医療用眼科薬において、国内シェアNo.1、一般用眼科薬市場において、国内シェアNo.2を誇る、参天製薬。売上比率の80%以上が眼科薬という、『目』に特化したスペシャリティな医薬品メーカーです。
ここまで、一つの分野に特化しているメーカーはかなりレアですが、それだけに、眼科領域における、参天製薬の開発力、商品企画力、販促力には極めて高いものがあり、ここ数年も、増収増益を継続しています。(毎年、最高売上高を更新しています。)
財務状況も良く、事業の安定性が高い優良企業ですが、その状態に甘んじることなく、2020年までに、医療用眼科薬市場において、日本・アジアNo.1、グローバルトップ3という高い目標を掲げ、実現に向けて、研究開発部門を中心に、積極的に投資を行っています。
こういった背景から、優秀な人材の確保に向けて、採用活動を積極的に行っています。中途に関しても、様々な職種において、多数の求人が出ているので、参天製薬への転職を考えるには、良いタイミングです。
このページでは、参天製薬における中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
参天製薬会社における中途採用の求人傾向
参天製薬では、中途採用を利用した人材確保に力を入れています。特に、研究・開発部門からの求人が多く、臨床開発、統計分析、製剤開発、品質管理、安全性情報管理、薬事、生産プロセス開発といった職種において、常に募集がかかっています。
これらの業務を統括するリーダー、マネージャー(課長相当)、及び、開発プロジェクトのマネージャーを募集する求人も多くなっているので、管理職レベルでの転職を考えている人にもチャンスがあります。
また、研究開発系以外では、営業、マーケティング(市場分析・リサーチ、コミュニケーション戦略立案等)、経営企画、人事、法務、経理財務といった職種が、応募対象となっています。
いずれの職種においても、即戦力とみなされるだけの能力・見識を持つ人材が求められており、該当業務に関する実務経験が必須となります。また、人間関係構築力、問題解決力、発想力、創造力といった、汎用的なビジネススキルにおいても、高いレベルにあることが要求されています。
研究・開発、経営企画など、職種によっては、ビジネスレベルの語学力(英語・中国語)も、応募要件に入ってくるなど、全体的に転職のハードルは高いです。
求人情報の入手方法について
参天製薬から出ている中途採用求人の詳細について、確認するための情報ルートは二つあります。一つは、参天製薬の公式サイトです。サイト内に、キャリア採用ページが開設されており、そちらのページに募集要項が掲載されています。
https://progres12.jposting.net/pgsanten/u/job.phtml
もう一つは、転職会社です。参天製薬は、中途採用に関しては、転職会社を通じても、求人を出しているので、メディカル業界に強い転職会社に問い合わせれば、現在、募集中の求人について、教えてくれます。
どちらのルートでも、得られる情報は一緒なので、どちらを使っても問題なしですが、もし、参天製薬以外の会社にも興味があるということであれば、転職会社をあたることをオススメします。
転職先に希望する条件を伝えれば、それらの条件を満たす求人をまとめて紹介してくれるので、自分で求人を探す手間が省けて楽だからです。それらの求人を比較して、どれがベストの選択しなのかといった分析もしてもらえるので、転職先候補を見極める際には、何かと便利な存在です。
このページの最後に、メディカル業界に強い、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
参天製薬株式会社の年収・給与制度について
参天製薬に勤務する社員の年収ですが、幾つか具体的な事例を挙げると、以下のようになります。(職種別に羅列しておきます。)。
- 営業 28歳 年収600万円
- 営業 31歳 年収600万円
- 営業主任 31歳 年収650万円
- 営業 40歳 年収700万円
- MR 29歳 年収550万円
- MR 31歳 年収600万円
- MR 35歳 年収1000万円
- 研究開発 30歳 年収500万円
- 研究開発 35歳 年収600万円
- 研究開発 40歳 年収750万円
- 事業企画 30歳 年収650万円
- 臨床開発 35歳 年収700万円
- 医薬事業部 30歳 年収700万円
- 医薬事業部 33歳 年収500万円
- 医薬事業部 マネージャー 35歳 年収1000万円
- 医薬事業部 課長 40歳 年収1200万円
- 経理財務 課長 40歳 年収1100万円
基本給については、製薬会社としては標準的なレベルとなりますが、ボーナスが年2回、毎年6~8か月分支給されており、賞与の額がかなり大きいです。
社員間で差がなく、全員一律となっているので、年度によって、支給額が大きく変動するということもなく、安定しているのも、大きな魅力です。
残業代については、営業職を除く職種においては、全額支給となります。一方、営業職に関しては、残業代は講演会のイベント時のみ支給される仕組みとなっており、その代替として、営業手当が年間80~90万円支給されています。
ランクごとに給与が決まっているため、変動が少なく、昇進しないと基本給は頭打ちとなります。総じて安定性がある反面、成果が給与に反映されない、一長一短のある給与体系となっています。
人事評価・昇給制度について
参天製薬の評価体制は、賞与についてはMBOによる期初計画の達成度、昇給にはSLCというスキルの発揮度を用いて、それぞれ査定が為されています。
現在、年功序列型から成果主義に移行中ですが、営業以外の部署については、成果を数値化しにくいため、評価基準が定まっておらず、結果として、基本給と賞与が変化する制度を適用していても、社員間で大きな差が生じるようなことはありません。
結局のところ、評価者である上司の好みが査定を分ける状況となっています。こういった背景があるため、参天製薬で高い評価を得るには、少なくても現時点においては、上司との良好な関係が必要であると考えてください。
