オランダのアムステルダムに本拠を置く多国籍企業であり、電機・家電製品の世界的メーカーである、ロイヤルフィリップス。世界の主要電器メーカーのなかでも、最も利益率が高い企業の一つとして有名です。
フィリップスは、日本ではコーヒーメーカーや電気かみそり(シェーバー)のメーカーとして広く知られていますが、実際には照明機器や医療機器、半導体、音響・映像機器分野でも高い技術力を持ち、様々な製品を販売しています。
また、フィリップスは、インダストリアルデザインの分野でも先駆的な存在であり、デザインに凝った製品が多いのも特徴です。
その日本法人である、株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンのグループ企業として、呼吸器、睡眠治療器をはじめとする医療機器の輸入・販売・カスタマーサポートを行っているのが、フィリップス・レスピロニクス合同会社。
主に、病院用人工呼吸器や吸引機・蘇生バッグなどの呼吸ケア用品、在宅用人工呼吸器や無呼吸症候群の検査機器などの睡眠ケア用品を取り扱っており、呼吸器の分野においては、在宅・院内、いずれにおいても、国内トップのシェアを誇っています。
このページでは、フィリップス・レスピロニクスの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
フィリップス・レスピロニクスの中途採用求人の傾向
フィリップス・レスピロニクスでは、新卒、および中途採用の募集を行っており、中途採用に関しては、以下の専用ページにおいて、募集がかかっている求人案件の一覧・詳細について、確認することが出来ます。
http://www.philips.co.jp/a-w/careers/healthtech/midcareer.html
ただ、上記のページからリンクされているのは、Workdayという求人サイトとなり、フィリップスエレクトロニクスジャパンとフィリップス・レスピロニクスの両方の求人が混在しています。
募集職種の末尾に<PEJ>と記載があるものが、フィリップスエレクトロニクスジャパンの求人、(PRJ)と記載があるものが、フィリップス・レスピロニクスの求人と、ある程度分かるようにはなっていますが、この記載がない求人も。数多く存在します。
そのため、正確なところを知りたい時には、フィリップスに直接、問い合わせたほうが賢明です。また、フィリップス・レスピロニクスは、中途採用に関しては、転職会社経由で募集をかけることも多いので、そちらに問い合わせるという方法もアリです。
『フィリップス・レスピロニクスの求人情報が知りたい』と言えば、一覧で出してくれるので、Workdayを自分でチェックするよりも、楽かなと思います。このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
なお、募集が行われている職種としては、営業、営業事務、臨床検査技師、機器のクリーニング担当、カスタマーサービス、安全性管理、PMSモニター、品質管理などが挙げられます。
いずれの職種においても、該当業務における実務経験が必須となりますが、前職の業種は問わないとするケースが多いので、異業種からの転職のチャンスは十分にあります。
ただし、安全性管理、PMSモニター、品質管理といった職種に関しては、メディカル業界での就労経験が求められたり、もっと厳しく、呼吸器や吸引器の開発・製造業務に従事した経験が求められたりすることもあります。
同じ職種でも、要求される経験・スキルの内容は異なるので、詳細については、個々に確認するようにしてください。
フィリップス・レスピロニクスの社員の年収・給与制度について
フィリップス・レスピロニクスに勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 営業 25歳 年収 650万円
- 営業 25歳 年収 300~350万円
- 営業 27歳 年収 800万円
- 営業 30歳 年収 380万円
- 営業 33歳 主任 年収 450万円
- 営業 30代 年収 550万円
- 営業 30代前半 営業所長 年収 580万円
- 営業 課長クラス 年収 550万円
- エンジニア 年収 550万円
- 事務職 年収 550万円
- 品質管理 30代後半 年収 600万円
- テクニカルサポート 30代前半 年収 520万円
給与は役職ではなく、グレードによって決定される仕組みとなっています。昇給は年1回、見直しの機会が設けられていますが、グレードが上がらなければ、基本給は上がっても数千円程度に留まります。
