米国マサチューセッツ州に本社を置く世界最大のストレージ機器開発企業、EMCコーポレーション。現在ではソフトウェア開発、及び、導入・運用サポートなどのサービスを包括的に提供するトータルソリューションプロバイダーとして、世界80ヶ国以上において、ビジネスを展開しています。
買収や協業によって成長、世界最大のストレージ企業となりましたが、2015年にDellに買収され、社名をDell EMCに改変、以後はDELLの子会社として、事業を展開しています。
こういった経緯を持つEMCの日本法人にあたるのが、EMCジャパン。日本では1994年から製品・サービスの販売を始め、2015年に社員数が1000人を超える規模に成長しています。
IT業界のなかでも、給与水準が高い会社として知られており、転職市場においても、人気の会社です。
EMCジャパンの中途採用事情
EMCジャパンでは、通年で中途採用を行っています。求人が発生している主な職種は、コンサルタント、セールス、アカウントマネージャーの3職種です。
ポジションについては様々ですが、コンサルタントに関してはシニアクラスの求人が多く、セールスに関しては、アソシエイトクラスの求人が大半です。応募に際する必須経験・資格ですが、下記のようになっています。
コンサルタント
- コミュニケーション能力(顧客とクリエイティブなディスカッションが出来る能力)
- 分析力(物事を整理するための有効な軸を見つけ出す能力)
- 表現力(論点を整理し、的確に伝えられるロジカルな文書を作成する能力)
- 技術力(セキュリティ、ネットワークに関する技術を的確に伝えられる能力)
- 調整力(異なる意見を集約するための建設的なディスカッションが出来る能力)
セールス
- 社会人経験2年以上
- コミュニケーション能力
- ビジネスレベルの英会話力
- 高い達成意欲、主体性
- 営業経験があれば、尚可
アカウントマネージャー
- カスタマーサービス(保守・運用)経験、またはSEとしての現場経験
- スタッフマネジメント経験
- アカウント担当経験
- インフラ系ハードウェア製品に対する深い知識、及びサポート経験
- ビジネスレベル以上の英語力(米国本社のエンジニアと英語で技術的な不具合や顧客の要望について、コミュニケーションが行えるレベル。)
外資らしく、実力重視の採用となり、該当職種に関する実績、及び、現在身につけているスキル・知識が採用可否の判断材料となります。
年齢や勤務年数などは、それほど考慮されていないので、EMCが望む結果を出せるとみなされるだけの能力を有しているかどうかが、採用のポイントとなります。
EMCジャパンの社員年収について
EMCジャパンの社員年収ですが、具体的な事例を数例挙げると、下記のようになります。
- 35歳 営業 年収1200万円
- 40歳 営業 年収1000万円
- 40歳 コンサルタント 年収900万円
- 40歳 コンサルタント 年収1000万円
- 27歳 カスタマーサービス 年収650万円
- 37歳 カスタマーサービス 年収750万円
- 32歳 アカウントマネージャー 年収1200万円
- 34歳 アカウントマネージャー 年収900万円
- 35歳 システムエンジニア 年収650万円
- 35歳 システムエンジニア 年収850万円
- 38歳 システムエンジニア マネージャー 年収1000万円
- 40歳 システムエンジニア マネージャー 年収1500万円
冒頭でも触れたように、EMCジャパンは、給与水準が高い会社です。優秀な人材を確保するため、競合他社と給与のベンチマークを常に行い、他社以上の給与額を提示出来るようにしているため、今後も、その傾向は続くと予想されます。
ただし、会社の業績に左右される部分もあり、最近では昔ほど、他社との差が大きなものではなくなったという現役社員の声があります。
また、営業の場合、元々、インセンティブの割合が高い給与体系でしたが、最近では、さらにその傾向が強くなり、目標達成度が高い人は、天井知らずで、これまで以上の高額年収を手にすることが出来る一方、達成度が低い人は、かなり低い金額に抑えられるようになっています。
また、未達率が数年続けて高止まりしていると、クビになることもあり、厳しさがアップしているという状況です。
そのため、転職を考える際には、プラス面だけでなく、マイナス面も見据えて、比較検討するようにしてください。
就業環境、ワークライフバランスについて
EMCジャパンは、柔軟な勤務体系を認めている、先進的な企業です。フレックス制度、在宅勤務を活用して、効率良く仕事に取り組んでいる社員が多いですし、育児休暇や、短時間勤務制度を活用して、仕事と子育てを両立している社員も多いです。
