カメラ、ビデオをはじめとする映像機器、プリンタ・複写機などの事務機器、デジタルマルチメディア機器や半導体露光装置などの製造を手掛ける電機機器メーカー、キャノン。1949年の上場以来、通年での赤字を一度も計上したことが無いという盤石な基盤を持っている優良企業です。
日・米・欧の世界三極体制のもとで、グローバル多角化を推進。グループ総売上高のうち、海外の売上比率が約80%を占めるほどになっています。
加えて、キャノンは、海外での特許出願を重視しており、2014年末時点での特許・実用新案の保有件数は、世界全体で約9万2000件。
海外出願に際しては、地域ごとに事業戦略や技術・製品動向を踏まえて、出願戦略を綿密に立て、必要な国や地域を見極めたうえで出願していますが、そのなかでも、ハイテク企業が多く、市場規模が大きい米国での出願に注力しています。
結果として、キャノンは、11年連続で、米国特許の取得件数が最も多い日本企業となっていますが、近年、さらに登録数がハイペースで増加しており、2014年には、日本企業として、初めて4000件を突破しました。
高い技術力を武器に、順調に業績を挙げているメーカーですが、こういった背景から、人材採用の動きは、活発化しており、中途に関しても、様々な職種において、募集がかかっています。
ここ数年、日本国内での、人材獲得競争が激しくなっていることもあり、好条件を提示されるケースが少なくありません。キヤノンへの転職のチャンスは豊富に存在するので、関心がある人は、このタイミングで、真剣に検討することをオススメします。
このページでは、キヤノンの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、社内の労働環境についてまとめていますので、参考にしてください。
キヤノンの中途採用求人の傾向
中途採用で募集がかかる職種は多岐に渡りますが、そのなかにおいて、特に募集頻度が高い代表的な職種を挙げると、下記の通りとなります。
- 複合機、デジタルカメラ、IJプリンター用ソフトウエアー開発
- デジタルオーディオ技術開発
- 映像認識AI技術者
- ビジュアルデザイナー
- 半導体デバイス事業推進
- CMOSイメージセンサ画素開発/半導体デバイスの開発
- 半導体プロセスエンジニア
- 半導体ロジック/アナログ回路設計
- 半導体露光装置エンジニア
- デジタルカメラに搭載されるLSIのハード設計者
- カメラ用交換レンズ開発設計技術者【レンズ光学設計】
- カメラ用交換レンズ開発設計技術者【EFレンズ鏡筒メカ設計】
- カメラ用交換レンズ開発設計技術者【EFレンズ電気設計】
- 光学レンズの加工および組立
- カメラ交換レンズの製造技術
- EFレンズ等の品質保証
- 建物設備の管理技術者
- 特許技術管理(法務)
技術者(エンジニア)を募集する求人が主軸ということになりますが、それ以外では、営業、経理財務、人事、経営企画といった職種においても、募集がかかることがあります。
いずれの職種に関しても、即戦力とみなされるだけの専門知識を有する人材が、求められる傾向にあるので、該当業務に関する実務経験・見識を、豊富に有することが必須条件になると考えてください。
なお、キャノンは、学歴については不問として、気にしない傾向にあります。また、一部の求人については、英語・中国語など、語学スキルが、応募資格に加わることがあります。
求人情報の入手方法
キヤノンから発生している中途採用者向けの求人情報の入手方法ですが、会社の公式サイト内において、採用情報ページが設けられており、そのなかで、『キャリア採用情報』として、中途採用求人の一覧が表示されています。
http://web.canon.jp/employ/info-career/
また、転職会社経由でも、求人情報が公開されているので、そちらから情報を入手することも可能です。
公式サイト、転職会社、どちらでも、入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を押さえているので、キヤノンだけでなく、他社の求人も含めて、比較検討してみたいといった時には、まとめて情報を入手出来るので便利です。
このページの最後に、キヤノンの中途採用求人を扱う代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
キヤノンの社員の年収・給与制度について
キヤノンに勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか収入事例を挙げると、下記の通りとなります。
- 研究開発 30歳 年収700万円
- 研究開発 33歳 年収750万円
- 研究開発 35歳 年収800万円
- 研究開発 32歳 年収750万円
- 研究開発 36歳 年収600万円
- 研究開発 主任 39歳 年収850万円
- 研究開発 主任 40歳 年収900万円
- 生産技術 27歳 年収500万円
- 生産技術 30歳 年収500万円
- 生産技術 33歳 年収700万円
- 生産技術 35歳 年収700万円
- 生産技術 主任 40歳 年収800万円
- 生産管理 30歳 年収550万円
- 生産管理 35歳 年収750万円
- 生産管理 課長代理 40歳 年収900万円
