画像出典:Michael Reischer
ドイツのバイエルン州ミュンヘンを拠点とする、世界的な自動車メーカー、BMW。日本でも人気が高いメーカーですが、一法人として見た場合においては、過去40年以上に渡り、黒字経営を維持するなど、非常に安定した経営を続けている優良企業です。
傘下に、英国のロールスロイスとMINIの2社を所有していますが、こちらも、順調に業績を伸ばしており、変化が激しい自動車業界のなかでも、確固たる地位を築いています。
その完全子会社の日本法人として、日本におけるBMWの輸入販売を行っているのが、ビー・エム・ダブリュー株式会社。
それまでは、輸入車と言えば、ヤナセのような輸入販売専門業者が行っていたものを、日本で初めて、メーカー直系のディーラーとして、販売を開始した先駆者でもあり、現在も全国の正規ディーラーやショールームを通じて、製品の販売とアフターセールスを行っています。
そのなかでも、最も大きなディーラーである、BMW東京によるBMW車の販売台数は、日本国内販売の1割以上を占めるのみならず、ドイツ国外におけるディーラーのなかでも、最上位となっており、文字通り、BMWを代表する販売店となっています。
このように、ビー・エム・ダブリュー株式会社は業績好調な超優良企業なので、転職先として見た場合には、格好の選択肢です。このページでは、ビー・エム・ダブリュー株式会社の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
ビー・エム・ダブリューの中途採用求人の傾向
ビー・エム・ダブリューでは、新規採用と中途採用の求人を行っていますが、割合としては、中途採用がメインとなっているので、転職のチャンスは幾らでもあります。
ビー・エム・ダブリューの公式サイトには、中途採用希望者向けに、専用ページが用意されており、こちらのページから、募集がかかっている求人の一覧・詳細について、確認することが出来ます。
http://bmw-japan.jp/recruit/description.html
なお、このページで募集が行われているのは、全国の各ディーラーに勤務するスタッフとなり、営業職のセールス・コンサルタントとプロダクト・ジーニアス、技術職であるテクニカル・スタッフとサービス・アドバイザーが中心となります。
募集要件は、各ディーラーによって若干異なるので、自分が希望する勤務地のディーラーの募集要項を、確認するようにしてください。
一方、東京丸の内にある本社勤務となる求人については、子会社のディーラーであるBMW東京のサイトにおいて、確認することが出来ます。(ビー・エム・ダブリュー株式会社の欄を参照)
https://progres11.jposting.net/pgbmw/u/job.phtml
募集が行われている代表的な職種としては、下記のようなものがあります。
- マーケティング
- ブランディング戦略
- マーケティング分析
- デジタルマーケティング
- 広報
- エリアマネージャー
- 社内SE
エリアマネージャーというのは、全国各地のディーラーの営業活動を統括・支援するような役割、社内SEというのは、マーケティング活動を技術的な側面から支援する役割を担うものであり、そう考えると、いずれの職種も、マーケティング(ブランディング)活動に寄与するものと言えます。
BMW、MINIというふうにブランド別に分かれて担当することになり、求人もブランド別に分かれる形で募集されています。(ちなみに、ロールスロイス担当というポジションもありますが、日本での販売台数はそれほどでもなく、組織規模が小さなため、あまり求人が出てくることはないです。)
いずれの職種においても、豊富な実務経験と高い能力が求められることになるので、応募条件のハードルは高いです。
また、日本法人においても、上司が外国人というケースが少なくないですし、ドイツ本国とのやりとりが日常的に発生するため、ビジネスレベルの英語力も必須とされています。
なお、詳しくは後述しますが、ビー・エム・ダブリューでは、昇給していくためのハードルがかなり高めです。そのため、転職する際には、面接時に給与交渉をしっかり行うことが重要です。転職時には、案外、要望を聞き入れてくれるので、遠慮せずアピールするようにしてください。
もし、こういった交渉が苦手という人であれば、転職エージェントに交渉を依頼することをオススメします。ビー・エム・ダブリューは、中途採用に関しては、エージェント経由でも募集をかけていますが、エージェントを通して応募した場合には、条件交渉を代行してもらうことが可能です。
