採用求人の傾向

中途に関しては、医療品メーカーということもあり、研究開発、生産技術、営業(MR)といった職種を中心に、不定期で、募集がかかっています。繰り返しになりますが、新卒がメインなので、中途に関しては、どうしても追加人員が必要となった時に、急募するという感じです。

 

そういったことから、即戦力の人材が求められるケースが多く、応募条件としては、どの職種においても、該当業務に関する実務経験、知識が必須になると考えてください。

 

(特に、MR、研究開発については、要求度がかなり高くなり、経験豊富な人でないと、採用される可能性は低いと考えたほうがいいです。)

 

また、求人ごとに、必要とされる経験の内容・年数が細かく指定されることになるので、詳細については、個々に確認するようにしてください。

 

求人情報の入手方法

杏林製薬は、中途に関しては、民間の転職エージェント経由で、募集をかけるのが一般的なので、求人情報を入手する際には、エージェントにコンタクトするようにしてください。(このページの最後に、代表的なエージェントをリストアップしておきます。)

 

ちなみに、杏林製薬の募集は不定期なので、エージェントに問い合わせたとしても、時期によっては、紹介してもらえる求人が全くないというケースもありますが、その場合には、求職者登録(会員登録)をしておくことをオススメします。

 

一度登録しておけば、新規求人が発生した時に、リアルタイムで通知してもらえるので、自分で探す手間が省けて便利ですし、新しい求人を見落として、気付いた時には募集が締め切られていたといったようなミスを防ぐことにもつながり、一石二鳥です。

 

※補足
転職エージェントは、様々な企業の求人情報を扱っているので、杏林製薬から求人が出ていない場合、他社の求人について、聞いてみるのもオススメです。

 

転職市場は現在、完全な売り手市場なので、思わぬところで、好条件の企業が見つかる可能性は十分にあります。あまり、一つの会社にこだわりすぎると、転職のチャンスを逃し兼ねないので、視野を広くして、転職活動に取り組んでみてください。

 

社員年収・給与制度について

杏林製薬に勤務する社員の給与水準ですが、幾つか具体的な年収事例を挙げると、下記の通りとなります。

 

杏林製薬の社員年収

  • MR 26歳 年収500万円
  • MR 31歳 年収530万円
  • MR 36歳 年収850万円
  • MR 42歳 年収600万円
  • 研究開発 28歳 年収550万円
  • 研究開発 32歳 年収560万円
  • 研究開発 33歳 年収700万円
  • 代理店営業 主任クラス 43歳 年収900万円
  • マーケティング・企画系管理職 47歳 年収900万円
  • 経理 37歳 年収800万円

 

杏林製薬は、海外にも数多くの営業拠点を持つ正真正銘のグローバルメーカーですが、年齢・勤務年数に応じて、給与が上がるという日系企業独特の年功序列の要素が色濃く残る給与体系となっています。

 

そのため、外資のように、結果を出したからといって、劇的に給与が上がるわけではないので、面白味には欠けますが、安定性という点では抜群ですし、住宅手当が手厚いなど、福利厚生も充実しているので、収入の安全性・確実性を重視する人にとっては、杏林製薬はオススメの会社です。

 

(実力主義ではないため、一般社員同士の関係は良好で、管理職は、人柄の良い、穏やかな人が多く、働きやすいというメリットもあります。)

 

ちなみに、年功序列だからといって、決して低賃金というわけではなく、長年に渡り、仕事で結果を出し続けていけば、40代で年収1000万円が十分に狙える会社です。

 

なお、年代ごとの給与額の目安を挙げると、下記の通りとなります。

 

年代ごとの給与額

  • 20代~30代前半 年収500~750万円
  • 40代~50代前半で750~1000万円と
  • 管理職 1300万円~

 

具体的な給与体系としては、基本給と年2回の賞与から構成されるものとなっており、基本給は、年齢と勤務年数をベースに算出されるため、ほぼ年功序列です。一方、賞与については、実績評価の要素も加わり、目標の達成度を加味して、支給額が算出されています。

 

評価制度について

杏林製薬では、直属の上司が人事査定を行うようになっています。人事評価における上司の権限は非常に大きく、そこで出た査定が覆るということは、まずありません。

 

そのため、自分の人事査定を上げるには、上司の心象を良くすることがかなり重要であり、日頃からコニュニケーションが取って、上司から期待されている自分の役割を正確に把握して、その期待に応えるパフォーマンスを残すことが、重要です。

 

これは昇進についても同様ですが、給与同様、年功序列が基本なので、高評価を得たとしても、同僚を大きく突き放すような、飛び抜けた昇進はないと考えてください。

 

ここまでが、杏林製薬の現状となりますが、会社としては、創業100周年にあたる2023年度を見据えて、社員一人一人が、自分の役割を認識して、個々の持てる力を発揮出来るように、職場環境の整備に力を入れるとしています。

 

それに伴い、評価制度の改定も進めています。具体的には、年功序列的な要素を残しながらも、新たに実力評価も取り入れるというものとなっており、現段階においては、そのバランスを模索している状態ですが、少しずつ、自分の実力で勝負出来る環境になりつつあります。

 

この傾向は加速することはあっても、戻ることは考えにくいことから、時間を追うにつれて、実績主義の会社になってくる可能性が高いと言えます。

 

社内教育体制・成長環境について

杏林製薬は、新卒入社でも中途入社でも、分け隔てなく成長出来る環境があります。MRを例にあげると、製品知識を学ぶための研修から、医薬品業界の実情を把握するための研修、営業スキルを磨くための研修まで、様々な教育プログラムが用意されています。

 

