世界120ヶ国以上に拠点があり、ヨーロッパを代表する多国籍企業の1つであるヒルティは、建設現場で使われるドリルやブレーカー(ハツリ機)、施工アンカーなどの分野で、ヨーロッパ市場で非常に高いシェアを持っています。
その100%子会社である日本法人が、日本ヒルティ株式会社です。日本でのシェアは決して高くはありませんが、建設現場では鋲打機やハンマードリルのことを製品名ではなく、「ヒルティ」と呼ぶなど、業界内での知名度が、非常に高いメーカーです。
確固たる地位を築いているため、事業の安定性も高く、転職を目指すには、良い会社です。このページでは、日本ヒルティの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
日本ヒルティの中途採用求人の傾向
日本ヒルティでは、営業、人事・財務、マーケティング、物流管理といった職種で、頻繁に募集をかけています。営業以外の職種においては、即戦力となる人材を採用する方針を採っているため、実務経験・スキルにおいて、高いレベルが求められることになります。
一方、営業職に関しては、実務未経験でも応募可能ですが、外資系であることもあり、英語力を有する人材のほうが、評価が高くなり、優先的に採用されています。
なお、職種を問わず、マネージャー以上になると、ビジネスレベルの英語力が要求されると考えておいたほうがいいです。
日本ヒルティの中途採用求人は、以下の公式サイトの採用情報ページから確認することができます。
https://careers.hilti.co.jp/ja-jp
ただし、外資系企業にはよく見られることですが、公式サイトでは、世界各国にある求人を一括して掲載しているため、日本での求人が探しにくかったり、求人掲載数が少なかったりします。
そのため、ヒルティの求人を探すのであれば、転職エージェントから求人情報を得るのが、オススメです。
エージェント経由で応募すれば、公式サイト内で見つからないような求人を紹介してもらえることもありますし、面接に通過するためのサポートを受けられるので、何かと心強いです。
このページの最後に、日本ヒルティの中途採用求人の取扱実績がある転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
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日本ヒルティは、自社商品の輸入・販売に特化しているので、研究・開発といった技術系の求人は殆どありません。ただし、商品の導入サポートやメンテナンス、クライアントに対する技術指導を担当するサービスエンジニア、セールスエンジニアを募集する求人は、出てくることがあります。
日本ヒルティの社員の年収・給与制度について
日本ヒルティに勤務する社員の年収ですが、幾つか具体例を挙げると、下記の通りとなります。
- 営業 28歳 男性 年収 610万円
- 営業 30歳 女性 年収 550万円
- マーケティング 32歳 女性 係長クラス 年収 450万円~500万円
- 営業 35歳 男性 年収 550万円
- 営業 38歳 男性 課長 年収 750万円
- 営業 40代 男性 マネージャー 年収 650~750万円
- 営業 45歳 男性 主任クラス 年収 600万円
- 営業 40代後半 女性 本部長クラス 年収 1000万円
給与体系は、職種によって若干違いがあります。まず、営業職の場合、固定給に、営業課インセンティブ・個人インセンティブが付加される形となり、インセンティブ給が約2割と、大きな割合を占めています。
個人目標を達成しても、チーム目標が未達だと、査定がマイナスになり、それほど給与が上がらないため、自分のノルマをクリアすることはもちろんのこと、チームとして結果を出すことが、非常に重要です。
自分の目標を達成出来るような人ほど、他のメンバーが目標を達成することをフォローするといった役割が求められるとも言えるので、協調性やリーダーシップが重要な要素となってきます。
インセンティブ給の基準は、全社員に開示されているため、透明性が高く、社員からも評価されていますが、実際の成績は、担当エリア・商品によって決まる部分もあるため、不公正さが存在すると不満を感じる社員がいるのも事実です。
営業以外の職種については、ジョブランク制が採用されており、評価ランクによって、給与が決まるようになっています。係長・主任クラス、500~600万円、課長クラスで800~900万というのが、一つの目安となります。
ヒルティは実力があれば、速いペースで昇進出来る会社であり、特に、課長までは、ポジションが多いので、比較的、容易に昇進出来ます。(入社3年程度で、課長まで昇進する人が多いです。)
なお、課長以上の役職に就けば、年収1000万円以上が確実に見込めますが、ポジションが少なくなるため、昇進のハードルは高いです。
ちなみに、福利厚生に関しては、ディズニーランドやサマーランドの割引券が利用出来る程度であり、住宅手当や社宅などは存在しないので、あまり期待しないほうがいいです。
そう考えると、日本ヒルティの給与水準は日系メーカーと比較しても、決して高額とは言えません。年収自体は高いのですが、この点は割り引いて考えることをオススメします。
補足)中途採用で入社する時の注意点
中途採用者の場合、前職の給与を反映する形で、年俸が設定されることになるので、同じ役職に就いている人でも、給与に差が出ているのが、現状です。そのため、前職までの経歴・実績というのは、非常に重要な要素となってきます。
ただし、ここは会社側との交渉という要素もあるため、面接の時に、納得がいくまで話をするようにしてください。中途半端に妥協すると、入社後、後々まで影響してくるので、要注意です。