- 商品企画 28歳 年収500万円
- 商品企画 35歳 年収790万円
- 事業企画 28歳 年収550万円
- 事業企画 30歳 年収650万円
- 事業企画 主任 38歳 年収750万円
- 人事 29歳 年収550万円
- 人事 37歳 年収700万円
- 設計 29歳 年収600万円
- 設計 32歳 年収850万円
- 経理財務 30歳 年収600万円
- 経理財務 33歳 年収800万円
給与の特徴としては、基本給、各種手当に加えて、年2回の賞与が支給されるといった構成となります。
キャノンでは、4段階の等級制(ジョブグレード制)が敷かれており、その等級に合わせて、残業代の支給額が変わってきます。賞与は、個人成績と会社業績に連動したものとなりますが、こちらも、等級によって変わります。
例)グレード2の場合
34歳、基本給29.3万円、残業手当60万円、賞与145万円で年収557万円例)グレード3の場合
34歳、基本給38.5万円、残業代60万円、賞与149万円で年収671万円
基本給や賞与の昇給額は、前年の評価によって変わりますが、より細かく言えば、キャノンは、役割給制度であり、等級が上がることで、給与も上がることになります。
先ほども触れたように、キャノンでは、4つの等級が設定されており、大卒、院卒では28歳になると、G3試験という昇進試験の受験資格を得て、この試験に合格すると、G3等級となり、年収が100万ほどアップします。(試験の内容は論文と面接です。)
不合格の場合、等級が上がらないので、給与もいっこうに増えないということになりますが、この試験は合格率が低く、10年以上、合格出来ないという人も、少なくありません。
中途採用の場合、グレード2で入社する場合が多いのですが、まれにグレード3で入社することもあります。グレード2で入社する場合には、いつグレード3の昇進試験が受験出来るのか、確認しておいたほうが良いでしょう。(その後の収入の伸びに直結します。)
福利厚生については、各種社会保険に加えて、企業年金、持株会、共済会、入社時支度金、転勤時支度金、保養所、スポーツ施設、診療所などが用意されています。
中途採用で入社する時の注意点
中途で入社する場合には、前職までの経歴・実績をベースにして、基本給が決まることになります。キャノンの場合には、より正確に言えば、等級が決まり、そこに合わせて、給与額が算出されるという流れになりますが、ここは、交渉次第で変わってきます。
そのため、キャノンから提示された条件に納得がいかない時には、そこで諦めずに、自分の希望条件を伝えて、しっかりと話し合うようにしてください。
ここで妥協してしまうと、後々まで影響を受けることになるので、要注意です。もし、こういった条件交渉を自分で行うのは、気が引けるということであれば、前述した転職会社に交渉の代行を依頼することを、オススメします。
彼らはプロなので、この手の交渉ごとに長けており、うまく話を進めてくれます。自分の希望条件を100%通すというのは難しいのですが、何らかの上積みが為される可能性は十分にあります。
代行してもらうことで、慣れない交渉を実行するストレスから解放されるというメリットもあるので、苦手な人は、最初から任せてしまったほうが賢明です。
※補足
キャノンの場合、具体的な給与額と、等級(ジョブグレード)の二つが、条件交渉の要素となってきます。
等級は上がらないけど、そのなかで給与を増やしてもらう、給与はキャノンからの提示額で据え置きだけど、等級を上げてもらう、あるいは昇格試験の受験時期を早めてもらうなど、様々なパターンの交渉が出来るはずなので、このあたりは、転職会社と相談してみてください。
キヤノンの評価制度について
繰り返しになりますが、キャノンは、4段階のグレード制を採用していますが、同一グレードのなかでも、個人業績に応じて、5段階に分けて評価される形式となっており、最下位になると、基本給の昇給はゼロになります。一方、最上位になると、1万円以上の昇給が見込めます。
この5段階評価は、相対評価となり、上から10、20、30、30、10%の分布となります。上位の等級に上がるためには、3年連続で高い評価を得る必要がありますが、相対評価のため、高評価を得られる人数は、決まっているので、なかなか大変です。
ちなみに、キャノンでは、こういった実力主義の評価制度を導入しつつ、実際の評価には、勤続年数や年齢も考慮されるので、そういった意味では、年功序列の要素も残している企業です。
キヤノンの成長環境・教育制度について
キャノンでは、階層別研修、技能別研修、専門別研修といった社内研修制度が用意されており、タイミングに合わせて、業務に必要な知識・スキルを習得することが出来ます。
ただし、成長環境という視点で見た場合、キャノンの最大の魅力は、現場そのものにあります。たとえば、技術職の場合、キャノンの開発環境は、非常に充実していますし、これまでに蓄積された技術もあるので、普通に日常業務をこなすだけで、技術者として、自分を大きく成長させることが出来ます。
特に、キャノンは、開発効率が非常に高い会社なので、効率良く、仕事を進めていくための手法、及び、効率性を重視する思考が、嫌でも身に付きます。
