1946年に設立された橘生化学研究所を前身とする、キッセイ薬品。社員数2000名弱の中堅メーカーですが、開発力に優れた企業であり、特に、泌尿器領域、腎・透析領域においては、独創的な医薬品を持ち、安定したシェアを確立しています。
経営資源として、『人』を最重視する会社なので、人材採用に熱心であり、新卒・中途を問わず、常時、募集をかけています。(ただし、会社規模としては、それほど大きくはないので、大手と比較すると、募集人数は少ないです。)
人材教育に力を入れている会社でもあるので、ただ仕事をこなすだけでなく、ビジネスマンとして、常に成長することを目指していきたいという人にとっては、申し分がない職場です。
このページでは、キッセイ薬品の中途採用求人の傾向、及び、社員年収、就労環境などについてまとめていますので、参考にしてください。
キッセイ薬品の中途採用求人の傾向
中途に関しては、急遽、追加人員として、経験豊富な即戦力の人材が必要になった時に、募集をかけるという形となります。
そのため、タイミングによって、募集対象となる職種が異なりますが、おおむね、営業、創薬研究、臨床開発、薬事、生産技術、品質管理といった職種を対象に、求人が出ています。
また、発生頻度は少なくなりますが、経理財務(管理会計、原価計算)、法務、人事、経営企画といった職種において、募集がかかることもあります。
上記のような採用方針から、いずれの職種においても、該当業務に関する経験・知見を豊富に有することが、応募条件となっていますが、営業に関しては、稀に経験不問の求人が出てくることもあるので、未経験者にもチャンスがあります。
(ただし、結果的には、経験者が優先的に採用されている状況ではあります。)
求人情報を入手するための方法
キッセイ薬品は、公式サイト内に中途採用情報ページを開設しており、募集をかける時には、そちらのページに募集要項を掲載しているので、定期的にチェックすることをオススメします。
http://www.kissei.co.jp/recruit/career/
また、転職会社経由でも、募集をかけているので、こちらに問い合わせるということでも大丈夫です。ちなみに、転職会社の場合、一度、求職者登録(会員登録)をしておくと、その後は、自分が希望する条件の求人が発生した時に、メールなどで通知してもらうことが出来ます。
自分で探す必要がなく、連絡を待つだけなので、なかなか便利なのですが、キッセイ薬品の場合、求人が出るタイミングが読めないということがあるので、自分が希望する職種で、求人が見つからない時には、登録しておくことをオススメします。
このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
※
キッセイ薬品の場合、時間をかけて待っていたとしても、自分が望む求人が出てくるとは限らないので、他の製薬会社も視野に入れて、転職の機会を模索したほうが賢明です。
転職会社であれば、様々な企業の求人情報を保有しているので、他社のことについて聞いてみるというのも、良い考えです。
キッセイ薬品の社員の年収・給与制度について
キッセイ薬品に勤務する社員の年収ですが、職種別にいくつか事例を挙げると、下記の通りになります。
- 研究開発 24歳 年収500万円
- 研究開発 29歳 年収710万円
- 研究開発 34歳 900万円
- 臨床開発 32歳 年収780万円
- 臨床開発 29歳 主任 年収900万円
- 生産技術 23歳 年収420万
- 生産技術 係長 39歳 年収750万円
- MR 25歳 年収500万円
- MR 25歳 年収450万円
- MR 28歳 年収530万円
- MR 28歳 年収500万円
- MR 33歳 年収650万円
- MR 35歳 年収800万円
- MRチームリーダー 39歳 年収820万円
- 営業所長 50歳 年収1000万円
キッセイ薬品の給与形態は等級制となっています。社員間の格差は殆どなく、ある一定の年齢までは、ほぼ一律で同額給与となります。微増ではありますが、毎年、一定額、基本給が上がるようになっています。
ボーナスは年2回となりますが、ここは、事業所単位の業績がベースになるので、どの部署に所属するかで、年収差が大きく異なることになります。(年間6ヶ月をベースとしている事業所もあれば、ここ数年、3ヶ月未満にとどまっている事業所もあります。)
