米国ニュージャージー州に本社を構える、世界的な製薬会社、メルク・アンド・カンパニー。ドイツの化学・医薬メーカー、メルクのアメリカ事業が、第一次世界大戦中に接収され、分離独立したことを発祥とする企業です。
ドイツのメルクが、今でも、存在するため、区別する意味で、米国メルクとも呼ばれることもある会社です。
2009年11月の米国メルクによる大手製薬会社シェリング・プラウの買収に伴い、米国メルクの日本法人とシェリング・プラウの日本法人が事業統合したことによって、2010年に設立されたのがMSD株式会社です。
医療用医薬品、医療機器の開発・輸入・販売を手掛け、特に、糖尿病治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、高脂血症用薬、筋弛緩回復薬などにおいて、大きなシェアを誇っています。
波はありつつも、安定した業績を挙げ続けており、それに伴い、人材採用の動きが活発です。新卒・中途を問わず、積極的に人材を募集しています。
このページでは、MSDの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収水準、就労環境などについてまとめていますので、参考にしてください。
MSDの中途採用事情
MSDでは、各種事業部において、通年で中途採用を実施しています。募集がかかっている部署・職種については、グローバル研究開発本部やメディカルアフェアーズが主となっており、領域はオンコロジーがメインです。
そのため、求められている人物像は、高い専門性を持つ即戦力人材であり、厳しい応募条件が設定されています。
具体的な応募資格としては、どの職種でも基本的に、募集されている職種に関する高度な知識と専門性を有すること(生物・薬学系学科の学士、修士以上の資格もしくはそれに準ずる経験を有すること)、当該分野の実務経験を有することが、最低条件となっています。
経験年数については、求人ごとに異なりますが、最低でも3年は必要となり、なかには、15年程度の経験が求められるケースもあります。シニアクラスになると、どの職種においても、10~15年程度の実務経験を求められるのが、一般的です。
また、語学スキルに対する要求度も高く、ほぼ全ての求人において、ビジネスレベルの英語力(TOEIC650~800程度)が求められています。
現在、募集がかかっている求人の詳細については、公式サイト内の採用情報ページにおいて、公開されているので、興味がある人は確認してみてください。
http://www.msd.co.jp/careers/index.xhtml
一方、営業・マーケティング、経理財務、人事、総務といった職種においては、専門職と比較すると、応募条件が緩くなりますが、求人数はかなり少なめです。
また、これらの職種に関しては、転職エージェント経由で、募集がかかることが多いです。このページの最後に、MSDの中途採用求人の取扱実績が多いエージェントを数社リストアップしておきますので、直接問い合わせてみてください。
なお、これらのエージェントは専門職の求人も扱っていることが多いので、専門職での転職を狙っている人も、利用することが可能です。
MSDの社員年収について
MSDの社員年収について、幾つか具体例を挙げると、下記のようになります。
- 入社6年目 営業 年収600万円
- 入社5年目 35歳 研究開発 年収670万円
- 入社3年目 31歳 営業 年収600万円
- 45歳 生産 年収1300万円
- 入社9年目 営業 年収860万円
- 入社5年目 30代前半 臨床開発 年収650~700万円
- 入社3年目 32歳 営業 年収700万円前後
- 入社6年目 財務 マネージャー 年収1300万円
- 入社10年目 46歳 品質 年収1100~1150万円
業界のリーディングカンパニーということもあり、製薬会社のなかでも、給与水準は高いほうです。給与体系は年功序列の部分が大きく、突出した成果を上げたとしても、大幅な昇給が期待出来るわけではありませんが、毎年コンスタントな昇給が望めます。
昇給の機会は年に一回で、賞与は年に一回、3月に支給されます。また、借り上げ社宅制度、退職金制度、保育料補助制度など、外資では珍しく、給与以外の福利厚生の補助が非常に充実しています。こういったことも含めると、MSDの給与条件は、かなり良好と言えます。
就業環境、ワークライフバランスについて
MSDは、職種によって多少の違いはありますが、総じて優れた就業環境を提供している企業であると言えます。
裁量労働制が導入されているため、業務の進め方や時間の割り振りなど、自分次第で、自由にスケジュールを組み立てることが可能です。残業するかどうかということについても、自分で決めることが出来ます。
在宅勤務も無制限で認められており、出社が難しい場合でも、問題なく業務に取り組むことが出来ます。
有給休暇の取得に関する自由度も高く、長期休暇が取りやすいですし、飛び石連休の平日に有給を取得して、大型連休を取っている社員も多いです。
なお、どの会社でも一緒かもしれませんが、営業職に関しては、本社勤務の職種よりも、忙しいという傾向があります。ですが、特に担当エリアが広いわけではなく、直行直帰が可能ですし、新薬上市時期などの繁忙期を除けば、有給休暇の取得についても、融通が利きます。
所属部署によっては、学会参加や講演会の手伝いなどで、土曜出勤が課せられる場合もありますが、頻度は2週に1度ぐらいです。そのため、他の製薬会社と比較すると、MSDの営業マンは恵まれた状況にあると言えます。
成長環境について
MSDは社員教育に力を入れている企業であり、社員の能力開発を積極的にサポートしています。教育プログラムのほとんどが、eラーニングとなっており、カフェテリア形式で受講することが可能なので、成長意欲の高い人は、いくらでもスキルの獲得や研鑽に、取り組むことが出来ます。
申請すれば、勤務時間内に、社外研修を受けることが出来ますし、費用も補助してもらえるので、MSDではカバーしていない分野の能力開発についても、問題なしです。
また、MSDは社内公募制度がしっかりと機能している企業であり、本人の希望を最大限尊重してくれるので、全く別の職種にチャレンジすることも可能です。
女性の働きやすさについて
MSDは、ダイバーシティ&インクルージョンを会社として掲げて、女性が働きやすい環境を整えることに注力しており、女性の働きやすさについては、定評があります。
女性特有のライフイベントに対する配慮が厚く、産休・育休制度の取得率は高いですし、復職後には、時短勤務を利用して、子育てをしながら仕事を続けている女性社員が多いです。
またMSDでは、一般的に男性社員が多数を占める傾向にある営業職においても、全体の3割程度が女性であるなど、職種問わず、女性が活躍しています。女性の管理職を増やそうという動きもあるため、精力的に働いてキャリアアップを目指すことも可能です。
MSDの転職先としての価値
ここまで、MSDの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、給与水準が高いうえ、就労環境も整っており、転職を目指すには、申し分がない企業です。それだけに、人気が高く、転職を考える人は多いです。
ただし、先ほども触れたように、MSDが転職希望者に課す条件は厳しく、ハードルはかなり高くなります。そのうえ、職種によっては、求人数自体が少ないので、競争率が高く、狭き門となります。
なかなか大変ではありますが、目指すだけの価値がある企業なので、ぜひチャレンジしてみてください。
最後に、MSDの中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきます。彼らは、MSDの社内事情に精通しており、会社側が求める人物像についても把握しています。
そのため、どうすれば、会社側に、うまくアピール出来るかなど、採用面接対策に関して、アドバイスを受けることが出来ます。こういった事前情報をどれだけ知っているかによって、転職に成功する確率が大きく変わるので、ぜひ活用してください。
なお、転職エージェントは様々な企業の求人情報を扱っているので、他の製薬会社の求人について、教えてもらうことも出来ます。もしかしたら、MSD以上に満足出来る会社が存在するかもしれないので、興味がある人は、併せて確認してみてください。
<MSDの中途採用求人を扱う転職エージェント>
※JACに関する補足
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