アメリカに本社を置くグローバル企業、ケアストリームヘルス。デンタルイメージング、ヘルスケアITソリューション、非破壊検査用のX線フィルム、デジタルX線機器といった分野を得意としており、世界150カ国以上で事業を展開しています。
イーストマン・コダック社のヘルス事業部を前身としている企業ですが、2007年5月にカナダのオネックス社に事業譲渡され、現在に至っています。
日本法人は日系商社の長瀬産業からコダックナガセ、日本コダックという遍歴を辿っていますが、2007年の事業譲渡の際、日本コダックから分離・独立する形で、現在のケアストリームヘルス株式会社として、事業を開始しています。
コダックから引き継いだ製品・技術力を武器に、グローバルに事業を展開しており、近年では、アナログからデジタルの移行に出遅れるなどの課題も抱えていますが、開発力はしっかりしているので、今後の飛躍が期待出来る会社です。
中途採用の募集内容・選考プロセスなどについて
ケアストリームヘルスは従業員数が約70名と小さな会社であり、新卒・中途採用、ともに、それほど募集数は多くありません。
実力重視の外資なので、常に有能な人材を募集する姿勢を取っており、中途採用についても、それは同様ですが、絶対的な数が少ないので、採用方針としては、少数精鋭といったスタイルになります。
自社で募集をかけることは滅多になく、転職エージェントに一任して、条件に見合う人材が見つかったら、紹介してもらうといった形になっているので、ケアストリームヘルスの中途採用情報を入手するには、外資系企業の求人に強いエージェントに問い合わせる必要があります。
このページの最後に、幾つか代表的なエージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
ケアストリームヘルスで募集がかかることがある職種
中途採用に関しては技術者、エンジニアを募集する求人が多くなっています。具体的には自社商品の納入後運用管理・メンテナンスを担当するカスタマーサポート、営業部門への技術的なサポートや社内システムの運用を行うSE、システム開発を管理するプロジェクトマネージャーなどです。
必要なスキルについては、募集がかかっている部署によって様々で、一例を挙げるだけでも、下記のように多岐に渡ります。
- HISやPACSなどのシステム知識
- 電子カルテなど医療関連システムの知識
- 病院への立ち入り経験(フィールドエンジニアなど)
- サーバーシステム導入経験
また、外資ということもあり、全職種共通で、英語力を求められるケースが多くなっています。ただし、要求されるレベルはポジションによって大きく変わるので、個々に確認するようにしてください。(初歩的なレベルでも十分とされることもあります。)
年収・人事評価制度
年収例のサンプルを幾つかあげると、下記のようになります。
- 営業職 勤続5~10年 900万円前後
- エンジニア 勤続20年以上 750万円
- 技術職 勤続5~10年 800~900万円
- 内勤サポート 勤続5~10年 400万円
ケアストリームヘルスの給与水準については、可もなく不可もなくといったところです。会社の遍歴を考えると、写真フィルムの需要が高かったコダックの頃は、全体的に高い水準で推移していました。
しかし、業績悪化によるリストラ、コスト削減などによって、全盛期よりも年収が減っているのが、実情です。それでも、他企業に比べて極端に低いわけではなく、インセンティブもあるので、自分の努力次第で年収をアップさせることが可能です。
給与体系としては年俸制を取っており、マネージャーなどの管理職ではない場合、残業代が全額支給されることになります。
インセンティブの割合は職種によって大きく異なります。営業職については、本人の意向も踏まえて、0%~100%の間で設定される仕組みを導入しているので、一人一人ごとに全く違っている状況です。自分が納得出来る割合で設定出来るため、満足度が高い仕組みと言えます。
評価制度に関しては、出来る限り主観を排除した評価を実施するために、客観的な指標として、数値化する取り組みを積極的に取り入れています。
社員がやり甲斐を持って働けるように、会社側も真剣に色々と考えていますが、そのため、評価制度がコロコロと変わり安定しないなど、マイナスの影響も出ています。
女性の働きやすさ
性別で差が付かない配慮が徹底しているので、女性だからという理由で不利な仕事をさせられたり、不遇を味わうことはありません。ただ、偏りなく仕事が割り振られるため、力仕事が必要な場合でも、女性が優遇されることはありません。平等であるがゆえに、キツいと感じることがあるのも、事実です。
また、女性社員の数自体が少ないので、そのことで働きにくいと感じる部分が出てくることもあるようです。例えば、産休や育休が取りにくいなどと言ったことです。制度自体は用意されていますが、安心して復帰できるようなサポート体制が整っているかというと、十分ではない部分があります。
派遣や契約社員で働いている女性が多いことと、女性社員の平均年齢も高めであることが影響して、実際に産休を取る人は少なく、正社員(無期雇用)でも、制度上は産休・育休を取得出来るとしても、実際には取りづらい雰囲気になっているので、躊躇してしまうというのが本音のようです。
ライフワークバランスについて
ライフワークバランスに関しては、おおむね良好と言えます。医療業界の特性として、休日出勤の頻度が高かったり、休みの日でも、会社やクライアントから、メールや電話で連絡が入ることが多く、ゆっくり休めないということもあるので、この点だけ見れば、マイナスです。
ただし、休日出勤をした場合には、きちんと代休を取ることが出来ますし、仕事のペースについても、個人で進めることが多いため、自分がやりやすいようにスケジュールを調整することが可能です。
やるべき業務をキチンとこなしていれば、有給を取得することも難しくはありません。部署により忙しさの程度に違いはありますが、会社全体としては、残業は少なめの傾向にあるので、プライベートの時間を確保することは十分に可能です。
退職する理由
ケアストリームヘルスを退職する理由としては、フィルム市場の縮小が挙げられます。医療分野の機器を扱っている会社ではありますが、そうは言ってもコダック時代に繁栄を極めたフィルム市場が低迷したことが、会社の業績に響いているのも事実です。
デジタル製品の移行に出遅れたことが原因による業績悪化に伴い、給与が下がり、退職せざるを得なくなったという人も少なくありません。(早期退職制度で希望者が募集されていたこともあります。)
会社の雰囲気や働き難さというよりも、業績の変化を理由にしている人が多いことが特徴なので、そう考えると、事業転換がスムーズに回り出している昨今では、転職先としては有望な会社と言えるかもしれません。
転職エージェント活用のススメ
ケアストリームヘルスへの転職を考えているのであれば、自分にとって最良な選択肢と言えるのかどうか、慎重に検討することをオススメします。元来がしっかりとした技術力を持つ企業であり、事業縮小を余儀なくされた過去があるとは言え、将来性は決して悪くありません。
また、会社の歴史のなかでは、悪い状況にあると言える今現在でも、給与水準は悪くなく、今後の業績回復に伴い、給与アップも見込めます。このページで見てきたように、社内の雰囲気も良いので、そういった意味では、良い会社と言えます。
ただし、まだまだ事業が安定しておらず、それに伴い、社内の状況も大きく変わる可能性もあるので、常に最新の情報を入手して、動向を見極める必要があります。
冒頭で、ケアストリームヘルスの中途採用情報を入手するには、転職エージェントを利用する必要があると書きましたが、エージェントであれば、社内事情にも精通しているので、転職を目指すべきなのかどうか、相談してみることをオススメします。
また、彼らは同業他社の情報も把握しているので、ケアストリームヘルス以上に、有望な会社があれば、紹介してもらうことも可能です。親身になってアドバイスをしてくれるので、積極的に話をしてみてください。
下記のエージェントであれば、外資企業への転職支援を得意としていますし、医療業界にも精通しているので、相談先としてオススメです。
※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。
そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。
なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。
特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)