米国に本拠地を置く、世界最大規模の医薬品総合サービス企業、クインタイルズIMS。1974年に創業したQuintiles(クインタイルズ)を前身として、2016年10月にIMS Healthと合併したことで、現在のクインタイルズIMSに落ち着いています。
クインタイルズIMS は、世界100ヶ国に5万人以上の従業員を抱える、世界トップのCRO企業であり、世界の売上高トップ100の医薬品のうち、98品の開発業務をサポートした実績を持つほか、医療機器や再生医療の開発においても、業界をリードする存在となっています。
その日本法人として、1998年7月に設立されたのが、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社。
1993年にクインタイルズ・アジア・インクとして、日本初の本格的なCRO事業をスタートさせた後、医薬品営業マーケティング受託機関(CSO)事業を加え、日本市場においてもグローバルCRO及びグローバルCSOとして、業界を牽引し続けています。
このページでは、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの中途採用求人の傾向
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンでは、新卒採用者、および中途採用者をともに募集していますが、中途採用希望者向けには、専用のサイトを用意しており、こちらのサイトから、募集を行っている求人の一覧・詳細について、確認することが出来ます。
https://quintiles-career.snar.jp/index.aspx?id=YrOd3nF8Ay8
募集を行っている職種としては、以下のようなものが挙げられます。
- Medical Advisor(MR)
- CRA(臨床開発・治験/医療機器)
- ラインマネージャー
- CPM(クリニカルプロジェクトマネージャー)
- クリニカル・エデュケーター(看護師サポート業務)
- Infosario(ビジネスアナリスト)
- PMS(製造販売後調査)
- メディカル・サイエンス・リエゾン
- データ・マネージャー
- メディカル・ライティング・マネージャー
- Biostatistician(生物統計解析者)
- SASプログラマー
MRについては、日本各地の営業所において、募集が行なわれていますが、クインタイルズはMR未経験者の募集を積極的に行っている、数少ない外資系企業の一つです。
各職種における中途採用の募集要件は、該当業務に関する実務経験が必須となります。(経験年数については、2~7年以上と、求人ごとに大きく異なります。)
また、一部の職種については、専門資格の保有が必要とされるほか、上級職になると、ビジネスレベルの英語スキルも必須となってきます。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの社員の年収・給与制度について
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンに勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか事例を挙げると、下記の通りとなります。
- MR 20代後半 年収 650~700万円
- MR 30歳 年収 650万円
- MR 33歳 年収 550万円
- MR 34歳 年収 700万円
- MR 30代 チームリーダー 年収 700~900万円
- CRA 28歳 年収 580~600万円
- CRA 30歳 年収 650~700万円
- CRA 35歳 年収 600万円
- CRA 45歳 シニア 年収 760万円
- CRA シニア 年収 700万円
- CTL 33歳 管理職 年収 860万円
- CMR 年収 720万円
- CR 30代 年収 330万円
- CR 32歳 年収 670万円
- 管理 28歳 チームリーダー 年収 600万円
- 管理 30代前半 年収 550万円
世界を代表するCRO企業ということもあり、CRO業界のなかでは、同業他社を上回る給与水準となっています。
MRを例に取ると、業界未経験の場合は、年収 500万円からスタートしますが、MR認定試験合格後、2年ほどで、一定以上の評価をもらうことが出来れば、年収 600万円程度まで上がります。
昇進出来れば、リージョナルマネージャーで年収 1000万円以上、プロジェクトマネージャークラスで年収 1200万円以上に達することが出来るので、十分な報酬が期待できます。
他の職種に関しては、役職無しの一般職だと、年収500~600万円、マネージャークラスで700~800万円、上級管理職になると、1000万円以上というのが、おおよその目安となり、ポジションが昇格するに連れて、大幅に給与がアップするという仕組みとなっています。
逆に言えば、ポジションが上がらない限り、給与は、ほぼ同じ額にとどまることになり、日系メーカーのように、勤続年数や年齢に比例して、給与を上げてもらえるといったことは、全く期待出来ないと考えてください。
賞与については、毎年6月および12月に各2.5ヶ月分、トータル5ヶ月分が支給されるほか、3月には賞与約1ヶ月分に加えて、インセンティブも支給されています。
インセンティブは、事業部、および個人の業績を加味して決まりますが、最大の評価を得ることが出来れば、役職者ではなくても、支給額は100万円以上になります。
福利厚生については、特筆出来るようなことは、あまりありません。住宅手当の代わりとして、地域手当が導入されている程度です。ただし、支給額は5000~20000円程度と低額なため、住居費が高い首都圏などに在住する場合においては、個人の負担が大きくなります。
中途採用で入社する時の注意点
中途採用で入社する場合、前職までの実績を加味して、給与が算出されることになりますが、先ほども触れたように、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンは、昇格しない限り、毎年の昇給幅はごく僅かなので、入社時に設定された年俸が、後々まで、大きく影響してきます。
そのため、会社側からの提示額に満足出来なければ、下手に妥協せずに、納得出来るまで会社側と話をすることをオススメします。(交渉次第で決まるという要素もあるので、面接時には、しっかり要望をアピールしておいたほうが賢明です。)
もし、こういった条件交渉が苦手ということであれば、転職エージェントを活用することをオススメします。
クインタイルズは、中途採用に関しては、転職エージェント経由でも募集をかけていますが、エージェント経由で応募する場合、交渉を代行してもらうことが出来ます。彼らはプロなので、この手の交渉に慣れており、うまく話を進めてくれます。
このページの最後に、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの中途採用求人の取扱実績がある転職エージェントをリストアップしておきますので、是非一度、相談してみてください。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの評価制度について
