ドイツに本社を置く世界的なソフトウェア会社。その日本法人がSAPジャパンです。主力製品は、ユーザー企業の基幹システムを構築するERP製品で、SAP社のERPソフトウェアは日本国内だけでなく世界的にも圧倒的なシェアを誇っています。
SAPジャパンの中途採用事情
SAPジャパンでは常時、中途採用者を募集する求人案件が発生しています。会社組織はソフトウェアビジネス・サービスビジネス・コーポレートファンクションの3部門制となっており、それぞれの部門ごとに採用を行っています。
具体的な職種としてはセールス、プリセールス、営業企画、プロダクトマネージャー、コンサルタント、テクニカルクオリティマネージメント、総務、経理、人事等、様々な職種において募集がかかっています。
そのなかでも、特に求人案数が多いのがコンサルタント・セールス・プリセールスです。参考までに、以下に求人のサンプル例を記載しておきます。
コンサルタント
- 業務内容:製品保守契約コンサルタントとして、経営判断プロセスの改善化を目的としたERP製品を用いたソリューション提供
- 必須・歓迎要件:ITコンサルタントの経験もしくはSIerでのプロジェクトマネジメント経験
- 想定年収:600万円~1,500万円
セールス
- 業務内容:SAP ERP BAなどの提案型営業
- 必須・歓迎要件:IT・サービス系製品のセールス経験もしくはSIerでのプロジェクトマネジメント経験
- 想定年収:600万円~1,500万円
プリセールス
- 業務内容:商品に関する技術的な専門知識を用いた、SAP製品のセールスサポート
- 必須・歓迎要件:IT・サービス系製品のセールス経験もしくはSIerでのプロジェクトマネジメント経験
- 想定年収:600万円~1,500万円
年収について
SAPジャパンの給与は基本給と賞与から構成されています。賞与に関しては、四半期ごとに自分が手掛けるプロジェクト案件の成果に応じてインセンティブが支給され、さらに、3月に会社全体の業績に連動した賞与が支給されるという仕組みになっています。
具体的な年収例としては、以下のようになっています。
- 30歳、コンサルタント 800万。
- 40歳、コンサルタント1,000万
- 30代後半 アカウントエグゼクティブ(営業) 1,300万
- 40代 ソリューションスペシャリスト(プリセールス) 年収900万~1,200万。
- 40代前半 セールス 1,200万
- 40歳後半、SE、1,200万~1,300万
SAPジャパンでは、役職はJG(ジョブグレード)という形で表現されています。たとえば、コンサルタントの役職はJG6=シニアコンサルタント、JG7=ラインマネージャーといった具合です。新卒者の場合はJG2から始まりますが、中途入社の場合は前職での立場や給与によって初期JGが変わります。
JGが基本給に大きな影響を与えるので、中途採用でSAPジャパンに入社する時には、JGの設定については妥協せず、出来る限り高いグレードで始められるように交渉してみてください。
また同じJG内でも、勤務実績に応じて、給与額に差が生じるようになっており、最大200万円程度の違いがあります。一例を挙げると、上記のJG6=シニアコンサルタントの給与は最低800万~最高1,000万円が給与レンジとなっています。
SAPジャパンの就業環境、ワークライフバランスについて
部署によって違いはあれど、基本的には自由な雰囲気という声が大半を占めます。有給休暇の100%取得が可能となっており、長期休暇などの取得も容易で周りからの理解を得られやすい職場環境となっています。同業他社と比較すると、プライベートを重視している社員が多い傾向にあるようです。
ただ、ITという業界がら、ハードワークが要求されるプロジェクトが多いため、週末に急に仕事が入ったりするといったことも、部署によっては珍しくないので、自分が関わっているプロジェクトの内容によっても、状況は変わってきます。その反面、子育てなど、残業や休日出勤に対応するのが難しい場合には、一時的に業務量が少ないプロジェクトに配置してもらうといったことも可能なので、このあたりの配慮は優れている企業です。
SAPジャパンの福利厚生について