その反面、個人成績が昇給やボーナスに反映されることは少なく、成績が良い人も悪い人もボーナスの差が殆どないことから、仕事に対する意欲が強い人、結果を残している人にとっては、やり甲斐のない制度設計となっています。
逆に、あまり、出世に興味がない人にとっては、成果に対するプレッシャーを感じずに働ける、気楽な会社とも言えるでしょう。
キッセイ薬品に転職する時には、福利厚生が重要チェックポイント
キッセイ薬品は、住宅手当、企業年金制度、共済会制度、従業員持株会、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度、契約保養所など、福利厚生が、かなり充実している会社です。
そのなかでも、特筆すべきなのが、キッセイ健康保険組合であり、大病をしてしまった際には、自己負担分の医療費の7割について、会社から補助を受けられます。これは、家族にも適用されるので、安心感という点では抜群です。
なお、住宅手当に関しては、キッセイ薬品の場合、細かいルールが設定されており、人によって、もらえる額が大きく違ってきます。たとえば、営業の場合、住宅手当は7割程度(月8~9万程度)の補助が出ます。これは年収ベースで、100万円近くに相当する金額です。
上記の年収例は、住宅手当なども含めた数字となるので、たとえば、年収780万のうち、住宅手当が110万といったように、住宅補助の割合が非常に大きくなっています。
そのため、住宅手当を差し引くと、実質的には他の製薬会社に比べ給料は平均以下であり、でも他業種よりは良いといった程度になります。
ただし、仮に営業から内勤に異動した時に、実家が通勤距離にあると分かれば、実家からの通勤になり、住宅補助は殆ど無しになります。
また、その時に、実家暮らしを選択せずに、賃貸に住むようにしたとしても、住宅手当は出ません。このように、誰でも無条件で手厚い補助が受けられるというわけではないので、注意してください。
キッセイ薬品の場合、住宅手当はかなり大きな要素なので、自分がどれだけもらえる可能性があるのか、事前に確認しておくことをオススメします。
キッセイ薬品の社員の人事評価・昇給制度について
キッセイ薬品は、年功序列の会社であり、そのポジションに何年いるかというのが、昇進の目安となり、ある程度のポジションまでは、普通に仕事をこなしていれば、一律で上がっていきます。
同時に、昇進の意欲が強い社員に対しては、選抜研修が用意されています。半年に1度実施される製品や制度に関する筆記試験で、平均点以上の成績を収めること、仕事において一定の成績を残していることが、受講条件となっており、合格者は将来の幹部候補として育成されます。
ただし、上長の判断に非常に左右されやすく、試験で不合格になった時に、なぜ、落ちたのかという理由に対するフィードバックがないため、合否の基準がわからないという問題があるので、昇進を目指すのであれば、上司との日頃からのコミュニケーションが、重要となってきます。
部署別に見ると、営業は、結果が数字で見えやすいこともあり、実績を出した人が、すんなり昇進するケースが多いです。(若手社員が抜擢されることも珍しくありません。)
一方、研究開発部門、管理部門だと、ほとんど査定では差がつかず、能力や成績の有無は、あまり関係ありません。かつ、現時点だと、一定以上の年代に達した人の大半が管理職に就いているため、ポジションに空きがなく、若い人が昇進するのが、難しい状況です。
キッセイ薬品の社員の成長環境について
冒頭でも触れたように、キッセイ薬品は社員育成を重視する会社なので、教育制度が充実しています。汎用的なビジネススキルを学ぶものから、製品知識、専門知識を学ぶものまで、幅広く用意されており、自由に受講することが出来ます。
自分の業務とは、直接的には関係がない内容の研修についても、受講可能なので、その気になれば、知識の幅を幾らでも広げることが出来ます。
通信教育に対する補助制度もありますし、中途の場合、レアなケースですが、仮にMRとして採用された人が、資格を持っていない場合には、資格取得のためのサポートを受けることも出来ます。
