このページでは、ATカーニーで働くことに興味がある人を対象に、ここ最近の募集状況から、年収をはじめとする待遇、社内の就労環境、教育制度、想定されるキャリアパスまで、就職・転職を考えるときに、知っておくべき情報を一通りまとめています。
新卒入社を目指す学生、中途での転職を検討している社会人、あなたがどちらであっても、役立つように、内容を構成しています。
その結果として、かなりの長文となってしまい、最初から最後まで読み進めると、10分以上、時間がかかってしまうと思います。
そのため、目次をつけておきますので、もし、あなたが特定の情報をピンポイントで知りたいのであれば、該当する項目にアクセスしてください。
もちろん、最初から順番に読み進めて頂いても大丈夫です。
就職・転職というのは、人生を大きく左右するイベントであり、あなたにとって最良の会社を選ぶために、どれだけ労力をかけても、損することはありません。
仕事というのは、最も自分の時間を費やすものであり、仕事にどれだけ熱中できるのかというのは、人生の質を変えます。ぜひ、今後の人生を過ごせるように、納得がいくまで、就職活動・転職活動に取り組んでください。
日系、外資を問わず、人材採用を積極的に行っているファームが増えており、コンサルティング業界は完全に売り手市場となっています。
特に、『経営戦略』、『M&A』、『デジタル』、『トランスフォーメーション』といった、クライアントの変革を、直接的に支援することができるコンサルタントに対する需要が高くなっており、あなたが、その条件を満たすのであれば、かなりの好条件で転職できる可能性があります。
下記の転職エージェントで、積極的に募集がかけられているので、興味があれば、ぜひ問い合わせてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。
ATカーニーって、どんな会社?
ATカーニーは、アメリカ・シカゴを本拠とする世界的な経営コンサルティング会社です。 日本では、それほど知名度があるわけではありませんが、1926年設立と歴史がある企業であり、現在では、世界40カ国61の拠点にて、オフィスを展開しています。
アメリカでは、オペレーションに強い会社として、自動車業界を主要クライアントとしていますが、日本では、金融が最も多く、次いで、通信、ハイテク、商社、自動車といった状況です。
また、最近では政府系機関やNPOに対してもコンサルティングサービスを提供しています。
先輩・後輩の風通しが良く、自由に発言・行動できる社風が確立されているため、ATカーニーには、実力の高いコンサルタントが集まっており、クライアントからの評価が非常に高いです。
完全実力主義の会社なので、年齢・ポジションを問わず、自分から手を挙げれば、どんどん責任ある仕事を任せてもらえます。
コンサルティングファームとしては、かなり珍しいのですが、ATカーニーでは、アソシエイト以下のコンサルタントが、担当するプロジェクトを選択できる制度があるので、自分が望むキャリアを追求することができます。
もちろん、希望するプロジェクトにアサインされるためには、問題なく遂行できると判断されるだけのスキルが必要ですが、それだけに相応の実力をつけなければと、みんな、日々、努力を重ねています。
こんな同僚に囲まれていたら、私もやらなければという気にさせられるので、自分自身を高めるには、このうえない環境です。
業界内では、自分の価値を試せる転職先とも呼ばれていますが、それも納得です。
ATカーニーは、実力者集団。自分の価値を試せる転職先
個性的な社員が多いのが、ATカーニーの特徴です。コンサルティングファームと聞くと、MBAホルターや一流大学の出身者ばかりと思われるかもしれませんが、ATカーニーには、そういった人達だけでなく、ユニークな経歴を持つ人もいます。
たとえば、弁護士の資格を持っている人、海外特派員として活躍していた人、NPO団体を運営している人、セスナの免許を持っている人などです。
独特の強みを持つ濃い人ばかりですが、性格は穏やかで落ちついている人が多いので、職場の雰囲気は良好です。
A.T.カーニーの採用事情