人事評価に関しては、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンでは、各個人に課せられた業務目標の達成率と上司による勤務査定を50%ずつの割合で考慮したうえで、最終的な評価が行われる仕組みとなっています。
ただし、MRに関しては、クライアントである製薬会社に派遣され、その会社の営業マンとして業務を行う形になるため、目標達成率とクライアントの評価が主な評価対象となり、直属の上司からの査定は、それほど重要視されていません。
また、クライアントの評価項目が、派遣先によって異なるため、社内目線で見ると、やや公平性に欠けるような部分があります。(同じ人でも、派遣先が変わることによって、評価が一変するといったようなことが起こりえる制度となっています。)
また、MRやCRAなど、外勤業務に就く人の場合、2~3年ごとに担当するプロジェクトが変わり、そのたびに評価者も変わることになるため、クライアントや上司とのコミュニケーションが、非常に重要になってきます。
なお、クインタイルズは、様々な要因で、年を追うごとに昇格しづらくなってきつつありますが、実力主義で評価されることには変わりないため、結果を出すことで、速いペースで出世することも可能です。上昇志向の強い人にとっては、やり甲斐を感じることが出来る会社と言えるでしょう。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンにおける成長環境について
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンは、人材育成に非常に力を入れており、入社直後には、必ず導入研修を受講するようになっているほか、勤務開始後のフォローアップ研修も、非常に充実しています。
たとえば、MR未経験で入社した場合、2~3か月程度の基礎研修が行われ、配属後は、認定試験対策やマーケティング、プレゼン、医療制度、疾病などに関する研修が随時行われるなど、フォローアップ体制が確立されています。
特にMR認定試験に関しては、受験者数が300名規模に及ぶにもかかわらず、合格率が95%を超えるレベルに達しており、会社としての注力ぶりが伺えます。
一方、キャリアや業務を通しての成長という点では、同じ会社に在籍しながら、多くの製薬メーカーと関わりながら働くことができるため、メーカーに直接入社するよりも、多くの経験を積むことが出来る環境となっています。
そのため、転職市場においては、クインタイルズ出身者は、CRO企業だけでなく、製薬会社や医療機器メーカーなどからの評価も高く、好条件で転職出来るケースが少なくありません。
実際、クインタイルズで働くことを、メーカーへの転職のための通過点と考えている人が多く、転職に成功しているOBが多数存在します。
ワークライフバランスについて
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンにおけるワークライフバランスは、所属部署やプロジェクトによって、大きく変わります。
例えば、MRの場合、配属先のクライアントが、土日の講演会を積極的に開催する企業である場合、必然的に休日出勤が多くなります。
逆に派遣先が外資系メーカーだと、講演会などは少ないので、休日出勤はほぼゼロですし、自由度も高いので、業績さえ上げていれば、自分の希望通りに休みを取得出来る傾向が強いです。
CRAの場合は、担当するプロジェクトによって異なり、人によっては複数のプロジェクトを掛け持ちするケースもあるため、残業なしで帰宅出来ることは、皆無に等しいといったケースもあります。
その一方で、フレックスや在宅勤務制度が用意されているため、激務ではあっても、勤怠のスケジュール管理については、比較的柔軟に調整することが可能です。
管理部門などの内勤業務の場合は、経営陣が1~2週間程度の休みを取得しているほか、部門長や中間管理職なども1週間以上の休みを定期的に取得しており、部下に対しても、休暇取得を推奨しているので、休みが取りやすい環境です。
女性の働きやすさについて
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンは、グローバル企業ということもあり、ダイバーシティを強く推進しているため、待遇やキャリアに関しての男女差別は一切ありません。特に、内勤職やCRAには女性社員が多く、管理職に就いている女性も数多く在籍しています。
育児支援制度に関しては、産休・育休のほか、時短勤務や在宅勤務の制度が整備されており、産休からの復職率は、非常に高くなっています。
また、外勤や出張が多いCRAから内勤職への異動、完全在宅勤務、配偶者の転勤に合わせての異動など、状況に応じた配置転換を行ってくれる会社でもあるので、女性でも、長く働き続けることが可能です。
ただし、MRに関しては、メーカーに派遣される関係上、短時間勤務の扱いはないうえ、プロジェクトによっては休日出勤や長時間勤務が常態化しているため、子育てや家庭との両立をするのは難しく、結婚・出産を機に、異動するというのが通例となっています。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの転職先としての価値
ここまで、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、業界をリードする企業ということもあり、待遇は業界内トップクラスですし、就労環境も整備されています。
この業界で転職を目指すのであれば、まず候補に入れるべき会社と言えるでしょう。また、クインタイルズは、自己成長を図れる会社であり、転職市場における評価も高いので、より好条件の製薬会社などへの再転職を視野に入れて、転職するというのもアリです。
クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンは、業績が好調で、人員体制を強化しているので、求人数が多く、転職のチャンスが掴みやすいというのも、大きな魅力です。
もちろん、向き・不向きというものがあるので、人によっては、クインタイルズは合わないということもあると思います。そのため、最終的には、自分の価値観と照らしあわせて、判断すべきですが、少なくても検討するだけの価値はある企業なので、真剣に考えてみてください。
クインタイルズの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職エージェント
最後に、クインタイルズの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うことがあれば、一度相談してみてください。プロの視点で、冷静にアドバイスしてくれるので、参考になります。
また、エージェントは、様々な企業の求人情報を押さえているので、他社のことについて、聞いて見るのもアリです。
複数の求人を比較することで、また見えてくるものがありますし、もしかしたら、クインタイルズ以上に、自分に合う会社が出てくるかもしれないので、ぜひ、他社のことについても、色々と話をしてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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