世界4大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングのメンバーファームとして、日本国内におけるアドバイザリー事業を担う、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング。経営戦略、財務会計、SCM、CRM、IT、人事等、様々な分野において、アドバイザリーサービスを提供しています。
2017年に1月に、アーンスト・アンド・ヤングの日本におけるメンバー企業である、新日本有限責任監査法人、EYアドバイザリー株式会社、EYフィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社のサービスを集約する形で、立ち上げられた企業です。
EY Japanの組織改編の目玉として、グループ内においては、今後の展開に大きな期待が寄せられており、そういった背景があるため、人材採用の動きが活発になっています。中途採用に関しても、様々な経歴を持つ人材が募集されているので、転職のチャンスは豊富に存在します。
このページでは、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
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正確に言えば、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングというのは、まだ設立間もない会社ですが、給与体系、評価制度などは、EY Japanのグループ企業のものを踏襲しています。就労環境についても、同様なので、このページでは、それらの企業の内容をベースにまとめています。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの中途採用求人の傾向
中途採用に関しては、各分野におけるコンサルタントの募集案件が中心となります。具体的には、下記分野が対象となります。
財務会計、SCM、CRM、経営戦略、IT活用、人事・組織改革、リスクマネジメント、内部監査・内部統制、サイバーセキュリティ
コンサルティングファームの実務経験、もしくは、一般事業会社における、同一分野における業務経験があること、及び、英語スキルを有することが、応募条件となっています。
また、これらの業務を統括するマネージャーを務められる人材が同時に募集されており、こちらは、コンサルタントとしてのプロジェクトマネジメント経験者であることが、応募資格となっています。
求人情報の入手方法
公式サイト内に、採用情報ページが開設されており、中途採用の募集要項が記載されているので、そちらから求人情報を入手することが出来ます。
https://www.eyadvisory.co.jp/careers/experienced/
また、民間の転職会社経由でも、募集がかかっており、コンサルティング業界に強い転職会社に問い合わせれば、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの求人を、すぐに教えてくれます。
転職会社の場合、様々な企業の求人案件を扱っているので、この会社の求人を、別のコンサルティング会社の求人と比較してみたいといった時には、まとめて教えてもらえるので、自分で探す手間が省けて便利です。
このページの最後に、コンサルティング業界に強い転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの年収について
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングに勤務する社員の給与水準ですが、具体的な年収事例を挙げると、下記の通りになります。
- コンサルタント 23歳 年収510万円
- コンサルタント 23歳 年収600万円
- コンサルタント 26歳 年収500万円
- コンサルタント 26歳 年収570万円
- コンサルタント 32歳 年収550万円
- コンサルタント 32歳 年収650万円
- シニアコンサルタント 28歳 年収580万円
- シニアコンサルタン 29歳 年収700万円
- シニアコンサルタント 33歳 年収700万円
- シニアコンサルタント 36歳 年収1100万円
- コンサルタント マネージャー 36歳 年収850万円
- コンサルタント マネージャ 38歳 年収960万円
- コンサルタント マネージャー 35歳 年収900万円
- コンサルタント マネージャー 35歳 年収850万円
- コンサルタント マネージャー 40歳 年収1000万円
- コンサルタント シニアマネージャー 38歳 年収1300万円
- コンサルタント シニアマネージャー 40歳 年収1150万円
- 人事 28歳 年収650万円
- 経緯財務 31歳 年収700万円
- 経営企画 24歳 年収450万円
- 経営企画 課長 36歳 年収800万円
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングでは、年俸制が採用されており、年棒総額を12等分した額が、毎月の給与額となります。
4大系会計事務所(BIG4)のなかでは、低めの水準となっていますが、コンサルティング業界全体で見れば、十分、高い部類に入ります。また、コンサルティング会社としては、就労環境が良好なので、そのあたりのバランスを考えると、悪くない職場です。