その反面、グレードが上がると、基本給の上昇幅が大きくなりますし、一定のグレードに達すると、役職給が付くようにもなります。支給額は、グレード30で10000円、40で25000円、所長レベルの50で100000円程度と、バカにならない金額となっています。
賞与は、夏冬あわせて、4か月分が支給されるほか、3月には業績連動の決算賞与が、支給されます。(ただし、業績連動とはいっても、それほど振り幅は大きくなく、毎年、基本給1ヶ月前後に落ち着いています。)
営業に関しては、みなし残業が導入されており、40時間があらかじめ手当としてついていますが、実際は残業時間が40時間を超える人が多く、超過分の残業申告がしにくい雰囲気があるため、結果的にサービス残業になってしまう傾向があります。
福利厚生に関しては、住宅手当、扶養手当などはありませんが、PhiliFlex(フィリフレックス)という、スクールや旅行費用、育児や介護プログラムなどに利用出来るカフェテリアプランのような制度が導入されています。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用で入社する時には、前職の給与や実績などを加味して、基本給が算定されることになりますが、交渉次第で金額が変わるので、会社からの提示額に納得がいかない時には、そこで妥協せずに、キチンと話し合うようにしてください。
転職する時というのは、給与に関して最も自分の要望を伝えやすいタイミングとも言えるので、ここで会社の言うなりになるのはモッタイナイです。フィリップス・レスピロニクスの給与水準はそれほど高くないうえ、給与の上げ幅も決して良いわけではないので、尚更です。
こういった交渉事は苦手ということであれば、前述した転職会社に、交渉を依頼することをオススメします。彼らは交渉のプロなので、あなたのことを上手にアピールして、しっかりと要望を通してくれます。
自分の要望が、そのまま100%通るというのは、さすがにありませんが、会社からの提示額に対する上積みは十分に期待出来ます。自分では何もする必要はないのですから、任せてしまったほうがお得です。(それでうまくいかなかったとしても、損はありません。)
フィリップス・レスピロニクスの評価制度について
フィリップス・レスピロニクスでは、あらかじめ上司とすり合わせた目標に対する達成度を軸に、人事査定を行う評価制度が導入されていますが、実際には上司の意向(主観)が大きな要素を占めています。
また、評価は所属する支店内・部署内での相対評価になるため、優秀な人が多くいるところでは、高い評価を得るのは難しく、グレードも簡単には上がりません。その逆もあるので、人事評価に関しては、どこに配属されるのか、運次第という要素もあります。
なお、営業に関しては、個人の成績よりも、営業所単位のノルマ達成率などが、より大きく影響するため、個人プレーに走る人よりも、チーム内のスタッフと協力して、結果を出せるような高い協調性を持つ人のほうが、上司からの心象が良くなり、結果的に高い評価を得ています。
成長環境について
フィリップス・レスピロニクスは、外資としては珍しく、社内教育に力を入れています。全員を対象として、1週間ほどの入社研修が行われるほか、スキルアップ研修が定期的に開催されており、希望者が自由に受けられるようなっています。
加えて、Eラーニングやスキルアップのための補助金制度も用意されており、会社からのサポート体制は手厚いです。
また、営業職の場合、営業所ごとに、ロールプレイングや社内勉強会、プレゼン実践トレーニングといったものが行われており、所長・ベテランスタッフから、営業スキルを向上させるための技術指導を受けることが出来るようになっています。
一方、実務を通して学べるスキルについては、配属先によって、そのレベルや範囲が大きく異なります。
睡眠関連機器を扱う部署においては、広くて浅い知識が必要とされているので、身に付く知識も、そういったものとなりますし、呼吸関連機器を扱う部署においては、その真逆で、狭く深い知識が磨かれることになります。
いずれにしても、ニッチな分野であるため、応用が利きにくい面もありますが、同業他社への転職組も多くいるので、医療機器業界、製薬業界でキャリアを築いていくうえでは、フィリップス・レスピロニクスで働くことは、確実にプラスになると考えて間違いなしです。
ワークライフバランスについて
フィリップス・レスピロニクスにおけるワークライフバランスの取りやすさは、所属部署や上司の考え方によって異なります。また、営業職においては、担当するエリアや時期によっても、大きく状況が変わる傾向があります。
