画像出典:noreu2003
個人向け、企業向けにPCやワークステーション、サーバー、スマートフォン、タブレットなどを提供する、香港のPCメーカー、レノボ(聯想集団)。売上高390億ドルに達する、世界有数のグローバルメーカーです。
2004年にIBM社のPC部門を買収、さらに2011年には日本電気(NEC)のPC部門とドイツの大手PCメーカー、メディオンを買収することで、PC市場の世界シェアで世界一となりました。
さらに、2014年にはGoogleから、同社の携帯電話端末部門である、モトローラ・モビリティを買収するなど、ビジネスを拡大しています。
そのレノボの日本法人となるのが、レノボ・ジャパン株式会社。NECとレノボの共同出資で設立されたジョイントベンチャーであり、国内市場における、レノボ製品の販売、およびサポート業務を担っています。
また、レノボ・ジャパンは、IBM時代より引き継いだ、ThinkPadを含む新製品の研究開発を行っているほか、2016年には、富士通とパソコン事業の統合や提携について、検討に入るなど、日本国内においても、そのシェアをさらに拡大する動きを見せています。
一言で表現するとすれば、成長著しいエネルギッシュな会社です。ビジネスの拡大に合わせて、組織の整備にも努めており、外部からの人材採用にも、積極的です。中途採用で、転職を目指すには良いタイミングであり、チャンスは豊富に存在します。
このページでは、レノボ・ジャパンの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
レノボ・ジャパンの中途採用求人の傾向
レノボ・ジャパンでは、即戦力の人材しか採用しないという人事方針を持っているため、中途採用を中心に求人を行っており、新卒での採用は、殆どありません。
公式サイト内には、キャリア情報ページが開設されており、現在、募集が行われている職種の一覧と、その詳細について確認することが出来ます。
http://www.lenovo-jp-career.com/
募集対象となる職種は、営業(セールス)、マーケティング、サービスエンジニア、アプリケーションエンジニア、カスタマーサービス、品質管理、人事、経理財務、法務、経営企画など、多岐に渡ります。
様々な職種において、求人が発生しているわけですが、最近の傾向としては、マネージャー以上の上級職、もしくは、何らかの領域における、かなり深いレベルでの専門的な知識・スキルを有する、スペシャリストを募集する求人が増えています。
応募要件としては、実務経験に加えて、外資系ということもあり、中級レベルの英語力(TOEIC600点以上)が必須要件とされているものが多いです。
ただし、入社後には、英語を使用して、業務に従事することになるので、実際には、ビジネスシーンで通用するだけのレベルが必要になると考えたほうがいいです。TOEICで言えば、最低800以上といったところです。
600程度のスコアでも、面接はパス出来るかもしれませんが、その場合、入社後に苦労することになるので、その点は覚悟しておいたほうがいいです。(英語が苦手という人の場合、転職が決まったら、すぐにでも、英語力を高めるための努力に取り組むことをオススメします。)
また、法人営業・テレセールスといった営業職に関しては、裁量労働制での契約であり、実力主義の給与体系となります。インセンティブが大きい反面、成果が出せないと、いつまでも給与が上がらないままです。
残業代も出ないので、長時間働いたからといって、その分の見返りがもらえるわけではありません。実績が全てであり、プロセスは評価されないので、この点を踏まえたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用を人材登用の基本としている企業だと、よくあることですが、前職までの実績や経歴をベースに給与額が決まるため、同じ職種や職位でも、差が生じることになりますが、ここは、交渉次第という要素もあります。
採用面接時の話し合いによって、具体的な金額が左右されるので、レノボ・ジャパンからの提示額に納得がいかない場合には、満足出来るまで、交渉するようにしてください。中途半端に妥協することは、入社後、後々まで響くことになるので、NGです。
こういった条件交渉を、うまく進められる自信がないという人は、転職エージェントに交渉を代行してもらうことをオススメします。レノボは、転職エージェント経由でも、募集をかけていますが、レノボの求人を扱っているエージェントであれば、社内事情をよく把握しています。
