医療機器業界において、第2位の売上高を誇る日本を代表する医療機器メーカー、テルモ。様々な医療用機器の製造を幅広く手掛けていますが、そのなかでも、カテーテル、人工心肺装置などの心臓・血管領域商品群に強みを持ち、世界的にも、高いシェアを確立しています。
近年では、海外の売上比率が年々、上昇しており、その結果として、国内における売上高が僅かながら減少傾向にあるにも関わらず、毎年、売上高・経常利益高を更新しています。
現在の売上高は5000億円を突破していますが、1兆円企業を目指すことを宣言しており、売上高に占める研究開発費の割合を7%に引き上げるなど、開発投資を積極的に行っています。
研究開発者の人員数を、4割増員する計画を打ち出すなど、人材登用についても、拡大の動きを見せており、中途採用に関しても、多数の求人が出ています。テルモへの転職を狙うには良いタイミングなので、真剣に検討することをオススメします。
このページでは、テルモ株式会社の中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
テルモ株式会社における中途採用の求人傾向
冒頭でも触れたように、テルモは研究開発体制の充実化に力を入れていることもあり、中途採用の求人に関しても、研究開発部門からの募集が多くなっています。また、開発技術、生産技術、品質保証、設備技術、医薬品技術等、生産部門からも、複数の求人が出ています。
なお、営業、及び、経理財務、人事、法務、経営企画といった管理部門に関しては、上記の2部門と比較すると、求人の発生頻度は少なめです。これは、新規採用者を育てるという方針が背景にあるためです。
経験豊富なベテランを外部から獲得する必要が出てきた時に、急遽、募集をかけるというケースが多いので、これらの職種での転職を狙うのであれば、こまめに求人情報をチェックすることをオススメします。
なお、応募条件に関しては、いずれの職種においても、実務経験が必須となります。求人ごとに、経験内容・職歴が細かく指定されているので、自分の経歴が条件を満たすものになっているかどうか、個々に確認するようにしてください。
求人情報の入手方法について
テルモの公式サイト内に、キャリア採用情報募集ページが開設されており、こちらから、現在、募集がかかっている職種について、確認することが出来ます。
http://www.terumo.co.jp/company/recruit/career/tech/
また、中途に関しては、民間の転職会社経由でも、募集をかけているので、こちらからでも、求人情報を入手することが可能です。
どちらのルートでも、入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を押さえているので、テルモの求人を、他社の求人と比較してみたいという時には、便利です。
また、転職会社に一度、求職者登録(会員登録)をしておくと、その後は、自分が希望する条件に合う求人が発生した時に、メールなどで通知してもらえるので、自分で求人を探す必要がなくなります。(連絡が来るのを待つだけになります。)
テルモだと、営業部門や管理部門のような、発生頻度が少ない職種の求人をウォッチするのは大変なので、こういった職種での転職を狙う時には、登録しておくと、自分で探す手間が省けて便利です。
このページの最後に、医療機器業界に強い転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
テルモ株式会社の年収・給与制度について
テルモに勤務する社員の年収ですが、幾つか具体的な事例を挙げると、以下のようになります。(職種別に羅列しておきます。)
- MR 30歳 年収500万円
- MRチームリーダー 40歳 年収500万円
- 研究開発 30歳 年収550万円
- 研究開発 30歳 年収500万円
- 研究開発 32歳 年収700万円
- 研究開発 主任 30歳 年収650万円
- 研究開発 課長代理 43歳 年収850万円
- 開発部門 部長 56歳 年収1100万円
- 品質管理 31歳 年収470万円
- マーケティング 主任 32歳 年収700万円
- マーケティング 課長代理 38歳 年収800万円
- マーケティング 課長 45歳 年収950万円
- マーケティング 部長代理 50歳 年収1100万円
- マーケティング 部長 55歳 年収1200万円
- 経理財務 33歳 年収700万円
