日本発のグローバル・コンサルティングファームとして、金融、メディア、医療といった業種を中心に、その業界の特性に応じた、経営戦略構築支援、人材問題解決支援サービスを提供しているアビームコンサルティング。
1981年の設立以来、アビーム(横風を力に変えて進む)という名のごとく急成長、その活躍は日本国内にとどまらず、欧米・EU・アジアにも進出、現在10カ国以上に現地拠点を設けるまでになっています。
国内外に約4200人の従業員を抱えていますが、アジア・ナンバーワンを経営目標に掲げ、2020年までに、1万人体制に増強することを表明しており、新卒・中途を問わず、積極的に人材を募集しています。
業績が好調なこと、実力主義でありつつ、自由で風通しが良い社風であることから、アビームコンサルティングは人気が高い会社であり、競争倍率は高くなりますが、転職を目指すだけの価値が十分にあります。
このページでは、アビームコンサルティングの中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
アビームコンサルティングの中途採用の求人傾向
中途採用に関しては、コンサルタント、もしくはデータアナリストといった、コンサルティングプランの施策立案をサポートするスペシャリストを募集する求人が中心となります。
中途に関しては、即戦力の人材が求められており、コンサルティング、事業計画立案、業務改善、基幹システムの企画導入といった領域における実務経験を有することが、必須応募条件となっています。
また、求人ごとに、経験業種が指定されており、その業種における就労経験がない場合には、応募不可となるので、注意してください。
これらの条件に加えて、語学力や何らかの専門資格が要求されること(歓迎条件として、必須とはされないケースもあり)ことも珍しくないので、かなりハードルは高いです。
求人情報を入手する方法ですが、公式サイト内に、キャリア情報ページが開設されており、そちらのページから、現在、募集中の求人の内容について、確認することが出来ます。
http://jp.abeam.com/career/mid-career/information/#b01
また、アビームコンサルティングでは、ポジションマッチング採用という制度を設けています。これは、どの職種に応募すれば分からない人のために、アビームの採用担当者が、応募者の適性を見極めたうえで、選考を進めるという仕組みです。
これまで、複数の業種を経験しているなど、自分の適性が、どこにあるのか、判断が就かないという時には、無理に自分で応募職種を選ぶよりも、ポジションマッチングを利用したほうがいいです。
社員の年収・給与制度について
アビームコンサルティングの社員年収について、幾つか具体的な数字を挙げると、以下のようになります。
- P&T SCMコンサルタント 30歳位 中途5年 年収700万円
- FMC シニアコンサルタント 28歳 中途3年 年収750~800万円
- ITMマネージャー 33歳 中途5年 年収800万円
- シニアマネージャー 中途10~15年 年収1200万円~
- コンサルタント職 プリンシバル 年収2000万円~4000万円
- プロセス&テクノロジー事業部 30代 中途2年 年収650万円
- シニアコンサルタント 28歳 年収750万円
- シニアコンサルタント 28歳 年収850万円
- シニアコンサルタント 35歳 年収800万円
- マネージャー 30歳 年収800万円
- マネージャー 32歳 年収900万円
- コンサルタント(経理財務) 30歳 年収850万円
- コンサルタント(経理財務)33歳 年収700万円
- コンサルタント(SCM) 30歳 年収550万円
- コンサルタント(SCM)SCM 32歳 年収900万円
- コンサルタント(テクノロジー) 26歳 年収700万円
- コンサルタント(テクノロジー) 38歳 年収950万円
- コンサルタント(金融統括事業部) 30歳 年収700万円
- コンサルタント(金融統括事業部) 26歳 年収800万円
- アナリスト 23歳 年収500万円
- アナリスト 25歳 年収500万円
コンサルティングフォームとしては、外資には劣りますが、日系のなかでは、やや高めと言える給与水準となっております。(グローバルファームを目指しているだけあって、後発でありながら、このあたりの条件面は、既に日系の老舗コンサルティング会社を超えています。)