SAPジャパンでは、社員が良いコンディションで仕事に取り組むことが出来るように、充実した福利厚生が提供されています。各種保険などの基本的な福利厚生が完備されているのはもちろんのこと、オフィス内にSAPカフェや無料で利用できるマッサージルームが用意されています。スキル習得のためのラーニングポータルも提供されており、自己研鑽からリフレッシュまで、自分の目的に合わせて、自由に受講することが出来ます。
その他、SAPジャパンへの中途入社を考えている人が知っておくべきこと
SAPジャパンはERPパッケージの世界最大手企業であり、盤石な経営基盤をもつ企業です。ERPは企業の機関システムとして経営に深く関わるITシステムであり、導入するには業界ごとの専門知識と深い技術的知見が必要となります。
そのためシステム導入プロジェクトによって得られる報酬は非常に大きな額となりますし、企業経営の根幹を占めるものであるため、継続的なアップデート・アフターサービスが必要となり、継続的に収益を上げることが可能になっています。
そのため、社員に支払われる給与も非常に高水準であり、年収1,000万を超えるケースが珍しくありません。また各業界のリーディングカンパニーと仕事をすることになるので、常に自身の業界知識は最先端のものへとアップデートされることになり、スキルを上げたい人にとっては、理想的な環境であると言えます。
一方で、労働時間・環境がクライアントの事情に左右されやすく、さらに常に知識の研鑽が求められる環境であるため、そのハードワークさ、プレッシャーの強さに耐えられずに退職するという人も一定数存在します。
しかしながら、SAPジャパンは、このようなデメリットを補って余りあるほどのメリットがある企業であることも確かです。特に、厳しい環境下にて自身を成長させつつ、報酬面でも正当な評価を得たいという人にはぴったりな職場だと言えます。
転職エージェント活用のススメ
SAPジャパンに中途採用で入社する場合、就業後の給与については転職面接時にほぼ決定します。そのため、望む条件を引き出すためには、入社前の給与交渉を上手に行う必要があります。
この交渉については一概にこれが良いといった方法はなく、あまりに高い条件を提示すると採用見送りとなってしまう危険性がありますし、かといって低い条件を飲んでしまうと、いざ採用となった後に給与面での不満が残ってしまうことになります。
このあたりのさじ加減は非常に難しく、一個人が的確に判断するのは厳しいです。そのため、外資系企業の採用事情に明るい転職エージェントから、サポートを受けることをオススメします。彼らは転職のプロであり、どういったPRをすれば、好条件を引き出せるか熟知していますし、実際の給与交渉も代行してくれます。
そのため、自分自身で直接応募するよりも、良い条件で転職出来る確率が高くなります。エージェントを利用するケースとしないケースでは、年収が100万円以上違ってくるといったことも珍しくありません。
転職支援サービスは無料で利用出来るので、積極的に活用することをオススメします。下記でも触れていますが、JACリクルートメント、リクルートエージェント、ビズリーチ、クライス&カンパニーといったエージェントは外資系企業の求人事情に精通しているので、相談先として最適です。また、マイナビIT、マイケルペイジ、ヘイズインターナショナルといったエージェントもオススメです。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。
ただし、エージェントごとに、それぞれコンセプトや方針が違っているので、色々なエージェントに話を聞いて、最も自分に合うエージェント経由で、SAPジャパンに応募するのがベストです。
※補足
このところ、JACは現職者の転職支援に力を入れており、離職中の人の場合、よほどの経験・スキルがないと、有望な求人を紹介してもらうのは難しくなっています。
(経験・スキルの定義が難しいのですが、前職の給与が年収600万を超えるぐらいであれば、まず大丈夫です。)
この条件に当てはまらない人は、上記でも触れているリクルートエージェント、もしくはマイナビエージェントといった転職会社のほうがオススメです。
特に、マイナビは若手層の転職支援に力を入れているので、35歳ぐらいまでの人であれば、職歴などを問わず、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。
(この年代のビジネスマンであれば、経歴不問で募集をかけている企業の求人を多数扱っており、そのなかには大手も含まれているので、なかなか悪くないです。)