- 経理財務 課長代理 42歳 年収900万円
- 人事 30歳 年収550万円
基本給は医療機器メーカーとしては、低めの水準となりますが、賞与の割合が高く、毎年、約5ヶ月分が支給されています。営業職の場合には、プラス、日当や営業車手当が付くため、他の職種と比較しても、年収水準が高めとなります。
賞与は年2回の支給となり、業績上位者には、四半期に一度、報償金が別途支給されます。役職ごとに予め給与・賞与の基準があることに加え、毎年の業績次第となるため、支給額には個人差が生じることになります。
昇給については、毎年1回あり、約1万円前後の昇給幅となります。年功序列を基本としつつも、優秀な人材に対しては、伸び幅をアップさせる会社なので、実力と運があれば、若いうちから、かなりのペースで給与を上げることが出来ます。
なお、テルモは、管理職になると、年収1000万円以上が確実に見込める会社です。(役職が上がるに連れて、他社との給与が小さくなる会社です。)
福利厚生については、通勤費、住宅、扶養、単身赴任手当のほか、車購入時に、対象ディーラーを利用することで、割引が受けられる制度があるなど、日系メーカーらしく、充実しています。
特に、テルモの特徴として、結婚後の待遇が手厚く、結婚している人の場合、額面の年収は、未婚者と比較して、大きく上がります。
テルモの人事評価・昇給制度について
テルモでは、計画達成度、本部施策遂行度、上司の判断の3構成による人事評価が行われています。基本的には計画達成度がメイン指標となりますが、この割合は年ごとに、若干の変動があります。
具体的な評価の流れとしては、半期ごとに上司と面談を行い、そこで査定された評価をもとに、本部と各エリアリーダーが集まり、バランス調整を行う仕組みとなっています。
営業職に関しては、仕事の成果が数字に分かりやすく反映されるため、個人差が大きくなりますが、他の部署においては、良くも悪くも突出した評価にはならず、9割以上が平均評価となり、同じ役職の社員間では、給与差が少ないのが現状です。
その一方で、上司の支持を得ていれば、人事部や所属部署に根回しが入り、高評価で昇進しやすい傾向があります。これは、裏を返せば、上司からの評価が低いと、一定以上の計画達成度を残しても、低評価に至ることがあるということです。
結果として、評価基準が曖昧となり、社内政治が横行することになります。結局のところ、上司のさじ加減が根強い点が否めない評価体制となるので、テルモにおいて高評価を得るには、上司との良好な関係性が必須と考えてください。
なお、昇進に関しては主任、課長代理以上の場合には試験があり、それに伴い上司の推薦が必要となりますが、元々、管理職の空きが少ないため、難易度が高く、良くても主任止まりという社員が大半を占めているのが、状況です。
ちなみに、管理職になると給与はかなり増額となりますが、それに比例するかのように、仕事量も増え、膨大なものとなるため、ワークライフバランスを維持するために、敢えて現在のポジションにとどまるという選択をしている社員もいます。
成長環境について
テルモでは、職種別に様々な実務研修が用意されていますし、汎用的なビジネススキルを磨くための研修、及び、自己啓発的なプログラムも存在します。外部研修・セミナー受講に伴う会社からの補助制度も充実しているので、学習環境という点では、申し分なしです。
また、テルモは、個人に大きな裁量を与える会社であり、自分自身で自由に業務を管理することが出来ます。自分から手を挙げれば、色々なことに挑戦さえてもらえますし、仕事の内容、量についても、自分の意志で決められます。
そういった意味では、意欲さえあれば、幾らでも自分を磨く機会が得られる会社ですが、その反面、テルモは少数精鋭で、失敗を許容しない会社でもあるので、責任の追求度には、厳しいものがあります。過度のプレッシャーに耐えきれず、リタイアしてしまう社員もいるぐらいです。
下手な外資よりも、厳しさは上ですが、そこで結果を残せば、さらに大きなチャンスを掴むことが出来ます。結果として、自分が希望するキャリアを構築しやすくなりますし、関心があれば、海外勤務に挑戦することも可能です。
テルモは、医療機器メーカーとしては、最先端の技術を持つ会社でもあるので、この会社で働く過程で得られる経験・知識というのは、業界内において、大きな武器となりますし、ポジションによっては、国内外の研究機関、医療機関とのコネクションを築くことも出来ます。
医療機器業界において、キャリアを形成していこうとするのであれば、テルモは最良の環境と言えるでしょう。
