保有契約数・保険料収入で業界最大手となる、日本を代表する保険会社、日本生命保険。国内民間最大規模の機関投資家でもあり、国内で上場している企業の約2割に達する601社において、上位10位までの株主になっています。
このことから、バブル時代には日本経済新聞に、『日本株式会社の静かなる大株主』と書かれるほどでしたし、今現在においても、その状況は変わらず、S&Pやムーディーズによる健全性指標において、高い評価を保持しています。
文字通り、国内の生命保険会社のトップと言える、超優良企業ですが、業績が好調に推移していることから、人材採用の動きも活発であり、中途採用に関しても、積極的に募集をかけているので、日本生命保険への転職のチャンスは豊富に存在します。
このページでは、日本生命保険相互会社の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
日本生命保険の中途採用求人の傾向
中途採用で、募集が行われている職種としては、サービスコーディネーター(内勤営業)、ニッセイトータルパートナー(個人営業)、エリアサービスコーディネーター(法人営業)、エージェンシーパートナー(代理店営業)、事務補助スタッフ、医務職員などが挙げられます。
また、経理財務、人事、法務、広報、経営企画、総務といった、管理部門系の職種においても、求人が頻繁に発生しています。
募集条件としては、営業や事務スタッフの場合、高卒以上、管理部門関連の職種では4大卒以上という違いはあるものの、いずれも同業での実務経験などは問われないため、ハードルはそれほど高くはありません。
そういった意味では、誰にでもチャンスがあるので、興味がある求人が見つかったら、ぜひチャレンジしてみてください。(一部、実務経験が要求される求人も存在します。)
求人情報の入手方法
日本生命保険は、公式サイト内に、中途採用希望者向けの専用ページを用意しており、こちらのページにおいて、募集を行っている求人の一覧・詳細について、確認することが出来ます。
https://www.nissay.co.jp/kaisha/saiyo/chuto/
また、日本生命保険は、転職エージェント経由でも、募集をかけており、そちらから、求人情報を入手することが出来ます。
転職エージェントは、公式サイト内には掲載されていない求人を扱っていることがありますし、日本生命の社内事情にも精通しているため、どういった人物が採用されやすいのか、面接を通過するためには、どんな対応をすればいいのかなど、事前に色々なことを教えてもらうことが出来ます。
このページの最後に、日本生命保険の中途採用求人の取扱実績がある転職エージェントをリストアップしておきますが、何かと役立つ情報源となりうる存在なので、転職活動の際には、ぜひ一度連絡を取ってみてください。
日本生命の社員年収・給与制度について
日本生命保険に勤務する社員の給与水準は、完全実力主義の外資系保険会社と比較すると、一歩譲りますが、国内の大企業と比較しても、年収は高めです。
営業と一般職、総合職など、職種により給与体系は異なるので、それぞれに分ける形で、実情について、お伝えします。
営業関連職
- 営業 28歳 年収500万円
- 営業 46歳 年収900万円
- 営業 44歳 年収1300万円
- 営業 副主任 31歳 年収1000万円
- 営業 課長補佐 29歳 年収1000万円
- 営業 課長補佐 30歳 年収1000万円
- 営業管理 52歳 年収1200万円
- 支社 営業 26歳 年収600万円
- 支社 営業 30歳 年収1000万円
営業職の場合、外資保険会社のような、完全歩合制ではなく、最初の数年は固定給が補償され、その後は、業績給優先に変わっていくという形になります。中途採用で入社した時には、その時の年齢や経歴によって、このあたりの条件が異なるので、直接、確認するようにしてください。
給与制度の特徴としては、固定給に関しては、年1回、少なくても数百円程度の昇給があります。残業代・休日出勤の手当については、固定給に含まれるとみなされているので、別途支給されることはありません。
また、業績給については、年2回支給となります。年間目標基準が設定されており、その基準をクリアすれば、翌年の給与は現状維持、基準を大きく上回れば、その実績に応じて、賞与額がアップすることになります。
一方、基準以下となると、給与が下がることになりますし、それが何年も続いたり、あまりにも達成率が低い場合には、自己都合での退職扱いとなるケースもあるので、このあたりは厳しいです。
なお、営業活動に要する経費は、全て自己負担となります。支社単位や営業部単位でイベントを開催する時には、顧客分の参加費も、自分で負担することになるなど、大きな出費が必要となるケースもあるので、実質の手取り額は、見かけの年収よりも、低くなると考えてください。
一般職・総合職
- 営業事務 28歳 年収500万円
- 経営企画 30歳 年収800万円
- 経理財務 31歳 年収550万円
- 経理財務 課長補佐 31歳 年収1000万円
- 運用 副主任 25歳 年収650万円
- 運用 課長補佐 29歳 年収850万円
- 運用 課長補佐 32歳 年収1000万円
- 運用 課長補佐 34歳 年収1000万円
- 事務管理 課長補佐 28歳 年収800万円
- カスタマーサポート 26歳 年収370万円
