ANAホールディングスの子会社で、国内線・国際線ともに、国内最大規模を誇る、全日本空輸。航空運送事業、航空機使用事業、その他附帯事業を含めて、順調に業績を伸ばしており、今や、日本航空を押さえて、日本トップのエアラインと言える存在になっています。
イギリス・スカイトラックス社による航空会社の格付けで、日本のエアラインとしては史上初となる、実質最高評価の『ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World’s 5-Star Airlines)』の認定を受けるなど、高品質のサービスには、海外からも定評があります。
近年では、傘下の格安航空会社 (LCC) のピーチアビエーション、バニラ・エアが成長軌道に入り、訪日客の需要に貢献していますし、ANA本体も、順調に利益を伸ばしています。
そういった背景から、全日本空輸では、常に新しい人材の採用を積極的に行っており、中途採用の求人についても、多数発生しています。
このページでは、全日本空輸の中途採用求人の傾向、及び、勤務する社員の年収・給与水準、社内の就労環境についてまとめていますので、転職活動の際に参考にしてください。
全日本空輸の中途採用求人の傾向
中途に関しては、グローバルスタッフ職(事務・技術)、客室乗務職の募集がかかっています。
グローバルスタッフ職(事務)は、運航管理、国際線チャーターハンドリング、マーケティング、貨物・物流、財務・経理、IT、調達・購買、新規事業開発、広報、人事、といった職種を指します。
一方、グローバルスタッフ職(技術)には、技術管理、品質保証・管理、航空機整備計画、航空機機材管理、航空機部品管理、航空機部品物流管理、などの職種があります。
グローバルスタッフ職については、いずれの職種についても、該当業務に関する実務経験を有することが応募条件となりますが、必要な資格、語学スキル等が、職種ごとに異なりますので、希望職種の応募要項において、細部を確認するようにしてください。
客室乗務職については、社会人としての就労経験は不問ですが、TOEIC600点程度以上の英語力があること、裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両目とも1.0以上であること、航空機乗務に必要な体力を有し、呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼球・腰椎等に支障がないこと、という条件があります。
求人情報の入手方法
求人情報の入手方法ですが、全日本空輸の公式サイト内にある採用情報ページにおいて、現在、募集がかかっている求人の一覧について、確認することが出来ます。
http://ana-recruit.com/career/
また、中途採用に関しては、転職会社経由でも募集がかかっており、転職会社に問い合わせることでも、求人情報を入手することが出来ます。
転職会社から入手出来る求人情報というのは、全日本空輸の公式サイトと変わらないので、わざわざ、転職会社に連絡を取る必要はないのですが、他社の求人とも比較してみたいといった時には、複数の企業の求人情報をまとめて教えてもらえるので、そういった時には便利な存在です。
また、自分が希望する職種に関する有効求人がない時には、転職会社に求職者登録(会員登録)をしておくことで、その後、その職種に関する新規求人が発生した時に、メールなどで通知してもらうように設定出来るので、自分で探す手間が省けて楽です。
活用の仕方によっては、転職会社は便利な存在なので、うまく利用することをオススメします。このページの最後に、全日本空輸の中途採用求人を扱っている代表的な転職会社をリストアップしておきますので、興味がある人はアクセスしてみてください。
全日本空輸の社員の年収・給与制度について
全日本空輸に勤務する社員の給与水準ですが、幾つか具体的な年収例を挙げると、以下のようになります。
- 客室乗務員 27歳 年収500万円
- 客室乗務員 30歳 年収600万円
- 客室乗務員 35歳 年収600万円
- 客室管理 31歳 年収500万円
- 客室管理 40歳 年収750万円
- 営業 28歳 年収600万円
- 営業 30歳 年収500万円
- 海外営業 31歳 年収750万円
- 一般事務 23歳 年収300万円
- 一般事務 30歳 年収420万円
- 経理財務 28歳 年収600万円
- 技術 30歳 年収600万円
- 技術 33歳 年収750万円
- 貨物事務 28歳 年収350万円
- 貨物事務 30歳 年収600万円
- 特定地上職 26歳 年収400万円
- 特定地上職 30歳 年収480万円
全日本空輸の給与制度は、基本給に加えて、年2回のボーナス、さらに会社の業績に応じた特別ボーナスが年1回支払われるといった内容となっています。(ただし、この特別ボーナスについては、会社の業績次第なので、支給されない年もあります。)
