世界220ケ国以上で事業を展開、34万人以上の従業員数を誇る世界有数の物流会社、DHL。1969年にアメリカ・カリフォルニアで設立された会社ですが、2017年現在、本社はドイツのボンに置かれています。
DHL(ディー・エイチ・エル)ジャパンは1972年にDHLインターナショナルの日本支社として設立され、1979年に法人化されました。本社は東京・品川区にあり従業員数は約2千人です。サッカーJリーグ、浦和レッズのオフィシャル・パートナー企業でもあります。
日本国内では航空機を主体とした、法人向けの国際宅急便とロジスティクスサービスを主軸事業として展開しており、会社で荷物や書類を海外に送るときに、DHLを利用したことがあるという人も多いのではないかと思います。
ここでは、世界トップの物流会社であるDHLの日本法人、ディー・エイチ・エル・ジャパンの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収や就労環境などについて、まとめていますので、参考にしてください。
ディー・エイチ・エル・ジャパンの中途採用求人の概要
様々な職種において、中途採用求人が発生していますが、そのなかでも、特に多くなるのが、荷物の集荷・配達業務を担当するフィールドスタッフと、法人顧客開拓営業を担当するセールススタッフです。
フィールドスタッフは業務本部での採用となり、東京都内の江東区、及び品川区にあるサービスセンターが勤務地となる求人が多くなっています。
また、フィールドスタッフの求人のなかには、成田空港、関西国際空港など、全国各地の主要空港において、通関業務を担当する通関士を募集する求人も含まれているので、貿易事務に興味がある人は要チェックです。
なお、DHLは日本全国を網羅しているのですが、地方の場合、フィールドスタッフは派遣やアルバイトが中心となり、それを業務本部から出向した正社員(無期雇用)が管理するという体制になっています。そのため、正社員(無期雇用)については、東京や一部の主要都市での採用に限定されると、考えてください。
一方、セールススタッフについては、日本の主要都市にある各拠点から、募集がかかっているので、対象勤務地は全国と考えてください。(ただし、国際空港がある関東、関西、中部地区に重点が置かれているので、地域差は生じています。)
企業相手の顧客開拓やDHLが提供するサービスの提案活動など、B to B営業がメインとなり、営業経験、もしくは物流業界での就労経験がある人材が募集されています。
おおむね、3年以上の実務経験が要求されるケースが多いです。また、英語力が必須条件に加えられることも多いので、語学が得意な人はチャンスです。
中途採用の求人情報を入手する方法
ディー・エイチ・エル・ジャパンの公式サイト内には、経験者採用情報ページが開設されており、現在、募集中の中途採用求人の詳細について、確認出来るので、こちらを参考にしてください。
https://js01.jposting.net/dhl/u/job.phtml
また、ディー・エイチ・エル・ジャパンは、大手の転職エージェント経由でも募集をかけているので、こういったエージェントに登録して、求人を紹介してもらうという方法もあります。
どちらが良いということはないのですが、公式サイトにしか掲載されていない、転職エージェントしか扱っていない(公式サイトには掲載されていない)という求人があったりもするので、念のため、両方を押さえておくことをオススメします。
ディー・エイチ・エル・ジャパンの中途採用求人の取り扱い頻度が高い転職エージェントについては、このページの最後にリストアップしておきますので、参考にしてください。
社員の年収・給与制度について
ディー・エイチ・エル・ジャパンに勤務する社員の年収ですが、具体例を挙げると下記の通りとなります。営業職中心の事例となりますが、参考にしてください。
- 35歳 スタッフ 年収 490万円
- 36歳 カスタマーサービス 年収 500万円前半
- 40歳 営業 年収 500万円
- 40歳 営業 年収 1000万円
- 42歳 営業課長 年収 700万円前後
- 45歳 営業課長 年収 800~1100万円