年俸に関しては、交渉して決めることになるので、入社する、その段階において、既に個人差が大きく生じるようになっています。同一ポジションでも、バラつきがあるので、会社側からの提示額に納得がいかない時には、そこで受け入れず、とことん交渉するようにしてください。
そこで、妥協してしまうと、入社後、同僚との給与差にがく然として、後悔することにもつながりかねないので、要注意です。給与の話をするのは苦手ということであれば、前述した転職会社に交渉を代行してもらってください。
彼らはプロなので、この手の交渉に慣れていますし、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの社内事情にも精通しているので、うまく話を進めてくれます。下手に自分で行うよりも、良い方向に向かう可能性が大なので、最初から任せてしまったほうが賢明です。
入社後の昇給ペースについては、前年度の成績をベースにした人事評価の内容によって、決まることになりますが、コンサルタントよりもシニアコンサルタント、シニアコンサルタントよりもマネージャーというふうに、ポジションが上になるにつれて、アップ幅が大きくなる傾向があります。
賞与に関しては、シニアマネージャー以下の社員が対象となり、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングが設立された時点で、所属するチームの成績に応じて、支給額が決まる、業績連動賞与に変わりました。
6月と9月末に支給されるようになっており、6月末は評価に関係なく、ベースの全額が支給されます。その後、7~8月で評価を実施して、9月末に評価に応じた金額が支給されるという流れになっています。
残業代については、シニアコンサルタント以下では、残業30時間分が一律手当として支給され、超過分については、別途支給となっています。
サービス残業が発生しないように、働いた分を正しく申請するようにという方針を強く打ち出している会社なので、働いた分が、正確に給与に反映されています。
なお、その結果として、シニアコンサルタントからマネージャーに昇格した時には、一時的に給与総額が減るという逆転現象が起こることが、多々あります。(その後は、定期昇給があるので、特に目覚ましい業績を挙げなくても、数年でシニアコンサルタント時代を上回ることになります。)
福利厚生に関しては、特筆出来ることは殆どありません。健康保険組合のポイントが1年間3万ポイント割り当てられ、対象となるサービスや商品と換えられるぐらいです。基本的に何も期待出来ないと考えてください。
(EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、福利厚生については、年俸に含まれているという考え方を持つ会社です。)
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの評価制度について
評価制度に関しては、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングでは、半年に1回設定した目標の達成度がベースとなる、MBO評価が採用されています。
5段階評価となりますが、直属の上司を含む2人以上の人間から、評価を受けることになるため、より多角的な視点で評価を得られるようになっています。
ただし、担当するプロジェクトの規模や内容によって、評価が変わる傾向があるので、どのプロジェクトにアサインされるかということも、重要な要素となっています。
また、その時期によって、売上が好調な分野が異なるので、自分が担当する分野の市場環境にも、評価が左右されることになり、そういった意味では、運頼みという要素もある、安定性に欠ける評価制度となっています。
昇進については、年1年、査定される機会があり、そこで昇格する人間が決まりますが、評価軸が社内で明確になっていないこともあり、どうすれば昇格出来るのか、今ひとつ、分かりづらい状況となっています。
これは、評価者がスタッフ一人一人の仕事ぶりをじっくり見る機会が、少ないことが原因であるようですが、ここでの問題点は、仕事の内容が伴わない社員であっても、上司とのコミュニケーションが良好であれば、評価される傾向があるということです。
昔ながらの日系メーカーのようですが、最終的には、査定者の意向で決まることになるため、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングにおいて、高評価を得るには、上司と日頃の良好なコミュニケーションが、必要不可欠となります。
(プラス、誰にでも分かる、目立った成果を挙げれば、完璧です。)
なお、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングでは、今年度(2017年度)中に、新評価制度を導入する予定ですが、まだ試行錯誤の段階であり、今後の見通しに関しては、不透明です。
そのため、評価制度が気になる人は、転職を検討する段階で、最新の状況について、確認しておくことをオススメします。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの成長環境について
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、人を育てるという意識がない会社なので、基本的には、仕事を通じて、自分自身の責任において、業務に必要な知識・スキルを習得していく必要があります。
(一応、社内研修は用意されていますが、内容は充実したものとは言えず、社員の参加率は、非常に悪いです。)
