アメリカに本拠地を構える世界的な消費財メーカー、P&G。日本ではP&Gの略称のほうが有名ですが、紙おむつなどのベビーケア製品から、洗剤などのファブリックケア、制汗剤などのスキンケア製品など、幅広い年代の人が使う身近な商品を製造しており、多くの人にとって身近な企業と言えます。
日本法人の本社は神戸にあり、東京、大阪、名古屋、仙台、福岡など、全国各地に営業所を展開しています。
P&Gの中途採用求人の傾向
P&Gでは、様々な職種を対象に、中途採用で人材募集をかけていますが、そのなかでも、募集頻度が高い職種を挙げると、下記の通りとなります。
セールス(営業統括) | アカウントマネージャー、販売企画マネージャー |
マーケティング | ブランドマネージャー、アシスタント・ブランドマネージャー |
経営管理 | ファイナンスマネージャー |
PS(生産統括) | メイキングエンジニア、エンジニアリングマネージャー、包装容器マネージャー、購買マネージャー |
IT | ITマネージャー、ビジネスアナリスト |
デザイン | 3D デザイナー |
広報 | 広報 ブランドコミュニケーションマネージャー |
人事 | 本社付人事、工場付人事 |
職種については、一般職と総合職に分かれており、総合職のほうが、経験・実務スキルに関して、高いレベルが求められます。また、中途採用の場合、人や組織のマネジメントを担うマネージャークラスの求人が多くなっているのが、特徴です。
また、社内の公用語は英語であるため、どんな職種に応募するとしても、ビジネスレベルの英語力が求められると考えてください。
P&Gの中途採用選考フロー
P&Gの選考プロセスは、下記の通りとなりますが、ほかの企業と比べても、面接に至るまでが長く、どんなに早くても1ヶ月近くはかかります。
そのうえ、面接も2~3回行われるので、応募してから内定が出るまで、2ヶ月ぐらいは見ておいたほうがいいでしょう。
- 書類選考
- オンラインテスト
- 筆記試験
- 面接
- 内定
書類選考
書類選考は、一般的な履歴書・職務経歴書での選考となりますが、求人によっては、英文レジュメの提出が求められることがあります。書類選考の合否連絡は、提出してから3~4日後に行われるのが、通常です。
オンラインテスト
オンラインテストの内容は、『サクセス・ドライバー・アセスメント』と『リーズニング・スクリーン・テスト』の2つです。
『サクセス・ドライバー・アセスメント』は、性格診断のようなもので、下記のような質問が出題されます。
- 会議では、自分から話し出すほうですか?
- 会話をする時に、主導権を握るほうですか?聞き役に回るほうですか?
- ボランティアの経験はありますか?
- リーダー経験はありますか?
- 目標達成のために、他人を巻き込まなければいけない場合、あなたはどうしますか?
リーダーとしての資質や自発性、外向性を確認する質問が多く、P&Gとしては、当然、こういった特徴を持つ人を採用したいと考えているはずなので、評価が高くなるように、ある程度、話を誇張するぐらいのことは、してもいいと思います。
『リーズニング・スクリーン・テスト』は、CABという論理的思考力を測る試験です。下記のページにおいて、対策方法が書かれているので、詳しくはそちらを参考にしてください。
P&Gの場合、こういった問題が15~20問ほど出題されます。制限時間が設定されており、1問あたり2~3分以内に回答しなければいけませんが、早ければ早いほど、得点が高くなるので、事前にサンプル問題を解いて、慣れておいたほうがいいです。
就活生用の対策本が出版されているので、そういった本で勉強しておけば、問題なしです。
必勝・就職試験! 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法! 【2020年度版】
オンラインテストは、省略されることもあるようなので、応募する時に確認してください。
筆記試験
筆記試験は、東京、神戸のいずれかで行われます。(応募者が自分で選べます。) 試験の内容は、算数、国語、図形、英語などで、時期によって微妙に違います。
IQテストが実施されたこともあるようですが、いずれにしても、P&Gから事前に問題例が送られてくるので、試験を受ける前に内容を把握することができます。
算数は中学レベル、国語はSPIの文章問題のようなもので、難易度としては、それほど高くありませんが、不安であれば、SPIの問題集を解いておくことをオススメします。
図形はオンラインテストと同じものなので、念のため、復習しておけば万全です。