A.T.カーニーには、新卒採用、中途採用、MBA採用という3つのカテゴリに分かれる形で、人材を募集しています。
新卒採用
新卒に関しては、毎年7月中旬から9月上旬にかけて行われています。2019年のスケジュールは、こんなかんじです。
- 7/9(火)AM10:00 ES締め切り
- 7/20(土)-21(日) Webテスト
- 7/27(土)-28(日) 1次面接
- 8/3(土)-4(日) 2次面接
- 8/19(月)-21(水) Autumn Job Term A
- 8/26(月)-28(水) Autumn Job Term B
2次面接を通過した30人ほどが、Autumn Job(オータムジョブ)に進みます。ここでは、具体的な企業を挙げて、その企業の抱える課題を解決するという個人ワークが実施されます。
このジョブから10人ほどが選ばれて、最終面接に呼ばれ、内定が出ます。最終面接は選考ではなく、オファーレターにサインするかどうか、本人の意志を確認する場となります。
選考の内容、合格するためのポイントについては、こちらで詳しくふれますが、1次・2次の面接を突破できる人間すら30人しかいないのに、そこからさらに3割程度に絞り込まれるのですから、かなり厳しいです。
新卒で採用された場合、ビジネスアナリストとしてのスタートとなります。
中途採用
中途採用は通年で行われており、どのポジションでスタートするかは、実務経験年数やキャリアの内容などから決定されることになります。
ATカーニーの中途採用への応募方法ですが、メールにて直接応募、もしくは転職エージェントを通して応募することになります。
選考プロセスとしては、書類、筆記試験、面接、英語試験(Speaking) からなり、応募資格については、ビジネスレベル以上の英語力が求められますが、ほかにこれといった特別な条件はありません。
四年制大学卒・実務経験1年以上であれば、前職の業種・職種を問わず、選考を受けることができます。
しかしながら、これは言うまでもないことかもしれませんが、応募条件が緩いからといって、採用されやすいということではありません。ATカーニーは、トップクラスのコンサルティング会社なので、採用のハードルは極めて高いです。
求められる人物像として、ロジカルな思考能力・分析力を身につけていることは必須条件となります。また、連日のハードワークをこなせるだけの肉体的・精神的なタフネスさを備えていることも求められます。
限られた時間の中で、クライアントに対するアウトプットの価値を最大化するために動き続ける、情熱や泥臭さ、成果物に対する執念といったメンタリティも必要となります。
これまで、全霊を傾けて仕事に取り組んできた人、目覚ましい業績を残してきた人でないと、採用されるのは厳しいと考えてください。
ATカーニーでは求められるのは、ロジカルで、かつタフな人間
MBA採用
ATカーニーには、MBA採用という枠があります。一度就職して、数年の実務経験を積んだ後、ビジネススクールや大学院に進学して、最終学年に在学している社会人を対象とした採用枠です。
3年ぐらいの実務経験があること、日本語・英語がビジネスレベル以上であることが応募条件となっており、専攻については、MBA以外でも大丈夫です。
ATカーニーが守備範囲としているフィールドは広いので、思いもよらなかった専門知識が高く評価される可能性があります。
ですから、コンサルタントという仕事に興味があれば、あなたの知識が活かせるかどうか、ぜひ問い合わせみてください。
求人情報の入手方法&応募方法
ATカーニーの公式サイト内に、キャリアページが開設されており、そちらから、求人情報を入手することができます。
https://www.atkearney.co.jp/careers/recruiting
キャリアページには、応募サイトへのリンクが貼られているので、応募する時には、そちらのサイトに必要事項を登録してください。中途採用に関しては、英語で記載することになります。
また、中途採用、MBA採用に関しては、民間の転職エージェントに問い合わせることでも、求人情報を入手することができます。
