中外製薬株式会社の中途採用事情

中外製薬株式会社の中途採用事情

 

100年近い社歴を持つ、日本有数の医薬品メーカー、中外製薬。2002年にスイスの製薬会社、ロシュの傘下に入ったことにより、研究開発力が増したこともあり、ここ数年、毎年、増収増益を繰り返しながら、最高益を更新しています。

 

世界100ヶ国以上において、自社商品を販売している、文字通りのグローバルメーカーですが、業績が好調なこともあり、求人が活況なので、転職のチャンスは豊富に存在します。

 

このページでは、中外製薬株式会社の中途採用求人の傾向、及び社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。

 

中外製薬株式会社における中途採用の求人傾向

中外製薬では、中途での人材登用に積極的に力を入れています。募集対象となる職種は、多岐に渡りますが、特に、臨床監査担当、病理評価担当、薬事担当、アプリケーション管理等、研究開発部門関連の求人が多くなっています。

 

開発部門以外では、MR、マーケティング、広報、経営企画、経理財務、人事、法務、生産管理、品質管理、物流管理、カスタマーサービスといった職種において、求人が出てくることがあるのですが、研究開発関連の求人と比較すると、数は少なめです。

 

応募条件に関しては、いずれの職種についても、即戦力となる人材を採用することを人事方針としているため、該当業務に関する知識・経験を豊富に有することが、絶対条件となります。

 

また、職種によっては語学力も必須要件となり、ビジネスレベルの英語力(TOEIC700点以上に相当するスキル)が、要求されるケースもあります。

 

いずれにしても、未経験者の応募は不可となりますが、管理部門系の職種に関しては、前職の業種が不問とされることが多いので、他業種からの転職は可能となります。

 

求人情報の入手方法

公式サイト内に、キャリア採用ページが開設されており、新規求人が発生した時には、そちらのページに募集要項が記載されることになるので、こまめにチェックしてください。
https://www.chugai-pharm.co.jp/recruit/career/index.html

 

また、中外製薬は転職会社経由でも、中途採用の募集をかけているので、メディカル業界に強い転職会社に問い合わせるというのも、有力な方法となります。

 

転職会社は、様々な企業の求人を保有しているので、複数の企業の求人を比較したい時には、とても便利な存在です。このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。

 

中外製薬の年収・給与制度について

中外製薬に勤務する社員の年収ですが、幾つか具体的な事例を挙げると、以下のようになります。(職種別に羅列しておきます。)

 

中外製薬の社員年収

  • MR 30歳 年収800~900万円
  • MR係長 35歳 年収850万円
  • 営業 26歳 年収650万円
  • 営業 30歳 年収700万円
  • 営業 35歳 年収800万円
  • 研究 30歳 年収 600万円
  • 研究開発 30歳 年収700万円
  • 研究開発部長 45歳 年収1500万円
  • 臨床開発 32歳 年収800万円

 

基本給は同業他社(大手製薬会社)と、ほぼ同水準ですが、手当が多いため、給与総額は、やや高めと言えるレベルにあります。賞与は年2回支給されています。会社の業績に連動するものなので、毎年、変動しますが、社員間での格差はなく、ほぼ同一額となっています。

 

中外製薬の給与体制は、年齢別で異なり、30歳までは横並びの昇進で、給与についても、一定額までには、誰でも到達出来ます。たとえば、営業職だと、年収700万円までは確実です。

 

研究職や管理部門関連の職種については、営業より給与が低くなる傾向がありますが、それでも大手企業の平均並みの年収は確実に得ることが出来るので、悪くない状況です。

 

一方、35歳以降になると、職種ごとに細かく区割りされたステージ制が適用されるようになり、昇格試験をクリアして、ステージが上がるごとに、給与が上がる仕組みとなります。同一職種・同年代の社員間でも、200万円前後の年収差が生じるなど、実力主義の給与体系となっています。

 

中外製薬の人事評価・昇給制度

中外製薬では、直属の上司と面談して、日頃の業務と行動について確認した後、上司・及び部門長が査定を下すという評価制度が導入されています。

 

この評価は、昇進試験の受験資格に直結しており、高評価を得ないと、受験するチャンスすら得られません。また、昇格は試験に合格したうえで、上司と部長の推薦を受けることが条件となるため、結局のところ、上司の意向に大きく左右される評価体制となります。

 

昔から、上層部に気に入られた人材が年功序列で昇格する傾向が強く、今も根強く残っていますが、その反面、社員の早期抜擢制度が導入されたり、昇格レベルによっては筆記試験を必要としないように制度変更がなされたりするなど、徐々に評価体制が変わってきています。

 

今後は、ますます、実力主義に移行する可能性が大ですが、いずれにしても、昇進に関しては、狭き門となっているので、中外製薬において、昇進を望むのであれば、上司と良好な人間関係を構築すること、仕事で実績を出したうえで、その結果をアピールする力が必須と考えてください。

 

なお、昇給に関しては、定期昇給があり、人事評価にかかわらず、全員一律で、一定額が上がる仕組みとなっています。また、賞与についても、先ほども触れたように、会社の業績に連動したものとなるため、個人評価の影響はありません。

 

成長環境について

中外製薬は社員教育に熱心な会社であり、語学、ビジネススキル、専門知識等、様々な研修プログラムが用意されています。

 

ただし、中外製薬は社員の主体性を重視しているため、実際の受講に対しては、会社として強制することはなく、自分から受講を希望する人のみに受けさせるというスタイルを取っています。

 

受講を希望した場合、ほぼ確実に受講させてもらえますし、その場合、仕事に支障が来さないように、上司がフォローするなど、手厚いサポートも受けられます。

 