一般職の場合、職種によって給与体系がハッキリ決まっており、職種ごとの給与差は大きいです。また、基本給はそれほど高くはありませんが、賞与額は、かなり高額になります。
昇給に関しては年功序列を基本として、毎年数千円ずつ上がっていくほか、役職が上がれば、万単位の昇給となります。
そのため、女性であっても、中小企業勤務の中年男性よりも、年収が多いケースが多々あり、主任クラスの役職に就いている女性だと、夫よりも年収が上という人ばかりです。
総合職に関しても、基本的には年功序列で、横並びで上がっていくイメージです。特に30歳前後までは、給与が右肩上がりで増えていき、誰でも30歳で年収 1000万円まで到達しますが、1000万円を超えると、伸びは鈍化していきます。
家賃補助が別途月8万ほど、受けられるなど、福利厚生が充実しているのも、大きな特徴です。
日本生命保険の評価制度について
日本生命保険では、評価制度も、営業職と一般職・総合職で大きく異なるので、それぞれに、分ける形でまとめていきます。
営業職
営業職の場合、実績と勤務態度をもとに、人事評価を行うとされていますが、実質的には、実績が全てとなる、実力主義の評価制度となっています。なお、この実績というのは、評価期間内に獲得した新規契約件数・契約高、及び、既存契約の継続率を指しています。
基本給は、前年度の実績、賞与は前半期の成績をもとに、その額が決められますが、毎月自分の成績が書かれた用紙が各人に配られるため、現状を正確に把握することが出来ます。
査定は年1回行われ、ランクが上がれば固定給も上がりますが、成績が悪ければ、最悪クビになることもあるため、正社員(無期雇用)と言っても、実質的には個人事業主のような立場と言えます。
なお、日本生命保険では、成績優秀者を表彰する場を設けており、多くの人の前で、表彰されることになるため、金銭面だけではなく、名誉がモチベーションになるという人が多いです。
一般職・総合職
一般職や総合職の場合、期初に自分で目標を立てて、期末に、その結果を自己採点したものを上司に提出、その内容を加味して、最終的に上司が査定を下すという形となります。また、上司からの評価に加えて、社内研修での評価も、人事考課に加わることになります。
ただし、年功序列が基本となるため、個人の評価が大きく給与に反映されることはありません。それでいて、給与水準は高いうえ、賞与も高額となるなど、(事務職でも、他社の総合職以上の支給額となります)、かなり恵まれた状況です。
また、営業と異なり、降格も基本的にはなく、雇用の安定性という点でも、抜群です。全員ほぼ横並びで、良くも悪くも日本的な企業と言えますが、働く側からすれば、ウマミがある環境であり、離職率は、極めて低いです。
成長環境について
教育環境・成長環境についても、日本生命保険は、職種によって状況が大きく異なるので、職種別に見ていきます。
営業職
営業職の場合、入社1年目の社員を対象にした、保険の基礎知識、コンサルティング手法、コンプライアンス、ビジネスマナーなど、様々な研修プログラムが用意されており、保険営業の経験がない人でも、これらを利用することで、効率良く、業務に必要な知識を習得することが出来ます。
また、2年目以降にも、各人のスキルに応じたステップアップ研修が行われるため、未経験者でも安心して業務に取り組むことが出来ます。
また、資格取得に関する費用補助制度もあります。(取得者に対してのみ、支給される仕組みとなっており、合格しなければ、自己負担となるので、それが良いプレッシャーとなって、しっかり勉強する人が多いです。)
日本生命保険は、経験不問で、営業マンを募集していることもあり、素人を一人前にするための教育制度が、しっかり確立されています。
一般職・総合職
一般職や総合職に関しても、入社時には入念な育成プログラムが用意されており、特に新卒に対する教育制度が充実しています。また、資格試験や社内試験、社内の勉強会が多いのも、日本生命保険の特徴であり、学びの機会は豊富に存在します。
ただし、内容は社内業務に直結したものとなっているので、他社でも通用するかと言えば、微妙なところがあります。どの会社でも通用するような、汎用的なビジネススキルを身につけたいのであれば、そこは、自分自身の責任で行う必要があります。
なお、日本生命保険では、入社直後から膨大な量の業務を割り振られるため、業務処理のスピードと、仕事の効率を上げるためのスキルが、必然的に上がっていきます。
また、一つの案件に携わる関係者が多いため、仕事を進める過程で、交渉力や調整力が自然に身につくので、そういった意味では、普通に仕事をこなすだけでも、ビジネスマンとして成長出来る環境と言えます。
ワークライフバランスについて
就労環境についても、日本生命保険の場合、職種や所属する部署によって大きく変わるので、別々に捉える必要があります。
営業職
営業職の場合、所属する営業所や上司の考え方にもよりますが、基本的に目標を達成出来ているかどうかで、状況が大きく異なります。
毎月の目標を達成出来ていれば、定時に帰宅したり、自分の好きなように有休を取得したりすることも可能ですが、目標を達成出来なければ、休みなしで営業を行って穴埋めする必要があり、有休など、まず取得出来ないです。(申請しても、却下されます。)
なお、元々、顧客ありきの仕事であるため、アフター5や土日祝日が、メインの稼働時間になるということもあり、家族との時間を取るのは、難しいという一面もあります。