公式サイト、転職エージェント、どちらであっても、入手できる情報に変わりはありませんが、エージェントは様々な企業の求人情報を扱っているので、ATカーニーを他社と比較したいという時には、一括で情報を教えてもらえるので、手間が省けて便利です。
また、エージェントは、社内情報に精通しているので、あなたが採用される可能性がどれくらいあるのか、判断してくれますし、見込みがあるとなれば、面接・ジョブを通過するための対策についても、アドバイスしてくれます。
逆に、ATカーニーでは採用される可能性が低いとなれば、より見込みがある別の会社を紹介してもらえます。
転職先を決める際には、何かと頼りになる存在なので、うまく活用することをオススメします。
特に、あなたがATカーニー以外の選択肢も考えているということであれば、様々な企業の求人情報を教えてくれるエージェントを利用するのは、必須事項と言えます。
このページの最後に、ATカーニーに精通している転職エージェントをリストアップしていますので、ぜひ連絡を取ってみてください。
年収について
A.T.カーニーでの年収ですが、ポジション別の平均年収は、こんなかんじです。
- ビジネスアナリスト:550~650万円程度
- シニア・ビジネスアナリスト:700~1000万円程度
- アソシエイト:830~1300万円程度
- マネージャー:1000~1800万円程度
- プリンシパル:1500~4000万円程度
- パートナー:4000~2億円程度
ATカーニーでは年俸制が採用されており、12分割されたものが毎月、支給されることになります。完全実力主義で、年齢に関係なく、ランクに応じて、給与額が決まります。
それとは別に、年1回、賞与が支給されており、支給額は給与の10~20%程度となります。その年の個人実績に応じて、多少の増減がでますが、それほど大きな差にはならないので、一般的な企業と違って、ボーナスがモチベーションになるという人は、ATカーニーには、あまりいません。
昇給については、同じポジションでも毎年50~100万円程度、上昇していきますし、ポジションが上がれば、昇給幅は数百万という単位になるので、実績を残せば、それに見合う高収入を手にすることが出来ます。
それだけに、社員には厳しいノルマが課せられることになりますが、その点A.T.カーニーはかなり寛容な会社です。
外資系戦略コンサルティングファームには、”Up or Out(昇進できないならクビ)”という文化がありますが、A.T.カーニーの場合、最低限の基準をクリアしてさえいれば4~5年間、ランクが上がらなくても、首になることは少なく、同じランクで働き続けているという社員も少なくありません。
福利厚生
外資なので、日系企業のように、福利厚生が手厚いということはありません。社会保険は完備されていますが、それ以外では、特筆するようなことはありません。全て、年俸に含まれていると考えてください。
ただし、社員のスキルアップを目的とした教育制度は、かなり充実しているので、スキルアップについては、あなた自身が大きな負担を負うことなく、思う存分取り組めます。
また、ATカーニーはオフィス環境が抜群です。スペースは広く、キレイなオフィスなので、気持ち良く働けます。備品が充実しているというのも、ちょっとしたことですが、ポイントが高いです。
ATカーニーの人事評価制度
ATカーニーでは、半年に一度のスパンで、人事評価が為されます。各プロジェクトの実績が軸となり、そこにマネージャーの評価が加わり、最終的には、レビューコミッティという公平な評価機関を経て、評価が決まります。
ATカーニーは、人事評価制度については、社を挙げて多大な時間を投資して議論していることもあって、フラットに、かつ多面的に能力を評価する制度となっており、その内容は公平・公正と、社員の納得度は高いです。
ATカーニーでのキャリア・成長環境
ATカーニーは、成長の機会が豊富な会社であり、向上心がある人にとっては、このうえない魅力的な環境です。
新卒入社1年目の社員でも、調査・分析だけでなく、ある程度の塊で仕事を任されて、担当範囲については、クライアントにどういった提言をするかという部分にまで責任を持つなど、年齢、実績を問わず、大きな裁量が与えられる会社です。