逆に、自分から手を挙げなければ、こういった教育の機会が与えられることは一切ないので、個人の意識の違いによって、差が大きくなっているのが実情です。

 

なお、中外製薬の主体性を重視するという社風は、日頃の業務・キャリアにも反映されており、意欲が高い社員に対しては、若いうちから積極的にリーダーを担当させ、マネジメントスキルを身につけさせるようにしています。

 

複数のプロジェクトを同時に管理するといったことも可能であり、短期間で多種多様な業務を経験して、様々なスキル・知識を磨くことが出来ます。

 

また、ジョブチェンジ制度を活用したり、ロシュの社員と交流したりすることも出来るようになっているので、こういった機会を通じて、多角的に能力開発を図ることも可能です。

 

このように、中外製薬は、やる気がある人にとっては、自分を成長させるチャンスに溢れている会社なので、キャリア志向が強い人にとっては、このうえない環境と言えるでしょう。

 

ワ―クライフバランスについて

中外製薬は、就労環境が良好な会社です。社員のワークライフバランス維持に対する意識が高い会社であり、フレックス勤務、在宅勤務、裁量労働制など、社員が自らの働き方を自由に選べるように、制度設計がされています。

 

また、それぞれの部門長が、部下のワークライフバランスに配慮するように、定期的に研修を行い、意識作りを行っているほか、部門長に丸投げするのではなく、会社としても、仕事の割り振り、人員調整といったことを通じて、ワークライフバランスを維持出来るためのサポートを行っています。

 

そのため、無駄な残業や休日出勤は一切ないですし、有給の取得率も高くなっています。また、有給とは別に、一定のタイミングで、連続休暇が取れるようになっているので、オンとオフの切り替えがしっかり出来ます。

 

(さらに、中外製薬では、35歳と45歳になったタイミングで、約2週間の長期休暇が取得出来る制度も用意されています。)

 

営業部門においては、講演会等に伴う土日出勤などで、年間休日が少なくなってしまう傾向がありますが、裁量労働制となっているため、日頃の仕事のスケジュールは自由に調整出来るので、2~3日のまとまった休みを取るなど、うまく時間配分をしている人が多いです。

 

女性の働きやすさについて

中外製薬は女性にとっては、働きやすい会社です。女性の社員比率が高いこともありますが、仕事の内容や待遇面で、差別されることはないですし、評価に関しても、男女平等です。

 

管理職においては、男性が圧倒的に多いのですが、近年、会社側が女性の管理職登用に積極的であり、育成プログラムを強化しているため、女性マネージャーの数が増えつつあります。

 

意欲が高い女性をバックアップする体制が整っているので、キャリアを目指す女性にとっては、理想的な環境と言えます。

 

また、中外製薬は、育児支援体制が充実している会社でもあります。産休・育休はもちろんのこと、復帰後には、本人の希望に応じて、フレックス、時短勤務、在宅勤務制度が利用出来るようになっています。

 

また、MRなど、忙しい部署に所属している人の場合、仕事量が少ない部署へ、一時的に異動してもらうといったことも出来るので、無理なく、仕事と育児の両立を図ることが出来ます。そのため、多くの女性社員が育休の取得後、復帰しています。

 

(中外製薬は、女性に対する配慮は他社より抜きん出たものがあり、その証拠として、『なでしこ銘柄』、『プラチナくるみん』の認定を受けています。)

 

なお、製薬会社のMRとなると、結婚・出産を機に辞める人が多い職種ですが、中外製薬は、時短勤務の取得や社内結婚に伴う同居サポート、接待における上司同行の義務付け等、離職防止に務めているため、職場復帰する女性が多く、長く働き続けることが出来ます。

 

ただし、子育てを優先すると、こなせる仕事量は減ることになり、出世からは遠ざかることになるので、残念ながら、子育てとキャリアを同時に追求するというのは、現時点においては無理な状況となっています。

 

(子育てが一段落した後、第一線に復帰して、そこから、再度キャリアを追い求めるということは、可能な会社です。)

 

中外製薬の転職先としての価値

給与水準が高い製薬会社のなかでも、中外製薬は高い部類に入りますし、福利厚生が充実しているため、待遇面で見た場合、かなり魅力的な転職先候補になると思います。就労環境が良いので、ワークライフバランスを重視する人にとっても、満足出来る会社と言えるでしょう。

 

また、自分から手を挙げれば、幾らでも成長出来る機会を得られるので、この業界において、キャリアを追求することを考えている人にとっても、中外製薬で働くというのは、将来につながる正しい選択と言えるでしょう。

 

あえて欠点を挙げるとすれば、人事評価制度は年功序列と、いかに上から気に入られるかという要素が強いため、実力主義の競争環境を望む人にとっては、不満を感じやすい職場だと思います。ただし、ここも改善傾向にあるので、今後には期待出来ます。

 

こうやって見てみると、あまりマイナスになる要素がない会社ですが、誰にでも合う完璧な企業というのは存在しないので、本当に自分が求めるものを満たしているかどうか、慎重に見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。

中外製薬の中途採用求人を扱っている転職会社

下記に、中外製薬の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは、社内事情に精通しているので、より詳しい情報を知りたい人は、直接問い合わせてみてください。

 

また、彼らは、様々な企業の求人情報を押さえているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。他社と比較することで、中外製薬のメリット・デメリットが、さらにハッキリしますし、もしかしたら、中外製薬以上に、自分に合う会社が出てくるかもしれません。

 

転職先を決める際に、選択肢が多いに越したことはないので、ぜひ他社のことについても、聞いてみてください。

 

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。

 


転職を目指す会社が決まった場合、年収などの条件交渉を代行してもらうことも出来ます。年収アップに成功するケースが少なくないので、ぜひこういったサポートも受けてみてください。