外資系企業の求人を見ると、同業界、同職種の日系企業の求人よりも、給与水準が1~2割高くなっています。そのため、同じ仕事をするなら、外資系企業に転職したほうが好条件で働けるという判断になりますが、もちろん、決してオイシイ話ばかりではありません。
給与が高いのには、それだけの理由があり、その理由のなかには、人によってはマイナスと感じるものもあります。メリットとデメリットがありますが、それらを冷静に見極めて考える必要があります。
収入が高い理由1:仕事が厳しい
外資系企業の給与水準が高い理由は、ここに尽きます。成果主義、実力主義で年齢や性別にかかわらず、仕事の成果に対して評価が下され、本人の収入も決まります。これは逆に言えば、個々の社員に求められる要求度が高いということです。
そのため、仕事はタフですし、人を育てるという発想もないため、自分自身でスキルアップを図り、仕事のパフォーマンスを高めていかなければいけません。
外資系企業に入っても、仕事の成果が悪ければ減給となり、かえって日系企業で働いていた時よりも年収が低くなるということもありますし、それどころか解雇されてしまうこともあります。
収入が高い理由2:成長意欲が高い優秀な社員が多い
こういった背景から、仕事に対する意欲が高く、優秀な社員が集まってくるのが外資系企業です。そういった社員がお互いを刺激しながら働くため、スピード感を持って成長していくことが出来ます。
その結果として、仕事でより多くの成果を上げられるようになれば、それが報酬として返ってきます。(会社の業績があがれば、それも個々の社員の報酬に反映されます。)
ここだけ読めば良い話のように聞こえるかもしれませんが、理由1で述べたように、ノルマも厳しいものになるので、そこに応えられる人でないと、外資系企業で旨みを感じることはないでしょう。
収入が高い理由3: 退職金制度がない
日系企業と違い、外資系企業には退職金制度がありません。また、福利厚生もそれほど充実しているわけではなく、こういったことが給与に反映されているため、結果的に高くなるという要素もあります。
ですから、生涯年収で考えたら、実はそれほどオイシイわけではなかったりもします。
ただし、ここは考え方として難しいところです。日系企業も終身雇用が崩れているので、退職金制度があったとしても、その恩恵をどこまで受けられるのかは微妙です。
そもそも、会社が倒産せずに存続し続けると楽観することが出来なくなってきている時代です。それだったら、退職金分を給与に反映させてもらって、自分で運用するほうがいいといった人もいるでしょう。
福利厚生についても同じような考え方で、そんなものはいらないから、その分を給与に回して欲しいという人も少なくないはずです。こういった人達にとっては、外資系企業の給与体系のほうが満足出来るものになるのではないでしょうか。
自分の能力で勝負したい人に向いているのが外資系企業
結論としては、外資の高収入には、仕事の厳しさとリスクが含まれているということです。
外資系は厳しい、でもそのかわり結果を出せる人は報われるという当たり前の話になってしまいましたが、自分の能力を最大限に活かして勝負したいという人にとっては、魅力的な職場と言えます。
結果に対する要求度が高い反面、仕事の裁量に対する自由度は高いため、自分の思うように働くことが出来ます。全て自分次第ということですね。
こういった考え方に共感出来る人は向いています。
逆に、そんなに収入は高くなくてもいいから、落ちついて働きたいという人にとっては、外資は難しいかもしれません。ただ、何を持って仕事が厳しいと考えるのかは人それぞれです。
ほかの人が厳しいと思っていることでも、案外、自分の性に合っていてスラスラ出来てしまうということもあります。少しでも興味があるのであれば、最初から無理と諦めるのではなく、転職エージェントに話を聞いたり、実際に企業の面接に行ってみることをオススメします。
もしかしたら、新しい可能性が広がるかもしれません。←こういった考え方が出来る人も外資向きですね。