ほかのコンサルティング会社よりも任される責任が大きく、その責任を果たすためには、相応のスキルが求められるため、嫌でも実力が磨かれます。
同時に、裁量の大きさ、責任の重さはモチベーションにつながるため、積極的に仕事に取り組むことになり、結果として成長スピードが速くなります。
キャリアステージに関わらず、新しいことに、どんどんチャレンジさせてもらえますし、海外オフィスと協働で進めるプロジェクトも多いので、グローバルでの経験も積めます。
官公庁とタイアップして、政策立案を行うプロジェクト、宇宙産業での新規ビジネス立ち上げ支援プロジェクトなど、ATカーニーには、ほかのコンサルティング会社では、なかなか出会えないような、独自性の高い案件が多いです。
仕事を通じて、コンサルタントとして活躍するには、必要不可欠な論理的思考力、コミュニケーション力、プレゼンスキルなどは当然磨かれますし、自分が選択した分野における専門性も高められます。
また、ATカーニーでは、クライアントのCEOアジェンダに取り組む機会が多いので、経営者的視点を身につけることもできます。
結果として、どのような事業会社に転職しても、仕事ができる人間として活躍できるだけの力がつけられる環境であり、業界内においても、ATカーニー出身者の評価は非常に高いです。
ATカーニーでの経験を活かして、全く違う分野に転身して、キャリアを変える人もいるので、自分のなかにある色々な可能性を追求したい人には、最適の会社です。
- 基礎的なビジネススキル全般
- 緻密なファクトとロジックに基づいた課題解決力
- 論理的思考力
- 議論を整理する力
- コミュニケーション力
- 自分が選択した分野における専門性
- プロジェクトは自分で選べる
- バックグラウンドとは異なる専門性を短期で磨くことが可能
- 経営者的な視点
ATカーニーのワーキングスタイル
ここで、ATカーニーでの働き方について、軽く補足しておきますが、最も大きな特徴としては、『現場主義』であるということです。
ほかの戦略ファームと比べて、常駐案件が多く、1ヶ月以上、クライアント先に常駐して、ATカーニーのオフィスに来ないこともあるぐらいです。
アサインについては、本人の要望が最重視されるので、自分自身が志向するキャリアや伸ばしたい能力を踏まえて、プロジェクトを選ぶことができます。特定の業界、テーマに絞って、アサインを希望することも可能です。
また、その時には、働き方について要望を出すこともできます。アサイン前に希望を出しておけば、柔軟な働き方がしやすいプロジェクトに、優先して割り振ってもらえます。
リモートワーク、時短勤務が認められることもあります。
ATカーニーの教育制度
ATカーニーには、経営コンサルタントとして、必要なスキルを磨くことを目的とした、社内トレーニング制度が用意されています。
内容はかなり体系化されており、本人のスキル・ポジションに応じて、適切なトレーニングが受けられます。
入社時トレーニング
新卒で入社する人は、約1ヶ月間の研修を受けることになります。コンサルティングの基礎スキル、ビジネスマナー、コンサルタントとしての倫理といったものを学ぶのが目的です。
一方、中途採用で入社する人向けとしては、シニア・ビジネスアナリスト、アソシエイトとして入社する人を対象としたトレーニングプログラムがあります。
こちらも、約1ヶ月間の研修となりますが、新卒者向けとは違い、実践的なスキルを学ぶ内容となっています。
具体的には、コンサルティングプロセスのシミュレーション、イシュー分析、リサーチ演習、PCスキル演習といったものです。
トレーニングが終了した後は、すぐにプロジェクトに入ることになります。
なお、中途採用者で、マネージャー以上のポジションで入社する人に関しては、入社時トレーニングはありません。
昇進時トレーニング
マネージャー、プリンシパル、パートナーに昇進したコンサルタントは、昇進してから6ヶ月以内にオリエンテーション/トレーニングを受講することが義務付けられています。
これは、グループ全体で行われていることなので、日本オフィスのマネージャー、プリンシパルはアジア地域で、パートナーはアメリカ、もしくはヨーロッパで開催されるトレーニングを受講することになります。