ただし、プロジェクトによって、自分が果たす役割が違ってくるので、どのようなプロジェクトにアサインされるかによっても、経験値の量・内容が変わってきます。
幸い、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、どのプロジェクトを担当するか、自分から希望を出すことが出来るので、貴重な経験を積むことになりそうな内容のプロジェクトを志望することで、自分を成長させる環境を整えることが出来ます。
その反面、自分の自由に出来る余地が大きいため、油断していると、キャリア開発の機を逸することになるので、注意が必要です。
いずれにしても、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングにおいて、成長出来るかどうかというのは、自分次第と考えてください。
ワークライフバランスについて
年収のところでも触れましたが、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、BIG4のなかでは、ワークライフバランスが良好な会社です。
プロジェクトが忙しい時には、1ヶ月の残業が、150時間に到達するといったこともありますが、これはあくまでも一時期のことであり、その時期を除けば、毎日19~20時ぐらいには、退社することが出来ます。
休暇についても、事前に調整しておけば、申請通りに取得することが可能です。また、プロジェクトの合間に、まとまった休みを取ることが出来るため、そこを利用して、年に1~2回、長期休暇を取得して、リフレッシュしている社員が少なくないです。
元々、個人の裁量が大きな会社であり、自分の意志で、仕事のスケジュールを調整出来るので、自由度は高いです。結果として、プライベートとのバランスも取りやすいので、私生活を重視する人にとっても、まず納得がいく環境と言えるでしょう。
女性の働きやすさについて
外資コンサルティングファームなので、女性だからといって、何か不利な立場に置かれることはありませんが、逆に言えば、男性同様の結果が求められることになるので、仕事の成果に対するプレッシャーは大変です。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングで活躍している女性というのは、ハードワークを厭わず、その状況に、やりがいを感じるタイプであるということは、頭に入れておいてください。(女性の感性が活きるプロジェクトも存在するので、女性が活躍出来る機会は、かなり多いです。)
なお、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、子育てに対する理解が厚い会社であり、育児支援体制は、しっかりしています。産休・育休はもちろんのこと、時短勤務を活用することも出来るので、子育てと仕事を両立させることが可能です。
(所属する部署の状況にもよりますが、産休・育休に関しては、最長で2年程度までは、認められているようです。)
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングは、ダイバーシティの観点から、女性の活用を促進することを表明しており、仕事の進め方や人間関係について、相談出来る窓口を設定したり、女性社員向けの社内イベントを開催したりするなど、状況改善の動きを強めています。
そのため、将来的には、ますます、女性が活躍出来る会社になっていくことが、期待出来ます。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの転職先としての価値
給与を含めた待遇面に関しては、BIG4のなかで一歩劣りますが、それを補って余りあるだけの就労環境の良さが、転職先として見た場合の、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの魅力と言えます。
もちろん、世界を代表する会計事務所のメンバーファームなので、仕事自体は、やり甲斐があるものですし、給与条件も業界全体で見たら、良い部類に入ります。
そのため、仕事だけでなく、プライベートや家族との時間も確保して、バランス良く働きたいという人、仕事とプライベート、どちらも充実させたいという人にとっては、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングというのは、オススメの会社です。
(コンサルタントとしても、貴重な経験を出来る職場なので、仮に将来、再転職をすることになるとしても、その時点で、他社でも通用するだけのスキルを、身につけているはずです。)
最終的には、当人の考え方次第となるので、自分が会社に何を望むのか、自分自身の価値観と照らし合わせながら、決断を下すべきですが、少なくとも真剣に検討するだけの価値があることには、間違いないので、じっくり時間をとって、考えてみてください。
コンサルティング業界に強い転職会社
最後に、コンサルティング業界に強い転職会社をリストアップしておきますが、彼らはEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの社内事情を把握しているので、転職を目指すべきかどうか、判断に迷う時には、相談してみてください。
プロの視点で、客観的にアドバイスしてくれるので、参考になりますし、仮に止めておいたほうがいいという判断になった時には、他社の求人を紹介してもらうことも可能です。転職先候補を決める際には、頼りになる存在なので、うまく活用してください。
※JACに関する補足
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