固定給とインセンティブから構成される給与体系となりますが、固定給はランク制となっており、同じ職種・ポジションでも、支給額は大きく異なります。インセンティブも実績ベースなので、ここでも、個々に支給額が変わってきます。
そのため、アビームコンサルティングは、社員間の給与格差が大きな会社であり、その差は数百万単位になることも珍しくありません。そのため、上記の金額は一例として捉えてください。収入がどれくらいになるのかというのは、自分次第です。
なお、コンサルティング会社としては珍しく、平社員の場合、残業代が別途支給されるようになっています。(マネージャー以上になると、年棒制に移行することになるため、残業代支給の対象外となります。)
補足)中途採用で入社する時の注意点
中途採用の場合、前職までの実績を加味して、ランクが算出され、それに応じて、給与額が決まることになりますが、ここは交渉次第で大きく変わってきます。
そのため、会社側からの提示額に不満がある場合には、納得がいくまで話し合うようにしてください。中途半端に妥協してしまうと、同じような実力を持つ同僚と比較しても、年収が100万円以上少なくなってしまったといった結果になりかねないので、要注意です。
こういった交渉が苦手ということであれば、転職会社に代行してもらうことをオススメします。彼らはプロなので、うまく話を進めてくれます。
あくまでも、転職会社が、アビームコンサルティングの求人を扱っていることが前提の話となりますが、幸い、中途採用に関しては、アビームは転職会社経由で募集をかけることが多いので、大丈夫です。
このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
アビームコンサルティングの人事評価・昇給制度について
人事評価は年2回行われており、個人の年次目標に対する達成度評価(MBO評価)に加えて、会社・組織への貢献度を加味した相対評価が為されるようになっています。
評価が高ければ、ランクが上がり、それに伴い、給与も上がるという仕組みです。また、高い人事評価を得たうえで、直属の上司からの推薦を受けることが出来れば、昇進することが可能となっています。
MBO評価については、導入したものの、うまく機能していないという企業が多いのですが、アビームは、コンサルティング会社だけあって、制度設計が巧みです。
直属の上司や所属長が、カウンセラー役となり、社員に対して、目標設定、及び、その目標の達成するための行動計画の策定に関するアドバイスを行っています。
また、一度設定して終わりではなく、進捗状況のモニタリング、軌道修正などの指摘も、定期的に実行するようになっています。
そのため、当人が目標を達成する確率が高くなっていますが、これは、逆に言えば、上司とのコミュニケーションが、極めて重要ということでもあります。
このあたりの意思疎通が上手な人と下手な人では、結果(目標達成率)が大きく変わってくるので、アビームコンサルティングで高評価を得るには、上司・所属長の関係を良好に保つことが、必須と考えてください。
アビームコンサルティングの成長環境について
アビームコンサルティングは、研修制度に非常に力を注いでいる会社です。全ての中途採用者に対して、合同研修の受講を義務づけており、研修期間中に本人の能力や適正を確認したうえで、配属先が最終決定されるようになっています。
その後も、様々な研修が用意されており、本人が希望するものを自由に受講することが出来ます。思考能力、表現力、コミュニケーション能力など、コンサルタントとして必須のビジネススキルを磨くものが主軸となり、それぞれ、入門的なものから専門的なものまで用意されています。
そのため、自分の実力に応じた研修を選択することが出来ますし、座学だけでなく、オンライン講座も用意されているので、仕事が忙しい時には、合間のスキマ時間を使って学ぶといったことも可能です。
アビームは実力主義の会社なので、実績を残せば、年齢や勤務年数にかかわらず抜擢され、重要なプロジェクトを担当することが出来ます。
そこで結果を出せば、さらに大きな仕事というふうに、どんどんステップアップすることが出来ますし、業務を通じて、様々な経験を積むことは、自分を成長させることにもつながるので、成長志向が強い人にとっては、やり甲斐がある環境と言えます。