また、キッセイ薬品は、規模が小さな会社であるため、一つの仕事を一通り担当することになります。(MRであれば、企画立案・資料作成から営業、契約後の管理までといった感じです。)
そのため、様々な経験を積むことが出来ますし、仕事の流れを把握することが出来るので、そういった意味では、どこでも通用するビジネススキルを習得出来る環境にあると言えます。
キッセイ薬品は、独創性の強い会社なので、同業の大手でも経験出来ないようなノウハウを学んで、その知識を活かして、外資へ転職するなど、キャリアアップに成功している社員が少なくないので、キャリアパスという点では、色々な道筋が得られる会社です。
ワーク・ライフ・バランスについて
キッセイ医薬品の就労環境ですが、営業以外の部署においては、おおむね良好です。基本的に、土日が休みですし、土曜日仕事がある頻度は半年に2回あるかどうかという程度です。残業もゼロに近い部署が大半です。
長期休暇を取得するのは難しいのですが、有給を単発で取るということに関しては、全く問題ないので、プライベートの時間をしっかり確保出来ると考えて間違いなしです。
一方、営業については、事業所によって異なるというのが実情です。激務で、毎週、休みの日にも出勤するというところもあれば、週休2日がしっかり確保出来ているという事業所もあります。
ただし、キッセイ薬品の場合、他社のように、毎週、講演会やイベントを開くといったことはなく、年数回程度なので、その分、他社よりも週末の自由度は高いです。有給については、これも営業所により異なりますが、取りづらいと考えておいてください。
残業時間についても、事業所ごとに異なりますが、直行・直帰で働けるので、時間調整の自由度が高く、融通は利きやすいようです。
女性の働きやすさについて
キッセイ薬品は、男性社員の比率が9割を超えていることもあり、男性社会の色が濃い会社です。(女性社員の採用者数が年々増えていますが、まだまだです。)
そのため、女性にとっては、何かと不便を感じるケースが多いようです。たとえば、産休・育休制度はありますが、十分に機能しているとは言えない状況であり、結婚を機に会社を辞めてしまう女性が多いです。
結果として、利用者が増えず、内容の改善が図られないという悪循環となっています。それでも、近年は、会社が状況改善に乗り出していて、育児休業制度を利用して、職場復帰する女性も増えてはいるので、今後は好転する可能性があります。
ちなみに、MRとして働いていた人の場合、子供を育てながら続けるのは厳しいので、残業や休日出勤がない内勤に異動するケースが殆どです。
なお、キッセイ薬品において、子供を持っている人が、キャリアを追求していくというのは、難しい会社であり、管理職に就いている女性は、その大半が、独身、もしくは子供がいない既婚者です。
キッセイ薬品の転職先としての価値
ここまで、キッセイ薬品の就労環境について、様々な角度から見てきましたが、福利厚生がかなり手厚く、従業員に対する気配りが強い反面、女性が働くための制度設計に問題があるなど、長所・短所がハッキリしている企業と言えます。
そのため、相性の良し悪しというのが出てくる会社なので、自分にとってどうなのか、自らの価値観と照らし合わせながら、転職の判断を下すことをオススメします。
キッセイ薬品の中途採用求人を扱っている転職エージェント
下記に、キッセイ薬品の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているため、判断に迷う時には、相談してみてください。プロの視点で、アドバイスしてくれるので、参考になります。
また、繰り返しになりますが、キッセイ薬品は、そもそも、中途採用の求人が少ない会社なので、転職のチャンスがいつ出てくるか分かりません。
そのため、他社も視野に入れて、転職活動を行うべきですが、転職会社は様々な企業の求人案件を押さえているので、ぜひ他社の求人についても聞いてみてください。転職先に希望する条件を伝えれば、それらの条件を満たす企業だけを探し出して、紹介してくれるので便利です。
いずれにしても、転職先を決める際には、転職会社は何かと頼りになる存在なので、うまく活用してください。
※JACに関する補足
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