これらのトレーニングは、A.T.カーニーの各国オフィスのコンサルタントとの情報共有、人脈作りの場ともなっており、トレーニング中に、いかに実のある人的ネットワークを構築できるかというのも、重要なポイントとなっています。
コンサルティングスキル強化トレーニング
年間を通して開催されているトレーニングです。ポジション別にプログラムが用意されており、主な内容は、下記の通りとなっています。
アソシエイトまでは、コンサルタントとしての実務能力を、シニア・アソシエイト以上は、マネジメントのスキルを主に学ぶことになります。
- ビジネスアナリスト、シニア・ビジネスアナリスト、アソシエイト対象
- コンサルティングプロセスワークショップ
- イシュー分析
- ワークプラン作成
- ストーリー構成力
- スライドの書き方
- 企業財務会計
- マーケティング
- インタビュー・スキル
- プレゼンテーション
- シニア・アソシエイト、マネージャー、プリンシパル対象
- プロジェクトマネジメント
- コーチング
- カウンセリングスキル
※アジア全域のコンサルタントを対象として、英語で行なわれるプログラムもあります。
受講は強制ではなく任意です。それぞれ、プロジェクトを抱えて忙しいため、スケジュールをみながら、各個人が自分の意志で決めていくことになります。
プラクティストレーニング
1年に数回のペースで開催されている勉強会です。インダストリープラクティス、サービスプラクティスの2種類に分かれています。
イレギュラーの勉強会
日本オフィスでは、外部から異分野の講師を招いた教養講座、ジュニアコンサルタントがケースを発表する勉強会、パートナーが自分の経歴や仕事のノウハウを語る会などを開催しています。
これらの活動は、社内の有志によって、自主的に企画、実行されているものであり、日程は、その都度変わりますが、毎年、数回ずつ開催されています。
ミニMBAプログラム
A.T.カーニーが米国ミシガン大学と提携してスタートさせたプログラム。一定期間の業界経験、コンサルタント経験を積んだコンサルタントのなかで、海外のビジネススクールを卒業していない人が対象です。
毎年、各国オフィスから数名が推薦され、6~7月の2ヶ月間をミシガンキャンパスで過ごすことになります。
バーチャルトレーニング
オンラインのトレーニングプログラムです。ビジネスの基礎を学ぶコース、英語、OA操作を習得するコースなどが用意されており、誰でも好きな時間に受講することができます。
A.T.カーニーの就業環境、ワークライフバランスについて
仕事は忙しいが、休みをとれるので、ATカーニーには、メリハリをつけて、充実したプライベートを送っている人が多い
コンサルティング業界は仕事の性質上、どうしてもワークライフバランスを調整しづらい側面があります。そこはA.T.カーニーも同様で、日常的にハードワークが求められる環境です。
プロジェクト中には、必要に応じて朝までの残業や、週末の稼動も必要となる場面が発生するので、ワークライフバランスなどは言っていられない状況です。
特に、マネージャーになると、複数プロジェクトを掛け持ちすることが当たり前なので、負荷が高くなり、思うように休めなくなります。
アサイン中はどうしても忙しくなるので、一般事業会社で期待するようなワークライフバランスを欲する人が来るべき会社ではないと断言します。
その一方で、プロジェクト終了後には、長期休暇が必ず取れるので、メリハリのついた働き方ができます。
ATカーニーは、有給の消化率が非常に高い会社です。100%消化という人も少なくありません。
働く場所や時間は、各コンサルタントに任されているので、激務のなかでも、プライベートとのバランスを調整しやすい環境ではありますし、ATカーニーには能力の高い人間が集まっていることもあって、それぞれがうまくこなしています。
面白いもので、ポジションが上がるに連れて、ワークライフバランスが良好な人が多いのですが、これは、仕事ができる人ほど、上のポジションになるからでしょう。特にプリンシパル以上になると、この傾向がハッキリしてきます。
こういった会社なので、忙しくはあっても、仕事に追われて疲弊するといった人は少なく、みんな精力的に働いていますし、プライベートも、しっかり楽しんでいるので、職場の雰囲気は明るいです。