その反面、社員の自立性を重視する会社なので、自ら成長することを強く求める傾向があり、会社側でキャリア形成をサポートするといったことはありません。
自分から動かないと、せっかくの恵まれた環境を活かすことが出来ないですし、その結果として、評価も落ちることになります。最悪、リストラということもあるので、注意してください。(自主的に動くことが苦手な人にとっては、不向きな会社です。)
ワ―クライフバランスについて
激務が当たり前のコンサルティング業界ですが、そのなかでは、アビームコンサルティングは、ワークバランスが良い部類に入る会社です。平均の残業時間は1ヶ月60時間ほどですが、毎週ノー残業デーを設定するなど、残業時間の削減に取り組んでおり、少しずつ減少傾向にあります。
また、週末出勤はなく、土日をしっかり休むことが出来ます。有休を取得しやすいうえ、長期休暇制度が用意されており、プロジェクトの合間などに、よく利用されています。1ヶ月程度の連続休暇を取得する社員もいるなど、極めて恵まれた状況となっています。
ただし、プロジェクトの状況によっては、長時間残業や土日出勤が常態化してしまうこともあります。また、自分の能力不足などが原因で、仕事が勤務時間内に終わらない場合には、当然、勤務時間を延長して、対応することが求められます。
仕事に対する責任の追求度は、コンサルティング会社なので厳しいです。特に、休暇の取得については、自分の責任を果たしていることが前提の話になるということを、頭に入れておいてください。
女性の働きやすさについて
アビームコンサルティングは、女性にとって働きやすい環境です。性別による待遇差はなく、結果を出せば、順調にキャリアを積み上げていくことが出来ます。
もちろん、これは見方を変えれば、仕事に対する要求水準も、男女平等ということなので、女性だからといって、特別に配慮されるようなことはありません。
一方、産休・育休については制度が整っており、利用率は高いですし、復帰後は、時短勤務を選択したり、負荷が低いバックオフィス部門へ異動したりすることが出来るので、子育てをしながら、無理なく働き続けることが出来ます。
ただし、仕事に対する責任というのは、これまでと同じように厳しく見られるので、会社側から求められる成果を上げ続けなければいけません。特に、出産後も、相応のポジションを維持することを目指す場合には、仕事量・時間ともに、負担が重くなるので注意してください。
(管理職で、育児を両立させている女性もいますが、極めて少数ですし、そういった女性は、おしなべて能力が高いです。)
アビームコンサルティングの転職先としての価値
これまでアビームコンサルティングの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、実力主義での会社なので、向上心がある人にとっては、毎日、やり甲斐を持って、仕事に取り組むことが出来る会社と言えるでしょう。
その反面、結果を求めることに妥協がない会社でもあるので、主体性に欠ける人やプレッシャーに弱い人にとっては、不向きな会社です。また、アビームは、基本的に複数名でチームを組んで、業務を遂行することになるため、単独行動を好む人にとっても、働きづらい環境です。
このように、適性がハッキリ分かれる会社なので、自分にとってどうなのか、入念に見極めたうえで、転職の決断を下すようにしてください。
アビームコンサルティングの中途採用求人の取り扱い実績がある転職会社
最後に、アビームコンサルティングの中途採用求人の取り扱い実績がある転職会社をリストアップしておきますが、彼らは、アビームの社内事情に精通しているので、転職すべきかどうか、決断に迷うようであれば、このあたりの判断について相談してみてください。
客観的な視点でアドバイスしてくれます。もしかしたら、『アビームコンサルティングは止めておいたほうがいい』という判断になるかもしれませんが、その時には、代替となるような企業を紹介してもらうことも可能です。
転職会社が保有する求人数は膨大なものとなるので、アビーム以上に、自分に合う会社が見つかっても、おかしくありません。転職先に希望する条件を伝えれば、それらの条件に合う企業を探してくれるので、ぜひこういったサポートも受けてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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