メリルリンチ日本証券株式会社は、1961年に日本進出を果たした、アメリカの投資銀行メリルリンチの日本法人です。現在、メリルリンチはバンクオブアメリカに買収され、ウェルスマネジメント部門はメリルリンチ、投資銀行部門はバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのブランド名で営業しています。
ただし、メリルリンチ日本証券株式会社の社名は変わらぬまま、バンクオブアメリカ・メリルリンチの日本における法人顧客事業の拠点として、事業会社、金融機関、政府機関などを対象にしたトレーディング業務、資本市場業務、投資銀行業務、金融アドバイザリー・サービス業務を展開しています。
メリルリンチの中途採用事情
メリルリンチ日本証券株式会社(以下、メリルリンチ)は、フロント・ミドル・バック、全部門において、通年で中途採用を実行しており、常時、応募を受け付けています。募集ポジションについては、一般スタッフレベル(ミドルレベル)からマネジメントレベルまで、多岐に渡ります。
中途に関しては、即戦力となるプロフェッショナル人材しか受け付けていないため、一般スタッフレベルでも、5年程度の社会人経験が必要となります。また、希望職種に関する実務経験も最低1~2年は求められると考えてください。(エントリーレベルの採用は無しです。)
また、メリルリンチは外国人社員が多く、英語が社内共通語となっているため、英語力も必須スキルであり、読み・書き・会話、全ての能力において、ビジネスレベルが要求されています。
年収について
メリルリンチの社員の年収ですが、目安としては下記の通りとなります。
- バックオフィス 750万
- アナリスト 700-900万
- アソシエイト 900万-1500万
- VP 1500万-2000万
- MD 3000万以上
給与は全職種において、年俸制となっています。プラス、ボーナスが年1回支給されることになります。(基本給と比較して、ボーナスの比重が高い構成となっています。)
ボーナスは業績連動給であるため、会社の業績が悪い時には、大幅に下がるなど、その年によって大きく変わります。ただし、他社との人材獲得競争が厳しく、社員の流出を引き留めるため、ベースとなる基本給については、業績が悪い時でも、他社以上の水準が維持されています。
福利厚生については、外資であるため、大きなことは望めないのですが、残業時の食事代・タクシー代などは支給されています。また、オフィス内に社員が自由に使用出来るジムが用意されているなど、オフィス環境は充実したものとなっています。
トータルで考えると、給与水準は外資金融機関のなかでも、最も高い部類に入ります。日系金融機関と比較すると、3倍以上の年収になるケースも珍しくなく、収入面に関しては、納得している社員が多いです。
メリルリンチの就業環境、ワークライフバランスについて
業務の性質上、ワークライフバランスの調整は難しいです。出社時間は午前9~10時と普通ですが、退社時間は遅く、部署によっては、午前様になることも珍しくありません。週末も半日は働いているという社員が多数派です。
さらに、NY本社とのやり取りが発生する職種では、時差のため、深夜や早朝の勤務も必須となります。
また、フロントはノルマが厳しく、リストラも頻繁に行われているので、社員にかかるプレッシャーというのは、相当なものになり、タフな人でないと、続けるのは厳しいでしょう。特に、女性が長く働きたいのであれば、ミドル・バックを選択したほうが賢明です。
ただし、国内の金融機関にあるような、男女差別や年功序列といったことはなく、誰でも自由に発言出来るので、そういった意味では働きやすい会社と言えます。
その他、メリルリンチへの中途入社を考えている人が知っておくべきこと
外資らしく、完全実力主義の世界なので、自分の力で、幾らでもキャリアアップしていくことが可能です。入社したばかりでも、大きな仕事を任されることになるため、そこで結果を出せば、2年目で年収2000万といったことも十分にありえます。
必然的に、自分自身の市場価値が高まるため、他社への転職も容易になります。(メリルリンチのブランドもあり、メリルリンチで働いていたという実績は転職市場においては、かなり高いものとなります。)
優秀な社員も多く、毎日が刺激的であるため、向上心が強い人にとっては、自分を高めることが出来る理想的な環境であると言えます。
一方、強いプレッシャーのなかで、激務に追われることになるため、そこに嫌気がさして辞める人も少なくありません。実際、退社を決意した人の理由として、最も多いのがワークライフバランス調整の難しさです。
1日の大半を仕事に費やさざるを得ないため、男女を問わず、子供が出来たことをきっかけに退職する社員が少なくありません。子供が出来た後も働くことは不可能ではないのですが、家族の理解・サポートが必須であり、特に女性が働き続けるのは難しい環境です。
転職エージェント活用のススメ
メリルリンチは良い意味でも悪い意味でも、典型的な外資です。特徴が際立っているので、誰もが納得して働ける会社というわけではなく、そういった意味では人を選ぶ企業と言えます。
そのため、外資の華やかなイメージや高年収に惹かれて転職すると、入社後、自分が想定していたことと違い、後悔することになるかもしれません。中途採用で応募するぐらいの人であれば、このあたりのことは周知のことだと思いますが、メリルリンチは外資金融機関のなかでも、独特の雰囲気を持つ企業なので、よくよく考える必要があります。
そのため、外資金融の実情を把握している転職エージェントに、一度相談してみることをオススメします。メリルリンチの内部事情を押さえているので、本当に自分に合った会社なのかどうか、客観的な目線で判断してもらえます。
その結果として、メリルリンチが合わないという判断になれば、変わりとなるような会社を紹介してもらうことが出来ますし、メリルリンチに応募するとなった時には、採用を通過するためのアドバイスを受けたり、年収などの条件交渉を代行してもらうなど、様々なサポートを受けられます。
必然的に、自分一人で動くよりも、より好条件で転職出来る可能性が大なので、積極的に活用してください。リクルートエージェント、ビズリーチ、クライス&カンパニー、アンテロープ、コトラ、ムービンといったエージェントであれば、外資金融に強いので、相談先としてオススメです。
※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。
そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。
なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。
特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)