また、MRの資格を持っていない人間を対象として、資格取得対策の教育プログラムも用意されているので、業界未経験の中途社員でも、業務を遂行するにあたって、必要なスキル・知識を効果的に身につけることが出来る環境となっています。

 

他の職種においても、内容は異なりますが、業務に必要な知識を習得するための研修制度が用意されています。

 

なお、将来的なキャリアということで言えば、杏林製薬は、特定の分野に特化して、事業を展開しており、その分野においてはトップクラスの実力を持つ会社なので、その分野で、キャリアを追求していくという前提であれば、この会社で働くことは、間違いなくプラスです。

 

(仮に、他社へ転職することになったとしても、杏林製薬出身という経歴は役立ちます。)

 

ただし、これを逆から見れば、特化しているだけに、自分の専門性は深く狭くということになり、同じ医薬品メーカーでも、分野が異なる会社だと、いざ転職しようとしても、杏林製薬での経験が全く活きないということになってしまうので、注意してください。

 

※補足
このあたりは、かなり細かい話となりますし、10年、20年といったスパンで見ることでもあるので、自分一人で考えると、どうすればいいか分からなくなってくるかもしれません。

 

そういった時には、そのまま考え続けても、らちがあかないので、転職エージェントに相談したほうが早いです。転職市場の動向に精通しているので、長期的な視点で、アドバイスしてくれます。

 

ワークライフバランスについて

杏林製薬の就労環境は、おおむね良好です。営業など、業務量が多い部署においては、残業が多くなってはいますが、全社的に見れば、残業時間は少なめです。

 

また、元々、長時間労働を美徳とするような風潮はないので、営業部門においても、やることを時間内にきちんと終わらせれば、定時で帰宅することが認められていますし、状況によっては、直行直帰も可能なので、プライベートとのバランスは取りやすいです。

 

有給休暇についても、非常に取得しやすく、医薬品メーカーのMRでよくあるように、土日は講演会で埋まってしまうというケースが、杏林製薬の場合、少ないので、週末にも、休みをしっかり確保出来ます。(MR以外の職種であれば、休日出勤は殆どなく、完全週休2日です。)

 

お盆や正月には、毎年、一週間程度の休暇を取得することが出来ますし、この時期に有給を組み合わせて、長期休暇を取得するといったことも可能です。

 

ただし、これらは、あくまでも仕事を回していることが前提の話であり、連続した休みを取ることで、業務に支障を来すような状況だと、当然、休暇が認められることはないので、その点は注意していください。

 

(仕事が出来て、評価が高い人ほど、休暇が取りやすいという傾向もあるので、ワークライフバランスを維持するという観点においても、日頃から、上司とのコミュニケーションを密にしておいたほうがいいでしょう。)

 

女性の働きやすさについて

杏林製薬は、業界内においても、女性の社員比率が2番目に高い会社であることもあり、女性も男性と同等の立場で働くことが出来る職場ですし、部署によっては、男性よりも女性のほうが、主軸になっている活躍しているほどなので、十分に働きやすい会社と言えるでしょう。

 

昇進の機会についても、男女平等なので、キャリア志向が強い女性にとっても、やり甲斐がある環境と言えます。

 

また、育児支援体制がしっかりしており、産休、育休を取得したうえで、復職する社員が多い会社でもあるので、子育てとの両立という点においても、問題なしです。

 

ちなみに、杏林製薬では、出産、入園、入学と、節目ごとに祝金がもらえる制度が用意されています。こちらは、男性社員も対象となりますが、それなりの金額が支給されるので、社員の満足度は高いようです。

 

なお、このように、杏林製薬は、女性が働きやすい環境が整っている会社ですが、そういった状況のなかにおいて、MRに限っては、唯一の例外と言えます。

 

職種上、長く続ける女性がそもそも少ないこともあり、男性社会の雰囲気が強く残っていますし、その結果として、管理職に昇進する女性社員も殆どいません。

 

会社として、状況改善に乗り出しているので、今後は変わる可能性はありますが、現時点においては、決して働きやすいとは言えない環境なので、MRへの転職を視野に入れている人は、慎重に検討するようにしてください。

 

杏林製薬の転職先としての価値

ここまで、杏林製薬の就労環境について、様々な角度から見てきましたが、専門性の高い事業分野に特化して、高い市場シェアを確立している会社なので、給与・雇用の安定性という点では、申し分なしです。

 

ただし、日系企業独特の年功序列色が強く残っているので、外資のように成果主義の世界で、バリバリと稼ぎたいというタイプの人にとっては、物足りなさを感じてしまうと思います。

 

逆に言えば、お互いにライバル視するような、ギスギスした人間関係に悩まされることがないので、そういった意味では、ストレスなく働ける職場です。

 

また、一定期間ごとに、長期の休暇を取得出来るなど、休みが多い会社でもあるので、プライベートや家族との時間を重視する人だと、高い満足度を得られるはずです。

 

こうやって見ていくと、杏林製薬に合うタイプ、合わないタイプというのが見えてくるので、自分がどちらのタイプになのか、自分自身の考え方とも照らしあわせながら、杏林製薬への転職を目指すのかどうか、判断するようにしてください。

 

また、そもそもの話となってしまいますが、杏林製薬は中途採用の求人が発生する頻度が少ない会社なので、まずは求人情報を確実に押さえることが先決となります。

杏林製薬の中途採用求人を扱う転職エージェント

下記に、杏林製薬の中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますので、現状がどうなっているのか、問い合わせてみてください。

 


なお、彼らは社内事情に精通しているので、杏林製薬が自分にとって、本当に合う会社なのかどうか、判断に迷うようでしたら、意見を求めるのもアリです。客観的な視点で分析してくれるので、参考になるはずです。

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。