そのため、転職希望者のことを上手にアピールしながら、給与交渉を行ってくれます。100%希望通りにいくとは限りませんが、彼らは転職のプロであり、こういった交渉ごとに慣れているので、交渉ベタな人が自分で行うよりも、良い結果に落ち着くことが多いです。
条件交渉はハードなので、無理に自分で何とかしようとせず、最初から任せてしまったほうが賢明です。(苦手という人の場合、こういったストレスから解放されるというのも、大きなメリットです。)
このページの最後に、レノボ・ジャパンの中途採用求人の取扱実績が豊富な転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
レノボ・ジャパンの社員の年収・給与制度について
世界有数のメーカーということもあり、レノボ・ジャパンの給与水準は、IT業界のなかでも、かなり高い部類に入っています。幾つか、年収の具体例を職種別に挙げると、以下の通りとなります。
- 開発 30歳 男性 年収 700万円
- 開発 30代 女性 年収 600~700万円
- 研究開発 30代前半 男性 年収 600万円
- 開発 40歳 男性 年収 900万円
- 設計開発 50代前半 男性 年収 1300~1500万円
- 財務 30代前半 男性 年収 900万円
- 経営企画 30代 女性 課長 年収 1000万円
- 営業 34歳 男性 年収 800万円
- 営業 45歳 男性 年収 700~800万円
- 営業 30代後半 男性 課長 年収 1100万円
- SCM 40代後半 男性 約年収 1000万円
- 品質管理 50歳 男性 課長 年収 800万円
- 品質管理 58歳 男性 年収 700万円
給与は年俸制となっており、IT業界出身者が中途採用で入社する場合、前職の給与+100万円程度が入社時点での平均的な給与となっています。また、毎年、全員一律で基本給が3~5%程度、アップすることになり、昇給という点でも、かなり恵まれている会社です。
ボーナスについては、ベース給とインセンティブ給から構成されており、ベース対インセンティブが6:4、または7:3で、インセンティブの割合が大きくなっています。
インセンティブについては、会社の業績と個人の業績、双方を基準として算出されることになりますが、会社の業績については、グローバルでの業績と日本法人の業績を比較する形で、評価されるため、その年によって、大きく変動する傾向があります。
なお、営業に関しては、特に成果主義の色が濃く、目標達成率が50%までだと、インセンティブが0になってしまう一方、50%を超えると達成率が1%向上するごとに、インセンティブが2%アップする仕組みとなっています。
達成率が100%を超えると、さらに料率が上がるといった制度設計になっており、努力次第で大きな見返りが期待出来ます。
福利厚生に関しても、非管理職の場合、家賃手当が独身で5万円弱、家族持ちの人で6万円弱が支給されるほか、IBMの健康保険組合の健康診断や保養所が利用出来るなど、外資系としては、かなり恵まれています。
経費削減のため、福利厚生については、少しずつ、カットされる傾向にありますが、それらを考慮したとしても、レノボ・ジャパンは好待遇の会社であり、条件面では、まず文句がないトップレベルの企業と言えるでしょう。
レノボ・ジャパンの評価制度について
レノボ・ジャパンでは、年度の初めに目標値を設定、半期が経過した時点で中間レビューを行ったうえ、年度末に最終的な評価を行うといった仕組みの、MBO制度が採用されています。なお、最終的な評価については、部門別による相対評価となります。
具体的には、上位10%程度が査定1、下位10%程度が査定3、残りが査定2となりますが、査定が3以下になると、ボーナスの業績連動部分が0円になってしまいます。これは、基準年収の5%程度に相当する額になるので、かなり厳しい評価体系と言えます。
なお、営業職の場合、営業報酬などの数字で評価されることになるため、完全な実力主義と言えますが、それ以外の職種だと、目に見える業績で判断することが難しい部分もあり、上司の意向に、かなり左右される傾向があります。
レノボ・ジャパンの社内教育制度について
教育体制に関しては、レノボ・ジャパンでは、自社製品に関する知識を習得するためのトレーニングについては、充実していますが、それ以外には特に何もなく、各社員が、自分の責任において、業務を遂行するうえで、必要なスキルを磨くことが求められています。
また、中途採用が中心の企業にありがちなことですが、前任者からの引継ぎが満足に行われないケースや、業務知識を身に付けるための各種資料が、十分整理されていないケースが多いため、入社時点で、それなりの知識と経験がないと、業務をこなすのは難しいです。