こんなかんじで、算数、国語、図形については、それほど心配することはありませんが、英語は難易度が高いです。
問題の内容そのものは、難しいものではないのですが、分量が多く、1問につき20秒ぐらいで回答しなければいけないので、瞬時に判断できないとダメです。
文法、語彙力、リスニングの3構成で、問題形式はTOEICそのものなので、TOEICの問題集を解くのが、受験対策としては、最適です。
なお、レベル的には、TOEICで800以上のスコアを取れるような人でないと、合格ラインをパスするのは難しいと思います。
オンラインテストが行われない時には、筆記試験の時に、『Application Form』と呼ばれる、エントリーシートのようなものを記入することになります。内容は『サクセス・ドライバー・アセスメント』と一緒で、本人の資質を測ることを目的としています。
面接
筆記試験を通過したら、いよいよ面接となります。事前に提出した『サクセス・ドライバー・アセスメント』の内容をベースに、より深掘りするような質問がなされます。
奇をてらった質問をされることはないですし、圧迫面接のようなプレッシャーを受けることもなく、リラックスした雰囲気のなかで、受けられます。
面接に通過するポイントとしては、これまでの自分の職歴が、どうP&Gに活かされるのか、論理的に説明できるようにしておくことです。
また、P&Gは中途採用に関しては、リーダーとしての資質を重視するので、仕事上でリーダーシップを発揮した経験を伝えられるように、まとめておくのも重要です。
- 志望動機は何ですか?
- 会社や上司からの命令で間違っていると感じたらどうしますか?
- 苦手な人にはどう対応しますか?
- 今の職種での経験が、応募職種にどう活きますか?
- 新しい仕事を立ちあげる場合、どのような計画を立てますか?
- 異文化のバックグラウンドの人達と上手くつきあうのに、大切にしていることはありますか?
- チームを率いて成果を挙げたことはありますか?
突然、英語の面接が始まることがある
実際にP&Gの面接を受けた人の話を聞くと、それまで日本語で話していた面接官が、いきなり英語で質問をしてくることがあるようです。
突然のことで、頭が真っ白になり、何も答えられず、不採用となってしまったけど、後から振り返ってみると、その面接官も英語がうまくなかったという声が多いので、恐らく、これは英語のスキルをチェックするというよりも、とっさの時の対応力を見極めているのだと思います。
ですから、流ちょうな英語を話さそうとしなくてもいいので、伝えることを最優先して、落ちついて回答してください。こんな時に難しいことを話そうとすると、空回りするので、初歩的な言い回しで話したほうがいいです。
P&Gの転職難易度
P&Gは人気の企業で、一つの求人に数十名の応募があると言われているので、転職の難易度は高いと考えたほうがいいです。
求人情報の入手方法
P&Gの中途採用情報については、公式サイト内の専用ページから確認することが可能です。
また、中途採用に関しては、転職会社経由でも、募集を行っているので、そちらから情報を入手することも可能です。
公式サイト、転職会社、どちらでも、入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を保有しているので、P&Gだけではなく、他社の求人も含めて、比較検討してみたいといった時には、まとめて情報を教えてもらえるので、便利です。
このページの最後に、P&Gの中途採用求人を扱う代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
P&Gの求人案件を扱っている転職エージェント
JACリクルートメント
日系グローバル企業、外資系企業専門の転職エージェント。20代から40代の経験豊富なビジネスマンの転職支援に力を入れており、収入アップ、ポジションアップでの転職事例が多々あるので、キャリアアップの機会を探しているのであれば、コンタクトしてみてください。
メーカー系の求人も多く、内資・外資を問わず、様々な案件を保有しています。P&Gへの転職支援実績もあるので安心です。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。
リクルートエージェント
保有求人数が10万件を超える国内最大手の転職エージェント。上記のビズリーチ、JACリクルートメントと比較すると、待遇は落ちるけど、そのかわり、応募条件のハードル低いといった求人が多いです。
待遇が落ちるといっても、正社員(無期雇用)で年収500~600万円といったレベルなので、平均以上の水準です。経験年数が浅い人でも、仕事を紹介してもらえるので、経歴に自信がないという人でも問題なしです。