彼らは、こういった交渉に慣れているので、うまく話をまとめてくれます。交渉ベタな人が自分で行うよりも、うまくいく可能性が高いので、無理に自分で何とかしようとせず、任せてしまったほうが賢明です。
このページの最後に、ビー・エム・ダブリューの中途採用求人の取扱実績がある転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
ビー・エム・ダブリューの社員の年収・給与制度について
ビー・エム・ダブリューに勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 営業 27歳 年収 450万円
- 営業 36歳 年収 800万円
- 営業 38歳 年収 700万円
- 営業 40歳 課長職 年収 800万円
- 営業 45歳 マネージャー 年収 900万円
- 開発 33歳 年収 800万円
- 開発 40歳 年収 700万円
- 開発 40歳 部門長 年収 950万円
- 開発 43歳 部門長 年収 900万円
- マーケティング 30歳 年収 600万円
- マーケティング 30歳 年収 700万円
給与体系は月給制となりますが、管理職になると年俸制に変わります。年俸制の場合には、年俸を18か月で割ったものが、毎月支給され、さらに賞与として6か月分が、別に支給されるようになっています。
役職なしの一般職の場合、賞与は年2回、4月は会社業績をもとに、5月は個人の業績をもとにした金額が、それぞれ支給される形になります。
また、ディーラー勤務の場合には、基本給に加えて、営業成績に応じたインセンティブや賞金が、別途支給されるようになっています。
基本給に関しては、昇進しない限り、ベースアップは見込めないのですが、先ほども触れたように、ビー・エム・ダブリューは昇進することが、かなり難しい会社なので、何年も同じ給与額という人が少なくありません。
福利厚生については、BMWを安く借りられるリースシステムや従業員販売制度がある程度で、住宅補助などの補償は、特にありません。
また、退職金制度が用意されていますが、支給額は低く、10年で300~500万円、20年でも1000万円弱と言ったところです。(月給の75%に勤続年数をかける形で、計算される仕組みとなっています。)
外資らしく、給与以外には期待出来ない会社なので、他社と比較する時には、このことを忘れないようにしてください。(特に、日系企業と比較する場合には、各種手当や福利厚生の違いを、必ずチェックしておいたほうがいいです。)
ビー・エム・ダブリューの評価制度について
ビー・エム・ダブリューの人事評価制度は、MBO評価となります。期初に立てた目標の達成度合いを、期末に自己評価とあわせて申告、ここに、直属の上司や関連部署のマネージャーの評価を加えたうえで、最終的に部門長と人事によって、評価が下されるという流れとなっています。
外資系ということもあり、完全に実力主義なうえ、たとえ目標が達成出来たとしても、5段階評価の3しかもらえないケースが多いです。そのうえ、毎年、社員の3割が賞与の50%をカットされており、前年比で年収の10%程度が減るなど、非常に厳しい評価が行われているのが現状です。
50代でも平社員のままの人が多い反面、30代や40代の上司がいるといった風景が普通に見られるほか、マネージャーレベルでも、10年以上昇進なしというケースが珍しくないなど、あからさまに差が付く環境となっています。
大変ではありますが、逆に言えば、自分の力で、どんどん道を切り開いていけるので、そこに面白さを感じて、働いている人が多いのも実情です。
成長環境について
ビー・エム・ダブリューでは、ディーラーの営業マン、技術者に対する研修制度が確立されており、入社時の導入研修に加えて、勤務開始後も、段階を踏んで技術や資格を習得していくステップアップ方式の制度が導入されているので、無理なくスキルアップすることが出来ます。
また、キャリアアップに関しても、各職種に関する資格制度があり、例えば営業職の場合、セールス・コンサルタント、シニア・セールス・コンサルタント、エグゼクティブ・セールス・コンサルタントというふうに、キャリアパスが用意されています。
一方、本社勤務の社員に対しては、即戦力の人材を採用する方針を取っているため、系統だった社員教育は行われておらず、教育プログラムなどは、特に用意されていません。自己研鑽については、全て自分の責任においてということになります。