仮にノルマをクリアしているとしても、そこから昇進を狙うのであれば、さらに成績を上げる必要があるので、結局は仕事を優先することになりますし、上級職へとステップアップしていくに連れて、業務負荷が高くなります。
こういった状況なので、プライベートを犠牲することが苦にならないという人でないと、この会社で働き続けるのは難しいでしょう。
(もしくは、最低限のノルマを果たせば良いと、ある程度の割り切りを持って働くかです。こういった働き方を選択すれば、それなりに、プライベートの時間を確保することは可能です。)
一般職
一般職だと、休みが取りやすく、有休の消化率も非常に高いです。殆どの人が、月1回以上、有給を取得しているほか、年1度のアニバーサリー休暇や1週間程度の夏季休暇も取得出来るなど、営業職と比べれば、同じ会社と思えないくらい、休暇制度が充実しています。
残業も少ないですし、水曜はフレッシュアップデーとして、遅くとも18時までに退社することが推奨されています。さらに、年に2回はプラスワンフライデーといって、金曜に有休を取得して、3連休を取得出来るようになっているので、プライベートとのバランスは、非常に取りやすいです。
総合職
総合職の場合、徐々に変わりつつあるものの、長時間勤務を美徳とする雰囲気が残っているため、残業や休日出勤が常態化しています。特に、企画系の業務に就いていると、将来の幹部候補として見られていることもあり、毎日、夜遅くまで働いているのが、現状です。
女性の働きやすさについて
日本生命保険はダイバーシティを推進していること、また女性が多い職場であることから、産休や育休など女性を支援する制度が、しっかり整備されています。ただし、こういった制度を活用出来るかどうかというのは、やはり職種や所属部署によって異なります。
営業職
生命保険の営業ということで、女性がメインの職場です。産休、育休の取得者が多いうえ、復帰後もバリバリ働いている人が多いです。(なかには預けている子供を迎えに行ったあと、会社に子供を連れてきて、仕事を続ける人もいます。)
一方、営業にはノルマがあることや、顧客の時間に合わせる必要から、残業や休日出勤が常態化しているため、子育てとの両立が難しい面もあり、産休育休からの復帰後は、他の部署に異動する人も多いです。
なお、営業職の場合、在籍年数によって、産休育休の条件が多少変わってきますが、1年以上の在席実績があれば、他社よりもしっかりと取得出来るため、安心して休むことが出来ます。
また、配偶者が転勤した時でも、日本生命保険は、全国各地に支社があるため、辞める必要がなく、長期に渡って働き続けられるというのも、大きなメリットです。(このあたりの配置転換には、柔軟に対応してもらえます。)
一般職
子育て、および家庭との両立が最も容易なのが、一般職です。元々、残業が少ないうえ、産休・育休、ファミリーサポート休暇など、様々な支援制度が用意されているので、これらの制度を活用することで、無理なく働くことが出来ます。
将来的には、在宅勤務制度を導入することも検討されているので、状況は、ますます良くなる可能性が大です。
一方、キャリアアップに関しては、女性の管理職も徐々に増えてきているものの、年功序列で、上のポジションが空かなければ、昇進は難しいため、速いペースでの昇進を望む人にとっては、物足りなさを感じるというのが、正直なところでしょう。
総合職
総合職に関しても、産休育休制度が充実していますし、退職しても5年以内なら、復職が可能となるなど、非常に優遇されています。そのため、産休育休からの復帰者は多いですが、キャリアアップに関しては、やはり上が埋まっているため、難しい面があります。
ただし、女性でも男性と同等の立場で、重要な役割を担って働けるので、仕事のやり甲斐という点では、問題ないでしょう。(女性だからといって、不遇になることはないです。)
日本生命保険の転職先としての価値
ここまで、日本生命保険の就労環境について、複数の角度から見てきましたが、同じ会社とは思えないぐらい、部署ごとに環境が異なるので、日本生命という会社がどうこうと言うより、自分が転職を目指す職種=部署の状況について、確認することが重要です。
ただし、日本を代表する生命保険会社なので、条件面では、他社と比較しても恵まれており、保険業界での転職を目指しているのであれば、やはり有力な転職先候補にはなってきます。
この会社がベストと断言することは出来ませんが、少なくても転職を検討するだけの価値は、十分にあるので、ぜひ真剣に考えてみてください。
日本生命保険の中途採用求人を扱っている転職エージェント
最後に、日本生命保険の中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは、社内事情に精通しているので、転職の判断に迷うということであれば、一度相談してみることをオススメします。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。
また、他社の求人と、日本生命保険を比較してみたいということであれば、別会社の求人を紹介してもらうのもアリです。転職エージェントは、保有求人数が膨大なので、自分では想像もしなかった会社を紹介してもらえる可能性があります。
その会社が、日本生命保険以上に、自分に合う会社だったということも起こりえるので、興味があるようでしたら、ぜひ他社のことについても、話をしてみてください。
※JACに関する補足
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