ビズリーチ
年収1000万円レベルのハイクラス求人専門の転職エージェント。あらゆる業種の企業の求人案件をカバーしていますが、外資系企業への転職に力を入れているため、P&Gへの転職を考えている人には、最適な情報源です。
即戦力の人材を募集する求人ばかりなので、転職のハードルは高いのですが、それだけに採用が決まれば、高収入は確実です。日本コカコーラ、スリーエムなど、P&G以外の消費財メーカーの求人情報も押さえているので、比較検討してみるのもアリです。
もちろん、別業種の企業の求人情報を紹介してもらうことも可能です。ビズリーチは、IT、金融にはかなり強いです。
また、ビズリーチは役職レベルの求人案件の取り扱い数も多いので、管理職としての転職を考えている人にもオススメです。
マイケルペイジ
外資系企業専門の転職エージェント。マーケティング、営業、購買、物流管理といった職種の求人案件を得意としているので、こういった職種での転職を考えている人には、オススメです。
外資であれば、あらゆる業種の求人情報を押さえているので、様々な企業の求人情報を知りたいという時にも最適です。
アズール
消費財業界における転職支援に特化している、珍しいタイプの転職エージェント。日系企業よりも、外資企業のほうを得意としているので、P&Gを視野に入れている人には、アズールもオススメのエージェントです。
最近の傾向としては、マーケティング、営業、人事、法務、FP&Aといった職種の求人が多くなっています。また、日本国内の事業を統括するゼネラルマネージャーを募集する求人が、チラホラ見受けられる状況です。
P&Gの社員年収・給与体系について
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは、年俸制を取っており、ほかのメーカーと比較しても、年収が高い企業と言えます。勤続年数にも左右されますが、30歳で年収1000万を超えることも珍しくありません。
ただし、ボーナスはないうえ、住宅手当などの各種手当は、全て年俸に含まれているので、もし、他社と給与額を比較する時には、そこは差し引いて考える必要があります。(特に日系メーカーと比較する時には、手当の内容を考慮したうえで、判断したほうがいいです。)
P&Gに勤務する社員の年収事例としては、下記の通りとなります。
- 営業 アカウントマネージャー 26歳 年収600万円
- 営業 課長 30歳 年収800万円以上
- 営業 マーケティングブランドマネージャー 30歳 年収1200万円
- 営業 33歳 年収550~600万円
- マーケティング 26歳 年収700~750万円
- マーケティング マネージャー 30歳 年収900万円
- マーケティング 課長クラス 30歳 年収1000万円
- マーケティング 35歳 年収1300万円
- マーケティング 38歳 年収1000万円
- 管理 27歳 年収1000万円
- 管理 課長クラス 30歳 年収1000万円以上
- 研究開発 38歳 年収1000万円
- 研究開発 40歳 年収1200万円
- マネージャー 31歳 年収850万円
- マネージャー 30代 年収1200万円
- 統括 25歳 年収700万円
- 統括 39歳 年収1000~1100万円
- PS 25歳 年収750~800万円
- PS 課長クラス 30代 年収1000~1500万円
- 管理職 28歳 年収1000万円
- 管理職 30歳 年収1000万円
- CBD 30歳 年収750万円
- CBD 課長 42歳 年収1100万円
年収の増え方については、年功序列というよりも実力主義の側面が大きく、在籍年数が同じでも成果の違いによって、大きな収入差が生じることになります。(特に営業、マーケティングといった職種においては、この傾向が強くなります。)
入社直後から仕事を任せてもらえる環境なので、チャンスは誰にでも平等に与えられます。一部の日系企業であるような、上司との関係性によって、その後のキャリアが大きく左右されるといったこともありません。
新卒・中途を問わず、社内で人材を育成する意識も高く、様々な研修プロジェクトが用意されているので、成長する機会にも恵まれた環境と言えますし、仕事で結果を出せば出すほど、自分の年収に跳ね返ってくるので、やりがいを求める人には、最適な職場です。
P&Gでは、年1回の定期昇給があり、入社後から数年間は、必ず給料が上がりますが、一定期間が経過すると、打ち止めとなり、その後は、昇進しない限り、アップすることはありません。