逆に言えば、こういったことが出来るぐらいの実力を持つビジネスマンでなければ、レノボ・ジャパンに採用されることはなく、それだけに高い給与がもらえるということでもあります。
成長環境について
レノボ・ジャパンには、実務における個人の裁量が非常に大きな会社であり、責任についても、組織というより、個人に負わせる傾向があるため、自分自身で考え、行動していく姿勢を、自然に身に着けることが出来ます。
特に、営業の場合、基本的に社内から技術的な内容以外のサポートは、受けられないため、顧客開拓はもちろんのこと、見積もりから技術対応・トラブル対応に至るまで、すべてを一人でこなすことになり、仕事から得られる経験値というのは、莫大な量となります。
複数の業務を同時並行で進めていくことが要求されるため、業務を効率良く管理するためのマネジメントスキルや対応力も磨かれることになります。
なお、キャリアパスに関してですが、レノボは、上級職ほど、他社から人材をヘッドハンティングしてくる会社であり、社内昇格のチャンスは、それほど多くありません。
そのため、キャリアアップを目指すのであれば、レノボで実績を積んだあとに、再度、別会社へ転職をするということを視野に入れておいたほうがいいでしょう。
ワークライフバランスについて
レノボ・ジャパンは、所属する部署によって、就労環境が大きく異なります。制度としては、フレックス勤務、在宅勤務が選択可能となっており、実際に実行するためのインフラもしっかり整っているため、業務量が過剰でない部署であれば、プライベートの時間を確保しやすいです。
また、営業職に関しても、週1~2回の社内ミーティングに参加すること以外は、直行直帰が基本となるため、自分自身でスケジューリングしながら、仕事を進めることが出来ます。自分のプライベートを優先するといったことも可能なので、ワークライフバランスは良好と言えます。
一方、経理など、業務量の多い一部の管理部門では、深夜残業が常態化しています。在宅勤務が可能であるため、自宅に仕事を持ち帰って、夜遅くまで働いている人も少なくありません。
また、これは全部署共通ですが、海外絡みの業務にかかわる場合、夜間や土日に、自宅で電話会議に参加することが余儀なくされることがあるなど、通常業務よりも、スケジューリングが難しくなる傾向にあります。
女性の働きやすさについて
レノボ・ジャパンは、男性社員の比率が高いこともあり、管理職に就いている女性が少ない会社ですが、ダイバーシティの観点から、女性の登用を積極的に推進しており、男女の差別はなく、同じ条件下で働くことが出来ます。
キャリアアップを目指すことも可能ですが、レノボは社員に対する要求水準が高い会社なので、子育てをしながら上を目指すのは、難しい状況と言えます。
一方、一般社員レベルでは、産休・育休を利用している人が多く、復帰後のサポート体制も整っているので、育児と仕事の両立は十分に可能です。(ちなみに、男性社員のなかにも、育休を取得する人が増えてきています。)
レノボ・ジャパンの転職先としての価値
ここまで、レノボ・ジャパンの就労環境について、様々な角度から見てきました。成長ペースが非常に速い企業だけあって、結果に対するプレッシャーが厳しい職場ですが、それに見合うだけの見返りを得られるので、キャリア志向が強い人にとっては、やり甲斐がある職場と言えるでしょう。
逆に言えば、マイペースで働きたい人、仕事よりもプライベートを重視したい人にとっては、レノボ・ジャパンの社風は合わず、レノボで働くことはミスマッチと言えます。
外資のなかでも、実力主義の会社なので、この点を踏まえたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
レノボ・ジャパンの中途採用求人を扱っている転職エージェント
最後に、レノボ・ジャパンの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らはレノボの社内事情に精通しているので、判断に迷うようであれば、相談してみることをオススメします。(冷静な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。)
また、エージェントは様々な企業の求人情報を押さえているので、レノボ以外の求人について、聞いてみるのもアリです。もしかしたら、より魅力的な会社を紹介してもらえるかもしれないので、興味がある人は、併せて確認してみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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