基本給に年に2回、計5ケ月分の賞与が支給されるという給与体系となっていますが、外資の大手企業ということもあり、年収の水準は高めです。
また、営業は基本給に加えて、成績に応じたインセンティブ制度があり、業績次第では高額な成功報酬を得ることが可能です。上限がなく、社内の営業マンからは、青天井と呼ばれているぐらいなので、やり甲斐がある給与体系と言えます。
なお、営業職の場合、課長クラスで基本給700万円、部長クラスで1000万円というのが、おおよその平均額であり、そこにインセンティブが乗っかるので、1000~1500万といった数字も十分に狙えます。
ただし、完全実力主義なので、同じポジションでも、数百万円の収入差が生じることが珍しくないので、その点は覚悟しておいたほうがいいです。
ちなみに、昇給についても実績ベースでの判断となるため、日本企業に多い年功序列的な昇給や収入アップを望む人にとっては、ディー・エイチ・エル・ジャパンは向かない会社と言えます。
中途採用で入社する場合には、前職までの実績を加味して、給与が算定されることになりますが、交渉次第で大きく変わってくるので、納得がいくまで会社側と話し合うようにしてください。(妥協してしまうと、後々まで後悔することになるので、要注意です。)
もし、こういった交渉が苦手ということであれば、前述した転職エージェントに代行してもらうことをオススメします。彼らはプロなので、交渉術に長けていますし、ディー・エイチ・エル・ジャパンの社内事情に精通しているので、うまく話を進めてくれます。
(交渉を依頼出来るのは、あくまでも、そのエージェントが扱っている求人に関してのみとなるので、このことを、頭に入れたうえで、転職活動に取り組むようにしてください。)
人事評価昇給制度について
ディー・エイチ・エル・ジャパンでは目標管理制度が導入されており、部門と個人の数値目標が、明確に設定されたうえで、業務に取り組むことになります。
目標値については、上司との面談を通じて、お互いの合意のうえで設定されるので、上から一方的に押しつけられるといったことはないです。
ただし、目標の決め方・内容については、部署ごとに細部が異なります。たとえば、営業部門の場合、毎月、四半期、年間の3つの期間に分ける形で、数値目標が設定されます。
月単位で業績の進捗管理が行われるので、公平かつ明瞭な評価である反面、数字達成に対する強い意識が求められます。
過去の実績や経験は殆ど評価されず、あくまでも、その時の実績が評価のベースとなるので、高評価を得たければ、常に高い成績を上げ続けることが、必要となってきます。
一方、フィールド部門に関しては、集荷・配達業務のプロセスがルーティーンワーク化されており、一般スタッフについては、与えられた仕事をルーティーン通りにこなしているかどうかというのが、評価の指標となってきます。
また、一般スタッフを管理する側に立つ人間だと、いかに効率良く業務を遂行しているのかということが、評価指標となってきます。
成長環境について
ディー・エイチ・エル・ジャパンは、日頃の業務の進め方から管理手法、評価体制に至るまで、全てが整然とシステム化されており、こういった環境のなかで働けること自体が、自分を大きく成長させることつながります。
英語を使う場面が、日常的にあることから、自然と語学力が向上することになりますし、違う文化背景を持つ人達と、スムーズに意思疎通を図れるような、異文化コミュニケーションスキルも身に付きます。
直属の上司が社員一人一人に対して、業績を上げるためのしっかりとしたコーチング指導を行う会社なので、この指導を通じて、仕事に必要な実践的な知識を身に付けることが出来ますし、将来、自分が管理職になった時には、コーチングのスキルを業務のなかで磨くことが可能です。
なお、管理職になった場合ですが、業務目標を数値化(KPI化)してマネジメントする仕組みが、ディー・エイチ・エル・ジャパンでは、かなり進んでいるので、こういったマネジメント手法を、実務を通して身につけられるというのは、かなり大きな経験と言えます。
この経験は、同業他社ではもちろんのこと、異業種の企業においても、十分に活用出来るものなので、ディー・エイチ・エル・ジャパンで経験を積むことは、自分自身のビジネスマンとしての価値を高めることに直結します。