ワ―クライフバランスについて
テルモは、社員のワークライフバランスに関する意識が高い会社であり、就労環境の整備に務めています。有給消化を、積極的に奨励しており、取得しやすいように、人員配置を工夫するなど、施策を打っていますし、残業時間の削減に関する取り組みについても、同様です。
しかし、部署ごとに就労環境に差が出ているのが現状なので、ワークライフバランスを重視する人は、テルモとしてどうということではなく、自分が配属されることが想定される部署の状況について、確認することが重要です。
おおまかな傾向としては、管理部門の場合、会社の方針をそのまま反映していると言える環境であり、オフの時間をしっかりと確保出来ます。毎年、最低でも、有給の半分以上は消化出来ますし、まとめて取得することで、長期休暇を取ることも可能です。
また、介護のための時短出勤制度が用意されているなど、特定のライフタイムイベントに対する支援体制も充実しています。
営業職に関しては、所属部署の状況、及び、直属の上司の方針次第となるため、個人差が大きいのですが、同業他社と比較すると、テルモは休日出勤が少ないうえ、有給の取得率は高めです。
日常業務に関する自己裁量が効く度合いが大きいこともあり、医療機器メーカーの営業マンとしては、かなり恵まれた状況にあると考えて間違いなしです。
一方、開発職に関しては、テルモにおいて、最も激務と言える部署であり、特に近年では、新商品発売に伴う計画達成が優先されているため、残業が多くなっています。意欲がある人、実力がある人に、仕事が集中する傾向があるため、個人差も大きいです。
女性の働きやすさについて
テルモは女性とっては、働きやすい会社と考えて間違いなしです。課長以上の役職に就いている女性社員は、今のところは少なめですが、会社側がダイバーシティの観点から、女性社員の登用に積極的であり、実力があれば、昇進のチャンスは、豊富に存在します。
(男性よりも、女性のほうが昇進の機会に恵まれているので、男性社員から不満の声が上がっているくらいです。)
産休・育休といった育児支援制度も整っており、復帰後には、時短勤務で働くことが出来ますし、1時間ごとに有給を使える制度も利用出来るので、無理なく働き続けることが出来ます。なお、テルモの産休・育休の期間は、他社と比較して長めです。
また、開発職など、残業が多い部署に勤務している人に対しては、一時的に負担が少ない管理部門への異動が認められていたり、結婚に伴い、退職した場合でも、一定の条件をクリアすれば、復職出来るキャリアリターン制度が用意されていたりと、働き方の選択肢が豊富です。
工場勤務や営業部門だと、男性社員の比率が高いこともあり、産後の女性に対する理解が少ない面がありますが、会社側が啓発に努めていることもあり、年々、育児に対する理解が進んでいるので、今後は働きやすくなることが期待出来ます。
テルモの転職先としての価値
ここまで、テルモの就労環境について、様々な角度からお伝えしてきました。短所と言える面もある会社ですが、医療機器メーカーとしては、好待遇ですし、就労環境も良好です。何よりも、社員を大切にする意識が高い会社なので、転職先候補としては、強くオススメ出来る企業です。
会社の業績が安定しているうえ、今後のさらなる成長が期待出来るというのも、大きなメリットです。もちろん、完璧な会社というのはなく、実際、テルモにも欠点は多々あります。
このあたりは個人の価値観次第とも言えるので、自分が求めるものを満たしている企業なのかどうか、じっくり見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
医療機器業界に強い転職会社
下記に、医療機器業界に強い転職会社をリストアップしてありますが、彼らは、テルモの内部事情に精通しているので、より詳しいことが知りたいという人は、直接、連絡を取ってみてください。
なお、転職会社は、様々な相談に乗ってくれるので、テルモが自分に合っている会社なのか、アドバイスをもらったり、テルモ以外の会社の求人で、自分の希望条件を満たすものを紹介してもらったりといったことも可能です。
転職先を決める際には、かなり頼りになる存在なので、うまく活用してください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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