近年、ATカーニーでは、社員勤続年数の長期化に向けて、新しい制度・ルールを導入するなど、ワークライフバランスの改善に取り組んでおり、昔とは状況がだいぶ変わっています。
プロジェクトによっては、情け容赦なく、残業・休日稼働を強いられることがありますが、社内全体で見れば、土日も稼働している人の割合は、1割程度となってきており、プライベートの時間も確保できるようになってきています。
『まだまだ良い』とは言えないという声もありますが、会社として改善に力を入れているので、今後に期待できます。
女性の働きやすさについて
ATカーニーは女性が活躍できる会社
結論からいえば、ATカーニーは女性が働きやすい会社です。実力主義が徹底しているので、男女で待遇に差があるわけでなく、プロジェクトのアサインに関しても平等です。
数字・実績を上げれば、男女関係なく、昇給・昇進するので、上位職で活躍する女性コンサルタントが年々、増えています。
仕事は忙しく、体力的にも精神的にもタフでなければ、こなせないので、そこは女性には不利な部分と言えますが、代表が働き方改革に積極的なので、今後は改善されていく可能性が高いです。
生き生きとして職務に当たっている女性が多いですし、勤務年数が長い女性も多いので、『働きにくいのでは?』という心配は無用です。
家庭・育児との両立は可能?
コンサルタントといえば激務の代名詞で、独身の女性であればともかく、家庭を持つ女性が働くのは現実的ではないというのは、よく言われることです。
ATカーニーについても、昔は、この傾向が強く、既婚者はほとんどいませんでしたが、今は家庭・育児との両立に対する理解が進み、制度が整いつつあるので、結婚・出産を経て働き続ける女性コンサルタントが増えてきています。
産休・育休は自由に取得できますし、そこでブランクが空くことで、キャリアに支障をきたすようなこともありません。
復帰後には、時短勤務を選択することも認められているので、無理なく働けます。上級ポジションのコンサルタントでも、時短勤務で働くことが普通になってきているので、子供を育てながら、自分のキャリアを追求することもできます。
育休については、男性社員も、ほぼ全員が取得しています。
ATカーニーに採用されるためのポイント:新卒
ES(エントリーシート)
ATカーニーのESは、毎年、設問の内容が重めなうえ、400~700文字と字数が多いので、時間をかけて、じっくりと準備を進めるようにしてください。
ポイントは『論理的に書けているかどうか』です。論理的思考力が問われるコンサルティングファームでは、論理性に欠けた文章は、相手に悪い印象を与えてしまうので、要注意です。
社会人として働いている人に内容をチェックしてもらうと安心です。
- あなたのこれまでの人生において、困難に直面し乗り越えた経験を一つ選び、どのようにそれを成し遂げたかを、できるだけ論理的に説明してください。(500字程度~700字以内)
- アルファベットのA~Zの26文字の中で、もっとも他の人とかぶらない文字を1つ選んで、その理由を述べてください。(500字)
- 日本経済を成長させるために、あなたならどの業界に投資しますか。その業界を選んだ理由と、最大の投資効果を得るためには、どのような打ち手が考えられるか、ご回答ください。(600文字以内)
- コンサルタントとして必要な能力は何か。(最大3つ、箇条書き) その理由(400文字程度)
- 日本の労働生産性を向上するためには、日本の各企業はどのようなことをするべきか(400文字)
筆記試験
筆記試験は、判断推理&数的推理が5割、言語が1割、GMATが4割くらいの配分です。判断推理&数的推理は、ATカーニーが独自に作成したオリジナルの問題です。
GMATは日本語版、英語版の両方が用意されており、critical reasoning だけでなくdata sufficiencyも出題されます。
問題数は20問前後、制限時間は40分。回答はマーク式となり、60~65%ぐらいのスコアが、合格ラインとなります。