そういった意味で、自分を成長させる意欲が強い人にとっては、ディー・エイチ・エル・ジャパンは最適な会社です。(特に、営業畑でキャリアを築いていきたいという人に、オススメです。)
ワークライフバランスについて
ディー・エイチ・エル・ジャパンは部署ごとに勤務体制が異なるため、ワークライフバランスについても、所属部署によって、状況が違ってきます。
たとえば、集荷や配達業務の場合、勤務シフトがしっかりと組まれているため、仕事とプライベートの棲み分けがしっかりと出来ます。
その反面、シフト管理がしっかりとしているがゆえに、有給休暇の取得には縛りがあり、シフト計画が組まれる前の1~2ケ月前に申請することが必要となってきます。少し面倒ですが、この点を抜かせば、ワークライフバランスは良好と言えるでしょう。
一方、営業部門だと、顧客の都合に合わせて業務を行うことになるため、土日休日でも、仕事をすることになるケースが、多々あります。
これはDHLに限らず、物流業界では避けられないことですが、ディー・エイチ・エル・ジャパンの場合、その代わりとして、高い成功報酬制度を用意しています。
また、DHLグループはワークライフバランスに対する意識が高く、従業員の就労環境を改善出来るように、様々な取り組みを行っているので、他社とは比較ならないくらい、恵まれています。
自分の責任を果たしていれば、プライベートの時間を、しっかり確保出来る会社と考えて間違いなしです。
女性の働きやすさについて
ディー・エイチ・エル・ジャパンは、女性にとって働きやすい会社と言えます。特に、顧客サービス部門、管理部門は、女性の社員比率が高いこともあり、女性が働きやすいように、何かと配慮されています。
管理職への登用も積極的で、女性向けのキャリア教育もオープンに行われています。自らのキャリアアップに意欲的な女性が多いですし、会社としても、そのような人材が増えることを求めているので、キャリア志向が強い女性にとっては、魅力的な環境と言えます。
集荷・配達業務など、男性比率が高い職場もあり、そういった部署だと、体制作りが若干遅れていますが、元々、女性の活用に積極的な会社なので、同業他社と比較すれば、居心地が良い(働きやすい)と感じられる職場です。
また、女性特有のライフタイムイベントに関する支援体制も確立されています。産休や育休といった制度が完備されており、誰でも自由に取得出来ますし、職場復帰も容易です。子育てと仕事を両立させることが十分な会社と言えます。
ディー・エイチ・エル・ジャパンの転職先としての評価
ここまでディー・エイチ・エル・ジャパンについて、様々な角度から見て来ましたが、給与水準は高く、業界をリードする企業ということもあり、仕事に対するやり甲斐という点でも抜群なので、転職を目指すには良い会社です。
しかし、欧米企業ならでは実力主義の評価体制を取っているので、常に仕事に対する高いプレッシャーを受けることになります。安定した職場環境のなかで、マイペースで働きたいという人にとっては、あまり向いていない会社なので注意してください。
いずれにしても、自分がどんな働き方を選択するのか、会社に何を求めるのかということによって、ディー・エイチ・エル・ジャパンの転職先としての価値は変わってきますので、じっくり考えたうえで、判断を下すようにしてください。
ディー・エイチ・エル・ジャパンの中途採用求人を扱っている転職エージェント
下記に、ディー・エイチ・エル・ジャパンの中途採用求人の取り扱い頻度が高い転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らはプロなので、転職の判断について、アドバイスを求めるのもアリです。
客観的な視点で分析してくれるので、転職すべきかどうか、判断に迷うという人は、ぜひ一度、相談してみてください。
なお、エージェントは様々な企業の求人を押さえているので、他社のことについて確認してみるのも有効です。もしかしたら、DHL以上に自分に合った会社が見つかるかもしれないので、遠慮なく聞いてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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