米国ミシガン州ミッドランドに本社を置き、世界各地で高機能化学製品の開発・生産販売を行うダウ・ケミカル社。1987年創業、漂白剤と臭化カリウムの製造から始まったメーカーですが、現在では世界180ヵ国において、販路を持つ世界有数の化学品メーカーに成長しています。
その日本法人にあたるのが、ダウ・ケミカル日本株式会社。1974年に設立され、最先端材料、農業化学品から、自動車関連製品、スマートフォン・テレビのフィルムまで、取り扱い製品は多岐に渡ります。
好調な利益と営業キャッシュフローをもとに、更なる躍進を目指している優良企業であり、人材採用を積極的に進めているので、転職のチャンスは多々あります。
このページでは、ダウ・ケミカルの中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
※補足
ダウ・ケミカルは、社会貢献活動に積極的に取り組む企業としても知られており、東日本大震災の際には、義援金の寄付のみならず、集合住宅を建築して、相馬市に寄贈するといった、復興支援活動を行っています。
ダウ・ケミカルにおける中途採用の求人傾向
ダウ・ケミカルは人材登用について、新卒・中途ともに、募集をかけていますが、中途に関しては、追加人員が必要になった時に、即戦力となる人材を確保する意味で、活用しています。そのため、応募基準は厳しめです。
どの職種においも、該当業務に関する実務経験を豊富に有することが絶対条件になりますし、実務管理能力やコミュニケーション能力など、ビジネスマンとしての基礎スキルに関しても、高いレベルが求められることになります。
アメリカ本社と連携しながら業務を遂行することが日常的なため、語学力も必須となり、ビジネスレベルで英語を運用出来ることが最低条件として、求められると考えてください。(保全技術など、一部の職種において、TOEIC600程度で応募可能とされるケースもあります。)
転職のハードルは高いのですが、それだけに、条件をクリア出来る人材に対しては、好条件が提示されるケースが多いので、ぜひチャレンジしてみてください。
なお、募集対象となる職種は、営業、マーケティング、製造管理・技術、品質管理、生産管理、施設管理、物流管理(SCM)、人事、経理財務、法務、経営企画等、多岐に渡ります。
その時期によっては、求人がかかる職種が異なりますが、最近の傾向としては、営業、製造、物流に関連するポジションでの求人が多いので、これらの職種での転職を考えている人のほうが、より多くのチャンスが見つかると思います。
求人情報の入手方法ですが、公式サイト内に、キャリア情報ページが開設されているので、そこから、確認することが出来ます。
https://dow.taleo.net/careersection/10001/jobsearch.ftl?lang=en
ただし、このページは、アメリカ本社が管理しているため、日本法人だけでなく、全世界の求人が一括で掲載されています。そのため、微妙に求人が探しづらいですし、海外本社が管理している企業ではよくあるケースなのですが、掲載漏れしている求人が少なくありません。
日本法人は、中途採用に関しては、国内の転職エージェントを活用しており、エージェントに問い合わせたら、コーポレートサイトに載っていない求人を紹介してもらえたというケースもあります。
そのため、公式サイトをチェックしつつ、転職エージェントにも問い合わせておいたほうが賢明です。このページの最後に、ダウ・ケミカルの中途採用求人の取り扱い頻度が高いエージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
社員の年収・給与制度について
ダウ・ケミカルに勤務する社員の年収について、幾つか具体的な数字を挙げると、以下のようになります。
- 技術サービス 30歳 中途2年 年収1000万円
- 営業 30代 中途3~5年 年収800万円~1000万円
- 管理部門マネージャー 40歳後半 中途20年以上 年収1500万円~2000万円
- ダウアグロサイエンス事業部門 40歳 中途5~10年 年収800万円
- 半導体関連職 20代後半 年収320万円
- 海外営業 主任クラス 40代前半 年収850万円
業界トップに君臨している企業の給与をベースに、その基準を一定以上満たすという方針をとっているため、給与水準は高めであり、社員の満足度は非常に高いです。