注意点としては、問題の難易度が高いうえ、制限時間が短いので、分かる問題から解いていくようにしてください。分からない問題にこだわると、時間が足りなくなり、解けたはずの問題も落としてしまいます。
また、ATカーニーの採点方式はユニークで、正解すると3点、無回答だと0点、不正解だと-1点となります。つまり、自信がない問題については、無理に答えるよりも、白紙回答で提出したほうが良いという計算になります。
1次面接
1次面接は学生1人、社員1~2人のケース面接となります。学生はまず1つの部屋に全員が集められ、ケース問題を解くように指示されます。提示されたケース問題について、5~10分の時間が与えられるので、その間に、自分の考えをまとめます。
その後、個室に移動して、社員の前で自分の答えを説明します。それに対して、社員が質問することで、20分のディスカッションがスタートします。
1次面接で見られるのは、結論に至るまでの道筋が、しっかりと考えられているかどうかです。
『待機児童問題解決のためには、幼稚園はあといくつ必要か?』といったような問題が出されますが、答えがどうかというよりも、『待機児童とは何をさすのか?』という、言葉の定義付けがしっかりできるか、数字を導き出すには、どんなふうに推定すればいいのか?という道筋を立てられるかということが、チェックされることになります。
2次面接
2次面接も1次と同じように、学生1人、社員1~2人のケース面接となります。10~20分ほど、個人ワークを行ったあと、約30分のディスカッションが行われます。
1次とは違って、『国とは何か?技術革新によって、100年後の国はどのように変わっているか。』、『ロングセラーとは何か?それを生み出すためにはどうすればいいか。』といったような、抽象的なお題となるのが、2次面接の特徴です。
抽象的な問いを、いかに具体的な問いに変換して、議論を進められるかどうかというのが、2次面接で見られるところです。
ですから、『技術革新で、どのように変わるだろう?』と、いきなり考えてしまうのはアウトです。
まずは、国を定義付けして、そこから考えを深掘りしていくことです。最初に思考の枠組みを作るということが重要です。
ジョブ
一般的に、コンサルティングファームのジョブでは、複数人でのグループワークが行なわれることが多いですが、ATカーニーでは、個人ワークとなります。
具体的な企業を挙げて、その企業の抱える課題を解決するという内容で、下記のようなスケジュールで進められることになります。
- 1日目:午前は課題の説明、午後から個人ワーク。夕方に就活状況に関するヒアリング(30分)があり、夜にメンターとのFB面談(30分)
- 2日目:社員のパネルディスカッションとパートナーの講演があり、残りは個人ワーク
- 3日目:個人ワーク。夕方にメンターとのFB面談
- 4日目:午前中に資料提出で、午後にプレゼン。終了後にメンターとのFB面談
FB面談と最終プレゼンのみが評価対象となっており、途中経過は考慮されません。
選考を通過するためのポイントとしては、まずはフィードバックを活かすことです。プレゼンの前に、FB面談が2回ありますが、そこでもらったアドバイスを反映させて、内容をブラッシュアップできるかどうかが、勝負となります。
また、そのためには、いかに有意義なフィードバックを受けられるかというのも大きいので、『私はこうだと考えていますが、どうでしょうか?』といった、一度自分自身で答えを出したうえで、メンターの意見を求めるのがベストです。
『○○って、どう考えればいいですか?』と自分で考えることをせず、いきなり答えを聞くようなやりかただと意味がないので、そこは注意してください。
もう一つのポイントは、プレゼンの内容には、とことんこだわることです。わかりやすく伝えることはもちろん、質疑応答で困らないように、様々な視点から内容をチェックして、思考の幅を広げておきましょう。
ちなみに、どんな質問がくるか、シミュレーションして、あらかじめ答えをまとめておくというのは、これはこれでいいのですが、想定外の質問が来ること、間違いなしなので、どんな質問がきても、慌てずに、冷静に対処することを肝に銘じてください。
ATカーニーに採用されるためのポイント:中途採用