ボーナスについては、特別支給ボーナスとあわせて、基本給の約4~5か月分程度となっており、基本給に関しては、年一回必ず昇給します。人事考課に伴い、昇給幅が、ある程度変わりますが、年功序列が基本となるので、管理職になるまでは、あまり個人差がつくことはありません。
なお、客室乗務員に関しては、国内便・海外便共通で、乗務手当や宿泊手当等が支給されるようになっており、毎月の給与のうち、これらの手当が占める割合が小さくありません。
フライトの時間や土日出勤・深夜乗務の有無、宿泊日数などに応じて、手当額が変わるため、月ごとの給与額の変動幅は、大きなものとなります。
福利厚生については、全日本空輸は、かなり手厚く、社会保険・年金が完備されているのはもちろんのこと、住宅手当や家族手当が支給されていますし、ほかにも、各種融資制度や寮・社宅、国内外の会社契約ホテル・スポーツ施設などが、用意されています。
(ただし、住宅手当については、9000円程度となるので、それほど高額ではありません。)
さらに、飛行機に空席があれば、国内線は無料で、国際線も格安で、搭乗することが出来るようになっており、これは社員の配偶者や家族に対しても、同じ条件が適用されています。
また、カフェテリアプランが充実しており、ライフスタイルに合わせて、自分が希望するサービスを利用することが出来ます。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用で入社する場合、前職までの経歴・実績などを加味して、基本給が算出されることになりますが、ここは交渉次第で金額が変わってくるので、もし、会社側から提示された条件に納得がいかない時には、そこで妥協せずに、話し合うことをオススメします。
ここで、中途半端に提示内容を受け入れてしまうと、入社後、後々まで、その数字が付いて回ることになり、後悔しかねないので、要注意です。
条件交渉が苦手ということであれば、前述した転職会社に交渉の代行を依頼するのがベストです。彼らは、この手の交渉に長けているので、うまく話を進めてくれます。
どれだけの条件を引き出せるかは断言出来ませんが、少なくても、交渉ベタな人が、無理に自分で進めるよりも、良い結果に落ち着くことは間違いないので、遠慮せずに、最初から任せてしまったほうが賢明です。
全日本空輸のモチベーション・評価制度について
全日本空輸の評価制度は、職種によって微妙に異なりますが、基本的には上司と面談をして、目標を決定、期末にその目標の達成度を土台として、自己評価に関して話し合うというものとなっています。
話し合いの場においては、自分の成果をアピールする機会が与えられますし、今後の課題・改善点についても、率直に意見交換が出来るので、形だけのおざなりなものではなく、実が伴う貴重な機会となっています。
ただし、客室乗務員の場合だと、具体的な数値目標を設定することが難しいうえ、査定役となる、直属の上司と、常に同じフライトに乗り合わせているわけではないので、評価には曖昧な部分が出てきます。
従って、上司との相性や関係性も評価のなかで大きな割合を占めることになり、そこに不公平感を覚えるケースもあるようです。
一方、事務職などの内勤職に関しては、評価にそれほど個人差が出ることはなく、同期であればほぼ同じ年収となります。
高評価を目指して努力するというモチベーションは起きにくい状況ですが、その反面、年齢や経験を問わず、重要度の高い仕事を任されますし、自分の目標となるビジョンを持って行動すると、上司が積極的に協力してくれるので、仕事のやり甲斐というのは、十分に感じられる環境です。
全日本空輸の成長・キャリア開発について
全日本空輸の教育制度はしっかりとしており、階層別研修や、特定の職種を対象とした専門訓練・専門教育なども含め、様々な教育プログラムが用意されています。
また、自己啓発や汎用的なビジネススキルに関連する通信教育やセミナーが、かなり充実しているので、自分が理想とするキャリアパスに合わせて、必要な知識・スキルを身に付けることが出来ます。
現場の仕事については、全日本空輸は社員に対して、速いスピードで成長していくことを求める会社なので、緊張感のなかで、仕事に取り組むことになり、結果的に、それが自己成長につながるといった状況となっています。
特に客室乗務員の場合には、かなりの成長スピードが要求されますし、若いうちから責任ある立場に立たされるので、苦労することが多いのは間違いありませんが、それだけに、常に良い刺激を受けながら働けるので、成長意欲が高い人にとっては、理想的な環境です。
なお、業務に必要な知識を学ぶためのマニュアルは用意されていますが、内容としては、あくまでも基礎的なものに留まります。
より細かいこと・暗黙のルールといったものについては、先輩や同僚としっかりとコミュニケーションを取りながら、学んでいかなければならないため、周囲との良好な関係を築くことも大切です。