給与体系としては、基本給と年1回の賞与から構成された年棒制が採用されています。賞与については、業績連動給となっており、支給額ゼロという年もあるようです。
ただし、会社側で具体的な説明をしっかり行うことに加えて、従来の基本給が高額であるため、それほど大きな不満を持つ社員はいないようです。(賞与ゼロというのは、極めて稀であり、毎年、必ず一定額を貰えているというのも、その理由の一つです。)
注意点としては、給与が高額な反面、成果に対する厳しさは、業界トップクラスであり、利益が出ない仕事には、容赦なく見切りをつけられ、それらの業務に従事する社員は、リストラされることも珍しくありません。
また、毎年、各個人に対して、厳しく業績評価が行われ、評価に応じて、増減20%の範囲内で、翌年の基本給が見直されることなります。これが繰り返されるため、社員間の給与差は、かなりのものになります。そのため、上記の年収例は、あくまで一つの目安として捉えてください。
福利厚生については、各種保険と個人年金制度のほかに、従業員持株制度があり、社員に有利な条件のため、上手に運用を行えば、給与とは別に、財産形成を図ることが出来ます。
住宅補助制度はないものの、引っ越しを伴う転職においては、支援制度が充実しており、加えて、出張・レクリエーション等、各種活動にも支援金が給付されるため、トータルで見れば、外資としては珍しく、かなり手厚いです。
この点も社員の満足度は高く、収入・待遇面については、申し分なしと考えて間違いなしです。
補足)中途採用で入社する時の注意点
中途入社の場合、前職までの実績を考慮して、年俸額が設定されることになります。全体的に、高い水準が提示される傾向にはありますが、交渉次第で大きく変わってくるというのが、実情なので、納得がいくまで、会社側と話し合うことをオススメします。
入社後も、業績評価次第で、基本給をアップさせることは出来ますが、そうはいっても、それほど簡単なことではないので、入社時の給与交渉が極めて重要です。中途半端に妥協してしまうと、後々まで響くことになるので、注意してください。
こういった交渉が苦手ということであれば、前述した転職エージェントに代行してもらうことをオススメします。彼らは転職のプロであり、こういった交渉に慣れているので、うまく話を進めてくれます。
交渉ベタな人が、無理に自分で進めるよりも、うまくまとまる可能性が高いので、最初から任せてしまったほうが賢明です。
ダウ・ケミカルの人事評価・昇給制度
ダウ・ケミカルは、完全実力主義の会社のため、誰にでも、昇進のチャンスがあります。業績次第では、入社した翌年に、昇進出来る可能性もありますし、年齢も関係ないので、20代・30代前半といった若い人でも、管理職に就くことが出来ます。
昇給についても、同様であり、実績主義なので、自分の努力次第で、毎年、昇給を勝ち取ることも出来れば、10年間、同じ給与に甘んじるということもあります。(後者の場合、その前に、リストラ対象となり、退職を余儀なくされる可能性のほうが高いのですが・・・)
注意点としては、具体的な人事評価の基準については、年齢ごとに内容が変わってくるということです。
30代までの若手社員であれば、社内基準に基づいて、システマチックに評価されることになりますが、同時に、上司と自由に話し合える機会があるため、評価に対して、自分の意見を伝えることも出来ます。
一方、40代以上になると、実績よりも上司との関係性が評価に直結するようになってきます。また、海外スタッフとの連携力が、より重視されるようになるため、自分一人で物事を進めるような個人主義の人よりも、協調性が高い人のほうが、高く評価されています。
従って、ダウ・ケミカルで、長く働き続けたいのであれば、上司を中心とした、社内スタッフとの良好な人間関係を築くことが、何よりも重要と考えてください。
なお、ダウ・ケミカルは、外資のなかでも、リストラの頻度が高い会社であり、年齢・勤務歴を問わず、リストラ対象となりますし、その場合の決断も速いです。定年を近くに控えた社員の解雇もあり、この点はかなり厳しいです。
成長環境について
ダウ・ケミカルは、社員教育を重視している会社であり、特に語学スキルの習得については、手厚いサポートを行っています。英会話スクールの受講費用を一部補助する制度が用意されていますし、TOEICの成績次第では、全額補助となるケースもあります。
語学以外の研修体制についても、外部講師を招き、定期的に講演会を実施しているうえ、各種セミナー・トレーニングプログラムを用意して、勤務時間内に受講出来るようにしています。