残業という概念がなく、必要に応じて、自主的に時間外勤務を行うことはあっても、周囲から強制されることは全くありません。また、申請すれば時間外労働手当も、しっかりと支給されます。
組織からの時間管理は全くないため、自分の裁量次第で、ワークライフバランスはいくらでも調整可能です。それだけに、自己管理が出来ないと、業務が思うように進まず、結果的に自分の評価を下げることになります。
仮に、そうなった時にも、会社や上司が、何か指示をしてくれるようなことはありません。放任のままで、ある日当然、給与カットや降格、リストラを通知されることになります。
自由度の高さは厳しさに直結しているので、決して甘い話ではありません。EMCジャパンで働くには、セルフマネジメント能力が必須と考えてください。
逆に、自己管理に優れている人は、仕事で結果を出して、高収入を得つつ、プライベートも満喫するといった充実した生活を送れるでしょう。
成長環境について
EMCジャパンは、技術革新が目覚ましい領域において、ビジネスを展開しているため、常に最新の知識とスキルを保つことが出来るよう、様々なトレーニングプログラムを社員に対して、提供しています。
例えば、中途入社社員に対しては、入社研修が実施されます。EMC製品の概要を網羅するための研修や、ストレージに関する入門的な内容の研修であり、スムーズに業務に入っていくことを可能としてくれます。
その他にも、コミュニケーションやリーダーシップ、プレゼンテーション、マーケティング、自己啓発といった、ビジネススキル・ヒューマンスキルに関するトレーニングプログラムが、多数用意されています。
英語に関する教育体制も万全であり、外部の研修期間と提携したレベル別の英会話研修、eラーニングによるトレーニングプログラムといったものが提供されていますし、TOEICを受験する時には、受験費用の補助を受けることが出来ます。
EMCジャパンへの転職を検討する人が知っておくべきこと
EMCは業界をリードする会社なので、仕事は刺激的ですし、仕事の実績と評価・収入が比例する評価制度のもと、適度な緊張感を持って、業務を遂行することが出来ます。自由度が高い会社でもあるので、自分の思うように仕事に取り組みたいという人にとっては、理想的な会社です。
転職先候補として見た場合にも、非常に価値が高い会社ですが、デルに買収された後、社内環境が大きく変わってきているので、この点は注意が必要です。
デルからのコストカット圧力が高まってきていることにより、旧来よりも給与レンジが下がってきていますし、リストラも行われ始めているので、以前と比較するとリスクとリターンが見合わなくなってきていると感じる社員が増えてきています。
ただし、こういった理由から退職を決意した社員の大半が、もっと好条件の企業に転職したり、他社からヘッドハンティングのオファーを受けるなど、キャリアチェンジに成功しています。
これは、本人が高い評価を得ていたからこそ、出来たことですが、EMCジャパンで働くことは、それだけ、自分の実力を磨くことにつながるとも言えるので、数年後、再転職することを見越して、EMCに入るという選択肢もあります。
色々なキャリアパスが考えられるので、自分がどうなりたいのか、長期的目線で考えたうえで、EMCジャパンへの転職を目指すかどうか、決断するようにしてください。
下記に、外資系企業の求人を得意としている転職会社をリストアップしておきます。彼らは、EMCジャパンの状況にも精通しているので、転職すべきかどうか、客観的な視点でアドバイスをしてもらうことが可能です。
また、転職先に希望する条件などを伝えれば、EMCジャパンよりも、候補となる企業が存在するかどうか、チェックしてもらえます。転職先を決める際には、何かと頼りになる存在なので、是非一度連絡を取って、話をしてみてください。
<外資系企業に強い転職会社>
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転職を目指す会社が決まった場合、年収などの条件交渉を代行してもらうことも出来ます。年収アップに成功するケースが少なくないので、ぜひこういったサポートも利用してみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。
※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。
そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。
なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。
特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)