課長以上となると、大幅に給料が上がる会社なので、高収入を目指すのであれば、役職に就くことは絶対です。
役職者の収入事情
マネージャー以上の役職者となると、部署の業績が良い時に、インセンティブがもらえます。また、部下の育成実績が、重要な指標となっており、人を育てることが上手なマネージャーほど、高収入となります。
また、部長以上の役職になると、ストックオプション制度を利用できるようになります。
福利厚生について
P&Gは資産形成に関する福利厚生が充実しており、財形貯蓄制度、従業員持株会、提携住宅ローン制度などが用意されています。(もちろん、退職金企業年金制度もあります。)
また、病気になった社員をサポートする福利厚生が手厚く、医療費の一部を補助する制度があるほか、長期障害所得補償制度があり、万が一の時には、会社が社員の生活を保障するようになっているので、安心して働けます。
あとは、入社時に転居が必要な人に対しては、物件探しや引っ越しのサポートをしてくれたり、費用の一部を負担してくれたりする制度があります。
社会保険については、健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険、労災保険と、一通り完備されています。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職までの実績・経歴などを加味して、年俸額が算出されることになりますが、この数字は、交渉次第で変わってくるものでもあるので、P&Gからの提示額に納得がいかない時には、希望額を伝えて、話し合うようにしてください。
中途半端に妥協してしまうと、後々まで後悔することになりかねません。特に、P&Gは実力主義の会社なので、実績を適切にPRすることで、条件をアップしてもらえる可能性が高いだけに、なおさらです。
もし、こういった条件交渉を行うことに、気が引けてしまうということであれば、前述した転職エージェントに交渉を代行してもらうことをオススメします。
彼らは、転職のプロなので、この手の交渉に慣れており、より良い条件で転職できるように、うまく話を進めてくれます。結果的に、数字の上積みに成功するケースが少なくないので、自分でどうにかしようとするよりも、最初から任せてしまったほうが賢明です。
P&Gの評価制度・キャリアパス
P&Gでは、年4回の査定をベースに、人事評価が行われています。直属の上司に大きな裁量権があるので、日頃から上司とコミュニケーションを取っている人が、高評価を受ける傾向にありますが、これは、上司と仲が良いから、評価が高くなるということではありません。
コミュニケーションを綿密にすることで、自分が求められる役割を正確に把握できるため、会社の期待に添うパフォーマンスが発揮しやすいというのが、その理由です。
日本の会社であるような、上司におべんちゃらを使う人が高い評価を受けるといったことは、一切ないので、ここは勘違いしないようにしてください。実際、P&Gの人事評価は非常に公平で、社員からの納得度は非常に高いです。
なお、外資だと、マネージャークラスの人材は、外部から採用する企業が多いのですが、そういった状況のなかで、P&Gは例外的に、内部昇進を軸としているので、昇進のチャンスは多いです。
信賞必罰がハッキリしている
P&Gは、年々、実力主義の傾向が強くなっています。昇進スピードが速くなり、実力が認められれば、年齢に関係なく、キャリアアップすることが可能ですが、その反面、評価が低いと、退職勧奨や他支店への転勤打診を受けることになります。
以前は、こういったことはなかったのですが、近年、少しずつ増えており、厳しさも増していますが、それだけに、この会社で頑張ることで、自分の実力を高めることができます。
元々、P&Gには優秀な人材が多いため、転職市場における評価が高く、P&Gでの勤務経験あると、転職時に有利になることが多かったのですが、その傾向が、さらに強まっており、5年以上働いている人だと、ヘッドハンティングを受けることが珍しくなくなっています。
キャリアアップを達成するポイント
P&Gで昇進するには、仕事で結果を出すことに加えて、結果が出た時に、その成果をしっかりとアピールすることも重要です。そこは外資なので、控えめな性格だと、割を食います。
また、アジアの拠点が日本からシンガポールに移されたこともあり、海外勤務経験者のほうが、出世しやすくなっています。
特に、課長以上のポジションだと、グローバルで統一された評価基準に沿って、人事評価が行われるので、グローバルな視点で働けないと、高い評価を受けるのは無理です。さらに、その絡みで、日本国内で働くにしても、英語ができないと厳しいです。
