英語を活かして働きたい
こんなふうに考えている人は少なくないと思いますが、この発想だと、仕事を探し出すのは難しいというのが正直なところです。英語というのは、それだけで勝負するのは難しいスキルだからです。
営業、経理、法務というふうに、何らかの実務スキルに組み合わせることで、初めて効果が出るのが語学であり、実務スキルを主、英語を従(脇役)として考えるのが最も自然な形です。
何らかの業務に精通している人=プロフェッショナルだからこそ、『英語が出来る』というのが武器になります。実務をこなす力がなければ、英語だけ身に付けてもビジネスマンとしては、意味がありません。
ここを間違えないことが重要です。
英語が武器となる職業が非常に多い
こんなふうに考えていくと、英語が大きな武器となる職業はたくさんあります。特に専門性の高いプロフェッショナル職だと、英語が出来るというだけで突き抜けた存在になれる可能性があります。
たとえば、企業法務や知財に通じている弁護士・弁理士が、英語が得意で海外企業相手の交渉や海外における特許申請に対応出来るとなれば、引く手あまたです。
技術者やエンジニアもそうですね。英語で現地スタッフに指導することが出来るといった人は、かなりの好条件でヘッドハンティングされています。
技術絡みでいえば、ITは業界全体として、英語が出来る人材が不足しており、需要過多となっています。海外駐在の求人案件だと、技術スキルが多少低くても、英語が出来れば採用されるといったケースもあります。
下記のページに、英語が出来るプログラマーの求人事情が簡単にまとめられていますので、参考にしてみてください。
ちなみに、どこのサイトで読んだのか分からなくなってしまったので、リンクを貼っていないのですが、本来だったら、エンジニアとしては通用しないような実力の人が、英語が出来るというだけで、海外赴任の仕事に就くことが出来たというエピソードもありました。
プログラマーやエンジニアというのは、英語が苦手な人が多く、海外で働くことを敬遠するものらしいので、そういったことも背景にあるようです。
いずれにしても、実務能力そのものでは評価が低くなってしまうような人でも、語学という武器を使うことで、一発逆転が出来るという話です。
英語だけでは無理
ただし、繰り返しになりますが、英語だけでは無理です。幾ら英語が出来るにしても、実務業に関する知識・経験がゼロとなったら、さすがに企業も採用してはくれません。
ちなみに、英語が必要となるということは、海外とのやりとりが発生する可能性が高いので、同じ実務として考えたとしても、日本国内だけで仕事をこなすよりもハードルが上がります。
(考え方や文化背景が違う人とのやりとりは、日本人同士のやりとりよりも大変です。)
ですから、国内だけで働くよりも、より高い実務能力が求められますので、尚更、語学だけでは太刀打ち出来ません。
また、語学スキルの比重が非常に高い仕事=通訳・翻訳等であっても、通訳という実務をこなすためのスキル、翻訳という実務をこなすためのスキルが必要となるので、言葉さえ出来れば通用すると考えるのは間違いです。
語学そのものに関しても、通常の読み書きとは違う次元のスキルが要求されるので、普通に言葉が操れるというだけでは、仕事に就くのは無理です。(仮にネイティブレベルの語学力があったとしてもです。)
このようにみると、結局、英語は職探しをするうえでは、決定的な武器にはならないということです。何らかの仕事において経験を積んで、その分野におけるプロフェッショナルになってこそ語学は活きてきます。
ですから、自分はこの分野のプロと言えるものがない人は、まずは自分が勝負する職業・分野を決めて、そこで経験を積んで、実務能力を高めることが先決です。
これは数年単位で取り組むことですし、一度決めたら、そう簡単に変えることではないので、一生モノの選択として熟慮したうえで決めることをオススメします。