トレーニングに取り組む時間は充分与えられており、こんなに多くていいのかと戸惑っている社員もいるほどなので、自ら積極的に学ぼうとする姿勢を見せれば、どんどん会社がバックアップしてくれると考えてください。
また、ダウ・ケミカルは、社員のキャリア形成について、当人に自由な裁量を与えており、在籍年数にかかわらず、本人が望めば、その仕事を任せる方針を採っているので、自分が望むキャリア・パスを進むことが出来ます。
ワ―クライフバランスについて
ダウ・ケミカルは役職・部署にもよりますが、ワークライフバランスが良好な会社です。フレックスタイムの裁量労働制が採用されているうえ、マネージャー以上のポジションに就いている人だと、自宅勤務を選択することも可能です。
社員のプライベートに対する理解が深く、有休休暇においては、上層部が積極的に取っていることもあり、ほぼ希望通りに取得出来るようです。(まとめて取得して、長期休暇を取るといったことも可能です。)
ただし、ダウ・ケミカルは、元々、仕事量が多い会社なので、業務をうまく管理して、効率良くこなさないと、裁量労働制や有休制度を活用するどころか、毎日、長時間勤務を余儀なくされる場合もあります。
また、アメリカ本社や他国の支社との連携上、定休日を問わず、夜間の電話会議があり、海外出張の期間によっては、休日との境目がなく、ワークライフバランスを取るのが難しくなる傾向もあります。
働き方に対する自由を尊重している社風ではあるものの、ダウ・ケミカルでワークライフバランスを保つには、高いセルフマネジメント力が必要不可欠であるということは、覚えておいてください。
女性の働きやすさについて
ダウ・ケミカルはダイバーシティを重視し、女性登用に積極的に取り組んでいる会社なので、女性にとって、働きやすい環境にあると考えて間違いなしです。
男性と同等の仕事をすれば、それ以上に評価される傾向もあるので、キャリアアップを目指す女性にとっては、むしろ男性以上に、有利な立場に立てる職場です。
産休・育休についても取得しやすいですし、フレックスタイム制であることから、育休から復帰した後も、仕事と育児を両立して、働いている女性が多いです。(会社側としても、働き続けられるように、何かと配慮してくれます。)
ただし、営業部門においては、復帰後も拘束時間が長く、ハードワークになりがちで、出産を機に辞める人も少なくないです。
ダウ・ケミカルの転職先としての価値
ここまで、ダウ・ケミカルの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、会社側からの社員に対する要求水準は高く、常に厳しいプレッシャーのなかで働くことになりますが、それに見合うだけの見返りは十分にあります。
自分を成長することが出来る環境でもあるので、バリバリ働いて、どんどん、自分を高めていきたいというキャリア志向の人にとっては、十分にやり甲斐を感じられる会社だと思います。
逆に、それほど、キャリア形成、昇進・給与増といったことには、それほど興味はなく、毎日、マイペースでノンビリ働ければいいという人にとっては、ダウ・ケミカルはストレスフルな職場になってしまうでしょう。
自分が会社に求めるものによって、ダウ・ケミカルの転職先としての価値は変わってくるので、自分の価値観と照らし合わせながら、転職の有無について、判断するようにしてください。
ダウ・ケミカルの中途採用求人の取り扱い頻度が高い転職エージェント
最後に、ダウ・ケミカルの中途採用求人の取り扱い頻度が高い転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは、社内事情に精通しているので、自分一人では、転職すべきかどうか、判断がつかないということであれば、相談してみるのもアリです。
第三者的な視点で、冷静にアドバイスしてくれるので、ぜひ一度、話をしてみてください。また、エージェントは、様々な企業の求人情報を押さえているので、他社のことについて、聞いてみるのもオススメです。
転職先に希望するものを伝えれば、それらの条件に合う企業を探し出して、紹介してくれますが、ダウ・ケミカル以上に魅力的な求人が出てくるかもしれないので、興味がある人は、併せて確認してみてください。
※JACに関する補足
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