P&Gでは、英語が社内公用語と言える状況で、メールとプレゼンは、基本的に英語で行われますし、営業以外の部署では、英語が話せないと、仕事が進まなくなってきています。
なお、これは少し視点がずれた話となりますが、P&Gはコンプライアンスに非常に厳しい会社です。能力の高い人、上級ポジションに就いている人であっても、パワハラ、セクハラなど、社会的に問題のある行為をすれば、即解雇となります。
社内教育制度について
P&Gは会社の将来を担う人材は内部で育てるという『Build From Within』という方針を掲げて、人が育つ環境作りに取り組んでいます。
そのため、社内教育に対する力の入れ具合が半端なく、全社員を対象としたコーポレートトレーニング、職種別研修、OJTの3つの研修を軸に、様々な教育プログラムを用意しています。
コーポレートトレーニングについては、リーダーシップやコーチングのスキルを学ぶトレーニング、異なる文化背景を持つ人達と、的確に意思疎通をはかることができるようになるためのコミュニケーションスキルを学ぶトレーニング、語学スキルを学ぶトレーニングなどがあります。
また、ちょっと変わったトレーニングとして、『コーポレートアスリート(corporate athlete)』と呼ばれるトレーニングがあります。
これは、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるように、自己管理のノウハウを学ぶトレーニングですが、肉体の健康管理だけでなく、メンタル、感情にも焦点を当てています。
ほかにも、マネジメントスキルを習得するトレーニング、ディスカッションスキルやプレゼンスキルを学ぶトレーニングなどがあり、ビジネスマンとしての基礎能力を高めることができます。
その一方で、職種別研修やOJTで、専門能力を磨いていくという流れです。ちなみに、P&Gでは、部下を育てられないと、自分自身の評価が上がらないため、マネージャーは、教えることに対する意識が高く、綿密なフォローを受けられます。
あとは、通信教育や社外セミナーの費用補助制度、オンライントレーニングプログラムなどもあり、自分のスケジュールにあわせて、受講することができます。
一定の条件を満たせば、費用は全額補助となるので、自己負担なしで学べます。社外セミナーだと、かなり高額なものを受講させてもらえることもあります。
P&Gでは、新しい研修が高い頻度で導入されていますが、そういった研修は、最近の仕事での経験を元に作成されるものが多いので、最先端の知識やスキルを習得できます。
P&Gは成長を後押ししてくれる会社
中途採用者には、入社初日から、重要なプロジェクトを任せるなど、仕事に対する大きな裁量権を与える会社なので、様々な業務にチャレンジできますし、責任を負うことになるので、自然にリーダーシップが磨かれます。
セクショナリズムと無縁の会社なので、部署を飛び越えて仕事をすることができますし、2~3年で、担当する業務が変わるので、幅広い経験を積み上げることができます。
担当業務の内容は、本人の希望を考慮して決められるので、自分が望むキャリアにあわせて、選択することができます。
注力したい分野があれば、それだけに携わることも認めてくれるので、専門性を追求することもできます。
PVP(Purpose Values Principles)という企業理念のもとに、社員のふるまいとして、自分が正しいと思うことを実行することが大切とされているので、自ら積極的に考えて、そのアイディアを提案すれば、実現に向けてフォローしてくれます。
他社からは、『出る杭は伸ばす』社風とすら言われているので、思う存分、自分のやりたいように動くができます。
逆に、発言できる場面でも黙っている、いつまでも行動に移さないなど、消極的な姿勢が目立つと、注意されます。
能力以上の仕事を与えて、急激に成長させるといった考え方の会社なので、そこは大変ですが、自己成長意欲が高い人にとっては、このうえない環境と言えます。
P&Gで働くことで得られること
P&Gで働くことで、得られるものは多々あるのですが、そのなかでも、特徴的なことを挙げると、まず、P&Gは、チームで動くのが基本なので、チームワークやコミュニケーションスキルを高めることができます。
また、様々な国籍の人たちと仕事をする部署が多いのですが、そういった部署で働いていると、国際的な感覚が自然に養われますし、もちろん、英語でのコミュニケーションスキルも上達します。
もう一つ、大きな特徴として、P&Gは、会社として経営者を育てることに注力していて、起業家を数多く輩出しているので、将来、そういった道に行きたい人にはオススメの会社です。