会社としては、残業抑制・有休取得の促進を図るよう、通達していますが、外勤の場合、実際には、みなし残業以上の残業が発生することが多く、時間外勤務削減の指導が入るのを避けるために、あえて申告しないような風潮もあります。
また、直接ドクターから携帯に電話が来たり、夜間当番時には夜中に呼び出されたりすることも、頻繁に発生します。担当の病院によっては、土曜に営業しているところもあるため、プライベートの時間を確保するのは、非常に難しいのが現状です。
一方、管理部門など、内勤職の場合においては、それほど残業は多くはないですし、休日出勤の機会も殆どありません。ただし、有給の消化率については、50~60%程度となっており、可もなく不可もなくといった感じです。
女性の働きやすさについて
フィリップス・レスピロニクスでは、ダイバーシティを推進しているため、女性の活用に積極的であり、社内において、男女差別は一切ありません。
仕事の内容・責任負担は男女で変わらないですし、キャリアアップの機会についても、男女平等なので、実力が認められれば、女性でも昇進することが可能です。実際、管理職に就いている女性が、多数在籍しています。
ただし、営業職に関しては、業種がら、男性社会の色が濃く残っていることもあり、女性にとっては、働きやすい環境とは言えません。それは会社も理解しているため、そもそも、営業職として女性を採用するケースは少なく、営業部門においては、女性社員の割合はかなり低いです。
これは、フィリップス・レスピロニクスだけの問題ではないので、今後もしばらくは、同じ傾向が続くと考えたほうが良さそうです。
一方、管理部門の事務職や臨床検査技師には女性が多いのですが、臨床検査技師となると、毎日の検査・結果解析と、病院への応援などで、かなり忙しく、結婚を機に退職することを選択する人が多くなっています。
(そのため、フィリップス・レスピロニクスで働いている女性検査技師の大半は、独身者です。)
こういった背景があるため、フィリップス・レスピロニクスでは、産休、育休、フレックス勤務、時短勤務といった制度が整備されていますが、実際に利用しているのは、管理部門の女性に限定されているのが、現状です。
逆に言えば、管理部門に働く限りにおいては、フィリップス・レスピロニクスは、女性にとって非常に働きやすい職場環境と言えます。
フィリップス・レスピロニクスの転職先としての価値
ここまで、フィリップス・レスピロニクスの就労環境について見てきましたが、給与水準については、ほぼ業界標準といったところなので、それほど魅力があるわけではないのですが、業界有数の企業なので事業の安定性という点では安心です。
また、営業を除けば、それほど仕事が忙しい会社ではないので、のんびりマイペースで働きたい人にとっては、良い職場と言えるかと思います。
一方、営業職の場合、残業や土日出勤が当たり前となっているので、その忙しさと比較すると、給与が見合っていないというのが、正直なところであり、ここをどう考えるかです。
ただ、フィリップス・レスピロニクスは、呼吸器分野では、世界を代表する会社ではあるので、そういった製品に触れるのは、将来的なキャリアを考えるとプラスなので、敢えて、この会社で働くことを選択するという人もいます。
そのため、転職先候補として見た時の、フィリップス・レスピロニクスの価値というのは、一概にこうとは言えず、難しい面があります。結局は、自分が会社に何を求めるかということに尽きるので、自分の希望や要望と照らし合わせながら、転職の判断を下すようにしてください。
フィリップス・レスピロニクスの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職会社
最後に、フィリップス・レスピロニクスの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、判断に迷うようでしたら、相談してみることをオススメします。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。
また、転職会社は様々な企業の求人案件を扱っているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。フィリップス・レスピロニクス以上に、魅力を感じる企業が見つかるかもしれないので、ぜひ他社のことについても、聞いてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
- 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。