なお、注意点としては、キャノンは、様々な事業部から構成されている会社ですが、基本的には、一度配属された事業部で働き続けることになるため、その分野のスペシャリストになることが出来る反面、広範囲な分野に幅広く対応出来るゼネラリストになるのは、難しいです。
一方、営業部門や管理部門(文系)で働く人の場合、キャノンの売上の大部分は、海外市場での売上となるため、キャリアのなかで、海外駐在を含めて、海外業務を経験するチャンスに、溢れています。
自分から積極的に手を挙げれば、入社後、早い段階で、海外勤務に移行することも可能です。若いウチに、海外駐在を経験して、現地スタッフを部下に持つ、日本では接する機会がない役員クラスのマネージャーと一緒に働くというのは、貴重な経験です。
キャリア形成上、確実にプラスとなるので、こういったチャンスを、ほぼ確実に得られるというのは、キャノンという会社のメリットです。
また、総じて、キャノンで働く社員はモチベーションが高く、仕事が出来る人間ばかりなので、そのような環境のなかで働けるというのも、大きいです。
当然、プレッシャーもありますが、仕事との向き合い方や業務の進め方など、どんな業界で働くのであれ、通用するような実力が身に付くので、成長意欲が高い人には、キャノンは文句なしにオススメの会社です。
ワークライフバランスについて
部署にもよりますが、キャノンは、ワークライフバランスが良い企業です。残業が少ないうえ、有休の消化率も高いですし、フリーバカンス制度といった、5日連続で休める制度があり、毎年1回利用出来るので、定期的に、まとまった休暇を取ることが可能です。
(キャノンは、7割近くの有休を消化している人が多いのですが、会社としては、全消化を推奨しており、管理職も積極的に有休を取っているので、今後は、ますます、状況が良くなると思います。)
なお、キャノンでは、毎年7~9月の3か月間を、ワークバランス月間としており、この期間内は、始業時間を30分早くして、昼休みを15分短くする代わりに、退社時間が、通常より45分早くなっています。
また、本人や家族の病気などが原因で、突発的に会社を休まなければいけなくなった時には、管理職も含めて、寛容に受け止める風土があり、周囲のサポートを受けられるので、いざという時にも、安心です。
女性の働きやすさについて
キャノンは業種がら、女性社員が少ない会社ですが、かといって、女性が不当な立場に置かれることはなく、女性も男性と同じように活躍出来ます。(パワハラ、セクハラに厳しく対処する会社であり、何かあったら会社が守ってくれます。)
ただ、その裏返しで、女性でも転勤が命じられる機会が多く、何らかの事情で、対応出来ない時には、仕事がルーティーンワーク的なものに、変えられることがあるので、この点は、要注意です。
育児支援体制については、産休・育休といった制度が完備されており、希望通りに取得出来ますし、復帰後には、時短勤務で働くことも可能です。通常勤務だけど、上司との相談のうえで、残業が発生しない範囲内で、負担を軽くしてもらうといった配慮も受けられます。
最近では、女性リーダーや管理職の割合が、どんどん増えていき、女性を育てようという風潮が感じられる会社でもあるので、こうした点においても、キャノンは女性にとって、働きやすい職場であると言えるでしょう。
キャノンの転職先としての価値
日本を代表するグローバルメーカーであり、今も、高い技術力を武器に結果を出し続けている、実力派の企業なので、キャノンには、仕事が出来て、人格的にも優れた人間が集まっており、職場の雰囲気は、非常に明るいです。
仕事の内容、ボリュームについては、厳しい部分もありますが、ビジネスマンとして、自分を成長させたいという人にとっては、むしろ、心地よい状況と言えます。
仕事が多いとはいっても、残業漬けというわけではないですし、休みもしっかりと取れるので、プライベートも充実させながら、働けるような環境です。
給与、賞与、福利厚生などの待遇面も、高いレベルにあるので、転職先候補として検討するだけの価値は十分にあります。
ただし、それだけに、中途採用に関しては、人材の見極めを厳しく行う会社なので、面接に通過出来るかどうかというところはありますが、気にしても仕方がないことでもあるので、興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください。
キャノンの中途採用求人を扱っている転職会社
なお、下記に、キャノンの中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしてありますが、彼らは社内事情に精通しており、面接をパスするために、どんなことに配慮すればいいのか、事前にアドバイスを受けることが出来るので、不安な人は、こういったサポートを受けてみてください。
また、転職会社は、様々な企業の求人情報を扱っているので、キャノンに落ちてしまった時には、他社の求人を紹介してもらうことも可能です。
キャノンに匹敵する、もしくは、それ以上の魅力を感じる求人が出てくる可能性もあります。転職先候補が多いに越したことはないので、ぜひ、他社のことについても、話をしてみてください。
※JACに関する補足
- JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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