なお、現場の環境としては、上司やドイツ本国とのやりとりを頻繁に行うため、英語スキルや、背景となる文化や考え方が違う人間を相手にしたコミュニケーションスキル・交渉力などが、自然に磨かれることになります。
また、ビー・エム・ダブリューの海外拠点に駐在したり、本国の研修プログラムへ参加するチャンスが用意されていたりするので、外資系企業ならではのグローバルな経験を積むことが可能となっています。
ワークライフバランスについて
ビー・エム・ダブリューにおけるワークライフバランスの取りやすさは、部署や上司の考え方によって大きく異なります。
本社の管理部門に勤務している人の場合、フレックス勤務制度が利用出来るほか、上司であるドイツ人が長期休暇を取る傾向にあるので、休暇の取得に関しては融通が利きやすいです。
ただし、管理職になると、夜間におけるドイツ本国との電話会議などが日常茶飯事となるため、休みが取りづらくなります。
一方、同じ本社勤務でも、営業やマーケティングの場合、土日にイベントが開催されることが多いこともあり、休日出勤がたびたび発生することになります。
ディーラー勤務に関しては、休日に来訪する顧客が中心のため、土日出勤が必須となり、休みは平日が基本となりますが、業務負荷がそれほど高いわけではないので、週休2日はしっかり確保出来ますし、残業も少なめです。
有給の取得についても、それほど難しいわけではないので、ワークライフバランスという観点で見た場合、まずまず良好な職場と言えるでしょう。(ブランド力がある高収益企業なので、社員が過度な負担を強いられるようなことは、まずありません。)
女性の働きやすさについて
ビー・エム・ダブリュー本社の管理部門は、正社員(無期雇用)や派遣社員を含め、女性が多い職場です。平均年齢が45歳くらいと高めとなっており、それだけ長く勤める人が多い職場と言えます。
ただし、外資系としては、女性の管理職は、それほど多くはないので、キャリアアップを狙っている人にとっては、厳しいところがあるかもしれません。
一方、営業やマーケティング、及び、ディーラーにおいては、男性社員が中心となっており、マネージャーも殆どが男性です。
女性だからといって、不遇な扱いを受けるわけではないのですが、そもそも、あまり入社してくれる女性が少ないので、そういった意味では、やりづらい部分もあると思います。
なお、子育てに関する支援制度については、産休・育休に加えて、復帰後の時短勤務、在宅勤務が制度として、用意されています。本社の内勤業務であれば、産休からの復帰者も多く、元の部署にそのまま戻れるため、出産後も働き続けている人が多いです。
ビー・エム・ダブリューの転職先としての価値
ここまで、ビー・エム・ダブリューの就労環境について、様々な角度からお伝えしてきましたが、年収と仕事の忙しさを比較した場合、バランスが取れているので、自動車業界のみならず、様々な業種を通しても、転職先として有力候補の一つと言えるでしょう。
中途に関しては、営業、マーケティング、エンジニアなど、一部の職種に求人が偏っているので、そこが自分の希望とマッチするかどうかというのが、重要になってはきますが、いずれにしても、真剣に検討するだけの価値があるので、ぜひ、じっくりと考えてみてください。
ビー・エム・ダブリューの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職会社
最後に、ビー・エム・ダブリューの中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、転職の判断に迷うようでしたら、一度相談してみてください。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。
また、エージェントは様々な企業の求人情報を押さえているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。待遇面で、ビー・エム・ダブリューを超える企業というのは、なかなか見つからないと思いますが、そのなかでも、もしかしたら、より魅力を感じる会社が出てくるかもしれません。
転職を考える場合、選択肢が多いに越したことはなく、求人を紹介してもらって損はないので、興味がある人は、ぜひ他社のことについても、聞いてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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