A.T.カーニーの中途採用面接は、ケース・インタビューとビヘイビア・インタビューの2つに分かれています。時間はそれぞれ45分ずつです。
ケース・インタビューでは、あるケースを想定したうえで、問題点、解決策について、面接官とディスカッションします。
1次面接では、データが紙で与えられるので、データを読み解く力も試されます。
一方、2次面接においては、紙のデータがない状態で始まるため、問題の中身を想定して推測する力が要求されます。
いずれにおいても、ケース・インタビューに関しては、そのケースに対して、どれだけ深く広く視野を持ちながら、考えを深掘りできるかという点がチェックされることになります。
ケース・インタビューにおいては、思考のスピードは求められないので、落ち着いて、自分の考えをまとめることを、心がけてください。
一方、ビヘイビア・インタビューでは、前職や今までの経験など、あなた自身のことについて質問されます。
どこの会社でもある、一般的な面接と一緒ですが、A.T.カーニーは、人柄を重視するため、質問の内容は非常に鋭いです。軽く考えていると、全く対応できないので、自分の棚卸しをしっかりしておいてください。
なお、質問の内容自体は、今までどんな仕事をしてきたのか、どんな成果をあげてきたのか、その仕事をこなすうえで大変だったことなど、ごく一般的なものです。
ただし、ATカーニーの面接では、単純に回答するだけでは終わりません。『なぜ、そうなのか?』という理由が徹底的に追及されるので、一つ一つのことを深掘りしておくことです。
前職で、どんな困難に遭遇したのか?
↓
- 何が大変だったのか
- どのようにして、その困難を乗り越えたのか
- その経験から、どんな教訓を得たのか
- 同じようにケースに遭遇したら、今度は、どんなふうに対応するか
深く落とし込むこと!
また、コンサルティング経験がない人の場合、なぜ、コンサルティングをやりたいのか、前職のどんなことがコンサルティングという仕事に活かせるのといったことを聞かれるので、事前に考えておいてください。
あともう一つ、ビヘイビア・インタビューでは、マネジメントについて聞かれる可能性が大です。ここは、本人にマネジメント経験があるかどうかというのは関係ないので、あなたにマネジメント経験がなくても、どのようにマネジメントするかということは、考えておいてください。
このように、Aビヘイビア・インタビューを乗り切るには、入念な事前準備が必要不可欠です。
ATカーニーは、熱意がある人を好む会社なので、この会社で働きたいという意志を強く訴えてください。その時には、ATカーニーで実現したいことを伝えるのも重要です。
転職エージェント活用のススメ
A.T.カーニーへの転職(中途採用)を希望する時には、公式サイトから直接応募するか、もしくは転職エージェント経由で応募することになりますが、後者のルートを通ったほうが無難です。転職を成功させるための様々なサポートを受けることが出来るからです。
ATカーニーは、中途採用に積極的な反面、採用基準は非常に厳しく、面接、筆記試験、ともに難易度が高くなっています。特に面接については、コンサルティングファーム特有のケース面接に対応しなければいけません。
事前準備を入念に整えておかなければ、まず受かるものではありませんが、そこで大きな助けとなるのが転職エージェントです。
彼らは、各業界に精通したプロのキャリアコンサルタント集団です。企業が求める人物像を熟知していますし、採用試験の傾向についても把握しているため、的確なアドバイスを受けることが出来ます。
第三者から客観的な視点で評価してもらえるというのは、面接対策としてかなり大きいので、積極的に活用してください。
ただし、転職エージェントであれば、どこでもいいというわけではありません。外資のコンサルティングファームというのは、かなり特殊な世界なので、この業界の事情に精通しているエージェントでないと、全く助けになりません。
相談するエージェントを間違えると、助けになるどころか、マイナスにしかならないので、よくよく注意してください。ビズリーチ、JACリクルートメント、アンテロープ、コトラといったエージェントであれば、コンサルティング業界に精通しているので、相談先として最適です。