一方、総合職に関しては、入社10年目までに、海外研修を経験させてもらえる風土があります。語学の習得はもちろん、現地のネットワークを構築することが出来るため、全日本空輸という会社を離れて、一ビジネスマンとしても、今後のキャリアに役立つ経験を積む機会となります。
また、全日本空輸におけるキャリアパスについては、社内で他のポジションに就きたい時には、社内公募制度を利用して応募することが可能です。
ただし、応募にはいくつかの条件があり、誰でもすぐ応募できるわけではないので、別の職種へのジョブチェンジを狙うのであれば、前もって、入念に準備を進めておく必要があります。
ワークライフバランスについて
全日本空輸の就労環境は、部署によって異なりますが、全社的に働き方改革を進めていることもあり、おおむね良好です。基本的に旅が好きな人が多い会社なので、休みはきちんと取ることが当たり前で、むしろ、それが推奨される文化があります。
職種別に見ると、総合職や営業職については、有給休暇が取りやすく、残業時間もしっかりと管理されています。フレックス勤務、テレワークといった制度も整っているため、働き方の自由度は高く、ワークライフバランスは良好です。
一方、客室乗務員の場合、シフト勤務となりますが、シフトが決まるのは、数週間前ということもあるので、前持ってスケジュールを把握しにくいという状況があります。
また、様々なシフトへの対応や、時差、長時間フライト、現地宿泊など、体力的にきついことも多く、休みは体を休めることで、精一杯という状況に陥るケースが少なくないようですし、フライトの12時間前からは飲酒が禁止となるなど、オフの時にも、自分の体調管理を優先する必要があります。
ワークライフバランスという観点で見ると、ここは難点ですが、ただし、航空会社としては、休みは多いほうですし、残業も殆どありません。有給休暇も事前に申請をすれば、ある程度は希望通り取ることが出来ます。
女性の働きやすさについて
全日本空輸は、女性比率の高い企業ということもあり、女性にとっては働きやすい環境が整っている会社と言えます。女性管理職が多く、実力があればきちんと昇格出来るので、女性が長く働き続けてキャリアを積むことは十分に可能です。
産休・育休制度も整っており、実際に取得したうえで、仕事に復帰する人が多いです。また、女性としての今後のライフスタイルを気軽に相談出来る窓口を用意するなど、会社としてのサポート体制もしっかりしています。
客室乗務員については、妊娠した時点で産休を取ることが出来ますし、育休から復帰した後も、出勤日数を月10日程度に抑えて、仕事を続けていくことが可能です。無給とはなりますが、育児休暇や看護休暇も認められています。
このように、他社と比較しても、サポート体制は充実していますが、仕事がら、どうしても、宿泊を伴う勤務や夜間の勤務は避けられないので、実家や配偶者等、周囲の協力が得られる環境でなければ、育児と仕事を両立することは難しいので、その点は注意が必要です。
また、女性ばかりの環境ということもあり、上下関係で悩む人が多く、全日本空輸では、周囲と円滑にコミュニケーションを取りながら、うまくやっていくことが必要不可欠です。
全日本空輸の転職先としての価値
全日本空輸は、今では世界でも有数の航空会社なので、就労環境、待遇、ともに良好です。この業界においては、これ以上の環境を望むのは難しく、そういった意味では、オススメの転職先候補です。
強いていえば、経験豊富な人の場合、外資のエアラインだと、もしかしたら、全日本空輸以上の好条件を提示してもらえる可能性があること、また、別業種の企業のほうが、より実入りが良くなるかもしれないということです。
なお、別業種ということに関しては、総合職や営業職はもちろんのこと、客室乗務員のような、この業界特有の職種に関しても、異業種への転職というのは問題なしです。
(高級ブランドや一流ホテル、飲食店などでは、高度な接客スキルを有するキャビンアテンダントを積極的に採用していますし、チーフパーサーや指導者の経験がある人の場合、年収が700~1000万円になるケースもあります。)
そのため、全日本空輸への転職を目指すこと自体は、全く問題なしですが、同時に、視野を広げて、色々な可能性を模索するというのも、現実的な考え方としてアリです。
全日本空輸の中途採用求人を扱っている転職会社
下記に、全日本空輸の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは、業種を問わず、様々な企業の求人案件を保有しているので、興味があれば、ぜひ、他社のことについても、話を聞いてみてください。
(転職先となる会社に、希望する条件を伝えて、それらの条件を満たす企業を提示してもらうといったことも可能です。)
※JACに関する補足
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