こういった交渉が苦手という人は、転職会社に代行してもらうことをオススメします。彼らはプロなので、交渉術に長けていますし、日本ヒルティの社内事情も把握しているので、うまくPRしてくれます。
交渉ベタの人が自分で進めるよりも、よほどうまくいく可能性が高いので、遠慮せずにサポートを依頼してしまってください。(入社時の年収が高ければ、転職会社に入る仲介料も多くなので、キチンとサポートしてくれます。)
日本ヒルティの成長環境について
人材育成に関するプログラムがいくつか用意されていますが、能力開発に関しては、個々に委ねられているので、社内教育制度については、あまり期待しないほうがいいです。
ただし、個々の裁量が大きく、自分自身で、業務を管理して仕事を進めることになるので、セルフマネジメントスキルが自然に磨かれることになりますし、結果を出すうえでは、自分自身で創意工夫を繰り返すことが必要なので、こういったスキルも身につくことになります。
結果が、給与に直結することもあり、目標や数字に対して、コミットメントする意識も培われることになります。
また、実績を出したうえで、会社側が求める水準をクリア出来るだけの語学力があれば、海外勤務のチャンスもあり、リヒテンシュタインの本社へ転勤する日本人も多数存在します。
帰国した際には、高いポストをもらえることもあり、キャリアアップ志向が強い人にとっては、格好のチャンスと言えます。
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日本ヒルティのマーケティング部門は、非常に優秀であり、実際に働いている人からは、MBA取得と同等レベルのトレーニングと実務経験を積むことが出来るという声が出ています。
同僚のレベルも高く、お互いに切磋琢磨するなかで、様々なマーケティング手法をマスターしたり、戦略志向、リーダーシップ、課題分析力が身につき、その後のキャリアにも役立ったという声も多いです。
マーケティング畑のキャリア形成を考えているのであれば、日本ヒルティは、最適な会社といえるので、ぜひ挑戦してみてください。
ワークライフバランスについて
ワークライフバランスの取りやすさについては、本社勤務と営業職で大きな差があります。本社勤務の事務職やマーケティング部門では、有給休暇が取りやすく、残業も多くありません。
「残業は、定時内に仕事を終わらせられないローパフォーマーのやること」という認識があるため、極力、残業は行わないというのが、社内方針となっており、自分のノルマを果たしていれば、毎日、定時に帰宅することも可能です。
また、マネジメント層でも、夏や年末年始などに2週間くらい休んでいる人が多いので、長期休暇の取得に関しても、気兼ねなく出来ます。
一方、営業職に関しては、やはりハードワークが基本となり、時間を犠牲にしないと売上を上げることが難しいため、拘束時間は長くなりがちです。土曜に仕事をするケースも珍しくありません。
有給休暇を取得することは可能ですが、休むことで実績が減ると、その分が給料に響くため、休まずに働き続けることを選択する人が多いというのが、現状です。
ただし、なかには、上位20%くらいの高成績を上げつつ、プライベートの時間を満喫しているような人もいます。実績主義なので、成果さえ出していれば、スケジュール調整は自由という会社でもあるので、やり方次第では、仕事とプライベートを両立させることは、十分に可能と言えます。
女性の働きやすさについて
日本ヒルティは、外資系ということもあり、男女差別は全くと言っていいほどありません。特に、本社勤務となると、女性社員の比率が高いので、何かと女性にとって働きやすい環境が整っており、その結果として、長年に渡り、ヒルティで働き続けている人が多いです。
就業時間がセミフレックスということもあり、子供がいる女性でも、働きやすいことも、その背景にはあるようです。
産休・育休については、整備されていますが、他社では有給扱いになる産休や育休が、一部無休扱いになることがあるので、この点には要注意です。(ただし、トータルで捉えると、ヒルティで働き続けるメリットがあるということで、休暇を取得したうえで、復帰する人が多いです。)
一方、営業に関しては、建設業関連ということもあり、時には力仕事が必要となるなど、女性にとっては、厳しい職場環境と言えます。
日本ヒルティの転職先としての価値
ここまで、日本ヒルティの就業環境などについてみてきましたが、長所もあれば短所もある会社なので、転職先候補として見た場合の評価は、人によって分かれると思います。自分にとって、満足出来る職場なのかどうか、冷静に見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
日本ヒルティの中途採用求人を扱っている転職エージェント
最後に、日本ヒルティの中途採用求人の取扱実績が豊富な転職会社をリストアップしておきますが、彼らはヒルティの社内事情に精通しているので、自分との相性について、アドバイスを求めるのもアリです。
転職先に希望する条件を伝えれば、それらの条件をヒルティが満たしているかどうか、判断してくれるので、興味がある人は、一度相談してみてください。
また、転職会社は様々な企業の求人を扱っているので、ヒルティ以外に希望条件を満たす会社が存在しないかどうか、調査してもらうことも可能です。もしかしたら、ヒルティ以上に魅力度が高い求人が見つかるかもしれないので、ぜひ調べてもらってください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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