経営スキルが身に付くのは、もちろんのこと、社内に経営者予備軍が集まっているので、人脈が築けるという利点もあります。
ワークライフバランスについて
ワークライフバランスについては、個人のやり方次第で良くも悪くもなる会社です。企業の制度として見たときに、ワークライフバランスを邪魔するような要素はありません。
有休などの休みについては、取得することが当たり前という企業文化が根付いており、祝日を利用して、大型連休を取得することも可能です。年に1~2回、リフレッシュを兼ねた長期旅行を取るといった人が多いです。
P&Gの有休の日数は、日系企業の平均より少ないのですが、5日間の傷病休暇があるので、それを加味すると同程度です。
飲み会、イベント、接待などを強制されることはないですし、意味が無いと感じる業務がある時には、データの裏付けをキチンとすれば、上司に無駄と言える職場なので、効率的に働くことができます。
(会社としても、業務の合理化、簡素化に力を入れているので、こういった提案をすると、耳を傾けてくれます。)
残業時間が多い社員がいると、人事から管理職に連絡が入り、その都度、しっかりとした解決策を生み出して、状況を改善する会社でもあるので、ワークライフバランスに関しては、何の心配もいりません。
P&Gは自由な働き方ができる
営業であれば、直行直帰が認められていますし、営業以外の部署においても、コアタイムが10:00~15:00となるフレックス勤務が導入されています。
P&Gのフレックスは、勤務時間を月単位で管理するシステムなので、たとえば、今日はコアタイムだけ働くといったことがOKなので、スケジュールの調整が、かなり細かくできます。
また、P&G独自の制度として、『ロケーション・フリー・デー』というものがあります。これは1ヶ月5日間以内であれば、どこで働いても構わないという制度です。
あらかじめ、会社所定のトレーニングを受けなければいけないなど、準備は必要ですが、上司の承認がおりたら、あとは自由なので、場所に縛られない働き方が可能です。
『ロケーション・フリー・デー』は、申請事由によっては、1ヶ月10日間まで、取得することが認められています。
在宅勤務が推進されていることもあり、用事がある場合には早く帰社して、自宅で残りの仕事を片付けるといった働き方も可能なので、生活スタイルを加味しながら、時間を効率的に使うことができますし、仕事と休みのバランスを取ることも可能です。
ただし、自宅でも仕事ができるため、仕事とプライベートの区切りを付けることが難しいと言った側面も持っています。経験を積み、業務の幅が広くなると、自然と責任ある仕事が増えるうえ、業務量自体も多くなるため、どうしても時間が足りないと言った状況が出てきます。
また、実力重視の評価制度となるため、結果を出そうとすれば、自然と勤務時間が増えてしまいがちで、時期によっては、どうしても残業が多くなるという側面もあります。
グローバル企業ということで、部署によっては、海外出張や深夜の電話会議などもこなさなければなりません。オーバーワークになると、自宅でも仕事をすることになりかねないので、個人の調整力が試される環境であるということは、頭に入れておいてください。
逆に言えば、このあたりのスケジュール管理をしっかりできる人は、自分の好きなように時間を組み立てられる理想的な会社と言えます。
女性の働きやすさについて
P&Gは、女性の働きやすさについては、抜群の企業です。様々な人種や国籍の人が働いていることもあって、20年以上前からダイバーシティを大切にしている会社であり、業務内容で男女差が生じるようなことは、一切ありません。
取り扱っている製品が、女性をターゲットにするものが多いということもあり、女性の意見が尊重される傾向にあるので、やりがいを持って働くことができます。
また、P&Gは、意欲がある人間を引き上げる会社なので、女性でも、昇進のチャンスに恵まれています。
P&Gでは、課長職の女性比率は40%に達していますが、さらに女性管理職の割合を高めようとしているため、男性社員と同じ条件であれば、女性のほうが、昇進しやすいくらいです。
育児支援体制についても、産休・育休といった制度が整っているだけではなく、周りのサポートも手厚く、社員全体でフォローしてくれるといった雰囲気のなかで、働くことができます。
産休や育休で休みを取得してきた女性がたくさんいることから、働きやすい女性のロールモデルが確立されているため、子供の体調が理由で、早く帰るといった時にも、気まずさを感じることがないですし、在宅勤務制度を利用して、仕事と育児を両立している社員もいます。
