日本GE株式会社の中途採用事情と転職者の年収・待遇について

日本GE株式会社は、言わずと知れた世界を代表するコングロマリット、ゼネラル・エレクトリックの日本法人です。ゼネラル・エレクトリックは様々な分野において事業を展開していますが、日本GEの場合、そのなかでも、医療機器、製薬、航空機、原子力、エネルギー、家電、IT・通信、法人向け金融(ローン、リース、オートリース)、不動産ビジネスといった分野が中心となっています。

 

日本GE株式会社の中途採用事情と転職者の年収・待遇について

 

外資系企業らしくシンプルな組織で意思決定は早く、社内の風通しも良く意見の通りやすい会社です。その反面、アメリカ本社の意向が強く、振り回されることもあります。扱う業種が幅広いため、部門ごとに文化がかなり異なるので、中途採用で転職を狙う時にも、GEという会社でひとくくりにするのでなく、一部門一会社といったイメージで全く別物と考えたほうが賢明です。

 

中途で募集がかかる代表的な職種

日本GEの中途採用はかなり多く、事業領域の広さから、募集がかかる業種・職種は、かなり幅広いものとなっています。最近の傾向としては、法人金融、IT、エネルギーといった業種において、求人が活況となっています。

 


ITに関しては、ビッグデータを活用して生産性を向上させるためのインターネット・ネットワーク構築、ソフトウェアアプリケーション開発といった事業内容が中心となります。特に、医療技術向上、予測分析精度向上、輸送プロセス変革、発送電システム効率化のためのソフトウェア開発に力をいれています。

 


職種については、セールスマネージャーやマーケティングスペシャリスト、セールスエンジニア、ITスペシャリストなど、様々です。前職で実務経験がある人材が優先的に採用されることになります。

 

特に、ファイナンス、セールス、システムエンジニアといった職種において、実務経験が重視されており、その分野における経験を豊富に積んできているプロフェッショナル人材が求められています。

 

また、それぞれの分野における経験・専門知識に加えて、高いコミュニケーション能力とビジネスレベルの英語力も求められます。マネジメント層がアメリカ本社組であることが多いため、英語力がないと上層部にアピールすることが出来ず、その結果として、昇給・昇格が難しくなります。

 

日本GEの年収・人事評価制度

日本GEの年収事例は以下の通りです。

  • 新卒6年目 営業:年収500万円~600万円
  • 中途入社3年目 30歳 営業:年収600万円+インセンティブ100~1000万円
  • 中途入社5年目 35歳 プロジェクトマネージャー:年収1000万円

 

中途採用の場合、基本給は転職時の給料が固定されることになり、バンドと呼ばれる役職が上がらない限り、昇給はしません。そのため、採用時の年収交渉はかなり重要であり、慎重に行う必要があります。

 

サービス残業という概念はなく、申告すれば残業代が必ず支給されます。ただし、マネージャー(管理職)以上になると残業代は無くなり、その代わりとして、みなし残業手当が、毎月30時間分ほど付与されることになります。

 

賞与は年2回で2カ月分+業績連動賞与が平均2.2カ月分です。営業部門は特にインセンティブの部分の変動が大きく、実際の支給額事例においても、0~1000万円まで、かなり極端な開きがあり、実力主義の世界と言えます。

 

仕事の裁量が大きく任されることが多く、そこで成果を出せば、高く評価されます。裁量が広すぎることがストレスに感じる人にとってはやりにくい職場かもしれませんが、それをチャンスと捉える感覚を持つ人はどんどん出世していくことができます。

 

その結果として、人事評価制度は実力成果主義となっています。もちろん、人事評価をするのは上司であるため、好き嫌いもあり、評価内容は部署や人間関係によって異なることも多少はあるので、その点は予め考慮しておくことです。

 

福利厚生・女性の働きやすさ

日本GEには、日系企業にあるような家族手当、出産手当、住宅手当、資格手当といった手当が一切ありません。会社都合による転勤の場合のみ、住宅手当が付く程度です。(ただし、その場合の手当は、かなり手厚く、日系企業以上です。)

 

福利厚生制度は無いに等しく、それらは全て給与に還元するという典型的な外資です。社宅や保養所なども、存在しません。GE全社員共通で付与されるものがあるとすれば、持ち株制度ぐらいです。

 

女性の働きやすさに関しては、よくある『女性にだけ』様々な特権が与えられる、いわゆる女尊男碑の企業とは違い、男女問わず、『結果』が重視されます。もちろん、産休・育休・時短勤務などの制度は整っています。そのため、家庭を持ちながら活躍している女性は数多く存在します。

 

また、セクハラやマタハラなどはもちろん、男女問わずパワハラに対応した相談窓口が充実しています。そのため、セクハラやパワハラは起こりにくいですし、何かあった時にも迅速に対応してもらえるようになっています。

 

日本GEを退職する理由

リーマンショック以降、日本GEではリストラが頻繁に行われるようになり、社員の士気の低下が目立ち始めています。業績が悪くなると早期退職プログラムが実施され、全社員がその対象になります。

 

アメリカ本社出身組やヘッドハンティング組、エリート組と、それ以外の新卒組、中途採用組の間には超えられない壁があります。エリート層に属していない限り、いつリストラ対象になるのかわからない状態です。結果、社内の雰囲気が悪化して、より好待遇・好条件の職場へ転職する人が多くなっています。

 

給料があまりにも上がらない、インセンティブの給料に占める割合が多すぎてつらい(特に営業職に多い)など、給与への不満から転職を決意する人もいます。特に、中途採用者の場合、昇進・昇給の条件が高くなっているので、要注意です。

 

また、ワークライフバランスを取ることが難しく、このままでは肉体的、精神的に体を壊しかねないため、転職を選んだという人も多いです。

 

日本GEは転職先として選択すべき会社なのか?

このように、日本GEは良い意味でも悪い意味でも典型的な外資なので、実力があれば幾らでも、自分の思い通りにいく反面、結果を出せなければ、すぐにリストラに遭ってもおかしくないぐらい、ポジションが保証されない会社でもあります。

 

中途採用者の場合、この傾向がさらに強くなるので、日本GEへの転職に関しては、よくよく考える必要があります。条件面は悪くないのですが、同分野の外資と比較しても決して突出しているわけではないので、他社を狙うという選択肢も十分にあり得ます。

 

このあたりは外資系企業の実情、転職市場動向に精通している転職エージェントに相談してみることをオススメします。これまでの職歴とプロフィール、及び転職の際に希望する年収等、希望条件を伝えれば、それらを加味して、最もマッチする企業を紹介してくれます。

 

また、転職時の条件交渉も代行してくれます。日本GEに限らず、転職時の年収が、その後もついて回るというのは外資の特徴なので、収入については妥協しないことが重要です。このあたりの交渉も、エージェントであれば慣れているので、力強い存在となるはずです。

 

JACリクルートメントリクルートエージェントビズリーチクライス&カンパニーマイケルペイジヘイズ・ジャパンといったエージェントであれば、外資の求人に強いので、相談先としてオススメです。また、金融部門を狙うのであれば、コトラアンテロープも有力な相談先と言えます。

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。

 

 

なお、保有している求人情報に違いがあることから、エージェントによって対応が変わってくることが珍しくないので、複数のエージェントに同時にコンタクトして、話を聞いておいたほうが賢明です。

 

※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。

 

そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。

 

なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。

 

特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)