昇給は毎年ありますが、係長に昇格しない限り、大幅な増額は見込めません。しかしながら、係長以上の昇進については、上司の推薦や実績が必要となりますが、極めて難しく、実際にはそこまで至らず、自動昇進出来る主任クラスに留まる社員が多いです。
成長環境について
参天製薬は社員教育に力を入れており、研修制度は充実しています。また、自己申告制で外部の研修を受講することが出来るようにもなっており、受講する時には、会社側から参加費用の補助を受けることが出来ます。
現場においては、参天製薬は社員の自主性を重視している会社なので、やる気がある社員、高い評価を得ている社員が、優先的に重要度の高い仕事を任される状況となっています。そのため、時間を追うごとに、出来る人と出来ない人の、経験値・スキルの差が大きくなっていきます。
また、参天製薬は、部署異動、海外業務・海外勤務についても、本人の意欲を汲み取る意識が高い会社です。手を挙げれば、率先して色々なことにチャレンジすることが出来るので、多様な経験を重ねて、その経験を通じて、様々なスキル・能力を磨くことが出来ます。
※補足
参天製薬は成長環境に恵まれている反面、見込みのない社員には厳しく、特に、営業職の場合、適性がないと判断されると、雑務主体の部署に転属されています。
また、異動のみならず、近年では会社側がジョブランクを下げようとする傾向があり、降格になった社員が続出した部署もあります。
評価制度に大差がないからといって、現状に甘んじることなく、自ら積極的にキャリアを構築し続ける努力が必須であるということは、覚えておいてください。
ワ―クライフバランスについて
参天製薬は、就労環境が整っている会社です。フレックス制度で自己裁量が高く、それぞれの社員が、自由に勤務スケジュールを調整することが出来ます。
会社が、有給の取得を推奨していることもあり、全社的に、有給消化率が高く、大型連休とあわせて、長期の旅行を楽しむといった人も多いです。
ただし、営業職においては、勤務地(営業所)や上司によっても、状況が異なり、一概にそうとは言い難い面があります。たとえば、一つの傾向として、都会の営業所だと激務で、残業や休日出勤が多くなる反面、地方の田舎だと、仕事量がそれほど多くはなく、ノンビリとした状態です。
なお、参天製薬は転勤が多い会社なのですが、異動前後の環境差が大きいと、環境の変化に対応することが出来ず、疲弊してしまうというケースも見受けられます。
しかしながら、営業は直行直帰が可能で、かつ土日に出勤した場合には、振休の取得が出来るので、個人のタイムマネジメント次第で、休みを確保出来るという声も多く、結局のところ、ワークライフバランスは、自分次第と言えます。
女性の働きやすさについて
参天製薬は女性にとって、働きやすい会社です。特別に、女性の登用を推進しているといったことはありませんが、昇格に関する男女差別はなく、女性管理職の数は、年々増加しています。
能力があれば、会社側も積極的にサポートする雰囲気があり、キャリア志向の強い女性にとっては、何かと働き甲斐のある環境です。(ただし、ここでいう昇格とは部長職のような上級職は例外となります。)
産休・育休も取得しやすく、多くの女性が取得後、復帰しています。復帰後には、時短勤務を選択することが出来るようになっていますし、無理な残業はさせないようにするなど、子供を持つ女性でも働き続けられるように、会社側はきめ細かく配慮しています。
なお、営業職においては、時短勤務を選択することが出来ますが、顧客訪問の兼ね合いや担当地域次第では、土日出勤が常態化するなど、仕事と子育てを両立させるのは難しく、そのため、出産後も営業職で活躍する女性は限られた状況となっています。
ただし、負担が少ない本社の管理部門へ異動させてもらうことが出来るので、部署を変えることで、出産後も働き続けることが可能です。
また、営業職の職場環境の改善に会社側が努めているので、少しずつですが、出産後も、営業部門で働き続ける女性が増えてきており、今後は、無理なく働けるようになるかもしれません。
参天製薬の転職先としての価値
ここまで、参天製薬の就労環境について、様々な角度から見てきましたが、いかがだったでしょうか。同業他社を上回るというほどではありませんが、製薬会社なので、給与は高いですし、それでいて、働く環境は整っているので、転職先として見た場合には、まず有力候補と言える存在です。
市場シェアが非常に高く、眼科用医薬品においては、他社の追随を許さない力を持っていることから、会社の将来性が明るいというのも、大きなメリットです。
(参天製薬と比較ならないぐらいの売上を挙げている製薬会社もありますが、競争に苦しんでいたり、自社製品の特許切れが間近で、将来像が危うくなっていたりするなど、内情が厳しいところが少なくありません。)
その一方、待遇面、就労環境で、参天製薬を上回る医薬品メーカーが存在するのも事実なので、無条件で参天製薬がベストの選択肢と断言出来るわけでもありません。
最終的には、本人の考え方、相性といった要素も重要になってくるので、自分自身の価値観と照らしあわせながら、転職の判断を下すようにしてください。
メディカル業界に強い転職会社
最後に、メディカル業界を得意とする転職会社をリストアップしておきますが、彼らは参天製薬を含めて、様々な製薬会社の実情を把握しているので、このあたりの判断に迷うようでしたら、是非一度相談してみてください。
客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になりますし、もしかしたら、より魅力的な(自分に合う)製薬会社の求人を紹介してもらえるかもしれません。転職先を決める際には、頼りになる存在なので、色々と話をしてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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