また、育児をしている女性の場合、1日4時間30分以上、会社で働けば、残りは自宅勤務でも構わないという、『コンバインド・ワーク』といった制度を利用することもできます。
この制度を活用すれば、昼ぐらいに退社して、午後から夕方あたりに家事や育児をこなして、夜、一段落してから、自宅で仕事をするといった働き方ができるので、時間の調整がしやすいです。
管理職でも、産休・育休を取得する人が多く、キャリアと育児の双方を追求することも可能です。
最近では、育休を取得している男性社員が増えています。
女性がP&Gで働く時の注意点
基本的には、P&Gは女性が働きやすい会社ですが、それでも、いくつか注意しておくべきことがあります。
まず、営業だと、得意先の時間が優先となるため、夜間に仕事をしなければならないこともあり、家庭がある人にとっては、子供との時間を作りにくいなど、支障が出てくるかもしれません。
また、P&Gは転勤が当たり前の会社であり、キャリアアップを目指す場合、女性社員でも転勤不可の希望を出すことができないので、その点は覚悟が必要です。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職までの実績・経歴などを加味して、年俸額が算出されることになりますが、この数字は、交渉次第で変わってくるものでもあるので、P&Gからの提示額に納得がいかない時には、希望額を伝えて、話し合うようにしてください。
中途半端に妥協してしまうと、後々まで後悔することになりかねません。特に、P&Gは実力主義の会社なので、実績を適切にPRすることで、条件をアップしてもらえる可能性が高いだけに、なおさらです。
もし、こういった条件交渉を行うことに、気が引けてしまうということであれば、前述した転職会社に交渉を代行してもらうことをオススメします。
彼らは、転職のプロなので、この手の交渉に慣れており、より良い条件で転職出来るように、うまく話を進めてくれます。結果的に、数字の上積みに成功するケースが少なくないので、自分でどうにかしようとするよりも、最初から任せてしまったほうが賢明です。
P&Gを退職した人の理由
年収や福利厚生など、待遇面が非常に充実しているP&G。社内の雰囲気も良好であり、働く環境としては理想的なのですが、実は転職する人が多い会社でもあります。
その理由として最も多いのは、実力主義で常に結果が求められ、かつ、会社の要求水準が高いため、そのことに対して疲れてしまったということです。結果を求められることは、どこの会社でも同じことですが、P&Gの場合、短期的な結果を求められる傾向にあります。
そのため、数年単位で取り組みたいと思っていることがあっても、より早く結果の出ることに取り組まざるを得なかったり、いつまでこの会社で競争し続けていられるのかと、不安に感じる人もいるようです。
また、最近の傾向としては、主力部署の海外移転などもあり、勤務地の都合で転職を選択する人が多くなっています。
転職エージェント活用のススメ
P&Gは、優れた就労環境を確立しており、年収も魅力的。男女を問わず、働きがいのある企業と言えます。ただし、競争が激しいために、一生を通じて働く会社かどうかを考えた時に、転職をする人が少なからずいるのも事実です。
中途採用を狙う場合には、採用されるかどうかも大切なことですが、40代、50代になっても、結果を追い求めて働くことが出来るどうかを十分に検討する必要があると言えます。場合によっては、数年後に再転職することを見越したうえで、P&Gに入社するという選択肢もあります。
また、近年の日本市場の縮小により、海外拠点への比重が高まりつつあるので、P&Gに転職する時には、海外勤務についても、自分の考えをまとめておいたほうが無難です。
こういったことを自分一人で判断するのは、かなり大変なので、考えがまとめきれないという時には、転職エージェントに相談することをオススメします。彼らは転職のプロですし、業界全体のことに精通しているので、客観的なアドバイスをしてもらうことが可能です。
また、P&Gへの転職を目指すとなった場合には、採用に通過するためのフォローを受けることが出来ますし、年収などの条件面に関する交渉を行ってもらうことも可能です。
転職する時には、何かと頼りになる存在なので、うまく活用してください。繰り返しになりますが、下記のエージェントであれば、外資系企業への転職支援に慣れており、P&Gの実情も把握しているので、相談先として最適です。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。